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1 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 21:42:50.54 ID:skRAiviW0 [1/45回(PC)]

纏め様
ttp://nanabatu.web.fc2.com/boon/jintai_jikken.html#dokuo

纏めきれず、残り四話です
2 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:43:57.61 ID:poj4wPQa0 [1/9回(PC)]
wktkwktk
3 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 21:44:40.42 ID:skRAiviW0 [2/45回(PC)]

ブリーフィングルームは緊迫した空気に包まれていた。

( ФωФ)「誰か、名案はないかな」


誰も生きて帰してはならないという急な達しが出たのは、
レモナがドクオたちと出会うよりも少し前である。


神様の願いを叶えるために、イーヨウの脳波を操って彼にハインの首輪を使わせた。
また既に首輪が外れているレモナを彼に狙わせたのも、意図的な操作だ。

しかし半分まで人数を減らしたのはいいが、このままでは実験をクリアする者が出てしまう。


神様が望む楽園とは死にもがき苦しむ人間の浅ましさで溢れた場所。
人のエゴで充ち満ちた天国である。



研究員4「ロマネスク様、恐れながら提案が―――」


今更ルールを変更することはできない。

ロマネスクは最後の賭けとして、
生きたいと信じる力―――もとより人が持っているはずの生命力を信じることにした。
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:46:16.15 ID:ju8fZs1g0 [1/1回(PC)]
人体実験?
人体実験じゃないか!懐かしい!
5 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 21:46:27.83 ID:skRAiviW0 [3/45回(PC)]






第二十九話

  「希
   望のハコ」




6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:48:34.91 ID:BDY/XPqE0 [1/2回(PC)]
支援だ
まとめ切れなかったら残り四話じゃなくて四十話でもいいのよ?

最後辺り年表になりそうだけど
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:48:41.32 ID:poj4wPQa0 [2/9回(PC)]
支援だ!
8 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 21:48:52.85 ID:skRAiviW0 [4/45回(PC)]


――7:02 ロデオ・スーパーマーケット――



 「お前…生きていたのか」


(メ゚A`)「え?」


空爆の煙が空に立ちこめ、雲の間から差し込む僅かな陽光さえ邪魔している。

またドクオたちのいるスーパーは、もちろん電気が通っていないので
奥に進めば進むほど薄暗くなっていた。


(メ;゚A`)「あ……」


背中から聞こえる低く重みのある声に、ドクオは心当たりがある。
9 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 21:52:17.01 ID:skRAiviW0 [5/45回(PC)]





(メ`ωメ)





(メ;゚A`)「ブ…!」



(メ;゚A`)ミセ;゚ー゚)リ「ブーン(さん)!」



振り返ると、既に懐かしささえ感じる巨躯を持ったブーンの姿が、
スーパーの薄い闇の中に浮かび上がっていた。

ドクオの背中に当てられていたのは、拳銃ではなくただのブーンの二指であった。


(メ*゚A`)「やった…やったー!」
10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:53:09.76 ID:HQYW2iEH0 [1/6回(PC)]
支援
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:54:21.48 ID:AnWo8yqA0 [1/1回(PC)]
ブーンが来ただけでこの安心感・・・!
12 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 21:54:23.34 ID:skRAiviW0 [6/45回(PC)]


(メ`ωメ)「……」

(メ*゚A`)「やっと会えた…! これで助かる!」


ブーンは一定の距離を置きながら、
嬉しさで舞いでも踊りそうな様子のドクオを見つめている。

彼が無言、無表情でいることの違和感に気がついたのは、ミセリが先であった。


ミセ;゚ー゚)リ「……」


(メ*゚A`)「あの、会えてよかったです。俺もしかしたらもう会えないかと…」


無防備に近寄ろうとしたドクオに対し、ブーンは極めて鋭敏な反応を見せた。
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:55:39.55 ID:poj4wPQa0 [3/9回(PC)]
お……?
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:56:01.97 ID:VsQnzx+U0 [1/4回(PC)]
え・・・
15 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 21:56:12.06 ID:skRAiviW0 [7/45回(PC)]


(メ;゚A`)「――え!?」


ドクオはリボルバーを持っていた右手を掴まれ、捻られながら床に転ばされた。

彼の手から離れたリボルバーは、床に落ちる寸前にブーンのもう片方の手で
器用に受け止められる。

間接を極められながら床に押し倒された時には、ドクオの頭にリボルバーの銃口が向いていた。
体が反応する隙すら与えてくれない程の早業であった。


(メ;゚A`)「え? え? あ…俺です! ドクオです!」

(メ`ωメ)「ああ。知っている」

(メ;゚A`)「なっ…!」


ミセ;゚ー゚)リ「ちょ、ちょっと何するのよ!? 仲間じゃなかったの!?」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:56:16.58 ID:tzqejahN0 [1/1回(PC)]
待ってた!支援
17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:56:38.41 ID:UCOI13xO0 [1/4回(PC)]
支援支援
18 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 21:57:17.51 ID:skRAiviW0 [8/45回(PC)]

