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1 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[age] 投稿日:2018/03/12(月) 10:35:01.75 ID:???.net
・ここは、なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのか?
 または、なぜエヴァは楽しまれてるのか?について、その理由を述べたり、議論したり、追究したり、語ったりするスレです。
 思ったこと、思うことを書いてみましょう!

・雑談は基本OKだけど程々に。
 
・節度ある態度で楽しく!

・ここはアンチスレではないので、エヴァや他のアニメを叩きたい人は各アンチスレへ行きましょう。

前スレ&テンプレは>>2-18
2 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 10:35:47.49 ID:???.net
【前スレ】
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1395267076/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?part2
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1398577388/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?part3
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1399613247/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?part4
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1400609307/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart5
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1401542909/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart6
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1402825092/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?(実質7)
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/pachik/1404746073/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart7(実質8)
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1404807399/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart9
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1407993162/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart10
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1409049263/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのかpart11
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1434414737/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのかpart12
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1437825310/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのかpart13
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1443203678/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのかpart14
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1450181702/
3 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 10:36:17.24 ID:???.net
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか 15
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1451567410/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart16
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1452698107/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart17
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1454432015/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart18
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1462085347/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart19
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1463277556/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのか4035(実質part20)
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1464923877/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart21
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1465379923/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのか4037
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1465903039/
【出張版】なぜエヴァは楽しまれ楽しまれなくなってしまったのかpart23
http://mint.2ch.net/test/read.cgi/mog2/1466942722/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart24
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1467450145/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart25
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1479255801/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart26
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1492427439/
4 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 10:36:56.30 ID:???.net
【前スレ】
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part1
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1411790980/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part2
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1415365819/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part3
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1416489854/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part4
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1418299859/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part5
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1419138380/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part6
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1421760448/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part7
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1424692636/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part8
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1426075454/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part9
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1427931762/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart10
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1430223140/
5 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 10:37:57.90 ID:???.net
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part11
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1432095479/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart12
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1432508052/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart13
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1439093564/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart14
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1471082148/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart15
http://mao.2ch.net/test/read.cgi/eva/1486907442/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart16
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1505724610/
6 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 10:39:29.68 ID:???.net
ブギーポップは笑わない -Boogiepop Phantom-
7 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 10:42:52.90 ID:???.net
その日 午後から日暮れにかけてかるい夕立ちが通り過ぎた
そして ぼくらは海の近くぬれたアスファルトを走った
つぶれた うすぐらい貸し倉庫のかげで
しばらく空を見上げて雨をしのいだ

ふいに 君がくちずさむ ぼくはきいてる
ききおぼえのないメロディー
もう 消えてしまうくらい
ちいさな声でやがて 途切れてしまう
8 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 10:47:23.51 ID:???.net
SCENE 001
深陽学園
9 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 12:27:34.08 ID:???.net
VOL 1
Portraits of Memory
10 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 12:28:06.81 ID:???.net
記憶の肖像
11 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 16:29:03.27 ID:???.net
SCENE 002
聖谷高校
12 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 16:56:14.89 ID:???.net
女子A「出たんだって」
女子B「何が」
女子A「死神」
女子B「いつ?」
女子C「やめてよもうー」
女子A「ほら、一か月くらい前。何か変な光が走ったことあったっしょ」
女子D「ああ、うちのパソコン壊れたんだ、あん時」
女子C「うっそー、あの30万したやつ?」
女子A「それでさ、あのころ消えた子いるじゃん。3年生のオタクの人とか。それ全部あれに連れてかれちゃったんだって」
女子C「あれって?」
女子A「だから死神だって。何聞いてんだ、こいつ」
女子C「死神?」
女子A・女子D「ブギーポップ」

望都:
それは、私がまだ私を嫌いだった頃のことだ。
13 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 17:05:59.84 ID:???.net
聖谷高校 1年2組
殿村望都
14 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/12(月) 19:06:33.76 ID:???.net
エヴァQが糞すぎて
エヴァ自体どうでも良くなった人が大量発生しちゃったからな
コンテンツにトドメ刺しちゃった

アンノ自身にもやる気ないだろ ネタ切れドン詰まりでヤマト出しちゃうくらいだし何も考えてないよ
15 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 16:30:39.16 ID:???.net
望都「あ…」
男子A「対戦、対戦」
男子B「もう三連コンボとかやっちゃってさ」
男子A「マジ?そんなん出んの?」
望都「…」
康子「望都!どこ行ってたの。早く行くよ」
望都「あ…私、やっぱり…」
康子「はぁ、ったく。この子は。昨日オッケーって言ったじゃん」
望都「うん…でも」
女子E「いいんじゃない?」
女子F「でも。向こうも三人なんだよね」
康子「ちょっと待って。ねえ、望都。私たちあんたの事思って誘ってやってんだよ。
慣れれば大丈夫だって。男なんて」
望都「うん」
康子「よし、こいつ中学ん時からこうなの。私が引っ張ってやんないと何にもできないのよ」
女子E「いいけどね」
康子「じゃあ、校門で待ってるからね」
16 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 16:38:27.52 ID:???.net
執拗に手を洗う望都。

望都:
それから私が遭遇した出来事は、多分何か別の、
もっと大きな事件が終わった後の、後始末のようなものだったのかもしれない。
世界全体から見れば、ほんの些細な欠片のひとつ。
でも全ての出来事は、全くそのように、極めて個人的なものでしかありえないだろう。

ティッシュでトイレの引き戸を握り、そのあとゴミ箱に捨てる望都。
17 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 16:43:30.20 ID:???.net
望都:
だからせめて、私は私にとってのその出来事の意味を、
こうしてもう一度振り返りたいと思う。

望都「歪んだ虹だ…」
18 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:00:04.48 ID:???.net
女子F「キー高すぎ」
男子C「次誰?」
男子D「何?誰も入れてないじゃん」
康子「うーん、じゃあねえ」
望都「…」
男子E「歌わないの?」
望都「え」
男子E「歌」
望都「…」
康子「ごめんね、この子こういうところ慣れてないのよ」
男子C「そういや鈴木さ」
康子「ん?」
男子C「お前早乙女が失踪したって知ってる?」
康子「え!」
女子E「誰それ」
男子C「俺らの中学ん時のクラスメイト。高校は深陽に行ったんだけど、ひと月前からいないんだって」
康子「へえ、そうなんだ」
望都「…」
男子D「康子は仲よかったの?そいつと」
康子「えー別に」
男子D「ほんと?」
康子「ちょっとやめてよ」
男子E「なんか陰気なやつでさ。俺嫌いだったな。あいつ。殿村は知ってったっけ?あいつ」
望都「あ、うん」
女子E「うちの学校にもいるよ、そういう子」
男子C「それがさ、早乙女の幽霊見たってやつがいて。結構噂になってるらしいんだよ」
望都「(きっと殺されたんだ…ブギーポップに)」
19 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:09:25.07 ID:???.net
男子D「ブギー…何?」
女子F「ああ、別に何でもないって。ただの噂。ほら、都市伝説とかいうの。あ、ほら。望都」

嫌々マイクを握る望都。
20 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:18:11.59 ID:???.net
執拗に手を洗う望都。

康子「望都。分かってるだろうけど、私が早乙女君と付き合ってたこと、さとしには内緒だよ。あいつすぐ嫉妬するから」
望都「分かってる」
康子「なら、いい。ねえ、望都。私達、友達だよね?」
望都「え?」
康子「この頃分かんなくなるんだ。望都にとって、私って、その」
望都「友達だよ。当たり前じゃない」
康子「だよね。何言ってんだろう、私」
望都「…」
21 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:20:54.84 ID:???.net
望都:
早乙女君は、中学の時の康子の彼氏だった。
22 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:21:51.80 ID:???.net
SCENE 003
中学時代 夏
23 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:29:23.41 ID:???.net
望都:
その頃の康子は私と同じで、どちらかというと目立たない女の子だった。

早乙女正美と握手をする望都。
24 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:30:10.33 ID:???.net
望都:
それが、男の子と付き合い始めたのが自信となったのか、彼女はどんどん明るくなっていき、
逆に私は、一層男の人が苦手になった。
そして、初体験を済ませた彼女は、ますます派手になり、とうとう他に男をつくって、彼とは別れた。
でも…。
25 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:34:49.62 ID:???.net
正美「やあ、君か」
望都「…あ」

早乙女の側でウサギが死んでいる。

正美「野良猫にやられたらしい」
26 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:43:50.48 ID:???.net
正美「彼女、何か言ってた?」
望都「うん。私が悪いのって」
正美「悪いのは、僕のほうなのにね」
望都「え?」
正美「こいつら、何で生きてんのかな。どうせ死ぬのに」
望都「そう、だね」

ウサギ達を見つめる望都。

望都:
その時、私は思った。
彼は本当は康子のことなど愛してなかったことに。
そして、実は私が、いつの間にか彼に、どうしようもなく惹かれていたことに。
27 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:45:09.37 ID:???.net
SCENE 004
現在
28 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 17:52:20.16 ID:???.net
望都:
その後、私達は別の高校に進学し、それから早乙女君とは会っていない。
私の密かな恋心も、とうに淡い思い出として朽ち果てていたはずだった。

皆が歩いていく中、一人うずくまる望都。
泡のようなものが集まり、早乙女が出現する。

望都「あ…いやああああああ!!!!!」
29 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:06:17.18 ID:???.net
目覚まし時計が鳴り起きる望都。

望都「うーん」
父親「望都、起きたか?」
望都「勝手に開けないでって言ってるでしょう」
父親「すまん」
望都「もう」
30 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:07:48.45 ID:???.net
父親が触ったドアノブ、自分の手をウェットティッシュで執拗に拭く望都。
31 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:09:39.69 ID:???.net
望都:
どうして、みんな生きてるんだろう。
どうせ、死ぬのに。
32 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:11:09.44 ID:???.net
何か幻影を見て手をかざしている少女。
33 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:23:22.08 ID:???.net
康子「望都、大丈夫?」
望都「うん」
康子「昨日はびっくりしたぞ。いきなり悲鳴あげて逃げ出すだもん。何見たの?」
望都「ううん、何も」
康子「あのさ」
望都「何?」
康子「私さ、早乙女君の噂、深陽学園の子に一度だけ聞いたことがあるんだ。
彼、2年の先輩に告白して振られたんだって。それも、学校でも有名な不良の女に。
深陽の霧間凪って聞いたことない?
だからさ、彼が失踪したの一瞬引きずって私のこと引きずってたのかと思ったけど、違うよね」
望都「そうだね。違うね」
康子「じゃあ」
34 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:33:56.07 ID:???.net
望都「失礼します」
久志「先生なら、今いないよ」
望都「そうですか。あ…あの」
久志「動くな。悪い。あんたの心臓に虫が張り付いてるんでね。ま、触れられたくないなら仕方ないけど。
あんた、そのままじゃ虫に心を全部食われちまうぜ。
そいつは心のしこりだ。最近見えるようになったんでね、そういうのが。
あんた、何か心残りがあるんだろう?それもずっと前からの。
俺は3年の城之内。俺に胸をまさぐられてもいいと思ったらいつでも来な。
そのまま虫に食い殺されるよりマシだろう?ふふふ」

望都:
そうだ。私はずっと…。
行かなきゃ。
35 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:37:44.03 ID:???.net
SCENE 005
深陽学園
36 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:38:03.03 ID:???.net
望都;
ここに来たってどうなるものじゃない。
そんなことは分かっていた。
ただ、早乙女君がいた場所を感じたかった。
37 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:50:06.62 ID:???.net
藤花「いいの?」
望都「あ…」
藤花「何か用があるように見えたから。聖谷の人ね。私案内しましょうか?」
望都「あ、いいんです」
藤花「そう?遠慮しなくていいよ」
友達A「またおせっかい?」
望都「あの、霧間凪さんって」
藤花「え!あの人に呼び出されたの!?一体何したの?」
望都「いえ、そんなんじゃ」
藤花「私一緒に行ってあげる。怖いけど、でも大丈夫。話せば分かると思う」
友達A「霧間凪ならもういないよ。5限目からふけたってD組の子が言ってたもん」
藤花「だって。どうしよっか」
望都「あ、それならいいんです」
友達A「藤花、先帰っちゃうぞ」
藤花「あ、待って!ほんとにいい?それじゃあね、さようなら」
望都「…」
38 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 18:53:34.83 ID:???.net
望都:
行く先を失った私の足は、それでも彼の痕跡を求めて、
自然と、昨日の場所へと向かっていた。
39 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 19:00:15.55 ID:???.net
白い浮遊体を見つけた望都は必死にそれを追いかける。
早乙女の声が聞こえる。

正美「さあ、こちらへおいで」
40 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 19:02:46.33 ID:???.net
再び泡のようなものが早乙女へと姿を変える。

望都「やっと会えた。早乙女君」
41 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 19:04:22.23 ID:???.net
人ごみをかき分けて藤花がどこかへと向かう。
42 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 19:14:17.56 ID:???.net
望都「早乙女君。私、私ね。ずっと、ずっと言いたくて言えなかった。
多分康子に遠慮してたんだと思う。
でも、言えなかったことがずっと心にしこりになってて。だから…。
私、あなたのこと好きです!ずっとずっと好きでした!」
正美「お前は、誰だ」
望都「え!」
正美「お前は早乙女正美の知り合いだったのか?」
望都「覚えてくれてないの?」
正美「まあ、そんなことはどうでもいいがな」
望都「そうね…どうでも、いいね…」
正美「久々の餌だ。私はお前を喰らう」
望都「え…」
43 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 19:21:50.81 ID:???.net
望都「私を殺すの?」
正美「ああ。結果的にお前は死ぬ」
望都「いいよ、もう。殺されても…いい」
ブギーポップ「それは早乙女君じゃないよ」
望都「きゃあああああ!!」

ブギーポップに額を貫かれ断末魔をあげ消える早乙女。
44 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 19:28:52.12 ID:???.net
望都「ああ…」
ブギーポップ「あれは、早乙女君の形をしているが、彼ではない。人喰いが彼の姿を借りているだけだ」
望都「ひ、人喰い?」
ブギーポップ「実体を失って、既に人畜無害になっているが、たまに君のように自分から命を差し出す者がいて困る。
あれに喰われても、早乙女君に殺されたことにはならない。
早乙女君のことは忘れたまえ。彼は、僕が殺した」
望都「え…」

嗚咽が止まらない望都。
45 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 19:36:33.29 ID:???.net
執拗に手を洗う望都。

望都:
私が見たのが、ブギーポップだったのかどうかは分からない。
それとも、全部幻だったのかもしれない。
あの事があって、何が変わった訳じゃない。
今もやっぱり、私は私のことが好きじゃない。

康子「望都、今日どうする?よし、じゃあ校門で待ってる」
46 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/14(水) 19:38:19.39 ID:???.net
望都:
それでも私は、何とかまだこうして生きているらしい。
…多分。
47 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 17:54:57.04 ID:???.net
久志「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…」
ブギーポップ・ファントム「…」
久志「うわあ!はあ、はあ、はあ…」
48 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 17:58:02.54 ID:???.net
VOL 2
Light in Darkness
49 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 17:59:34.25 ID:???.net
闇の灯
50 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:02:33.15 ID:???.net
SCENE 001
旧市街再開発地区
51 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:03:47.21 ID:???.net
久志「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…うぅ…何でこうなっちまったんだ」
52 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:07:21.26 ID:???.net
聖谷高校 3年1組
城之内 久志
53 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:09:05.29 ID:???.net
SCENE 002
小学校時代
54 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:19:50.70 ID:???.net
久志(小学生)「うわ!」

久志:
そうだ。俺は子供のころ、ヒーローになりたかったんだ。

久志(小学生)「どうだ!もう場所を横取りしないな!」
6年生たち「分かったよ」
6年生たち「ちくしょう、覚えてろよ!」
友人「すげえや!6年生泣かしちゃったよ」
55 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:22:52.77 ID:???.net
久志「ふふふ、ふふふ。くそ。ん?」

ふと虫を見つける久志。

久志「はは、ふははは、ふははははは」

そして無心で虫を喰らいつく。
56 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:29:59.77 ID:???.net
母親「おめでとう、久志」
父親「よく頑張ったな」
母親「一人だけ別の中学行くの寂しいんじゃない?」
父親「ははは、久志は大丈夫だよな?」
久志「うん」
母親「さ、食べましょう」
久志「いただきます。…いたっ…う…」
父親「久志!」
母親「久志どうしたの!」
57 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:32:35.31 ID:???.net
SCENE 003
県立総合病院
58 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:35:05.29 ID:???.net
母親「骨肉腫ですか?」
先生「幸い発見が早かったので、手術のあと、化学療法のため、2、3年は通院していただくこととなります」
母親「…そうですか」
先生「…」
59 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:36:50.58 ID:???.net
SCENE 004
中学時代 春
60 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 18:38:35.53 ID:???.net
中学生達「何あいつ」
中学生達「病院通いだってさ」
中学生達「ふーん」
61 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:00:32.57 ID:???.net
凪「なあ、どう思う?探偵さん」
慎平「さてね。なりたいものになれる人なんて、そういるもんじゃないんじゃないかな」
凪「だからって、何になりたいか、自分がどういう生き方をしたいのか考えるのは、無意味じゃないだろ」
慎平「それじゃあ、名探偵霧間凪君は何になりたいのかな」
凪「それがピンが来ないから聞いてんだろ。探偵さんは今の仕事以外に、何かやりたいことはないの?」
慎平「そうだな、正義の味方かな」
凪「ぷ、何だよそれ」
慎平「笑うなよ」
凪「ふふふ」
慎平「実際の探偵ってのは、小説なんかと違って結構汚いこともするし、つまらないことに縛られたりするもんだ。
でもそういうの一切なしで事件を解決するだけの正義の味方」
久志「…」
慎平「そういうならなりたいな」
凪「なればいいじゃん。なれるよ、きっと」
慎平「簡単に言うなあ」
凪「ふふふ、ひひ」
先生「霧間さん、そろそろ病室に戻りなさい」
凪「いっけね。来生先生だ。それじゃあね、探偵さん」
久志「…」
62 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:03:39.96 ID:???.net
SCENE 005
中学時代 秋
63 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:15:09.27 ID:???.net
先生「順調に良くなってるわよ。もう少しの辛抱ね」
久志「今更治っても、遅いよ」
先生「え?」
久志「今からどんなスポーツやったって、一流になるには遅すぎるだろ?もうヒーローにはなれない」
先生「城之内君、ねえ、人間の能力って肉体的なものだけじゃないんだよ」
久志「分かってるよ。しっかり勉強して人の役に立つような人間になれって言うんだろ?母さんと同じこと言うんだな」
先生「ふふ、君は弱いなあ。お母さんはあんなに強いのに」
久志「どうせ俺は」
先生「ま、臆病者のほうが長生き出来るってことはあるけどね」
久志「え」
先生「死神はね、人が恐怖にとらわれた時にやってくるのよ。それも強い人間が恐怖に震えるさまがとびきりのご馳走なの。
弱い人間の恐怖は、あまり美味しくないのね」
久志「…」
先生「そうね、もし君が望むんなら、とっておきの薬があるんだけど。君に効くかどうかは分からないけどね」
64 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:22:45.40 ID:???.net
久志:
しかし、あの女医のとっておきも俺には効かなかった。
ひどい熱が出て一週間寝込んだだけで、その後5年間、俺には何の変化も無かった。
そう、ほんの一か月前までは。
65 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:34:13.31 ID:???.net
光の柱を見る久志。
そして、光の球が久志を貫く。

久志「あ!」

久志:
しばらくして、一週間高熱が続いた。
熱が下がったその日から、驚くべきことが起こった。
66 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:39:13.83 ID:???.net
父親「久志、大丈夫か?」
久志「ああ、もういいみたい」
父親「心配したぞ。一週間も熱が続いたんだからな」
久志「あ!」
父親「どうした」
久志「父さん、虫が」
父親「ん?熱は下がったみたいだな。お父さん仕事行かなきゃならないが久志どうする?もう一日休むか?」
久志「い、いや、今日は行くよ」
父親「そうか」
久志「…」
67 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:40:47.97 ID:???.net
街の至るところで人の体の中に虫がいるのが見えるようになる久志。
68 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:43:01.86 ID:???.net
SCENE 006
聖谷高校
69 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:50:02.31 ID:???.net
担任「大木」
女子A「はい」
担任「田村」
女子B「はい」
担任「笹岡」
陽子「はい」
担任「98点。今回トップだ」
女子A「陽子やったね」

笹岡陽子の中に虫を見つける久志。

担任「野村」
男子A「はーい」
担任「佐藤」
男子B「はい」
担任「辻」
女子C「あ、はい」
70 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 19:57:52.71 ID:???.net
陽子「何?話って」
久志「テストのことなんだけど」
陽子「え」
久志「カンニングでもしたのかな」
陽子「あ…うう」

笹岡陽子の中から虫を取り出す久志。

陽子「あ…あ…いや…」
久志「もう行っていいよ」
陽子「あ…。そう。城之内君。なんか分かんないけど、ありがとう」

その虫に喰らいつく久志。

久志:
そいつは、とても甘美な味がした。
71 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:00:33.56 ID:???.net
久志:
後ろめたさ、後悔、心残り、虫はそういった心のしこりのあらわれだ。
俺は何人もの人間から虫を取ってやった。
72 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:02:28.55 ID:???.net
保健の先生「ごめんね、殺すしかなかったの。殺すしか…」

取り出した虫に喰らいつく久志。
73 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:04:05.30 ID:???.net
保健の先生「ちょっとここ、お願いね」
望都「失礼します」
久志「先生なら、今いないよ」
望都「そうですか。あ…あの」
久志「動くな。悪い。あんたの心臓に虫が張り付いてるんでね。ま、触れられたくないなら仕方ないけど。
あんた、そのままじゃ虫に心を全部食われちまうぜ。
そいつは心のしこりだ。最近見えるようになったんでね、そういうのが。
あんた、何か心残りがあるんだろう?それもずっと前からの。
俺は3年の城之内。俺に胸をまさぐられてもいいと思ったらいつでも来な。
そのまま虫に食い殺されるよりマシだろう?ふふふ」
74 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:11:49.87 ID:???.net
久志:
そう、俺は皆を助けてやってるんだ。
俺は、彼女達の救世主なんだ。
75 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:13:49.72 ID:???.net
久志「父さん、もう大丈夫だよ」
父親「あ…。そうか。そろそろ食事にするか」

父親から取り出した虫に喰らいつく久志。
76 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:18:25.64 ID:???.net
久志「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」
警官「ああ、こらこら」
父親「久志」
久志「あ…あ…母さん!」

久志:
母さんは、俺を病院に迎えに来る途中、当時街を騒がせていた殺人鬼に殺された。
親父は、一人で行かせたことをずっと悔やんでいたのだ。
77 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:21:30.52 ID:???.net
父親「なあ、久志。これ、誰だ」
久志「え」

久志:
俺が、喰っていたのは連中の記憶だったんだ。

久志「嫌な思い出なんて、消えたほうがマシだろう!」
78 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:22:39.28 ID:???.net
警官「おい、そこで何してる」
久志「いえ、別に」
警官「…」
79 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:27:19.39 ID:???.net
久志「ああ…ああ…虫が喰いたい…」
少女「う、あ、はは」
久志「虫!」

彼女の放った蝶は久志を包み、どこかの殺人現場のようなところに飛ばされる。

久志「うわ!う…な、何なんだよこれ!」

そしてまた街に戻される久志。

少女「はは。あ。う。はは」
久志「何なんだよ!」
80 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:30:41.99 ID:???.net
久志「おい、あんた!」
女性A「え」
久志「いや、何でもない」

警官がいることに気づきやめる久志。
81 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:36:10.84 ID:???.net
久志「虫…虫が喰いたい…」

また別の女性から虫を取り出し食らいつく久志。

久志「!」
ブギーポップ・ファントム「…」
久志「何だ!俺をどうしようってんだ!うわあ!」
ブギーポップ・ファントム「…」
久志「ああ!はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」

久志:
黒い影はどこまでも追ってきた。
あいつは、死神だ。
82 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:45:15.77 ID:???.net
久志「何でだ。俺なんか、喰ってもまずいだろ。俺みたいな臆病者を喰っても」
凪「誰かいるの?」
久志「え?」
凪「!」
ブギーポップ・ファントム「霧間凪か?」
久志「え?」
凪「ブギー…いや、違う。お前はマンティコア?」
ブギーポップ・ファントム「いいや、僕はブギーポップだよ」
凪「そこのあんた、逃げろ!」
久志「ひい!」
83 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:53:49.88 ID:???.net
久志「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…ああ!」
(慎平「名探偵霧間凪君は何になりたいのかな。正義の味方、そういうんならなりたいな)」
(凪「なればいいじゃん。なれるよ、きっと」)
久志「はは、ははは…」
ブギーポップ・ファントム「待たせたな。彼女を巻くのに手こずったんでね」
久志「俺を殺すのか?」
ブギーポップ・ファントム「僕は殺す訳じゃない」

ブギーポップ・ファントムは指を指す。
そこを見ると、久志自身に沢山虫が付いてるのに気づいた。

久志「はは、ははは、はは…」
ブギーポップ・ファントム「僕は君を連れに来たんだよ」
84 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:57:31.87 ID:???.net
久志が明るい光に包まれる。
小学校時代の皆がそこにはいた。

友達①「遅いよ」
友達②「早くおいでよ」

久志「はは、はは…みんな…ははは」
85 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/18(日) 20:59:27.99 ID:???.net
女子D「ねえ、知ってる?1組の城之内って子、いなくなったんだって」
女子E「へえ、久しぶりだね」
女子D「何が?」
女子E「人、消えるの」
86 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 14:47:05.37 ID:???.net
『本当の終息。いまだ産まれえぬ者の特権である。
一声産声をあげた者は、その無数の波及の中で、永遠に安らぐことが…』
87 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 15:09:20.24 ID:???.net
和子「あなたのお父さん、霧間誠一氏の言葉」
凪「で?」

SCENE 001
深陽学園

和子「そろそろ教えてくれてもいいんじゃないかなって。5年前の事件の事」
凪「その事なら、前にも話したろ?あれは」
和子「あれはブギーポップがやった。まだそんな都市伝説でごまかすつもり?
私は、5年前のあの事件の波及から逃げることは出来ない。
あなたもそうじゃないの?霧間さん。あなたがあの事件の…」
凪「親父の本なんて、読むもんじゃないよ。末真さん」
和子「1ヶ月前、F組の百合原美奈子さんと、1年生の早乙女正美君。一緒にいなくなった事件があったけど、
あれもあなたが関係してるんじゃないの?」
凪「…」
和子「え?変な虹。この頃よく見かけるけど」
凪「虹じゃないだろ、あれ」
和子「え?」
88 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 15:18:55.05 ID:???.net
VOL 3
Life Can Be So Nice
89 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 15:20:03.30 ID:???.net
世界を受け入れし者
90 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 15:31:17.91 ID:???.net
SCENE 002
聖谷高校

女子A「やっぱりさー、いるんだよ」
女子B「何が?」
女子A「死神」
女子B「ブギーポップ?」
女子C「マジで?」
女子A「だってさ、1組の男子も消えたって言うじゃん」
女子B「あーあーあー、城之内?何か、捜索願とか出てるらしいよー」
女子A「お父さんと二人暮らしだったんだって。何だかだよねー」
女子C「どう思う?パヌルー」
美鈴「え?」
女子B「ブギーポップ。いるかな?」
美鈴「どうだろね」

美鈴:
ブギーポップ。多分、いるんだろう。
でも、だからと言って、この世界が変わることはない。
91 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 15:37:50.50 ID:???.net
聖谷高校 3年5組
有藤 美鈴
92 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 15:54:53.06 ID:???.net
女子A「カラオケとか行きたくない?」
女子C「あ、行きたい行きたい!」
女子B「めちゃめちゃ歌いたい」
男子A「おい、矢部!ゲーセン寄ってこうぜ」
徹「あ、わりい。今日駄目だわ。じゃあな!」
男子A「いいじゃん。付き合えよ」
徹「あ!」
美鈴「あ!」
徹「わりいわりい。俺急いでっから」
女子A「全くもう」
女子B「危ないわねー」
女子C「ねー。明日しばいてやろう。ん?目うるうるしてっぞ。パヌルー」
美鈴「え?」
女子A「あー、引っかかってるよ!」
女子B「何ー?パヌルー。マジー?」
美鈴「やだ、違うよ。違うってば」
陽子「美鈴」
美鈴「え?陽子」
陽子「一緒に、帰ろ」
93 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 16:07:21.89 ID:???.net
美鈴「いいよなあ、陽子は。模試またトップだもんな」
陽子「城之内君さ」
美鈴「え?」
陽子「城之内君さ、まだ、見つかんないんだよね」
美鈴「あ、ああ。そうだったね。心配だね」
陽子「私さ、何だか苦しいんだよね。城之内君がいなくなってから。ずっと」
美鈴「陽子、そうだったんだ」
陽子「え?あ、違うの。そういうんじゃないの」
美鈴「へっへー」
陽子「そうじゃなくて。私、何だか城之内君に、何か大事なことを…」
美鈴「大丈夫だよ。陽子」
陽子「美鈴」
美鈴「おー、空が高いなー。もう冬だね」
陽子「ふふ、ふふふふ。美鈴って、変」
美鈴「何よ」
陽子「だって、何でも包み込んじゃうんだもん。
美鈴と話してると、何だか自分の悩みとかがバカみたいに思えてくる。人格者だよ、美鈴は。
でもさ、美鈴」
美鈴「え」
陽子「何でパヌルーって呼ばれてるの?」
94 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 16:09:36.73 ID:???.net
美鈴「別に、人格者なんかじゃないよ。私はただ」
恵「ただ、この世界を愛しているだけ」
美鈴「パヌルー」
95 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 16:20:30.83 ID:???.net
美鈴:
そう、私はこの世界を愛している。
愛し、肯定し、受け入れている。
そして、このことを教えてくれたのが、彼女だった。

恵「世界を、受け入れること」
美鈴「喪失も混沌も、あるがままに」
96 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 16:30:12.32 ID:???.net
男が繁華街で暴れている。
そこを通りかかる恵と美鈴。

山本巡査「森田さん。そっち押さえてください!」
森田巡査「おい、おとなしくするんだ!」
山本巡査「いいからおとなしくしろ!」
97 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 16:45:25.14 ID:???.net
恵「世界はここにあるもの。どんなことでも起こり得るし」
美鈴「そして。…!」

ラブホテルに入っていく美鈴と男。

美鈴「そして、起こったことが全て」
恵「その苦しみゆえに世界を愛し、肯定しなければならない」

美鈴:
私は、感情を乱されるということがなかった。
この世界を、あるがままに受け入れているから。
98 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 16:47:46.17 ID:???.net
恵「嘘つき」
美鈴「え」

そこには血だらけの恵が立っていた。

恵「嘘つき!」
美鈴「…パヌルー」
99 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 16:50:08.98 ID:???.net
美鈴「これ、ください」
店員「いらっしゃいませ」
美鈴「あ、一枚はプレゼント用で」
店員「かしこまりました」
100 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 16:56:36.12 ID:???.net
電車の中で音楽を聴いている美鈴。
突然急停車する。

『ただいま車内におきまして、故障が発生いたしました。
原因究明のためしばらく停車いたします。お客さまにはお急ぎのところ大変ご迷惑をおかけいたしますことを…』

駅員「何だこりゃ」
101 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 17:09:31.80 ID:???.net
正美(マンティコア)「誰だ?」
美鈴「え」
正美(マンティコア)「私を呼んだのは誰だ」
美鈴「…!」

マンティコアがイヤホンの中に入り込む。

マンティコア『お前か。お前が私を呼んだのか。何故だ?何故そんなことが。
お前は何だ?早乙女正美と同じか?いや、それとも。
そうだ、お前の脳は。脳の中にはお前の記憶が。そこに仕組みが。
なるほどそうか。そうか。そうか。そうか』
美鈴「いや!」
乗客たち「なんだ」「どうしたの」
102 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 17:11:41.62 ID:???.net
SCENE 003
北口公園
103 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 17:20:24.81 ID:???.net
美鈴「God is Deadの新譜だよ。パヌルー」
正美「なるほど。そいつがパヌルーか」
美鈴「あなたは?」
正美「お前はすでに私を受け入れている。
どんなことでも起こり得るこの世界を、お前は愛しているのだから」
美鈴「どうしてそれを?」
正美「人間とは不思議なものだ。たわいのない思想が、特殊な能力に結びつくとは。
広めたいか?世界愛を。パヌルーの世界愛を」

うなずく美鈴。

美鈴:
彼が何者かなんて、どうでも良かった。
彼は私以外ではじめて、パヌルーを理解してくれた人だった。
104 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 17:38:12.06 ID:???.net
陽子「美鈴、私駄目なんだ。あれから、もっと駄目なんだ。私思い出したの。城之内君に。私、城之内君に」
美鈴「陽子に、会わせたい人がいるんだ」
陽子「え。あ…誰?」

そこには早乙女正美が立っている。

美鈴「この人、陽子の味方よ。ほらこないだ陽子、
私の事何でも包み込んじゃうって言ってたでしょ。陽子も、そんな風になれるよ」
陽子「ほんと?私を楽にしてくれるの?城之内君みたいに」

口づけを交わす正美と陽子。

美鈴:
彼には彼のやり方があった。
パヌルーの世界愛を広めるためのやり方が。

教師「笹岡?」

美鈴:
約束された幸福を享受することなく、陽子は逝ってしまった。
でも、これも世界、だよね?パヌルー。
105 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 17:49:51.43 ID:???.net
凪「こんなとこで何してるの?」
美鈴「あなたは?」
凪「ここで何をしていた?」
美鈴「いけないんですか?ここにいたら」
凪「こんな薄気味悪い所に、よく一人でいられるなと思ってね。あんた、聖谷の生徒だね?
つい最近、あんたの学校で失踪した生徒がいると思うんだけど」
美鈴「失踪した…城之内君のことですか?」
凪「そいつについて、何か知っていることはないか?どんなことでもいい」
美鈴「失礼します。きっと城之内君は、世界を愛せなかったんだと思います」
凪「世界を?」
美鈴「ここへは、もう来ないでください。ここ、私の大切な場所ですから」
凪「大切な場所…か。ここがね」
106 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 18:01:31.31 ID:???.net
イヤホンに正美の指令が入る。