(メ`ωメ)「仲間とは何だ?」

ミセ;゚ー゚)リ「は…?」

(メ`ωメ)「俺とお前たちは、はぐれた時点で仲間ではない」


(メ;゚A`)「な…何言ってんすか!? ぐっ…」

彼から逃れようと力を入れるが、圧倒的な腕力によってねじ伏せられた。
これ以上無理をすれば、間接が外れるか骨が折れてしまいそうだ。


(メ`ωメ)「俺と仲良しクラブでもやってたつもりか?
      こっちはボランティアで闘ってんじゃねえんだよ」


(メ;゚A`)

ミセ;゚ー゚)リ「そんな…!」
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 21:57:41.16 ID:UCOI13xO0 [2/4回(PC)]
ブーン△
20 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:00:00.38 ID:skRAiviW0 [9/45回(PC)]


(メ`ωメ)「動くな」

ミセ;゚ー゚)リ「っ……」


駆け寄ろうとしたミセリに躊躇無く銃口が向けられる。
下手なことをすればすぐにでもブーンは引き金を引きそうだった。

実際の所、彼はこのような状況下で引き金を引く覚悟をしている。


(メ`ωメ)「俺を何だと思ってる。
      ただのお人好しなら、どうやって十四回も実験をクリアしたんだ。
      あまり俺を舐めるな」


(メ;゚A`)「ぶ…ブーンさ…」

(メ`ωメ)「質問がある。答えろ」
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:00:58.34 ID:VsQnzx+U0 [2/4回(PC)]
あぁハインとレモナのあれか
22 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:02:33.51 ID:skRAiviW0 [10/45回(PC)]

場を支配していたのは完全にブーンだった。

銃を奪われ、体の自由が利かなくなったドクオと、参加者中トップクラスで
戦闘能力の低いミセリが、幾千の戦場を勝ち抜いたブーンに適うはずがない。


場合によっては、イーヨウを相手にするよりも勝算が低いだろう。


(メ`ωメ)「ミセリの首輪を外すのに使った鍵は、誰の首輪だ」


(メ;゚A`)「それは……」

(メ`ωメ)「一人ずつ聞こう。ドクオ、俺にだけ聞こえるように言え。
      もしも何らかの合図をミセリに送った場合、お前の足を撃つ」

(メ;゚A`)(本気かこの人!)


ブーンの様子を見る限り、これが何らかのジョークや、
もしくはショボンが行ったようなテストとは思えなかった。
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:04:41.26 ID:poj4wPQa0 [4/9回(PC)]
おいおいブーンさんよぉ……
24 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:04:50.15 ID:skRAiviW0 [11/45回(PC)]

ブーンは撃つ覚悟を決めている。

とにかくここは正直に答える以外の選択肢はない。


(メ;゚A`)「―――……」


(メ`ωメ)「よし。次はミセリだ。答えろ」

ミセ;゚ー゚)リ「…に、ニダーの、首輪です」

(メ`ωメ)「では次の質問だ。どちらが答えてもいい。どうしてニダーを殺した?」


(メ;゚A`)「殺さなきゃ…殺されてた!」


一瞬の間が開いた後、必至な形相のドクオが叫んだ。
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:06:21.00 ID:HQYW2iEH0 [2/6回(PC)]
支援
26 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:06:37.41 ID:skRAiviW0 [12/45回(PC)]


(メ`ωメ)「先に襲ってきたのはニダーで、おまえらの傷はその時の戦いによるものか」

(メ゚A`)「あ、ああ」

(メ`ωメ)「どうやってあいつを倒した」


ドクオは覚えている限り、正確に説明した。

ニダーと闘っている時の様子は、ミセリにも話していなかったので、
彼女にとっても初めて聞く話であった。


(メ A )「……」

(メ`ωメ)「包帯は傷を負ったあとに見つけてきたのか? そのリボルバーは……」
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:08:15.00 ID:UCOI13xO0 [3/4回(PC)]
支援支援
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:08:22.59 ID:wXlR4hsmO [1/1回(携帯)]
支援
29 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:08:30.17 ID:skRAiviW0 [13/45回(PC)]