正美『霧間凪』
美鈴「え?」
正美『あの女』
美鈴「霧間凪」
正美『あいつにも、世界愛を教える必要がありそうだ』
美鈴「戻る?」
正美『呼び出す』
美鈴「来てくれるかな?」
正美『きっと来る。電話してこう言うんだ』

凪「もしもし?え、なんて?どうして?なんだって?」
美鈴『だから、早乙女君よ。早乙女正美君。彼があなたに話があるんですって』
凪「早乙女正美?」
(正美「もはやあなたは僕らの敵だ」)
凪「…!」
美鈴『もしもし?霧間さん』
凪「そいつに近づいちゃ駄目だ!」
美鈴『どうして?』
凪「何でもいい!とにかく」
美鈴『私達は、あなたに世界愛を教える義務があるの。じゃ、必ず来てくださいね』
凪「もしもし?もしもし?くそ!」
107 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 18:17:59.55 ID:???.net
美鈴「来るかなあ?霧間さん」
正美「来る。早乙女正美の名前が、あいつには絶好の囮になる」
美鈴「囮…か。何だか、悪いことしてるみたいで嫌だな」
ブギーポップ・ファントム「そう、そして囮は君自身だ」
美鈴「え?誰?」
ブギーポップ・ファントム「君達の間では、死神の名で呼ばれている」
美鈴「ねえ、早乙女君。この人…早乙女君?」
ブギーポップ・ファントム「彼は早乙女正美じゃない。本物の早乙女正美は、もう死んでいる」
美鈴「あなたが、早乙女君を?」
ブギーポップ・ファントム「君は、奴の実体化の場を与えていた。世界の敵に加担していたのだ」
美鈴「あのねえ、死神さん。私達は世界の敵なんかじゃない。その逆よ。私達は…」
ブギーポップ・ファントム「君は、本当のパヌルーじゃない」
美鈴「え!」
ブギーポップ・ファントム「君の世界愛とパヌルーの世界愛は似ても似つかない。
本物のパヌルーと入れ替わった時、君の運命は既に決まっていたのだ」
美鈴「そ、そんなことない。私はパヌルーの世界愛を受け継いだわ。そして、そして…」
恵「嘘つき」
美鈴「え」
恵「嘘つきー!」
美鈴「嘘じゃない…信じてパヌルー。私、私は…」
108 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 18:22:44.56 ID:???.net
SCENE 004
中学時代
109 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 18:32:43.44 ID:???.net
恵「美鈴、そんなことで泣いちゃ駄目だよ」
美鈴「だって、じゃあどうして私達産まれてきたの?どうして生きてなきゃいけないの?」
恵「どうしてだと思う?」
美鈴「だから、それが分からないから」
恵「理由なんてない。とにかく私達産まれてきて、そして生きている。ただそれだけだよ。世界はただそこにあるもの。
どんなに苦しくても、これが私達の世界なの。その苦しみゆえに世界を愛し、肯定しなければならない。パヌルーって人の言葉よ」
美鈴「パヌルー?誰それ」
恵「秘密」
110 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 18:39:14.57 ID:???.net
美鈴「ねえ、パヌルー」
恵「やめてよそれ」
美鈴「いいじゃん。尊敬してんだからさ。私、パヌルーの話もっと聞きたい」
恵「ほんと?」
美鈴「うん。この世界や、愛や、肯定することについて、もっともっと」
恵「明日、またデートする」
美鈴「うん!」
恵「放課後、そこ北口公園。待ってる」
美鈴「うん。じゃあね」
111 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 18:42:54.05 ID:???.net
美鈴「ひっ、い、いやあああー!」

(恵「これが世界。どんなに苦しくても、これが私達の世界なの」)

美鈴「分かった、パヌルー」
112 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 18:58:20.56 ID:???.net
ブギーポップ・ファントム「彼女は、あの時連続猟奇殺人事件の犠牲になった。そして君は…」
美鈴「私は、パヌルーの意思を継いだ。世界をあるがままに受け入れたのよ」
ブギーポップ・ファントム「君が受け入れたのは世界じゃない。彼女の死だ。
君はパヌルーから何も受け継がなかった。ただこの世界から自分を守るために、世界を愛してる振りをした。
その愛が、奴に格好の場を与えていた。君の中途半端な進化が、奴を実体化させていたのだ」
美鈴「進化?…いや!いやああああああ!!!!!」
ブギーポップ・ファントム「虹は消えたかい?」
美鈴「いや。ああ…仕方なかった…そうしなくちゃ生きていけなかった。他にどうすれば良かったの?
この無茶苦茶な世界で、どうやって生きていけば良かったの?
連れてって。城之内君みたいに、私を連れてって」
ブギーポップ・ファントム「君は連れていけない」
美鈴「え」
ブギーポップ・ファントム「悪いが、君は連れていく価値さえない」
美鈴「ブギーポップ」
113 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 19:12:02.71 ID:???.net
美鈴「助けて…誰か助けて…この世界から、私を救い出して…」
恵「嘘つき。嘘つき。嘘つき。嘘つき。嘘つき!嘘つき!」
美鈴「やめてー!」

美鈴のプレイヤーが落ちる。

美鈴「助けて…助けて…助けて…誰かねえ、助けて…誰か助けて。お巡りさん!助けて!助けてください。お願い!」
森田巡査「こいつは驚いたな。へっ」
美鈴「!」
114 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 19:16:07.86 ID:???.net
森田巡査に喰い殺される美鈴。

(美鈴「世界はここにあるもの。どんなことも起こり得るし、そして起こったことが全て」)

駆け付けた凪がプレイヤーを拾い壁に投げつける。
115 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/22(木) 19:17:35.21 ID:???.net
プレイヤーからまた電流が走る飛んでいく。

美鈴「嘘つき」
116 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 16:33:47.00 ID:???.net
SCENE 001
聖谷高校
117 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 16:45:58.39 ID:???.net
女子A「知ってる?シナモンって、不安を解消してくれるんだって。度胸もつくんだって。アロマテラピーの本に書いてた」
女子B「ほんと?ならこれで、無理めの男逆ナンしようかな」
女子A「駄目よ。やっとこれだけ分けてもらったのよ。これだけ、分けてもらったんだから。あ、何すんの!」
妙美「やっぱりこれか。シナモンじゃないって」
118 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 16:47:05.65 ID:???.net
聖谷高校 3年2組
上原 妙美
119 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 16:48:15.38 ID:???.net
聖谷高校 3年2組
上原 妙美
120 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 16:52:20.45 ID:???.net
女子A「あ、違うの?」
妙美「タイプSとか言ってたかな。手に入り辛いみたいよ、かなり」
女子B「どこで売ってんの?」
妙美「さあ、駅前で配ってる人がいるらしいけど」
洋次「…」
121 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 16:53:45.06 ID:???.net
女子B「あ、違うの?」
妙美「タイプSとか言ってたかな。手に入り辛いみたいよ、かなり」
女子B「どこで売ってんの?」
妙美「さあ、駅前で配ってる人がいるらしいけど」
洋次「…」
女子A「へえ、そうなんだ」
女子B「行ったら分かるのかな、それって」
122 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 16:55:43.68 ID:???.net
聖谷高校 3年2組
菅沼 洋次
123 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:02:20.63 ID:???.net
女子A「あれ、確か彼、駅前でバイトしてなかった?ねえ、知ってる?」
妙美「あいつは知らないって。そんな流行りもんなんか」
女子B「そうね。根暗だし」
女子A「ねえ、これ可愛くない?」
女子B「ああ、可愛かったね」

洋次:
俺は忙しいんだ。忙しいんだ。デートなんだ。デートなんだ。ざまあみろ。俺はデートなんだ。
デートなんだ。

妙美・女子A・B「あははははははは」
124 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:06:14.43 ID:???.net
VOL 4
MY FAIR LADY
125 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:06:51.72 ID:???.net
けがれなき少女への愛
126 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:21:52.40 ID:???.net
店主「いらっしゃいませー」
正美「どうだ?テストは」
美奈子「楽勝よ。遊びみたいなものだわ」
正美「君は頭がいいんだね。普通の人間より」
店主「いいねえ、若いもんは。俺も、あの頃に戻りたいよ」
洋次「あがっていいでしょうか?」
店主「デート?な訳ねえか。はははは」
127 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:24:14.46 ID:???.net
洋次:
俺は忙しい。デートなんだ。そう。彼女がいるんだ、そう。

洋次「チッ」
128 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:27:26.20 ID:???.net
妙美「ああ、安くしてくんない?どうせ、ただのアロマテラピーなんでしょ」
正美「こいつのおかげで、君もずいぶん大胆になったな。もっと売るんだ。今の自分に満足していない奴に」
129 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:29:58.59 ID:???.net
SCENE 002
菅沼家
130 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:37:24.68 ID:???.net
洋次の父「洋次、模擬テストどうだった」
洋次「…」
洋次の父「分かっているだろうが、とにかく国立だぞ。もう一流は望まんが。腐っても国立だ!」
131 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:41:55.06 ID:???.net
洋次の父「俺の子供なのに何故馬鹿なんだ」
洋次(小学生)「パパ…?」
洋次の父「とんだ失敗作だ」
洋次(小学生)「…」
132 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:46:06.06 ID:???.net
洋次の父「偏差値が低いなら、学費も低い大学にしろ!これでお前も親孝行が出来る!いいな!」

音楽をかけ父親の怒声をかき消す洋次。

洋次「お前なんか知らない。誰だよお前。ざまあみろ。ふっ」
133 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:50:54.28 ID:???.net
パソコンで美少女ゲームを始める洋次。

洋次「遅かったね」

ちさと
ごめんね、待った?
でも、ワタシ走ってきたんだよ
134 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 17:58:32.39 ID:???.net
ゲーム内のキャラ"ちさと”の服を替える洋次。

洋次「うん、すごく似合う」

ちさとがソフトクリームを食べている
①ハンカチで拭いてあげる
②ペロッとなめてあげる
③なめるフリしてキスしてしまう

③を選ぶ洋次。

ちさと
アッ

洋次はパソコン画面を舐め続けた。
135 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 18:06:44.93 ID:???.net
洋次「しゅ、週に働けるの、3日だけ?」
理恵「やはり、駄目ですか?」
洋次「例えば、月、水、金なら?」
理恵「考えておきます。失礼します」
洋次「あ、君。ねえ、君…」
136 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 18:16:02.11 ID:???.net
洋次「君、働けば?俺が何とかしてやるよ。俺、古株だからね。安心しな。いや、強引だ。それは強引だ。
俺は強引じゃないから言わなかっただけだ。普通そうさ」
妙美「彼女?菅沼、そんなしけた顔して。誰も逆ナンしてくんないって」
洋次「な、何だ。お前」
妙美「ちょいと踊り過ぎただけさ。変われるよ、これで」

タイプSを見せる妙美。

妙美「大胆にね」
137 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 18:19:47.89 ID:???.net
パソコンで美少女ゲームをしている洋次。

洋次「小柄でスリム。抱きしめたら肋骨がきしむくらいに。君のような子、実際にいるんだね」

"ちさと"から"理恵"に名前を変える。

洋次「君は完璧さ、理恵。理恵」
138 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 18:31:05.73 ID:???.net
キャンドルにそっとタイプSを垂らす洋次。

洋次「へへ…」

理恵の制服姿を想像する洋次。

(理恵「似合う?」)

洋次:
タイプS、俺に勇気をくれ。
139 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 18:32:22.85 ID:???.net
『発信音の後に、メッセージをどうぞ』
洋次「バイトの菅沼です。やっぱり週何日でも結構です」
140 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 18:38:22.08 ID:???.net
洋次はバイト先のガスコンロの火にタイプSを垂らす。

理恵「うわあ、可愛いー。こういうの着たかったんだけど」
洋次「制服、それしかないんだ」

大きめの制服を捨てる洋次。

理恵「何か、短くないですか?これ」
洋次「ん」
理恵「別にいいけど」
141 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 18:40:14.80 ID:???.net
洋次「似合うよ。すごく似合うよ。似合うよ。似合う」
142 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 18:53:26.64 ID:???.net
チャットをしている洋次。

トラッパ>そんなことよりタイプSの入手先教えろよ>ヒギンズ
ヒギンズ>新しいゲームを手に入れた スゴクいいよ>トラッパ
明けの男爵>またね>あ~や

洋次「君だけに教えよう。マイ・フェア・レディっていうんだ」

トラッパ>マイ・フェア・レディ?それクラブ?>ヒギンズ
ヒギンズ>キミだけに教えよう。マイ・フェア・レディっていうんだ>トラッパ

洋次「知ってるだろ?大学教授が花売り娘をナイスな女にお育てする」

洋次は理恵の声を録音していた。

理恵
いいけど

洋次「理想はポニーテール。俺だけのうなじ。髪アップにして欲しいな。僕のマイ・フェア・レディになって」

理恵
いいけど
143 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:02:39.51 ID:???.net
洋次「曲げた肘の内側に挟む感じで」
理恵「すっごーい」
洋次「後で教えるね」
144 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:08:32.43 ID:???.net
理恵「えーっと、こうかな。あ、えーっと」
洋次「さっき、ライスに髪の毛入ってた」
理恵「え、私の?」
洋次「店長はパーマかけてるし、僕はもっと短いし」
理恵「ごめんなさい。次からは気を付けます」
洋次「髪アップにして欲しいな」
理恵「はい。じゃあ今度からそうします」
145 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:12:56.49 ID:???.net
洋次「そういえば君、ほんとは中学生なんだって?」
理恵「どうしてそれを?」
洋次「店長や親に言ったら、どうなるかな」
理恵「お願い、言わないで!」
洋次「……」
146 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:18:45.30 ID:???.net
洋次「変だと思ったんだ。学校名を間違えるなんて。深陽学園なのに、深陽高校ってさ」
理恵「学校にばれたら私。受験だし。お願い!」
洋次「髪アップにして」
理恵「え!」

トラッパ>早く入手場所教えてよ>ヒギンズ
トラッパ>それよりタイプS>ヒギンズ
トラッパ>それって大胆って言うかあ>ヒギンズ
ヒギンズ>オレって結構大胆だろ?>トラッパ
147 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:22:22.60 ID:???.net
妙美「悪いね。あんたの分、ちょっと使っちゃった」
洋次「し過ぎるとそうなるのか?」
妙美「はははははは、はははははは、ははは。心配ないって。ほらお金早く」
148 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:25:39.66 ID:???.net
洋次「理恵。理恵。君は野菜しか食べちゃいけないよ。そのスリムな体をキープする為にね」

①パスタ
②チーズケーキ
③野菜スティック

③を選ぶ洋次。
149 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:34:04.66 ID:???.net
客A「へえ、何曜日に来てんの?」
理恵「えっと、月、水、金」
洋次「…」
150 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:43:22.16 ID:???.net
友人A「すみません、水ください」
理恵「はい」
友人B「ねえ、藤花。知ってる?D組の霧間凪。停学中なのにまた昨日この辺うろついてたよ」
友人A「もしかしてさ、例の凪がうってんじゃない?」
藤花「まさか。霧間さんってそんな悪い子じゃないと思うけど」
洋次「ブスばっか」
理恵「ありがとうございましたー」
客A「また来るよ。理恵ちゃん」

洋次:
見るな!見るな!俺だけの理恵だ!
151 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:50:46.79 ID:???.net
店主「さあ、一生懸命働いたご褒美だよ」
理恵「わあ、ラッキー。あ!」
洋次「理恵、それは食べ物じゃないよ」
理恵「…っ」
洋次「理恵、夕べは君食べなかっただろ」

理恵
私、似合う?