説明している途中に、様々な記憶が蘇ってきた。

今はもうこの世にいない、死んでしまうには惜しい者たちの命の軌跡が
再び脳内に浮かび上がる。


(メ A )「こっ、この…包帯は………――――」


言葉につっかえた。
口を開こうにもあごが震えてしまい、また言葉の端々から嗚咽が漏れていた。

早く説明しなければならないのに、どうしても言葉にならない。


(メ;A;)「これ、は――――」


本来命を抱えて生きられるほど、人の背中は広くない。
背中を押しつけるブーンの重圧以上に、彼らの記憶がドクオに重くのしかかっていた。
30 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:10:44.79 ID:skRAiviW0 [14/45回(PC)]


(メ`ωメ)「……」


(メ;゚A`)「……?」


ブーンはドクオから手を離し、近くの倒れた棚の上に腰を下ろした。

(メ`ωメ)「大体わかった。もういい」


(メ゚A`)「え?」

あまりにも唐突な解放に、疑いの目を向けることしかできない。

そろりそろりと慎重に立ち上がり、煙草を吸い始めたブーンと距離を置いた。


ミセ;゚ー゚)リ「大丈夫?」

(メ゚A`)「うん…」
31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:11:47.96 ID:poj4wPQa0 [5/9回(PC)]
支援
32 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:12:26.18 ID:skRAiviW0 [15/45回(PC)]


(メ`ωメ)「すまなかったな」

ドクオのリボルバーを片手で回しながら、優雅に煙を吐き出すブーンにいささか怒りを覚える。


ミセ;゚-゚)リ「人のこと、そんなに信用できないの?」


(メ;゚A`)「お、おいっ」

(メ`ωメ)「できんな。俺の傷を見てみろ」


ブーンはドクオと同じで、上半身に衣服を身につけていない。

トライバル模様に似たタトゥーが両腕を走り、体の前面にも形容し難い模様の墨が入っている。
体中に墨を入れている理由は、傷を覆い隠す為でもあった。
33 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:14:41.31 ID:skRAiviW0 [16/45回(PC)]


(メ`ωメ)「何度も信じ、何度も裏切られた。その度に殺されかけ、その度に殺してきた」


(メ;゚A`)ミセ;゚ー゚)リ「……」


(メ`ωメ)「だから俺は他人を信じない。他人に期待しない。
      自分を信じて生きることにした」

ミセ*゚-゚)リ「……言いたいこと、わかるけどさ。何かそれって」


(メ`ωメ)「空しい―――とか、そういうことを言いたいんだろ?」


次に言おうとしていた言葉を先に言われ、動揺が隠せないミセリの前で、
ブーンは冷めた表情を見せた。


(メ`ωメ)「当たってはいる。だが、それが今俺たちのいる場所だ」
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:16:06.04 ID:VsQnzx+U0 [3/4回(PC)]
ブーンの2回目の人体実験とかは初々しさが漂ってそうだな
35 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:16:56.27 ID:skRAiviW0 [17/45回(PC)]

(メ゚A`)「…場所………」


(メ`ωメ)「生きて帰れたら、お前たちのいるべき場所へ帰れたら、他人を信じればいい。
      本当の仲間ってやつを探せばいい。だが忘れるな」

(メ`ωメ)「いずれにしろ、自分を信じられない奴から死んでいくんだ」


雨は完全に止み、今は微かな風音と、耳障りな爆発音が断続的に聞こえてくるだけだ。
まだ命の保証は何も無いのに、少し時間が緩やかになってきている気がした。


(メ`ωメ)「とりあえず」

(メ゚A`)「!」


リボルバーの弾を確認したあと、ブーンは無造作にドクオへ投げ返した。
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:17:18.28 ID:F/zYtZDA0 [1/1回(PC)]
人体実験初参加の頃のブーンと比べるとすげえ変わりようだ
37 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:20:31.50 ID:skRAiviW0 [18/45回(PC)]


(メ`ωメ)「色々と訊きたいことがある。ゆっくりでいい。教えてくれ」


他人を信じるなと言っておいて、リボルバーは返してくれる辺り、
この人は結局いい人なんじゃないかとドクオは考えた。

この単純さをブーンは気に入ったのかも知れない。


(メ゚A`)「わかりました。質問っていうのは…?」


(メ`ωメ)「そうだな、まず……そのリュックには何が入ってるんだ?」

床に放り出された薄いリュックサックが興味を引くようで、
彼の片目がぎらぎら光っているのがわかった。


(メ゚A`)「赤のハコの地図と、探知機が入ってます」
38 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:22:38.21 ID:skRAiviW0 [19/45回(PC)]

(メ`ωメ)「探知機か! いいものを持っているじゃないか」

(メ;゚A`)「あ…でも、すいません。電池が無くて動かないんです。
     そういえば、ブーンさんも探知機は持っていたんじゃ?」


(メ`ωメ)「いや、あれは壊れてしまって……、まてよ」


電池という単語を聞いたとき、以前にも何処かで電池を意識したことがあるような気がし、
思考が目まぐるしく動く。

一体何処で、どういう状況で自分は電池について考えたのか。
考えている内に、自然と手がポケットの中へ伸びていった。


(メ`ωメ)「…………ある」

(メ゚A`)「はい?」


ポケットをまさぐっていたブーンの手に、電池が握られていた。
39 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:23:34.76 ID:skRAiviW0 [20/45回(PC)]