洋次「ああ、とっても。スクール水着だし、他のは着ちゃ駄目」
理恵「どうかしたんですか?」
洋次「あれ?まだそんな服着てるの?もう見飽きたよ。ちゃんと水着を選択しといたじゃん。俺」
理恵「あの、私、お先に失礼します!」
152 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 19:57:25.42 ID:???.net
理恵が男と歩いてる幻影を見て倒れこむ洋次。

洋次「理恵。理恵。ぐあ…」

妙美が暗がりの中に入っていく。

洋次「くれ…タイプSを…」
153 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 20:09:45.41 ID:???.net
正美「君は今まで自分に満足などしたことはなかった。モテたこともなかった。でも、最近は楽しいだろ?もう充分楽しんだろ?」
妙美「え」

妙美の頭が弾け飛び、それを喰らう美奈子。

洋次「くれ…タイプS」
美奈子「どうしましょうか」
正美「平気さ。もはや彼も我々のスレイヴだからな」
美奈子「ふーん。じゃあ殺す?」
正美「まだ早いよ。もっと末期的なスレイヴを観察してみたい」
美奈子「それを言うなら完成形のスレイヴでしょ」
正美「そう。現実から完全に逃避し、主体性を失い、我々のロボットのように動く。そういう奴が沢山欲しい」
美奈子「人間社会をつくり替える為に、でしょ?」
洋次「君、あれだろ?くれ」
正美「今日見たことは忘れろ」
洋次「はい」
正美「また欲しくなったら、いつでもここに来るんだな」
154 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 20:17:23.40 ID:???.net
洋次「理恵。君は誰にも渡さない。僕だけのものさ」

男友達を消去しますか?
①はい
②いいえ
消去するとビギナーコースになります

『男友達を消去しました』
155 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 20:22:58.28 ID:???.net
洋次「オーケー。オーケー。分かってんじゃん。理恵」

理恵
だってえ、着て来いって言うんだもん

理恵が他の男に服を見せている幻影を見る洋次。

洋次「け、消したはずなのに、何故だ!何故だ!」
156 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 20:28:31.26 ID:???.net
洋次「分かりました。広めます。タイプSの凄さを」
正美「誰でもよくはないが、口が堅くて、そうだ。今の自分にネガティブになっている。そういう感じ」
洋次「はい」
正美「ふっ、タイプSはシナモンのSじゃない。スレイヴのSさ。まさに」
157 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 20:33:57.58 ID:???.net
洋次の父「お前最近顔色が悪いな」
洋次「…」
洋次の母「勉強のし過ぎですかね」
洋次の父「いや。あいつはもう勉強しとらんはずだ」
洋次の母「え」
洋次の父「見ろ。こんなものが来てたぞ!」

CG学院の入学案内書。
158 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 20:39:16.38 ID:???.net
洋次「そう。髪を上げる時は必ず背を向けてね」
洋次の父「冗談じゃない。腐っても国立だ!」
洋次の母「でも少しは洋次の気持ちも」
洋次の父「構わん!子供は親のものなんだから!」
洋次「君は僕のものさ。ね、理恵」

理恵
宿題オシエテ

洋次「ああ。なら、僕は家庭教師って訳だね」
159 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 20:49:43.37 ID:???.net
理恵
先生、オシエテ

洋次「リラックス。学校じゃないんだし、足組んでいいよ。可愛いなあ、君は。そんな気にしなくてもいいのに」
理恵「あ…」
洋次「勉強机のこっち側に立てば、ほら、スカートは隠れるだろ?」
理恵「は、はい…」
洋次「さあ、また座って。さあ、ここへ。さあ」
理恵「お、お願い!」
洋次「誰にも言わないよ。中学生のくせにバイトしてること」
理恵「…っ」
洋次「座り方も僕が教えたよね?足を組んで。足を」

録音した理恵の声を聴かせる洋次。

『いいけど』
理恵「…!」

洋次「さあ、今度は何を教えようかな」
理恵「あ!もういい!」
洋次「ふふ、逃げても無駄さ。君はずっと僕の手の平の上」
160 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 20:53:28.64 ID:???.net
パソコンに向かって話しかける洋次。

洋次「そうだ。歌を教えよう。カラオケ好きでしょう?曲選んであげる」

理恵「私もう怖くて!」
店主「分かった、安心しな。彼の事はもうクビにするから」
161 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 20:55:31.82 ID:???.net
光の柱が現れる。

洋次「理恵、さあ僕の前で歌って。あのミュージカル映画のように。
僕のマイ・フェア・レディ」
162 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 21:01:13.27 ID:???.net
洋次「そ、そんな!」

気付くとパソコンが壊れていた。

洋次「あ…!あ!あ!あ!理恵!理恵!理恵!」
洋次の父「おい、どうした!」
洋次「てめえ!馬鹿野郎!理恵をどこに隠したんだよ!おい!」
洋次の父「何言ってるんだ!いいからここを開けろ!」
洋次「うるさい!うるさい!うるさいんだよ!消えろ!消えろ!お前が消えろ!消えろ、馬鹿野郎!」

理恵が消えていく。

洋次「うわああああああ!!!!!!」
163 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 21:02:15.65 ID:???.net
SCENE 003
一ヶ月後
164 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 21:03:55.25 ID:???.net
洋次が繁華街で暴れている。
そこを通りかかる恵と美鈴。

山本巡査「森田さん。そっち押さえてください!」
森田巡査「おい、おとなしくするんだ!」
165 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 21:06:38.60 ID:???.net
美鈴「ねえ、パヌルーって?」
恵「そうね、パヌルーってのはね」
166 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/26(月) 21:07:43.06 ID:???.net
洋次「理恵…理恵…理恵…理恵…理恵…理恵…」
167 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 17:51:00.83 ID:???.net
『あの掲示板がサーバーごと潰されたって』
『またまた。どっかの陰謀系だろ、それって』
『いや、これマジでやばいらしいよ』
『それって、もしかして統和機構?』
168 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 17:54:12.83 ID:???.net
Vol 05
Interlude
169 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 17:55:37.22 ID:???.net
間奏
170 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 18:06:38.23 ID:???.net
森田巡査「まあ、そんな噂が流れてるのは一時期の事で、すぐに誰も口にしなくなるだろ」
山本巡査「ネットの噂なんて、そんなもんですよ」
森田巡査「そう、実際そこで流れた話なんて、組織の実態とはまるでかけ離れたものだった。
だがな。あるんだよ。本当にそういう組織がな」
山本巡査「よくある秘密結社とかの噂でしょ?ま、こう暇だとそんな話もたまにはいっか」
森田巡査「だがそいつらは、世界中を動かす力を持ちながらも、何をする訳でもない。ただ見てるだけなんだ」
山本巡査「見てる?」
森田巡査「そう。そいつらは、ある目的で世界を監視してるんだ」
山本巡査「はは。監視ねえ。あれ?
森田さん、この話前にもしませんでしたっけ」
171 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 18:20:17.69 ID:???.net
藤花「んん…」

SCENE 001
宮下家

藤花「ん、んん。
おはよう、竹田先輩」
172 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 18:38:37.07 ID:???.net
TV『今日の気温は、昨日と同じか、1、2度下がるでしょう。ただ、平年より上回る所が多く…』
藤花「おはよう」
藤花の父「ああ」
藤花の母「藤花。早く着替えなさい」
藤花「はーい」
173 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 18:40:42.61 ID:???.net
藤花「よし」
174 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 18:45:21.17 ID:???.net
藤花の父「また家出か。何なんだろうな、最近の高校生は。流行ってるのか?そういうのが」
藤花「流行ってないよ。そんなもん」
藤花の父「あの子は、大丈夫なんだろうな」
藤花の母「また、病気出たりして」
TV『関東地方は、午後も引き続き晴れるでしょう』
175 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 18:53:43.43 ID:???.net
『間もなく発車致します…』
茜「おはよう。藤花」
藤花「あ、おはよう」
176 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 18:55:15.19 ID:???.net
藤花「何か、どんどん変わってくね」
茜「何が?」
藤花「街の風景」
茜「ああ、そういうもんだよ。大人になるってのは」
177 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 19:02:05.71 ID:???.net
作業員A「あ?何でしょうね、これ」
作業員B「あー、よく分からんが埋めちまえば一緒だ。気にすることないだろ」
作業員A「監督!こっちのが錆びてボロボロになってるんすけど!」
現場監督「搬入の時にチェックしたのかよ!」
作業員A「監督がしたじゃないすか!」
現場監督「あー、俺か。ったく!」
178 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 19:04:11.61 ID:???.net
SCENE 002
如月家
179 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 19:14:21.04 ID:???.net
山本巡査「ん、よっと」
刑事「ん?何だ?これは」
180 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 19:28:20.59 ID:???.net
山本巡査「如月みお、71歳。心臓発作のようです。えっと、5年前からここに一人暮らしですね」
刑事B「一人暮らしだって?じゃあこれは?」
山本巡査「はあ、35になる娘が一人いるんですが、記憶障害とかで入院中となってまして。ただ、実はこんなものが」
刑事A「私が死んだら、孫の真名花の事を宜しくお願いします。孫がいたのか」
山本巡査「いえ、そんなはずは。入院中の娘にも子供は…。ただその娘、5年前妊娠中に熱病に侵されて、お腹の子を亡くしてるんです。
その時、脳に損傷を負ったらしく、それからずっと病院暮らしなんだそうです」
刑事B「可哀相に。母さんそん時のショックでちょっと脳槽系逝っちゃったんだな」
刑事A「しっかし寂しい最期だなぁ」
山本巡査「俺こんなの嫌だな」

森田巡査は真名花が5歳の時の写真を見つける。

刑事B「じゃあ昼飯でも食いに行くか」
刑事A「近くに何かありますかね」
刑事B「ああ、行ってみよう」
181 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 19:39:31.97 ID:???.net
山本巡査「ネットの噂なんて、そんなもんですよ」
森田巡査「その組織の目的はな、変化の種を摘む事なのさ」
山本巡査「変化、ですか?」
森田巡査「組織は、変化が嫌いなんだ。だからそいつらは、世界を監視しているのさ。こうしてる今もな。
ところが、その変化が起こったんだよ。人類自身の身にな」
山本巡査「はっはは。森田さん、ひょっとして信じちゃってません?」
森田巡査「ふっ。ただの噂だよ」
182 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 19:41:42.57 ID:???.net
SCENE 003
深陽学園
183 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 20:02:20.62 ID:???.net
京子「また消えたね。聖谷の子」
実咲「ああ、あれって死神に連れて行かれたんでしょ」
京子「ブギーポップ?」
和子「…」
実咲「何かね、連れてくんだって。特別な子だけ」
京子「特別な子って?」
実咲「知らない。あーあ、私も連れてってくんないかな」
京子「学校来てもつまんないしねー。霧間凪とかいたら嫌だし」
和子「…」
実咲「この頃いないよ」
京子「また何かやってるらしいよ。駅裏の工事現場うろついてるの見たって」
実咲「死体捨ててんのかなー」
和子「…」
184 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 20:11:39.01 ID:???.net
山本巡査「ネットの噂なんて、そんなもんですよ」
森田巡査「世界を監視していた組織は、ある時、数百、いや、数千万に一人、特別な子供が現れ始めた事に気付いた」
山本巡査「特別な子。ああ、よく分からないけど、超能力者みたいなものですか?」
森田巡査「まあ、そうだな。それは進化と言ってもいい。
組織は、そいつらを見つけ次第、抹殺する事に決定した。同等の能力を持つ者を使ってな。
ヒトであってヒトでない者、組織がつくった、まあ合成人間とでも言っておこうか」
山本巡査「合成人間」
森田巡査「実はそいつらは、そこら中にいるんだぜ。知らないうちに人間社会に溶け込んでいるんだ」
山本巡査「はは、面白いや。あれ?
森田さん、この話前にもしませんでしたっけ」
185 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 20:14:51.59 ID:???.net
SCENE 004
旧市街再開発地区
186 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 20:35:40.98 ID:???.net
和子「何が起こってたのか分からないけど、それは一ヶ月前に終わったんだと思ってた。
多分、あの光がのぼった夜。でも、終わってないのね」
凪「あんたもしつこいな。末真さん」
和子「私には何も教えてくれないんだ。今起こってる事も、5年前の事も。
5年前、私は殺人犯に狙われていた。ところが突然事件は終わって、私は助かり、真相は闇の中…。
霧間さん、ちょうどその頃病気で、1年休学してるでしょ」
凪「何でそんな事」
和子「教えてくれないから調べたの」
凪「チッ」

凪は人影を見る。

和子「県立総合病院」
凪「もう行くよ」
和子「あっ」
凪「末真さん、宮下藤花って知ってる?」
和子「え?宮下藤花って確か、C組の?名前知ってるくらいだけど、何?」
凪「いや、あんたと彼女が友達だったらどんなだろうなと思ってね」
和子「え」
187 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 20:52:48.25 ID:???.net
山本巡査「本日の死亡、0件と」
森田巡査「その組織の網は世界中に張り巡らされている。もちろん、この街にもな」
山本巡査「え?」
森田巡査「例えば、5年前の連続猟奇殺人事件。覚えてるだろ?あれにもそいつらが関係していたんだ」
山本巡査「噂、ですよね?」
森田巡査「連続殺人が起きる数ヶ月前、合成人間をつくる過程で生まれた実験薬が紛失した。組織を裏切った男がいたんだ。
探偵をやっていたそいつは、薬を盗んで、何故かこの街の県立総合病院に持ち込んだ。
組織はすぐにそいつを殺したが、薬は発見されなかった」
山本巡査「も、森田さん。ひょっとして、信じちゃってません?」
森田巡査「組織の薬が猟奇殺人犯という化け物を生み出した可能性は高い。
だが、事件は突然終わり、真相は組織にとってもいまだ闇の中だ。もちろん、噂だがな」
山本巡査「そ、そういや、県立総合病院って、あの婆さんの記憶障害の娘が入院してる所でしたよね?確か。
いい加減な噂なんて、一杯ありますからね。まあ、たまにはこういう話もいいか。暇だから。あれ?
森田さん、この話前にもしませんでしたっけ」
188 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 20:54:43.60 ID:???.net
和子「はぁ…ん?宮下藤花」
189 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 21:02:53.43 ID:???.net
SCENE 005
県立総合病院
190 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 21:17:18.41 ID:???.net
和子「え」

真名花が光の蝶と戯れている。

真名花「ふ、ふふ。ふふふ、ふふ。ふふ、ふ。ああ。ああ、ふふ」

蝶に触れ、どこかへ飛ばされる和子。

和子「きゃっ」
凪「なあ、どう思う?探偵さん」
和子「え?」
慎平「さてね。なりたいものになれる人なんて、そういるもんじゃないんじゃないかな」
凪「だからって、何になりたいか、自分がどういう生き方をしたいのか考えるのは、無意味じゃないだろ」
和子「霧間さん」

転落死する男。
笑う女。

先生「先輩の子が強い子に産まれますように。ふふふ、ふふふふふ」

沢山のカメラのフラッシュ。
和子が次々と映し出されていく。

和子「やめて。やめて!やめて…」

真名花が蝶を捕まえると、元の場所に戻っていた。
191 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 21:22:33.38 ID:???.net
和子「何なの?今の」
真名花「何なの?今の」
和子「…」

真名花は光の蝶を握りしめ、笑みを浮かべながら去っていった。
192 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 21:26:03.66 ID:???.net
和子は手帳に何かを書き込んでいる女性を見る。
193 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 21:28:26.96 ID:???.net
和子「あ…宮下さん」
藤花「え?」
和子「あ…」
藤花「D組の、えーと」
194 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 21:32:12.11 ID:???.net
藤花「そっか、末真さんも冬期講習受けるんだ。良かった」
和子「何で?」
藤花「ほら、今から受験勉強すると、皆裏切り者みたいな目で見るんだもん。仲間が欲しかった訳」
和子「ああ」
『発車致します』
195 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 21:38:39.16 ID:???.net
子供A「お爺ちゃん、あれ何あれ」
老人A「ああ、何だろうな」
和子「でも、何であんな所にいたの?」
藤花「うーん、ていうか受験勉強を前にして、自分の過去を振り返るっていうの。
実は昔、あそこにちょっとだけ通ってた時期があって…」
和子「そうなんだ。どこか悪かったの?」
藤花「それが、体じゃないんだな。まあ、いっか。末真さんになら。
狐憑き」
和子「え」
藤花「だって親は言うんだけど、全然覚えてないのよね」
196 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 21:43:12.56 ID:???.net
藤花「私は違うと思うんだけど、だって、この現代にそんなのあり得ないじゃない。
でも、何となくその時の事は印象に残ってて、病院の建物とか先生とか、急に懐かしくなって。
ほら、この頃街の風景ってどんどん変わるでしょ?」
和子「そうね」
197 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 21:49:35.34 ID:???.net
和子「私、本屋寄ってくからここで」
藤花「そう。それじゃあまたね。
末真さん。昔を懐かしむ事と、過去にとらわれる事は、別の次元の事だ。
街の景色が変わるように、人も前に進んでいかなければならない。君なら分かるだろ」
和子「えっと、宮下さん…?
ふふ、面白い人」
198 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 22:01:35.68 ID:???.net
鎮「そうだ」
小夜子「お兄ちゃん!」
真名花「ふふふ、ふふふ。はは。ふふ、ははは」
プームプーム「それが君の能力という訳だね。過去を運ぶ虫か。面白いな」
真名花「面白いな」
プームプーム「さあ、おいで。僕らは友達になれるよ」
真名花「ふふ。ともだち」
199 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 22:05:36.62 ID:???.net
『いません、どこにも!あちこち探したんですが!』
『どうしました?』
『すいません。保護されてうちに来た身元不明の娘さん。ちょっと目を離した隙に』
『何ですって!』
200 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 22:22:41.39 ID:???.net
森田巡査「この街じゃもう一つ、組織が全貌を掴んでない事件がある。一ヶ月前の事だ。
組織の合成人間の失敗作が、研究所の連中を喰い殺して、この街まで逃げてきた。
ところが、一ヶ月前からそいつの痕跡が消えた」
山本巡査「何か、ただの噂話だと思えなくなってきたな」
森田巡査「そして、その日からこの街に異変が起きている。進化を始めた者が、異常発生しているのさ。
組織は、進化した人間を狩る為に、一人の合成人間を送り込んだ。
そうだな、名前を仮にスネークアイとしようか」
山本巡査「…」
森田巡査「そいつは、逃げた人喰いと同じく、人間を喰ってその相手に化ける事が出来る」
山本巡査「!」
森田巡査「言っただろ?合成人間は知らないうちに人間社会に溶け込んでいるってな」
山本巡査「…」
森田巡査「そうやって、新しくやってきたそいつと入れ替わる為に喰われた悲しい犠牲者は、
この街でそいつと最初に出くわしちまった不幸な警官だったって訳さ」
山本巡査「も、森田さん。何でそんな話を俺に」
森田巡査「退屈しのぎさ」
山本巡査「退屈、しのぎ」
森田巡査「そうさ。合成人間も退屈するんだ。人間的だろ?」
山本巡査「は!まさか…」
森田巡査「ああ、俺がその警官だよ」
山本巡査「あ…あ…」
森田巡査「俺の目を見ろ」
山本巡査「あ…あ…」
201 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/03/31(土) 22:30:28.21 ID:???.net
山本巡査「あ、あれ?俺」
森田巡査「報告書、書くんだろ?」
山本巡査「ああ、そうでした。あれ?お茶がこぼれてる。おかしいなー。俺飲んでたっけ」
森田巡査「なあ、面白い話聞かせてやろうか」
山本巡査「なんすか?」
森田巡査「ある組織の話さ。連中は、ある目的で世界を監視してるんだ」
山本巡査「ネットの噂ですか?よくありますよね。その手の陰謀系の噂。あれ?
森田さん、この話前にも」
202 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 15:07:40.23 ID:???.net
過去は唐突に
現在を襲ってくる
必ず 記憶の痛みを伴って
霧間誠一
203 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 15:17:54.23 ID:???.net
山本巡査「…っ。あ、う…う、うえ。はあ、はあ。も、森田さん」
204 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 15:24:20.16 ID:???.net
医師たち「…ああ!」
検死医「眼球に前頭葉、肝臓がこれで、こっちが十二指腸」
医師「全て分解されている。人間の仕業とはとても思えない。この異常さはあれ以来だ。5年前の一連の殺人事件」
205 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 15:30:17.03 ID:???.net
山本巡査「森田さん…」
女性「きゃあ!うわあ、きゃああ!」