(メ;゚A`)「で、電池!」

ミセ*゚ー゚)リ「使えるの!?」

(メ`ωメ)「ああ。俺が持っていた探知機の電池だ。
      何かに使えるかと思って取っていたんだが……くくく、運がいいぜ、俺たち」


ブーンに探知機を渡し、起動させる。

雨に濡れて回路がショートしているかもしれないというのが最も怖かったが、
新たなバッテリーを手に入れた探知機は問題無く起動した。


(メ゚A`)「使えますか?」

画面を見つめているブーンの眼差しが、さっと曇る。

ドクオもミセリも、彼の表情が変化した理由がとっさにわからなかった。
40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:23:45.25 ID:ysZjIK2S0 [1/4回(PC)]
支援
41 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:24:47.43 ID:skRAiviW0 [21/45回(PC)]


(メ`ωメ)「…ドクオ、少しずつでいいんだ。教えてくれ」


ブーンは探知機の電源を落とし、また近くの棚に腰を下ろして、煙草を手に取った。
先ほどの表情とは打って変わって暗い面持ちでいる。


(メ`ωメ)「今、誰が死んで、誰が生き残っているんだ…答えてくれ。
      お前の知っている限りでいいんだ」

(メ;゚A`)「……」


(メ`ωメ)「探知機には、俺たちを含めて三つの光点しかなかった。
      3グループしかいないってことだ。もう五人しか生き残っていないのかもしれない」


彼が探していたハインとレモナは死んだ。この状況下ではしぃも―――絶望的だ。


説明するのが憚られた。こうやって口に出すことさえ辛いのだから、
命を背負って生きる彼の覚悟がどれほどのものか、ドクオはその一端を今また感じていた。
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:26:58.16 ID:poj4wPQa0 [6/9回(PC)]
支援
43 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:27:17.74 ID:skRAiviW0 [22/45回(PC)]

――7:04 ウェリントン――


一軒家のガレージの中で、大の字になって仰向けに寝転ぶモララーと、
その傍で心配そうに彼をのぞき込むしぃの姿があった。


大きめのガレージで、車なら五台は横に並べておけそうなスペースがある。
シャッターが開いたままになっているのは、電力が届いていないのと、
人力でシャッターを下ろすほどの体力さえ尽きていたからである。



( ; ∀ )「ハァ……………ハァ……………ハァ……………」

(*;゚ー゚)


逃げている途中で弾を撃ち尽くしてしまい、
空になった銃すら追ってくるセブンに投げつけていたので、武器はもう無い。
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:29:18.25 ID:HQYW2iEH0 [3/6回(PC)]
四円
45 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:30:05.77 ID:skRAiviW0 [23/45回(PC)]

無理をした代償は大きく、折れたあばらの部分から広がった痛みが全身に回り、
指一本動かしても苦痛を感じるほどである。


だが、とにかく逃げ切った。


体力は尽きたが、命は尽きていない。
未来の可能性があるということは、希望はなくしていないということだ。



(*;゚ー゚)「…おじ、ちゃん」

( ;・∀・)「……おじちゃんなんて、歳じゃねえ」

(*;゚ー゚)「だいじょぶ…?」

( ;・∀・)「…るせえ………黙れ」
46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/12/23(金) 22:30:53.67 ID:CltSCqP90 [1/4回(PC)]
モララー逃げ切ったか
47 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:31:30.45 ID:skRAiviW0 [24/45回(PC)]

まだ意地も残っている。


( ; ∀ )(負けねえ…誰にも)


しかし、呼吸が整い始め、痛みが和らいでいくと共に、首元の圧迫感が気になった。
指を入れて確認するまでもなく、縮みゆく首輪によって確実に気道が狭まっているのがわかる。

時間がないことは明白であった。


( ;・∀・)(次のヒントが、おそらくクリアの鍵。
      だが首輪を外さないことには、俺もこいつもおだぶつだな…)


( ・∀・)

(*゚-゚)「お腹空いたぁ…」

( ・∀・)(いや…こいつの首輪を使えばいいんだ。クソが。血が頭にまわらねえ)
48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/12/23(金) 22:32:41.21 ID:yKSMKSlq0 [1/1回(PC)]
待ってたぞ
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:33:04.21 ID:poj4wPQa0 [7/9回(PC)]
モララーはしぃを殺すのか……?
50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:33:53.63 ID:K5ESOZbd0 [1/3回(PC)]
きたか
51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:34:06.40 ID:ysZjIK2S0 [2/4回(PC)]
支援
52 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:34:18.36 ID:skRAiviW0 [25/45回(PC)]