山本巡査が見ると、血だらけの女性が倒れている。
そこに立つ一人の女。

山本巡査「あ…、や、や、や、やめろ!」

銃を構えて発砲しようとしたが、その女は消えてしまう。
206 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 15:32:08.79 ID:???.net
蝶々と戯れる真名花。
それを見守るプームプーム。
207 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 15:35:44.31 ID:???.net
SCENE 001
5年前
208 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 15:49:04.75 ID:???.net
凪「若狭静枝さん、どんな人だった?人に恨まれたりとか」
里香「静枝はそんな人じゃありません!」
凪「良かったら、話してくれないかな」
里香「明るくて、優しくて、ちょっときつい所もあったけど、でもあれは、静枝が強い人だったからで」
凪「強い?それってどういう風に?」
里香「気持ちが真っ直ぐって言うか…」
凪「精神的に強かった、頼り甲斐があった、とか?」
里香「う…」
209 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 15:50:20.56 ID:???.net
SCENE 002
現在
210 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 15:59:13.46 ID:???.net
幸子「里香さん、って仰いましたね」
里香「ずっと交換日記をしてたんです。静枝さんとは。引っ越しされると聞いて」
幸子「それは、ご丁寧に」
里香「本当は迷いました。お母さまに見せて良いのかどうか。お互い、悩みを書いていましたから、あの…」
幸子「ええ、解っています。それも思い出ですから」
里香「それでは、お元気で。知ってます?この頃街に、過去が蘇るって」
幸子「え?」
211 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:07:25.57 ID:???.net
幸子「静枝…許して」

(静枝「触らないで!」)

❝里香んち来るの?
授業参観?うち、きっと
両方くるよ。でも、なんか
本人たち、デートみたい。
何着てこーかとか言ってんの!❞

幸子「ん?」

❝ごめんね。
心配かけて、ごめん。
今日これしか書けない。
涙がとまったら、
ゆっくり話すから。❞

幸子「…っ」
212 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:10:41.12 ID:???.net
SCENE 003
7年前
213 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:14:35.91 ID:???.net
静枝「う…う…お父さん」
幸子「いつまで泣いてるの?勉強の時間よ。私も、一緒にやるから」
静枝「…」
214 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:20:51.85 ID:???.net
❝本当に泣いてはいられなかった。
すでに母は、
保険外交員の職をきめていた。
もう私の前で涙をみせず、

幸子「じゃあ、チンすればいいから。行ってきまーす」
静枝「行ってらっしゃい」

父が死んでから一週間。
まだ私は受験の問題集すら
開いてないというのに、
その日、私は、初めて
母親に作り笑いを
した。❞

幸子「ん…?あ!」
静枝の幻影を見る幸子。
気付くと消えていた。
215 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:22:24.01 ID:???.net
光の蝶々と戯れる真名花。
216 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:23:46.51 ID:???.net
SCENE 004
5年前
県立総合病院 精神科診察室
217 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:35:30.85 ID:???.net
真希子(女医)「でも、自宅で産むなんて、ほんとマイペースな真弓さんらしいわ。
高校時代からちっとも変わってませんね」
真弓「マイペースって言うか、病院だと色々詮索されるでしょ?」
真希子(女医)「シングルマザーって事?そんな、今時よくある話ですよ。それより、どうです?
イライラとか、メンタルな部分の具合は?」
真弓「おかげさまでそっちは平気よ。この間真希子が打ってくれた注射が効いたのかもね」
真希子(女医)「そう。なら全ては順調って訳ですね」
真弓「ただ、昨日辺りからちょっと痛むのよ。陣痛にしては早い気がするし」
真希子(女医)「たまにそういう人もいますわ。平気ですって」
真弓「…」
218 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:38:15.34 ID:???.net
SCENE 005
同 内科診察室
219 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:45:07.25 ID:???.net
医師「尿と血液は異常ないんですけどねー。五月病ってやつじゃないの?で、胃どう痛いわけ?」
静枝「どうって…」
医師「食前に痛むとか食後に痛むとか。君さ、髪伸ばした方が似合うんじゃない?」
静枝「薬が欲しいんです。薬局で売ってるより強い薬貰えるんですよね?」
医師「まーたまた。そういう可愛くない事言う患者多いんだよな。さあ、じゃあ。お腹見るから服上げて」
静枝「…!」
医師「どうしたの?さあ」

静枝「うっ…やめて」

静枝「うっ…」
医師「君!」

何かを思い出し、おう吐してしまう静枝。
220 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 16:51:15.63 ID:???.net
真弓「綺麗よね、そのナデシコ。本当は夏から秋にかけて咲くはずなのに、ここ暖かいから。
人間で言うなら早産って事かしら。あ、ごめんなさい。休んでらしたのね」
静枝「いえ」
真弓「それとも同じナデシコ科だから、それ引っこ抜いてあげちゃおうって事かしら?」
静枝「え?」
真弓「だって今日、母の日でしょう」
静枝「…」
221 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:08:09.25 ID:???.net
真希子「先に言っておきますけど、心療内科のセラピーは別料金ですから。
分かる?医者にだってアフターファイブはあるのよ。ふふ。
経験から言わせてもらうと、おそらくPTSD。トラウマによる神経性の急性胃炎ね。
後はそのトラウマを払拭するだけ。さ、始めましょうか」
静枝「無駄だと思います。どうせ、誰も分かってくれない」
真希子「無理に治す必要ないんじゃない?」
静枝「え?」
真希子「女性は弱い方が結果的に幸せって事もあるわよ。強い女ほどタチの悪い男に狙われるわ。
プライドをずたずたにする事を快感に思う殺人鬼のような者に」
静枝「え…」
真希子「あなたを励ます為に言ったのよ。でも、例えが悪かったわね。ごめんなさい」
静枝「別に、強くなんかなりたくありません」
真希子「…」

静枝は、幸子がつくった弁当をごみ箱に捨てたことをふと思い出す。

静枝「…!」
真希子「やっぱり、話したくないならいいわよ。今日は」
静枝「夢を、見るんです」
真希子「どんな?」
静枝「獣が、襲ってくる」
真希子「あなたを?」
静枝「母をです」
真希子「どんな獣?」
静枝「でも、母は、逃げないんです」
222 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:10:15.81 ID:???.net
SCENE 006
現在
223 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:16:39.25 ID:???.net
❝今年ほど複雑な気分で
迎える9月はないと思う。
学校が始まって皆に会える
のは、うれしいけど、父の命日
も同じ9月。

カレンダーの数字も日によって
意味が違う……❞

幸子「…」
224 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:23:38.91 ID:???.net
静枝「お母さん、私これ着ていく」
幸子「お墓参りに赤い服着ていく人がどこにいますか」
静枝「お父さんがこれが一番自然に似合うって言ってた。ね、お母さんもそうしよう。パパが喜ぶように」
幸子「そうしよっか」
静枝「あ、お母さんちょっと待って。白髪。あ、ごめーん。抜くと増えるんだっけ?」

幸子「ふふ」

幸子:
あなたは決して寂しいふりを見せなかったわね。
私思ったわ。
負けてはいられない。
この子の為に頑張らないと。
まずは高校。せめて大学を卒業させるまではって。
225 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:26:51.31 ID:???.net
幸子「このプランですと、例え事故に遭遇しても、労災と同じ金額の保証が得られます。
あくまで万一ですけどね」
226 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:31:14.25 ID:???.net
幸子「はぁ…」
上司「若狭君。もう今日は終わりにしたらどうだ」
幸子「いえ、明日までに見積もりを出す約束でしたので」
上司「君って本当に偉いんだね」
幸子「あ」

幸子:
その一言で、全身から力が抜けていくようだった。
全身から。
227 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:34:49.85 ID:???.net
交換日記をふと閉じる幸子。
また静枝の幻影を見る。
その幻影は静枝の部屋へと入っていく。
追いかけていく幸子。
開けるとそこには、当然のように誰もいなかった。

幸子「静枝…」
228 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:36:27.47 ID:???.net
SCENE 007
5年前
229 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:42:39.25 ID:???.net
真希子「どんな獣?」
静枝「それは…」

幸子の仕事先の上司と幸子が車の中でキスしているのを見かける静枝。

静枝「ああ、うっ!」
真希子「我慢するのよ。ここで逃げていちゃあ、いつまでもその痛みは治まらない。さ、話して」
静枝「は…」
230 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:47:07.50 ID:???.net
❝里香、ごめんね…。
こんなこと書いて…。
気分悪くしたでしょ。
でもね…。
私、その百倍
気持ち悪かった。
今日見たこと幻で
あってほしい…。❞
231 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:50:42.92 ID:???.net
幸子「静枝?」
静枝「触らないで!」

静枝:
悲しいけれど、それは現実だった。
母は車の中と同じ、白いワンピースを着ていた。
一生私は白のワンピースは着ない。
232 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 17:54:42.21 ID:???.net
❝今日誠にフラれちゃった。
このあいだメールで告白
したばかりなのに。
里香、どうしよう。❞

静枝「い、いや。やめて!」
誠「静枝、ごめん。俺、我慢できないんだ!」
静枝「う…」
233 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:04:13.27 ID:???.net
真希子「最初に目の当たりにした性というものが、不幸にも母親だった。
あなたが大好きだったお父さんを、同じようにまだ愛してるはずと思っていた母親の」
静枝「いや」
真希子「以来、セックスというものを、必要以上に殻に閉じ込めた」
静枝「私、このままじゃ一生…いや…そんなの、嫌…先生、お願いです!治してください!
私こんなんで負けたくないんです!」
真希子「負けたくない?」
静枝「あんな母親のせいで、自分が駄目になりたくない!」
真希子「そうかしら?いちいちメソメソするようだと、いつまで経っても…」
静枝「出来ます!」
真希子「その自信、どこから来るの?」
静枝「学んだんです。私」

幸子「静枝!開けて!開けて静枝!」

静枝「このままでは自分が駄目になると思って、部屋に閉じ籠もってずっと勉強してたんです。
毎晩毎晩。成績も上がって、志望校にも入れたし」
真希子「そうなの。あなた、充分強いじゃない」
234 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:06:46.44 ID:???.net
SCENE 008
現在
235 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:09:33.99 ID:???.net
❝花になりたい。
植物ならなんでもいいけど
たんぽぽとか…。
たんぽぽ
タネになって生まれてきたら、
風が運んでくれるし…。
そう、すぐに一人になれる。
親なんかの顔を見ずに…。❞
236 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:16:04.33 ID:???.net
幸子:
静枝、気付いてたわよね。
知ってたわ。
でも言えなかった。
勇気が無かったの。
言えない自分をまた責めながら仕事に打ち込むしかないって。
せめてあなたの学費だけは何とかしようって。
ずるい親よ。
許してもらえるはずもない。
237 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:18:35.56 ID:???.net
光の蝶が弾ける。
幸子が気付くとそこには静枝の幻影があった。
その幻影は、触らないでとつぶやいた。

幸子「静枝…!」
238 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:22:31.65 ID:???.net
街中で光の蝶々が弾ける。
凪が振り向く。
ブギーポップが現れ、額を貫かれた真希子は断末魔をあげる。
239 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:24:10.15 ID:???.net
SCENE 009
5年前
240 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:37:13.82 ID:???.net
静枝「あ、あ!」
真弓「う…」
静枝「大丈夫ですか!」
真弓「また、お会いしたわね。あっ…」
静枝「病院の人、呼んできます!」
真弓「いいのよ」
静枝「でも。…!」
真弓「どうせ、言われることは分かってる。今なら手遅れにならない。出産は諦めろ」
静枝「え」
真弓「昨日近所の助産婦さんにも言われたわ。それで気を紛らわそうと友達の精神科医に会いに来たのよ」
静枝「でも、じゃあご主人とか」
真弓「いないわ」
静枝「え。あ、ごめんなさい。余計な事」
真弓「全然。私今流行りのシングルマザーだから。もう決めてるのよ。名前に花という字を入れるって。
女の子なら、真名花」
静枝「…」
241 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:44:05.25 ID:???.net
真弓「ごめんなさい。心配かけて」
静枝「あの」
真弓「ん?」
静枝「寂しくないんですか?」
真弓「寂しい?」
静枝「だって」
真弓「寂しいわよ、女としては。でも、母親としては充実してるわ。きっと、あなたのお母さんもそうだと思う」
静枝「…あ。私の?」
真弓「さっき隣の部屋で休んでたの。ごめんなさいね。話聞こえちゃって」
静枝「いえ、いいんです。もう」
真弓「私、妊娠して分かったの。男と違って私達には二つの顔があるって。女の顔と母の顔」
静枝「…」
真弓「ほら、植物にも花と葉っぱがあるでしょう?日光を浴びて、必死に栄養分を吸い取る葉と、
もうこっちはひたすら自分を美しく見せたい花。花が女の顔で、葉が母の顔」
静枝「あ、白髪…」
242 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:46:18.66 ID:???.net
静枝「あ、お母さんちょっと待って。そのまま」
幸子「いった」
静枝「でもごめん。抜くと増えるんだっけ?白髪」
幸子「こら」
243 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:48:59.59 ID:???.net
真弓「駄目ね、私。しっかり手入れしなくちゃ。綺麗な花が台無しだわ」
静枝「そこまでして、産むの?」
真弓「そうよ」
244 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:49:54.30 ID:???.net
SCENE 010
現在
245 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:55:52.26 ID:???.net
引っ越し作業を見守る最中、幸子は光の蝶を見つける。
それを追いかけ気付くと、静枝が立っていた。

幸子「静枝…」
静枝「私、ずっと無理してたの。弱くなっちゃっていけないって。
ずっと意地張ってて。ごめんね」
幸子「あ…」

静枝が消えたそこには、カーネーションがあった。

幸子「ありがとう。静枝」
246 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:57:58.99 ID:???.net
Vol 06
Mother's Day
247 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 18:58:57.09 ID:???.net
汝、母を愛せよ
248 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/16(月) 19:00:34.85 ID:???.net
光の蝶々と戯れ走り出す真名花。
249 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 14:36:02.95 ID:???.net
小夜子(小学生)「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…、寒い、寒いよ…」
小夜子「!」
不良B「わりいんだけどさ、ちょっと金貸してくんない?持ってるだけでいいんだけどさ」
小夜子「…」
不良C「待てよコラ!そりゃあ駄目でしょ。金出せっつってんだから、出すのが普通でしょ」
鎮「見つけた」
不良C「あ?何だと?」
鎮「いらない物」
不良C「あ!う、あ…あ…ぐ…あ…」
不良B「な、何だ!てめえ、何を?」
鎮「いらない物は全部分解する。次はお前達を分解してやろう」
不良C「この野郎!うわあっ!手がああっ!」
不良B「ば、化け物!」
鎮「どう分解されたい?手足をバラバラにされたいか?それとも。どっちにしても、最後には跡形無く消してやる」
不良B「来るな!来るな!」
小夜子「やめて!もうやめて!」
不良B・C「うわああー!」

小夜子に殴る蹴るの暴行を加える鎮。

鎮「邪魔するなって言ったろ。あいつら、いらない物だったんだぞ。う、うえ…」
小夜子「お兄ちゃん」
小夜子(小学生)「寒いよ、お兄ちゃん」
250 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 14:37:22.60 ID:???.net
及川 鎮
及川小夜子
251 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 14:41:36.56 ID:???.net
Vol 07
Until Ure In My Arms Again
252 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 14:42:25.05 ID:???.net
世にかなわぬ願いなく
253 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 14:52:38.22 ID:???.net
香奈枝「もうこんな時間。あなた、行ってきます」

小夜子:
お父さんもお母さんも、お兄ちゃんの力の事を知らない。
一ヶ月前。
光がお兄ちゃんに与えた力の事を。
254 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 14:53:22.36 ID:???.net
SCENE 001
一ヶ月前
255 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 15:00:36.50 ID:???.net
小夜子「お兄ちゃん?」

小夜子が電気を付けると、鎮はパソコンの部品をいじっていた。

小夜子「お兄ちゃん」
鎮「どれかな?」
小夜子「え?」
鎮「いらない部品。こんなにごちゃごちゃしている必要なんかない。
いらない物があるに決まってるんだ。そいつを見つけて、見つけだして…」
小夜子「お兄ちゃん、もうやめて!お願いだからもう!」

光がのぼっていく。

小夜子「!」
256 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 15:06:42.90 ID:???.net
小夜子が1階へ降りると、鎮はコーヒーを見つめていた。
そのコーヒーがブクブクと音を立てている。
驚く小夜子。
257 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 15:14:20.17 ID:???.net
鎮「面白いものを見せてやる」

そう言って、鎮は捨て猫を抱きかかえた。
小夜子が微笑ましく見ていた次の瞬間、
猫は血しぶきをあげて跡形も無く消えてしまうのだった。

小夜子「ああ…うう…いやあ!」
鎮「ふふふ。う、うえ…」
小夜子「お兄ちゃん」
鎮「小夜子。この世には、いらない物が多すぎると思わないか?
分解してつくり直す必要がある。これって、そういう事だと思わないか?」

震えが止まらない小夜子。

香奈枝「小夜子?小夜子?」
小夜子「…!」
258 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 15:16:59.38 ID:???.net
小夜子:
今のお兄ちゃんにとって、この世はごちゃごちゃとした部品の寄せ集め。
その中から、お兄ちゃんはいらない物を消してしまおうとしている。
でも、あの光はお兄ちゃんの願いを叶えたに過ぎない。
いつからだろう。
いつからお兄ちゃんはあんなに。
259 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 15:19:44.59 ID:???.net
SCENE 002
5年前
260 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 15:34:22.74 ID:???.net
小夜子(小学生)「お兄ちゃん。何つくってるの?」
プームプーム「これはね、笛吹きの衣装さ。今度の劇でハーメルンの笛吹きやるんだ」
261 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 15:38:21.85 ID:???.net
小夜子:
そう、昔のお兄ちゃんはあんなじゃなかった。
つくる事が好きで、そして私は…。

安能「及川」
小夜子「安能先輩」
262 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 15:45:27.29 ID:???.net
安能「悪いな。橘の手紙読んでくれた?」
小夜子「え、あ、はい」
安能「あいつさ、度胸無くて全部俺に任せきりなんだよな。で、返事の方なんだけど」
小夜子「ごめんなさい」
安能「そっか。他に好きな奴がいるとか」
小夜子「…」
安能「まあ、いいや。橘には俺の方から言っとくから。あ、気にしないでくれな。この事。じゃあな」
小夜子「…」
263 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 15:56:44.56 ID:???.net
山本巡査「どうしました?」
スプーキーE「どうなってる」
森田(スネークアイ)「ん」
スプーキーE「進化の原因だ。何か掴めたのか?」
山本巡査「お知り合いですか?森田さん」
森田(スネークアイ)「お前は」
スプーキーE「スプーキーエレクトリック」
森田(スネークアイ)「エコーズだ。やはりマンティコアを追って、この街に来ていたらしい」
山本巡査「ん?」
スプーキーE「やはりな。奴ら、俺達合成人間の素体でもある。進化を促しても、不思議じゃないって訳だ」
山本巡査「あの、森田さん?」
スプーキーE「なんにせよ、訳の分からん新種にうろつかれたんじゃたまらん。殺せ。一人残らず」
森田(スネークアイ)「やってる」
山本巡査「森田さん。何の…な、何ですか?森田さん。今の。それに、殺すって一体」
森田(スネークアイ)「…」
山本巡査「ひえ…」
264 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 16:10:47.62 ID:???.net
小夜子「この頃ね、よく思い出すの。昔の事。覚えてる?お兄ちゃん。ハーメルンの笛吹き」

小夜子を蹴り飛ばす鎮。

鎮「当てつけか」
小夜子「お兄ちゃん」
鎮「お前、ムカつく。ん?何ですか?」
凪「こんな所で中学生を殴るなんて、穏やかじゃないね」
鎮「妹です」
凪「妹なら殴ってもいいってか」
鎮「離してください。離せよ」
凪「!」
小夜子「ここじゃ駄目!放っといてください。私達に構わないでください。お兄ちゃん!」
凪「落としたよ」
小夜子「…!」
凪「どういう意味?ここじゃ駄目って。あんたのお兄さん、ひょっとして」

落としたキーホルダーを凪からひったくる小夜子。

小夜子:
今のお兄ちゃんは本当のお兄ちゃんじゃない。
でも、お兄ちゃんはきっと帰ってきてくれる。
あの時だって。
265 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 16:18:58.77 ID:???.net
SCENE 003
深陽学園
266 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 16:19:25.34 ID:???.net
小夜子「この頃ね、よく思い出すの。昔の事。覚えてる?お兄ちゃん。ハーメルンの笛吹き」

小夜子を蹴り飛ばす鎮。

鎮「当てつけか」
小夜子「お兄ちゃん」
鎮「お前、ムカつく。ん?何ですか?」
凪「こんな所で中学生を殴るなんて、穏やかじゃないね」
鎮「妹です」
凪「妹なら殴ってもいいってか」
鎮「離してください。離せよ」
凪「!」
小夜子「ここじゃ駄目!放っといてください。私達に構わないでください。お兄ちゃん!」
凪「落としたよ」
小夜子「…!」
凪「どういう意味?ここじゃ駄目って。あんたのお兄さん、ひょっとして」

落としたキーホルダーを凪からひったくる小夜子。

小夜子:
今のお兄ちゃんは本当のお兄ちゃんじゃない。
でも、お兄ちゃんはきっと帰ってきてくれる。
あの時だって。
267 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 16:20:41.74 ID:???.net
SCENE 004
5年前
268 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 16:25:18.91 ID:???.net
教師A「いましたか」
教師C「いや、こっちには」
教師A「二人でそう遠くへはいけないと思いますが」
教師C「もう少し、探してみましょう」
小夜子(小学生)「お兄ちゃん、足が痛い」
プームプーム「頑張れ。もう少しで皆の所に戻れるからな」
小夜子(小学生)「お家に帰りたいよう」
269 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 16:34:06.31 ID:???.net
木で何かを削りながら、プームプームは言う。

プームプーム「そこで男は言いました。この街のネズミ全てを退治してみせましょう。
そうして、笛を吹きならすと、町中のネズミが男の周りに集まってきたのです」
小夜子(小学生)「お兄ちゃん、寒いよ。お腹空いたよ」
プームプーム「出来た」
小夜子(小学生)「え」
プームプーム「お守り。道に迷っても、それを持ってるときっと家に帰れるんだ」
小夜子(小学生)「お兄ちゃん?」
プームプーム「僕が助けを呼んできてやる。その人形がお前を守ってくれるから、心配しないで待ってろ。いいな」
270 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 16:39:33.37 ID:???.net
小夜子:
生まれて初めて、お兄ちゃんがくれた手作りの人形だった。

教師A「おい、いたぞ!大丈夫かい。お嬢さん」
教師C「おい毛布持ってこい!毛布!」
プームプーム「…」
小夜子「…」
271 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 16:48:26.17 ID:???.net
香奈枝「これ、メリーゴーランドじゃないかしら。ここ」
小夜子「お母さん?」
香奈枝「ああ、おかえり。これ?あのね。何かを成し遂げる事が立ち直るきっかけになる事もあるって。
ほら、お父さん。これがきっかけで。ね。だから」
小夜子「…!お兄ちゃん」
鎮「…」
272 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 16:53:13.51 ID:???.net
SCENE 005
県立総合病院
273 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 17:01:15.46 ID:???.net
婦長「結局ね。心因性のものじゃないかって先生がそう仰ってたわ。
何にもないのに吐き気がするなんてねえ。それにしても偉いわね、及川さん。
いっつもお兄ちゃんに付き添って」
小夜子「どんな事でもいいんです」
婦長「え」
小夜子「お兄ちゃんの力になってあげたい。傍にいてあげたいんです」

光の蝶と戯れている真名花を見かける及川兄妹。

小夜子「お兄ちゃん?お兄ちゃん、この人…」
真名花「ふふ。あ、あ、ふふ」

真名花が光の蝶を及川兄妹に飛ばす。
274 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 17:16:20.05 ID:???.net
達朗「どうだ、小夜子。ペイズリーパークって言うんだぞ。お父さんの会社がつくるんだ」
香奈枝「取れたんですか」
達朗「ああ、誘致団体から、ジオシティ計画の連携を唱えたのはうちだけだったからな。これから忙しくなる」
香奈枝「おめでとうございます」
プームプーム「お父さん」
達朗「鎮か」
プームプーム「約束覚えてる?」
達朗「約束?えーと」
プームプーム「父兄参観だよ。今度の日曜はお父さん、来てくれるって約束したじゃないか」
達朗「あ、ああ、そうだったな。大丈夫。きっと行くよ」
プームプーム「きっとだよ。約束だよ」
275 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 17:27:15.75 ID:???.net
プームプーム「お金と引き換えに、この街のネズミを退治してあげましょう。
この笛でネズミを連れて行きましょう」
児童A「どうして子供達を連れ去ったのですか」
児童B「返してください。子供達を返してください」
プームプーム「子供達は帰ってきません。あなた達が約束を破ったからです。
約束を破ったからです」

香奈枝「お父さんはね、お仕事が忙しかったのよ」

達朗「そんな話ってありますか!ジオシティがパンクしたからって取り決めたものを!もしもし!もしもし!」

笑うプームプーム。
276 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 17:35:31.18 ID:???.net
小夜子「何?何今の」
鎮「そうだ」
小夜子「お兄ちゃん?」
鎮「見つけた。いらない物」
小夜子「いらない物?」

走り出す鎮。

小夜子「お兄ちゃん!」

追いかける小夜子。
それを見る真名花。

小夜子:
そうなの?お兄ちゃん。
さっきの事?
本当に!?

小夜子「寒い。何なの?何なのよ、これ!」
277 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 17:41:10.88 ID:???.net
森田(スネークアイ)「入院していたんですか?ここに」
婦長「ええ、何日か前に保護されてきて。
でもさっきから姿が見えないんです。皆で探してるんですけど。
あ、この事はまだ。その病院としてもあれですから」
森田(スネークアイ)「解っております。お取込み中失礼しました」
278 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 17:44:36.24 ID:???.net
廃人になっている達朗。

小夜子「お母さん!お母さんしっかりして!お兄ちゃんは!お兄ちゃんはどこに行ったの!?」

半笑いを浮かべ食器洗いを続ける香奈枝。
279 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 17:46:12.84 ID:???.net
SCENE 006
ペイズリーパーク
280 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 17:52:55.23 ID:???.net
小夜子「お兄ちゃん!お兄ちゃん!…!お兄ちゃん!」
鎮「こいつだ」
小夜子「え」
鎮「この出来損ないの遊園地が、この世で一番いらない物だったんだ。これさえなきゃ。こいつさえなきゃ」
小夜子「やめて、お兄ちゃん!」
真名花「やめて」
小夜子「あ」
真名花「やめて」
森田(スネークアイ)「ほう、なるほど」
小夜子「あ。う!」

森田(スネークアイ)に手で弾かれる小夜子。
281 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 17:57:29.75 ID:???.net
森田(スネークアイ)が軟体になり、鎮の体に巻き付き絞め殺そうとする。

森田(スネークアイ)「貴様自身には何の力もない」
鎮「うごあ…」
小夜子「お兄ちゃん」

次の瞬間、森田(スネークアイ)が血しぶきをあげて分解された。
282 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 18:04:18.93 ID:???.net
小夜子:
思い出した。この寒さは。

小夜子(小学生)「寒いよ。お兄ちゃん」

小夜子:
あの時だった。
あの時から私はお兄ちゃんの事が…。
283 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 18:05:41.99 ID:???.net
小夜子「(嘘…そんな…そんなのって)」

小夜子:
そうだ。
光が力を与えたのはお兄ちゃんにではなかった。

小夜子「(そんな事って)」

小夜子:
光は私に力を与えてくれたんだ。
お兄ちゃんの願いを、何でも叶えてあげる力を。
284 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 18:12:36.67 ID:???.net
鎮「お前が。そうだったのか」

小夜子:
どんな事でも良かった。
傍にいて、お兄ちゃんの力になりたかった。

小夜子「お兄ちゃん」
プームプーム「お金と引き換えに、この街のネズミを退治してあげましょう」
鎮「!」
小夜子「おにいちゃん」

真名花に連れていかれるプームプーム。

鎮「待て。待ってくれ!行かないでくれ!」
プームプーム「…」
鎮「行かないでくれ…」
285 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 18:19:11.14 ID:???.net
鎮「ずっと前から、分かっていたのかも知れない」
小夜子「え」
鎮「本当にいらない物。あの時、僕はあいつを。それまでの自分を捨てた。
僕が消してしまいたかったのは、僕自身だったのかも知れない」
小夜子「お兄ちゃん」
鎮「ん?」
小夜子「私を、分解できる?分解して。私のせいでお兄ちゃん」
鎮「出来る訳ないだろ。分解を選んだのは僕だ。小夜子はそれを叶えてくれただけだ」
286 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 18:20:42.58 ID:???.net
鎮「また迷子になってた」
小夜子「お兄ちゃん。おかえり、お兄ちゃん」
287 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/18(水) 18:22:06.84 ID:???.net
ブギーポップファントムが現れる。
誰もいなくなった部屋。
そこには、鎮がつくった人形を小夜子がキーホルダーにしたものだけが置かれていた。
288 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 16:45:29.49 ID:???.net
凪「じゃ」
慎平「ああ」

慎平:
一体何人の者が、彼女の事を知っているんだろう。
たった一人で世界の危機と戦い続けてるこの少女の事を。
289 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 16:47:35.33 ID:???.net
凪「じゃ」
一朗「ああ」

一朗:
一体何人の者が、彼女の事を知っているんだろう。
たった一人で世界の危機と戦い続けてるこの少女の事を。
290 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 16:50:04.20 ID:???.net
Vol 08
She's So Unusual
291 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 16:50:23.89 ID:???.net
彼女の生き方
292 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 16:52:15.93 ID:???.net
脳と言う小宇宙は
自己という物語を造る
人は皆 物語を生きる
霧間 誠一
293 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 16:55:44.76 ID:???.net
一朗:
彼女の物語を語るには、その日まで遡らなければならない。
294 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 16:57:24.09 ID:???.net
10月28日午後4時27分
295 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 16:58:05.15 ID:???.net
飛んでいく光の蝶。
296 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:04:06.97 ID:???.net
一朗:
5年振りに降り立った街。
そこで俺は、しばらくまるで記憶喪失のように、立ちつくしていた。
岸田一朗。それが俺の名前。
雑誌のライターをしている俺は、数年前に死んだとある作家の特集記事の為にやって来たのだ。

一朗「何を持っているんだい?」
真名花「なにをもっているんだい?あう…」
297 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:06:46.95 ID:???.net
一人の男にブギーポップが語りかける。