今モララーの中に相反する二つの感情が存在する。

貪欲に生きようとする自分と、誇り高い自分。
どちらが本当の自分なのか―――そもそも、本当の自分とは何なのか。


( ・∀・)

(*゚-゚)

( ・∀・)「生きたいか…ガキ?」


(*;゚-゚)「えっ?」

( ・∀・)「もう一度…普通の生活に、戻りたいか?」

彼がまともに話しかけてきたのは、もしかすると初めてのことかもしれない。


(*゚-゚)「私………」


誤魔化したり、嘘をついたりするような機転など彼女が持ち合わせているはずもなかった。
53 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:37:01.71 ID:skRAiviW0 [26/45回(PC)]


(*゚-゚)「…わかんない……。元々、あんまり、楽しくなかった……」


( ・∀・)「そうかよ…」

(*゚-゚)「うん……」

( ・∀・)「…………」

(*゚-゚)

( ・∀・)


(*;゚ー゚)「でも…死んじゃうのやだ」

( ・∀・)(何だこいつ…)

会話が軌道に乗るはずもなく、
そこから二人は避難時間が終わるまでずっと無言のまま過ごした。
54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:37:12.34 ID:lrOd+3Z10 [1/3回(PC)]
初遭遇
しえ
55 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:38:09.09 ID:skRAiviW0 [27/45回(PC)]

――8:13 ピンクスワン――


やはりブーンは頼もしいとドクオは再認識させられた。

待機時間が終わっておそらく一分も経たない内に避難地点から出発し、
あらかじめ彼が見つけていた黒のハコでヒントDを確認できた。


ヒントDの開示によって得た情報とは、銀のハコのことである。


(メ`ωメ)「ここだ」


ウルフアイランドの島にたった二つだけあるという銀のハコ、
それらが何処にあるか詳細に記された地図がヒントDの内容だった。


(メ゚A`)「ここって…」
56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:39:13.54 ID:HQYW2iEH0 [4/6回(PC)]
人体実験は面白いな
どこぞの糞園都市と違って
57 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:42:00.04 ID:skRAiviW0 [28/45回(PC)]

震災にくわえて空爆が起こり、辺り一帯の建物は酷く損傷していた。

しかし彼らが目指していた建物だけは、まるで彼らを待ち受けていたように、
ほとんど元の状態を保っていた。


今はもう点灯していないネオンつきの看板と、狭い入口の奥に複数の顔写真が見える。
壁の色は黒一色で、どぎつい桃色の看板がさらに派手に見えた。


(メ`ωメ)「中に銀のハコがあるはずだ。手分けして探すぞ」

(メ゚A`)「はい。わかりました」

ミセ*゚ー゚)リ「りょーかい」



ブーンの指示に従って、三人はばらけて店の中を探索した。

奥に向かって細長い店で、地下も含めると結構な数の個室があったが、
目当てのハコは小さいものではないので探すのに手間はかからなかった。
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:43:04.15 ID:IkdHqzuf0 [1/5回(PC)]
きた
59 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:43:24.69 ID:skRAiviW0 [29/45回(PC)]

五分も立たない内に、


 「あったわよ! こっち!」


店の地下、その奥側にある一室からミセリの声が上がった。


すぐさまブーンが上階から駆けつけ、続いてドクオも部屋の中へ入ってくる。
暗い部屋の中がハコについたパネルの光で照らされ、青白く光っていた。


ミセ*゚-゚)リ「見つけたんだ…けど」

(メ`ωメ)「どうした?」


せっかくハコを見つけたにも関わらず、ミセリの顔色は優れなかった。

薄いベッドの傍らに置かれている銀のハコに、ブーンたちが駆け寄る。
60 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:45:55.12 ID:skRAiviW0 [30/45回(PC)]

飛行機で見たものと同じ型で、パネルには開封条件が示されていた。


(メ;゚A`)「あっ」


【開封条件】:四人分の指紋認証


考えるまでもなくこのままでは人数が足りない。


ミセ;゚ー゚)リ「くっそー! 足りないじゃない!」

(メ;゚A`)「この時点で四人って、そんなの無理だろ…」


もう一人仲間を増やしてからまたここに来るか、
別の銀のハコを探してそちらの開封条件に賭けるしかないかと思われた。


(メ`ωメ)「四人か。ならぎりぎり大丈夫だな」
61 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:47:50.06 ID:skRAiviW0 [31/45回(PC)]