ブギーポップ「君は、何かを追い求めているのだろう。
だったら、絶望している暇はないはずだ。それを見つけるまでは」
298 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:09:06.00 ID:???.net
一朗「今のは一体」
真名花「いまのはいったい」
299 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:10:45.94 ID:???.net
時間というものはない
あるのはただ
記憶という幻想だけだ
霧間誠一
300 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:15:41.72 ID:???.net
凪「あ、黒田…さん?」
一朗「え?いや。私は岸田というんだが、雑誌の編集をしている者で」
凪「ああ、そう。ごめん。昔の知り合いに似てたから」
一朗「霧間凪さん、だね?今度うちの雑誌で、お父さんの故霧間誠一先生の特集を組む事になってね」
凪「悪い。またにしてくれるかな。これから出かけるんだ」
一朗「あ、待って」
301 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:17:24.03 ID:???.net
一朗「何しているんだ?」
凪「…」
302 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:18:37.82 ID:???.net
10月29日午後0時34分
303 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:28:28.53 ID:???.net
一朗「どうしたんだよ。こんなとこ勝手に入って」
凪「しっ」
久志「何でだ。俺なんか、喰ってもまずいだろ。俺みたいな臆病者を喰っても」
凪「誰かいるのか!」
一朗「やれやれ」
凪「そこのあんた、逃げろ!」
久志「ひい!」
凪「マンティコア。なんでお前が」
ブギーポップ・ファントム「悪いが君の相手をしている暇はないんだ」
凪「…っ!」
ブギーポップ・ファントム「待ちたまえ。こんな顔をしてはいるが僕はマンティコアじゃない。
仕方なかったんだ。君達がマンティコアを倒した夜、
あの人喰いは僕のオリジナルをはっきり見なかったんだからね」
304 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:34:35.83 ID:???.net
美奈子の首が絞まる。
光の柱に入っていく正美。
305 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:42:28.56 ID:???.net
ブギーポップ・ファントム「どうやら僕は、あの瞬間生まれたらしい。
だが光と一緒に散らばった記憶の中には、この帽子とマント姿しかなかったから、
適当な顔を拝借したという訳さ」
凪「だけど、何で今更」
ブギーポップ・ファントム「さあ。何しろ僕は受動的だからね。
これで分かったろう。僕がブギーポップだということを。
いや、オリジナルに敬意を表して、ブギーポップ・ファントムとでも名乗っておこうか」
凪「待て!…っ!」
一朗「大丈夫か。何なんだ、今のは」
凪「さあね。過去の残像みたいなもんかな」
306 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:46:23.19 ID:???.net
実在は物質に依存しない
なぜなら全てが
幻影なのだから
霧間誠一
307 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:47:18.09 ID:???.net
11月5日午後4時13分
308 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 17:49:25.95 ID:???.net
凪「まだいたんだ。帰ったのかと思った」
一朗「あんなもの見て放っとけないだろ」
309 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:01:20.82 ID:???.net
一朗「この街に来て、歪んだ虹を見た」
凪「あれは虹じゃないよ」
一朗「そうだな。磁場に太陽のプラズマや荷電粒子が衝突して起きる現象、つまりオーロラだ」
凪「へえ」
一朗「この街の電磁場が狂ってるんだな」
凪「金属が錆びやすくなってるのも、一部の植物が異常に成長してるのもそのせいだろ」
一朗「それを調べていたのか」
凪「そしたら、あんな奴に遭遇しちまったって訳」
一朗「一人で、一人で戦おうとしているのか?どうして。どうして誰かに助けを求めない。
なんで誰にも頼らず、一人で生きようとするんだ」
凪「さあね。病気だからかな。さっきここで会った子ね」
一朗「ん」
凪「ここが大切な場所だと言ってた。人それぞれ、過去があって今があるんだね。私もそういう事」
310 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:06:53.09 ID:???.net
11月8日午後3時40分
311 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:07:57.78 ID:???.net
凪「チッ」

凪は一朗を見る。
312 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:13:43.28 ID:???.net
凪「岸田さんが見たの、それはエコーズだよ」
一朗「エコーズ?」
313 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:14:33.98 ID:???.net
凪「私の友達の説明によると、マンティコアのオリジナル。つまり、化け物の素体ってとこかな」
一朗「素体ねえ」
凪「彼は、人喰いになった自分のコピーを、片付けるためにこの街まで追ってきた。
そして、それは終わったはずだったんだ」
314 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:20:43.65 ID:???.net
凪「でもその女の子、気になるな」
一朗「光の蝶を集めていたのかい?」
凪「同じ言葉を繰り返すのは、エコーズの特徴なんだ。もしかしたら、彼のように進化した子なのかも知れない」
一朗「進化?」
凪「人類がこれから進化する姿だってさ。エコーズは」
一朗「え」
315 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:25:17.07 ID:???.net
凪「それより何。こんなとこ連れてきて。まさか、デートしたいって訳じゃないだろうし」
一朗「いや、デートしてくれるなら願ってもないんだが」
凪「バーカ」
一朗「脳のホログラフィ理論って知ってるかい?」
凪「ん」
一朗「君のお父さんの本にも紹介されているよ。現実は脳が見ているホログラムだってね」
凪「親父の好きそうな与太だね」
316 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:33:02.15 ID:???.net
一朗「普通のホログラムは、記録された光の干渉磁場なんだ。
君のいうエコーズの光がこの街に広がった時、その瞬間の記憶が電磁的な干渉磁場として定着したんだとしたら」
凪「街がホログラムになった」
一朗「我々が見たそのファントムは、その表象に過ぎない」
凪「だとしたら、これ一個じゃ歯が立たないか」
317 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:36:22.52 ID:???.net
一朗「世界という巨大なホログラムには、過去も現在も無く、全てが折りたたまれて存在しているんだそうだ。
ただその振動数を脳が読み解く時、今という誤解が生まれる」
凪「じゃあ、過去もここに残ってんのかな」
一朗「…」
318 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/19(木) 18:37:28.17 ID:???.net
この 世界という空像は
絶えず震えている
なにがそんなに悲しいのか
霧間誠一
319 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 14:20:25.12 ID:???.net
11月12日午後3時16分
320 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 14:21:56.56 ID:???.net
落としたキーホルダーを凪からひったくる小夜子。

凪「あ」
一朗「…」
321 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 14:25:36.95 ID:???.net
凪「ジオシティ計画。景気の良かった頃に計画された、地下都市構想だよ。
街のライフラインとなる共同溝まで掘ったんだけど。近年の財政難でとん挫」
322 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 14:29:33.41 ID:???.net
一朗「何してるんだい?」
凪「買い物。良い電池が無くってね」
一朗「電池?」
凪「30個ほどいるんだ」
一朗「それより岸田さん。ちょっと付き合ってくれるかな」
凪「デートかい?ん?付き合ってほしい場所ってここかい?」
323 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 14:30:19.46 ID:???.net
一朗「何してるんだい?」
凪「買い物。良い電池が無くってね」
一朗「電池?」
凪「30個ほどいるんだ。それより岸田さん。ちょっと付き合ってくれるかな」
一朗「デートかい?ん?付き合ってほしい場所ってここかい?」
324 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 14:37:20.90 ID:???.net
凪「昔、ここに入院してた事があるんだ」
一朗「君が?大怪我でもしたのかい?」
凪「違うよ。原因不明の病気。医者は、成長痛とか言ってた」
一朗「成長痛って?」
凪「体の育ち方が普通じゃなかったんだろ。あのまま育ってたら、化け物になってたかも」
一朗「進化」
凪「その頃ここで、黒田さんって人と知り合った」
一朗「黒田?」
凪「職業は探偵だって。笑っちゃうよね。その人が言ったんだ。正義の味方になりたかったって」
一朗「そう。それで君は何て言ったんだい?」
凪「なればいいじゃんって」
325 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 14:46:26.33 ID:???.net
凪「その後もまあ色々あったけど、私はずーっとこうして、今も生きてる訳だ」
一朗「…」
凪「多分その人のおかげなんだと思う。だから代わりに正義の味方してるって気はないんだけどね。ただ」
一朗「ただ?」
凪「もう一度会えたら、一言ありがとうって言いたいと思ってる。
なんでかな。岸田さん見てたら、この話聞いて欲しくなったんだ」

一朗:
凪は気付いているんだろうか。
それが多分初恋だという事を。
俺は、黒田という男に少し嫉妬した。
326 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 15:00:36.87 ID:???.net
凪は手帳を拾う。

真弓「あ」
凪「あ、これ」
真弓「…あの、私があなたにこれを預けたのかしら」
凪「は?」
真弓「ごめんなさいね」
凪「そこで拾っただけだよ」
真弓「そう、ありがとう。大切な物だから。あの、知り合いじゃないわよね」
凪「違うけど」
真弓「変な事聞いてごめんなさいね。お名前は」
凪「凪。霧間凪」

手帳に書き込む真弓。

真弓「今度また会っても同じ事聞くかも知れないけど、許してね。それでも声を掛けてくれると、嬉しいわ」
凪「あ、ちょっと」
真弓「…」
凪「その手帳は?」
真弓「これ?これは私の記憶」
凪「すいません。ちょっと聞きたいんだけど」

一朗:
看護婦の話では、その女性は妊娠中にかかった熱病で脳を損傷し、
数分以上前の記憶を持たなくなってしまったのだという。
つまり、彼女には今しかないのだ。
次々と現れては消える、今この瞬間しか。
327 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 15:03:13.69 ID:???.net
純粋な知覚は過去を持たない
それが 純粋に生きるという事だ
霧間誠一
328 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 15:05:08.53 ID:???.net
11月14日午後11時36分
329 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 15:09:51.22 ID:???.net
一朗「最後まで一人で、戦うつもりかい?」
凪「…!」
一朗「…」
凪「…」
330 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 15:13:58.72 ID:???.net
一朗「人が死ぬのが怖いのは、記憶が消える事への拒否反応じゃないだろうか」
凪「岸田さんは、死ぬのが怖いのかい?」
一朗「ああ。俺の中の君の記憶が大切だからね」
凪「ふっ」
331 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 15:19:08.24 ID:???.net
凪「行き止まりか」
332 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 15:31:17.14 ID:???.net
凪「!」
マンティコア・ファントム「凪」
凪「!」
マンティコア・ファントム「久しぶりだね。霧間先輩」
凪「早乙女君の口調を真似ても無駄だ。お前はマンティコアだ」
マンティコア・ファントム「お見通しと言う訳か。その通り。
光に吹き飛ばされた瞬間、街に広がった光に、意識を紛れさせて逃れたのさ」
凪「…っ」
マンティコア・ファントム「うわ、うう!」
凪「岸田さん、そこにいろ!」
マンティコア・ファントム「逃がさないよ、霧間凪。今度は確実に殺してやる!ぐわああ」

一朗は、少年少女を見る。
そしてブギーポップ・ファントムを。

一朗「お前は」
333 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 15:45:48.17 ID:???.net
凪「終わりだよ。マンティコア」
マンティコア・ファントム「何!?」
凪「これから街の電磁場そのものを消磁する」
334 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 15:52:50.84 ID:???.net
マンティコア・ファントム「!」
凪「バイ」
マンティコア・ファントム「やめろおお!うわああ!…」
凪「何!?」
マンティコア・ファントム「…!」
凪「…っ」
マンティコア・ファントム「こ、この口笛は…!あ、ああ…!」
335 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 16:11:34.97 ID:???.net
凪「岸田さん!」
ブギーポップ・ファントム「君の電磁石は全部外させてもらったよ。
僕もそいつと同じようにこの街の電磁場として存在しているらしいのでね」
マンティコア・ファントム「お、お前らは一体」
ブギーポップ・ファントム「君は光となって散る時、僕のオリジナルの意識をスキャンしたようだね。
いわば死の瞬間に見た死神のトラウマ。それが僕のようだ」
一朗「死神?」
ブギーポップ・ファントム「だから君と僕は、同じ電磁場の量子振動を、意識の座として共有している」
凪「じゃあ申し訳ないが、一緒に消えてもらう」
ブギーポップ・ファントム「大丈夫だよ」
凪「何!?」
ブギーポップ・ファントム「放っておいてももうすぐ消える」
マンティコア・ファントム「何だと?」
ブギーポップ・ファントム「気付かなかったのかい。時間と共に電磁場が弱くなっているのを」
マンティコア・ファントム「あ」
ブギーポップ・ファントム「もってあと数日だよ」
マンティコア・ファントム「そんな…」

ブギーポップ・ファントムがマンティコア・ファントムの肉体を消滅させる。

マンティコア・ファントム「うわ、うわあああああ!!」

だがマンティコア・ファントムは一朗を乗っ取る。
336 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 16:18:48.09 ID:???.net
凪「逃げたのか?」
ブギーポップ・ファントム「ああ。だけどもうあれには、世界の敵となるほどの力は残ってないよ。僕が保証する」
凪「だが、ここ数日行方不明になってる連中は」
ブギーポップ・ファントム「それは僕だよ。全部じゃないけどね」
凪「何故?」
ブギーポップ・ファントム「彼らを救う為」
一朗「信用していいよ。凪」
凪「岸田さん」
一朗「そいつの言ってることは、本当だよ」
凪「そうかい。行こう」
一朗「あ…ああ」
337 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 16:22:20.38 ID:???.net
一朗「終わったな」
凪「一応ね」
一朗「俺は、明日東京に帰るよ」
凪「え」

突如始まるパレード。

プームプーム「皆、おいでよ」

真名花も一緒に歩いている。
338 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 16:27:06.48 ID:???.net
一朗「何だったんだ、今のは」
凪「さあね。気にすることないよ」

一朗:
彼女はこれからも戦い続けるのだろう。
たった一人で。
誰の助けも借りずに。

凪「最後に一つ、お願いしてもいいかな」
一朗「何だい」
凪「眼鏡取ってみてくれないか?」
一朗「え」
凪「会えて良かったよ。ありがとう」
339 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/20(金) 16:28:26.20 ID:???.net
あなたが幻影でないと
どうして言える?
霧間誠一
340 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 14:35:04.50 ID:???.net
病室で寝ている凪を見る慎平。
慎平は薬を取り出す。
真希子が廊下を歩いていると声が聞こえる。

真希子「誰かいるの?」

真希子が凪の病室に入ると窓は開いており誰もいなかった。
誰かに先生どうしました?と聞かれる。

真希子「いえ、何でも」
341 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 14:36:01.44 ID:???.net
飛んでいく光の蝶。
342 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 14:39:18.19 ID:???.net
プームプーム「可哀そうに。大人にならなくてもいい力の素質だったのに。
薬でそれを無くしたんだね。彼女は」

バイクで走り抜けていく凪。

真名花「かのじょは」
343 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 14:41:26.85 ID:???.net
Vol 09
You'll never be young twice
344 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 14:42:06.00 ID:???.net
過ぎ去りし我が時
345 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 14:43:58.65 ID:???.net
SCENE 001
深陽学園 2年A組
吉沢早紀
346 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 14:55:43.41 ID:???.net
亜梨沙「せんぱーい」
早紀「あ」
亜梨沙「ごめんなさい。遅くなっちゃって」
早紀「そんなに走ってこなくたっていいのに。ちゃんと寝れた?」
亜梨沙「うん、音大の教授にレッスン受けるの初めてでしょ。練習しようかなって楽譜見てたら寝ちゃった」

早紀:
この子が羨ましい。
まだ1年だから。気楽だから。
そうじゃない。
何でだろ。
347 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:03:40.91 ID:???.net
亜梨沙「行きましょ」
早紀「うん。あ」
亜梨沙「バッハのエチュード、あるんですか?着メロに」
早紀「入れたのよ、私が。来年の課題曲だしね。もしもし。お父さん。
大丈夫って。さっき家出たばっかりでしょ。うん、分かってる」
亜梨沙「やっぱ違うな。きっとストレートで音大受かるのって先輩みたいな人なんだろうな」
早紀「え、何?」
良樹『おいでよ』
早紀「もしもし…?」
良樹『おいで。おいで』
早紀「…」
348 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:10:05.44 ID:???.net
教授の前でピアノを弾く亜里沙。

早紀:
いいのよ、人の事なんか。
私、自分の為に。
349 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:14:08.31 ID:???.net
早紀の父「頑張れよ、早紀。先生にまた来いって言われたら、はいって言うんだぞ。
お金の事は心配しなくていいから」
早紀「ありがとう。じゃあ、行ってくるね」

早紀:
あんなに車が好きだった父が、いつの間にか買い替えるのをやめていた。
私を東京の音大に行かせる為に。
350 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:15:19.21 ID:???.net
ピアノを弾き終わる早紀。

教授「2年生か。まだ間に合うわね」
早紀「え」
351 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:18:24.38 ID:???.net
亜里沙「ああ、もう!何であんなボロクソに言われなきゃいけないの?なんかもう行くの超めんどい。
先輩、今度も同じ日に行こう」
早紀「うん、そうね」
352 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:28:00.30 ID:???.net
亜里沙「うわあ、何この家。お化け屋敷みたい」
早紀「少し前までお婆さんが一人で住んでて、でもこないだ亡くなって近々取り壊すみたい」

その家から出てくる真弓達。

早紀「あの、ご無沙汰してます」
真弓「どちらさま?」
早紀「裏の吉沢ですけど」
真弓「…早紀ちゃん!まあ、すっかり大きくなって。懐かしいわ。
早紀ちゃんのピアノ、聞こえてくるのが楽しみでね。ほんと天才少女だって皆で言ってたわ」
婦長「如月さん」
真弓「あ、はい」

亜里沙『記憶喪失?』
早紀『でも単純な記憶喪失じゃないの。その病気になる前の事と、数分前の事は覚えてるんだって』
亜里沙『へえ』
353 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:31:20.61 ID:???.net
亜里沙「ここですか?先輩ん家」
早紀「先輩?」

(早紀の父「上手いぞ、早紀。将来ピアニストだな」)
(早紀「ほんと?」)

早紀「やっぱ、茶店でも行こうか」
354 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:40:50.28 ID:???.net
早紀「亜里沙ちゃんの手って大きいよね」
亜里沙「えー、気にしてるんですから。グローブみたいって言われるし」
早紀「でも、小さいよりは有利よね。ピアノやるんなら」
亜里沙「…」

早紀:
昔は小っちゃくて可愛いって言われたけど、私は大きくなりたかった。
でも、もう大きくなんない。
355 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:47:41.23 ID:???.net
亜里沙「そういえば先輩。ブギーポップの噂知ってます?」
早紀「え」
亜里沙「ほら、最近いなくなった人。全部ブギーポップっていう死神に連れて行かれたって」
早紀「私も、連れて行かれたい」
356 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:52:33.81 ID:???.net
灰皿を使って何か紙のようなものを燃やしている男子高校生。