(メ;゚A`)ミセ;゚ー゚)リ「はい?」


ブーンの思惑がわからないまま、彼は勝手に認証を始めた。


(メ`ωメ)「お前らもやるんだ」

(メ;゚A`)「でも、一人足りませんよ」

(メ`ωメ)「足りるさ。まあやってみろ」


半信半疑で二人が認証を終えると、
ブーンは迷彩ズボンの膝部分のポケットを探り始めた。


(メ`ωメ)「バイオメトリクス認証の欠点として、少ない可能性だが挙げられるものがある」


彼が取りだしたものを見て、二人は息を呑んだ。
62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:48:34.07 ID:K5ESOZbd0 [2/3回(PC)]
しえん
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/12/23(金) 22:48:39.53 ID:VsQnzx+U0 [4/4回(PC)]
ナニを取り出すのか
64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:48:54.54 ID:fTJ8aaTVI [1/2回(iPhone-wifi)]
ミルナの指か?

支援
65 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:49:39.40 ID:skRAiviW0 [32/45回(PC)]


(メ`ωメ)「パスワードが盗まれる危険性だ」


ポケットから引き抜いた彼の手に、赤黒く汚れた人間の指らしきものが握られていた。
大きさからして、人差し指だと思われる。

一歩後ずさったドクオたちに構わず、認証用のパネルにその指を押し当てた。


(メ`ωメ)「これはミルナの指だ」


尾を引く電子音のあとに、銀色の金属板がなめらかにスライドを始める。

ハコの上部が開ききると、続いて底がせり上がり始め、中心に置かれた小さな電子機器が姿を見せた。


(メ゚A`)「これ、何すかね」

丸いストップウォッチのような形状をしているが、ON/OFFのスイッチがあるのみで、
四角い液晶パネルの上に、付け根だけ固定されている針がガラス板に収められた状態で取り付けられていた。
66 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:52:24.09 ID:skRAiviW0 [33/45回(PC)]

ブーンは考えるよりも先にその装置を取り上げ、電源を入れた。
すると針が僅かに傾き、続いてパネルに数字が表示された。


(メ`ωメ)「コンパス、のようなものだな」


装置を傾けると針は逆方向に傾き、常に一定の方角を指していることがわかる。


(メ゚A`)「ただのコンパスじゃないですよね」

(メ`ωメ)「針が一方しか指してないからな。
      北でも南でもない、何かの場所を指し示すものだ。
      地図情報として提示しなかったのは、情報の複製を防ぐためだろう。
      急ぐぞ」

ミセ;゚ー゚)リ「罠じゃない? ていうか、時間が足りるかどうかもわからないし」


不安げに呟いたミセリの頭を、ブーンが手のひらで軽く叩いた。

(メ`ωメ)「罠だろうが何だろうが、今は進むしかない」
67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:54:17.95 ID:poj4wPQa0 [8/9回(PC)]
支援
68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:54:55.84 ID:ysZjIK2S0 [3/4回(PC)]
支援
69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:55:17.14 ID:CltSCqP90 [2/4回(PC)]
支援
70 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:55:24.41 ID:skRAiviW0 [34/45回(PC)]

ミセリの言う時間とは次の待機が始まる9時を指しているのだが、
もっと深刻な状況であるとブーンは考えていた。

だから今は、慎重になるよりも先に前に飛び込むときだと判断している。


(メ`ωメ)「今だいたい8時19分か20分頃だ。これよりコンパスに従って移動する。
      ドクオ。探知機はお前が持て。五分に一回電源を入れて他の被験者の座標値を確認しろ。
      それと移動中に黒のハコを探す。見つけたら次の避難場所を確認し、
      時間があればコンパスに従って移動。そうでなければ近くの避難地点を目指す」


ミセ*゚-゚)リ「わ、わかった!」

(メ゚A`)「走りますか?」

(メ`ωメ)「全速力で走る必要はないが、それなりに急ぐぞ」



さらにブーンは今、一つの選択を迫られていた。
理性と感情の狭間で均衡を保ったまま、彼はまだ答えを出していなかった。
71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 22:57:10.16 ID:lrOd+3Z10 [2/3回(PC)]
しえ
72 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:57:38.30 ID:skRAiviW0 [35/45回(PC)]

――8:25 空母ワースト――


研究員1「ロマネスク様、指示の通りに行いました」

( ФωФ)「様子はどうだった?」

研究員1「依然―――動けるのが奇跡というところでしょうか」

( ФωФ)「ご苦労。じゃあ残りはセブンに任せるしかないか」



慌ただしかった頃と比べて、ブリーフィングルームは少し落ち着きを取り戻していた。
被験者の半数が死亡したことで、各被験者の管理が楽になったからである。

空爆の手順もこなれたもので、研究員のほとんどはもはやことの成り行きを見守っているような状態だ。
73 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 22:59:19.64 ID:skRAiviW0 [36/45回(PC)]

研究員たちのほとんどが、残っている被験者たちの死亡を願っていた。
“神様”たちからの指令を守れなければ、この先立場が危うくなる可能性があるからだ。

彼らにとって、自分たちの社会的地位の方が、人の命よりも優先すべきことであった。


全ては画面の向こう側のことで、同情はすれどそれ以上の感情は動かない。
実験中に人が死亡するのは、テレビのニュースを見ているのと同じ感覚だった。


( ФωФ)


画面の向こう側とこちら側を隔てる壁とは何なのか、
いつからかロマネスクはそんなことを考えるようになっていた。


研究員6「ロマネスク様」

( ФωФ)「…ん、どうした?」
74 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 23:00:26.99 ID:skRAiviW0 [37/45回(PC)]

研究員6「レーダーが一瞬だけ乱れました。
     既に復旧していますが、念の為システムを切り替えて調査してみますか?」

( ФωФ)「またか…いや、今はいい。もうすぐ終わるんだ」

研究員6「そうですね…すみません、少し時間が余っていたので」

研究員5「コーヒーでも入れようか?」

研究員2「俺の分も頼む」



ロマネスクは呑気とも思える研究員同士のやり取りに、力が抜けていくのを感じた。

彼らもおそらくわかってはいるのだ。
命が軽くないということ、生きたいと願う切実さ、頭では理解しているのである。


足りないとすれば、


( ФωФ)(覚悟か)

フィレンクトはモニタを見ながら、何を考えていたのだろうと、気になり始めた。
75 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 23:02:07.63 ID:skRAiviW0 [38/45回(PC)]

――8:29 ヴィクトリアストリート――


ヴィクトリアストリートは、元々は高層ビルやジュエリーショップ、
シアターホール、歴史博物館や自然公園など、様々な施設が立ち並んでいた
ウルフアイランドのメインストリートである。

ここは震災の影響が激しかった地区の一つで、ガレキで道路が埋まっており、
通り抜けるにはガレキクズの上を強引に通らなければならない。


(メ`ωメ)「急ぐぞ」


いつもなら迂回していく通りだが、今は中に目的地があるので、避けることはできなかった。


ブーンが足場を作り、ドクオからガレキの山を登っていった。
ミセリがそれに続き、最後にブーンが一人で登る。
76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:02:09.66 ID:CltSCqP90 [3/4回(PC)]
支援
77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:02:12.40 ID:IkdHqzuf0 [2/5回(PC)]
むむ
78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:02:31.84 ID:gW7Nh/QC0 [1/4回(PC)]
きてた!
79 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 23:03:21.91 ID:skRAiviW0 [39/45回(PC)]


(メ゚A`)(ひでえな…)


ガレキの山から見下ろした通りは、死んだ街を端的に表していた。

信号機が根本から折れ、潰れた車が路肩にたまり、鉄骨がむき出しになったコンクリートで
元の道路が覆われている。


三人はガレキに足を取られないようにしながらも、
なるべく速度は落とさずに目的地の場所を探した。


(メ`ωメ)「近いぞ」


コンパスの液晶に表示された数値が、示された方向へ進むにつれ減っている。
目的地に近づいているのだと考えていいだろう。
80 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 23:05:02.19 ID:skRAiviW0 [40/45回(PC)]

間もなくコンパスの針が真横を向く地点まで到達した。
数値の桁もかなり減っている。


(メ`ωメ)「ここだ」


立ち止まったのは、特徴的な字体の社名が大きく掲げられた総合商社のビルの前だ。
入口がガレキで完全に塞がっているが、ビルの二階の窓から侵入できそうだった。



(メ゚A`)「入れそうですか?」

(メ`ωメ)「お前の銃を貸せ」



ブーンは銃を持って二階の窓際まで移動すると、
グリップの尻で窓の中心部分を思い切り強打した。


一度目では小さなヒビしか入らなかったが、二度、三度と打ち付けていくうちに
徐々に穴が広がっていき、一分もしないうちに人が通れるサイズの穴が作られた。
81 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 23:06:48.53 ID:skRAiviW0 [41/45回(PC)]


(メ`ωメ)「行こう」


耐震構造がしっかりしているのか、ビルの中はものが散らかっているだけで、
周りの建物と比べるとかなり被害が少なく見えた。

オフィスらしき一室を通り抜け、三人は階段まで侵入した。
上に進むか、下に進むか、迷う所であったが、ブーンはすぐに解決した。


(メ`ωメ)「………なるほどな」


コンパスを横に倒すと、針は斜め下を指した。


何かに反応しているのか、元々データが入っていたのかわからないが、
とにかくこの装置は三次元上で動作するものらしい。
82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:07:39.40 ID:IkdHqzuf0 [3/5回(PC)]
支援
83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:10:20.40 ID:HQYW2iEH0 [5/6回(PC)]
支援
84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:10:54.92 ID:gW7Nh/QC0 [2/4回(PC)]
支援
85 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 23:12:46.32 ID:skRAiviW0 [42/45回(PC)]

三人は無言のまま、一気に階段を駆け下りた。
二階から侵入したので、下りたらすぐに一階だが、コンパスはさらに下を指し続ける。

地下一階は機械室であった。


(メ`ωメ)「ドクオ。ライトを」


言われた通りリュックから懐中電灯を取りだし、
地上の明かりが届かない地下の踊り場を照らした。


(メ`ωメ)「さらに下か」


階段はまだ下に続いている。

ほこりが舞う暗い階段を、もう一度下り始める。
三人の足音がだけが壁に反響し、闇に覆われた階段は地獄に通ずる道にも思えた。
86 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 23:14:10.05 ID:skRAiviW0 [43/45回(PC)]

コンパスの針の動きを見ながら、地下三階まで降り立ったとき、
先頭を歩いていたブーンの歩みが止まった。


(メ`ωメ)「この先だ。コンパスはこの通路の奥を示している」


高層ビルの地下三階といえば、せいぜい駐車場くらいしか無さそうに思えるが、
とにかくブーンの指示に従って通路の奥を目指した。



やや小走りのまま通路を進んで行くと、妙なことに気がついた。


広めの通路だが両脇に部屋がなく、また壁の材質がコンクリートではなく、
青い光沢を跳ね返す特殊な合金によるものだった。

かなり金をかけて作られた通路のようだ。
87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:14:19.42 ID:IkdHqzuf0 [4/5回(PC)]
誰が生き残るのやら
88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:14:26.28 ID:IEK6XIQD0 [1/2回(PC)]
流石主人公のブーンさんや
89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:15:47.48 ID:gW7Nh/QC0 [3/4回(PC)]
どっくんも頑張っただろ・・・・・・どっくんも・・・・・・
90 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 23:16:14.77 ID:skRAiviW0 [44/45回(PC)]


(メ゚A`)「あっ……何かあります!」


懐中電灯を持っているドクオが通路の奥を指して叫んだ。
三人は一斉に駆けだし、通路の突き当たりまで一気に走り詰める。

明かりに照らされた、その異様な物体を前にした三人は、同時に息を呑んだ。


(メ`ωメ)(なるほどな…)


ブーンがいち早く理解できたのは、
それが彼の想定していた内の一つだったからだ。

ブーンはもう一度、答えの出ていない問題を前に、静かに思考を始めた。


第三十話「ゆうなぎ」へ続く
91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:16:57.44 ID:IkdHqzuf0 [5/5回(PC)]
えっ
92 : ◆BunNYtmcPM [] 投稿日:2011/12/23(金) 23:17:41.47 ID:skRAiviW0 [45/45回(PC)]
支援ありがとうございました!
残り三話と言いましたが、長いので四話構成にしました

なので三十二話が最終回の予定です
頑張りまっすお
93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:18:02.11 ID:IEK6XIQD0 [2/2回(PC)]

ついに電子レンジが出てくるのか
94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:18:05.48 ID:poj4wPQa0 [9/9回(PC)]
おぉー!
乙です!
95 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:18:20.58 ID:UCOI13xO0 [4/4回(PC)]

楽しみにしてる
96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:18:42.68 ID:K5ESOZbd0 [3/3回(PC)]
おお、気になるとこで
乙乙
97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:19:15.78 ID:BDY/XPqE0 [2/2回(PC)]

次回は電子レンジ回か
その為にこの話にはジョルジュ使ってないんだよね
98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:20:29.90 ID:lrOd+3Z10 [3/3回(PC)]

俺はモララ-を全力で応援する
99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:20:45.05 ID:CltSCqP90 [4/4回(PC)]
乙でした
100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:22:10.45 ID:5r2EBa3o0 [1/1回(PC)]
乙乙
乙できる幸せ
101 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:22:30.05 ID:gW7Nh/QC0 [4/4回(PC)]
乙なぎ
102 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:29:05.47 ID:fTJ8aaTVI [2/2回(iPhone-wifi)]
次は電子レンジか……中が熱くなるな

103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:30:14.89 ID:HQYW2iEH0 [6/6回(PC)]
もう最終回か・・・
104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:30:52.56 ID:ysZjIK2S0 [4/4回(PC)]
105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/12/23(金) 23:37:46.42 ID:LzJ/F+Xg0 [1/1回(PC)]

初遭遇に感動
106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/23(金) 23:45:09.35 ID:1tyj224uO [1/1回(携帯)]
乙!

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