亜里沙「何やってんでしょうね」
早紀「多分、嫌な記憶を消してるんだ」
亜里沙「え」
早紀「嫌な事があったら、紙に書いて燃やすと、その記憶を消せる人。なんかの本で読んだ事がある」
亜里沙「そうなんですか?」
早紀「私も消したい。今日の事」
357 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 15:55:37.25 ID:???.net
教授「2年生か。まだ間に合うわね」
早紀「え」
教授「ピアノは趣味に変えて、音大の受験は諦める事ね」
早紀「え…」
教授「進路を変更。あなたはもうこれ以上伸びません」
早紀「…!」
358 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 16:04:12.07 ID:???.net
バッハのエチュードの着メロが鳴る。

亜里沙「…」
早紀「いらない、こんな曲。もう私には関係ないのよ」
良樹『おいで』
早紀「え」
良樹『楽しいとこあるよ。一緒に遊ぼ。何もかも忘れて』
早紀「何もかも…」

立ち上がり店から出て行ってしまう早紀。

亜里沙「先輩!」
359 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 16:12:25.23 ID:???.net
早紀がペイズリーパークに着くと、それを見て子供達は笑っていた。

早紀「え」

プームプームが早紀に風船を渡す。

プームプーム「友達になろう」
早紀「あ…」
早紀ファントム「わあ、サンキュ」
プームプーム「もう君も友達さ。さあ、一緒に行こう」
子供達「わーい、早く早く」
子供達「もう急いで」
子供達「一緒に行こう」
早紀「えへ、もーらった。うふ。うふふふ。あはは、あはは、あははは。あは」
360 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 16:21:24.96 ID:???.net
早紀の父「早紀、疲れたろ。で、どうだった?今日は」
早紀の母「で、今度いつ来いって?月謝の話とかしたんでしょ」
早紀「しなかった」
早紀の父「本当にいいんだぞ。お金の事は。お前が4年間大学に行く費用はちゃんと取ってあるからな」

プームプームや子供達にピアノを褒められる早紀ファントム。

早紀「えへ」
早紀の父「なんだ、早紀。思い出し笑いなんかして」
早紀「いっただきまーす」

上手く箸が使えない早紀。

早紀「あれ?あ、あれ?よいしょ。お、お…」
早紀の父「早紀」
早紀「やっぱ食べづらーい。風船おいてくるー」
早紀の父「…」
361 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 16:26:23.92 ID:???.net
早紀「うわあ、すごーい」

自分のピアノの大きさに驚く早紀。

早紀「うわあ、へえ。うふ」

鍵盤蓋を開けた瞬間、早紀から笑みが消える。
362 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 16:29:25.84 ID:???.net
早紀の父「おい、早紀」

早紀の父が早紀の部屋をノックして開け電気を付けると、早紀はピアノの前で自殺をしていた。

早紀の父「あ、ああ…。早紀!」
363 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 16:32:13.01 ID:???.net
SCENE 002
深陽学園 2年C組
小島 茜
364 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 16:36:19.70 ID:???.net
茜「おはよう。藤花」
藤花「あ、おはよう」
365 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 16:37:32.53 ID:???.net
藤花「何か、どんどん変わってくね」
茜「何が?」
藤花「街の風景」
茜「ああ、そういうもんだよ。大人になるってのは」
366 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/21(土) 16:45:33.45 ID:???.net
女教師「あなた、志望は文系のようだけど、数学が一番安定してるわね」
茜「…」
女教師「理系にした方がいいわよ」
茜「え…」
女教師「うん、そうしましょ」


茜:
人は皆、大切なものを切り捨てながら、大人になって生きていく。
そして、現実との折り合いをつけながら、それを自分らしい生き方だと言い聞かせながら。
世の中そんなもんだ。
そう彼女は考えていた。
少なくとも、ある男の子と出会うまでは。
367 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 14:53:40.51 ID:???.net
茜「風船?」
友人A「夜のペイズリーパークに行くともらえるんだって」
藤花「そこってつくってる途中でほったらかしになってるあれでしょ。何でそんな所でもらえる訳?」
友人A「なんかね、選ばれた人だけもらえるんだって」
友人B「でもさ。行ったら行ったで、例の死神みたいにどっか連れてかれちゃうんじゃない?」

茜:
現実逃避が生み出した都市伝説。
皆、ここではないどこかへ連れてってもらいたがっている。
368 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 14:59:12.33 ID:???.net
茜「その店超可愛くってさ。あ」

早紀が風船を持って走り去っていく。

早紀「えへへ、えへへ。えへへ、あはは。あは、あはは。うふ、うふふ。うふ」
茜「ふふ、見た?今のなんだかだよね」
藤花「今のって?」
茜「え?だから、風船。ほら。あ…いいよ、何でもない。行こ」
藤花「宮下藤花には、風船は見えなかったようだね」
茜「え」
369 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 15:05:09.19 ID:???.net
茜ファントム:
プームプームは、風船につかまって、空を飛びました。
空には鳥さんがいました。トンボさんも、チョウチョさんも。

茜:
その日私は、夢を捨てた。
子供の頃からの童話作家になりたいという夢を。

話が書いてあるノートを燃やしながら茜はつぶやく。

茜「ま、こんなもんでしょ」
370 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 15:09:20.23 ID:???.net
茜「今更童話っていうのもなんだかじゃん。来年受験だし。それよりそっちはどうなの?もしもし?」
良樹『おいで』
茜「誰?」
良樹『一緒に遊ぼ』
茜「え」
良樹・良樹ファントム「いっしょに」

夜のペイズリーパークに行き、プームプームと出会う茜。
371 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 15:11:35.53 ID:???.net
SCENE 003
聖谷高校 1年4組
田畑良樹
372 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 15:18:15.96 ID:???.net
隆「おっせーぞ。良樹」
良樹「ごめん。すごい店混んでてさ。チーズバーガー誰だっけ」
誠一「わりい。金今度でいいよな」
隆「おい、来てるぞ。あの子」
良樹「え」
隆「とぼけんなよ。お前あの子タイプだっつうからセッティングしてやったんだぜ」
良樹「だけど、俺」
隆「ああいうミニ履いてる子はな、足に自信があんだよ。だからこう言え。足綺麗だねって。ほら、行けよ」
良樹「…」
373 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 15:23:55.49 ID:???.net
良樹「あ、あのさ」
女の子A「ん?」
良樹「あ、足綺麗だよ」
女の子A「はあ?」
良樹「すごく綺麗だよ」

女の子からジュースを頭からかけられる良樹。

良樹「え」
女の子A「あっぶねー奴」
誠一・隆「くくく」
良樹「…」
374 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 15:30:10.54 ID:???.net
良樹「だから無理だったんだよ」
隆「ま、色々あるさ。気にすんな」
誠一「お、これ良いんだよな。ゲームとかさ、オプション一番良いんだって。
なあ、良樹。お前買うよな」
良樹「いいよ。ケータイなんか」
誠一「そう言わずにさ。俺全部セッティングしてやるから。すいまっせーん」
良樹「マジ?」
誠一「明日返すからさ」
良樹「…」
誠一「なあ、仲間じゃないの?」

お金を取り出す良樹。
375 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 15:39:08.15 ID:???.net
良樹「げ、こんなにゲームしやがった。誠一の奴、結局自分が遊びたかっただけじゃん」

良樹がケータイをホルダーに戻すと、何かケータイから音が聞こえる。
再びケータイを取ったその時、良樹は光の柱を目撃するのだった。

良樹「え…あ!」

良樹:
ちょうどあの日からだった。
俺の体に、変化が起きたのは。
376 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 15:54:54.88 ID:???.net
隆「誠一、合コン話どうなった?」
誠一「しっかりアポ取ってますって。5人対5人だけどね。面子どうする?」
隆「んー、任せるよ」
(誠一の心の声「えーと、隆に俺。茂に潤。で、達也か」)
良樹「え、俺は?」
誠一・隆・茂・潤「あ?」
誠一「な、何だよ。何にも言ってねえよ、俺」
良樹「え」
隆「おいおい」
茂「やべー、やられた!」
誠一「なあ、次俺な」
(誠一の心の声「ま、良樹みたいなダセえ奴呼ぶわけねえしな」)
良樹「…」
(隆の心の声「こいつもしかして俺らがからかってんのに気付いてねえんだ」)
(茂の心の声「明日二限目ふけるからここ空けとけよ」)
(潤の心の声「溜まり場としては最高だよな。学校から近いし、親は共働き」)
良樹「…!」
(潤の心の声「ま、そうでもなきゃこんな奴相手にしねえっつうの」)
良樹「(ど、どういう事だよ)」
377 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 15:58:58.29 ID:???.net
良樹:
普通、こういう能力は便利なのかも知れないけど、
俺の場合は…。

(誠一の心の声「うっとうしい奴。中学が同じだからって着いてくんなよ。
あん時よりマシだろ。誰も殴りもしねえしさ」)
良樹「…」
378 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 16:01:41.37 ID:???.net
誠一「あの、何すか」
久志「虫」
誠一「は?」
379 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 16:06:29.54 ID:???.net
良樹「ん?」
久志「ふ、ふふ。ふふふ」
(誠一の心の声「「悪い、良樹」)
良樹「?」
(誠一の心の声「お前が中学でいじめられてた事言ったの俺だよ」)
良樹「え」
(誠一の心の声「だってそうしないと、俺がいじめられそうだったし」)
良樹「…」
380 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 16:10:53.79 ID:???.net
良樹:
俺、いつになったら本当の友達とめぐり会えるんだろう。

その時、光の蝶が飛んでくる。

子供達「はははは」
良樹ファントム「おいで」
良樹「え」

真名花が光の蝶を持って笑っている。
381 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 16:15:41.23 ID:???.net
良樹:
こんな奴、世界中で俺一人じゃねえか?

真名花の姿を思い出す良樹。

良樹「ふふ、名前分かんないや」
382 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 16:19:02.75 ID:???.net
良樹「いる訳ないか」
女子A「ねえ、教えてよ。どこに行けば会えるわけ?子供の頃の自分に」
女子B「教えなーい」
(女子Bの心の声「夜のペイズリーパーク」)
良樹「…」
383 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 16:28:03.68 ID:???.net
良樹が夜のペイズリーパークに向かうと、そこには真名花が立っていた。

良樹「あ」
真名花「あは、は」
良樹「君、名前は」
真名花「きみ、なまえは」
良樹「俺は良樹」
真名花「おれは、よしき」
良樹「は?」
プームプーム「名前なんか別にいいじゃん。ここは学校じゃない」
良樹「き、君は?」
プームプーム「君の仲間かもね」
良樹「仲間?」
プームプーム「友達になろう」

良樹がプームプームから風船を受け取る。

良樹ファントム「わあ、ありがとう」
女の子ファントム「行こう」
子供達「行こう行こう」
子供達「遊ぼう」
子供達「早く。置いてっちゃうよ」
プームプーム「仲間は多い方が楽しい。集めてくれるね」
良樹「あはははは。わかった。任せとけって」
384 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 16:31:37.42 ID:???.net
良樹『おいで。皆おいでよ。皆仲間になろうよ。
おいでよ。楽しい所。一緒に遊ぼ。僕の…』
385 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 16:35:40.74 ID:???.net
良樹「友達!
もしもし?良樹。あ、名前はいいや。一緒に…」
ブギーポップ・ファントム「そんなことで、貴重な電磁波を無駄にしないでもらえるかな」
良樹「え」
ブギーポップ・ファントム「僕を支える場の力がどうやら尽きようとしている。
僕が救えるのも、君が最後のようだ」
良樹「え…え…!」
386 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/22(日) 16:39:36.22 ID:???.net
良樹ファントム「…!」
プームプーム「気にすることないよ」
良樹ファントム「え」
プームプーム「僕らはここで永遠に遊んでいればいいんだから」
真名花「あそんでいればいい」
良樹ファントム「…うん!」
387 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 14:49:06.57 ID:???.net
茜:
僕はプームプーム。
天国からやってきた幸せの妖精。
僕の仕事は、皆に幸せの風船を分けてあげること。
こうして世界中を旅してるんだ。
世界には色んな国がある。
色んな冒険が待ってる。
さあ、君も一緒に…

話が書いてあるノートを燃やしながら茜はつぶやく。

茜「こんなもんでしょ」
388 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 14:51:58.84 ID:???.net
Vol 10
Poom Poom
プームプーム
389 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 14:59:31.65 ID:???.net
プームプーム:
彼女が僕を、暗い淵の底から救い出してくれた。
390 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:00:13.80 ID:???.net
SCENE 001
県立総合病院
391 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:04:11.67 ID:???.net
プームプーム「…」

走り出す鎮。

小夜子「お兄ちゃん!」
プームプーム「…」

光の蝶と戯れている真名花。

プームプーム「過去を運ぶ虫か。面白いな」
真名花「おもしろいな」
プームプーム「さあ、おいで。僕らは友達になれるよ」
真名花「と、も、だ、ち」
392 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:05:26.06 ID:???.net
SCENE 002
ペイズリーパーク
393 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:08:15.81 ID:???.net
プームプーム「ご覧。ここが僕らの国だよ」
真名花「くに」
プームプーム「ここを友達でいっぱいにするんだ。僕らの友達でさ」
真名花「ともだち」
394 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:17:22.71 ID:???.net
観覧車に電気が付く。
その上から大量に光の蝶を飛ばす真名花。

プームプーム「そう、友達を集めるんだ」
395 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:21:01.26 ID:???.net
プームプーム:
皆まだ、暗い淵の底で息を潜めてじっと待ってる。
大人が置き去りにしていったものたち。
大人になる為に、切り捨てられた大切なものたち。
それが、僕の友達。
396 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:23:58.75 ID:???.net
プームプーム『おいで』
プームプーム『おいで』
プームプーム『おいでよ』
プームプーム『おいでよ』
プームプーム『一緒に遊ぼう』
397 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:35:51.33 ID:???.net
夜のペイズリーパークに行き、プームプームと出会う茜。

プームプーム「可哀そうに」
茜「え」
プームプーム「はい」

そして風船を受け取る。

茜「…あ!」
茜ファントム「どうして私が可哀そうなの?」
プームプーム「僕らは、知らないうちに置き去りにされる。
でも、この人は君をわざと置き去りにしたんだ」
茜「あ」
プームプーム「行こ」
茜ファントム「うん」

茜は涙を流す。

茜「ごめんなさい…」
398 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:40:19.10 ID:???.net
SCENE 003
深陽学園
399 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:49:32.56 ID:???.net
教師「どうした、小島」
茜「ごめんなさい。だって…だってしょうがなかったんだもん。許して。う、うう、うう…」
教師「しっかりしろ、小島。どうしたんだ」
茜「う…うう…はははは。はははは。はは。はははははは。はははは。ははは。はははは。ははは」

プームプーム:
今更遅いんじゃないかな。
大切なものを無くした事に気付いても、僕らを置き去りにしたのは君達自身なんだからさ。
400 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:54:49.15 ID:???.net
周囲に火が点く。

康「ははは、は、はは。消えねえよ。消えねえよ。何を燃やせばいいんだよ!」
401 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 15:56:16.03 ID:???.net
プームプーム:
人間って、不思議だよね。
それが抜け殻になる事だとも知らずに、嬉しそうに大人になっていくんだから。
402 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:09:24.38 ID:???.net
光の蝶々と戯れる真名花とそれを見守る子供達。

茜ファントム「あの人が、あなたを助けてくれたの?」
プームプーム「だから、彼女は僕の一番の友達なんだ。
あの子達も、不思議な力を持っているんだよ。彼女みたいに」
茜ファントム「不思議な力?」
プームプーム「軋みが生んだ力。抜け殻になる前の朽ちていく前の叫びみたいなものが、
そのまま彼らの能力になったんだ」
茜ファントム「ふーん。あなたまだ名前ないんでしょ。名前付けてあげる。プームプーム」
プームプーム「プームプーム?」
茜ファントム「幸せの風船をくれたから」
プームプーム「プームプーム。いいね。じゃあ僕はプームプームだ」
茜ファントム「プームプームは天国から来たんだよ。風船にぶら下がって旅をするの。
お花の国や、お人形の国や、恐竜の国」
真名花「おはなのくに」

大量の光の蝶々と風船が飛んでいく。

プームプーム:
そう、皆僕の友達。
ここが僕らの国。
切り捨てられ、置き去りにされた僕らの。
ここが永遠の国なんだ。
403 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:12:03.81 ID:???.net
早紀はピアノの前で自殺をしていた。

早紀の父「早紀!」
404 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:20:36.52 ID:???.net
藤花「知ってる?茜。ほら、A組の吉沢早紀って子、こないだすれ違ったさ。
何か自殺しちゃったらしいよ。家で手首切ったんだって。何だか多いよね、最近そういうの」
茜「別にいいんじゃない?どうせ抜け殻の方でしょ?本物の早紀ちゃんは生きてる訳だしさ」
藤花「茜?」

風船を持った女子高生に手を振る茜。
405 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:23:55.29 ID:???.net
茜ファントム「どうしたの?プームプーム」
プームプーム「誰か来る」
茜ファントム「友達?」
プームプーム「分からない。友達だとしたらとても素敵な友達。でもそうじゃないとしたら…」
406 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:29:20.65 ID:???.net
バイクでペイズリーパークへと向かう凪。
407 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:34:51.17 ID:???.net
真田ファントム「えーん。えーん…」
凪「こんな所で、どうしたんだい」

凪に火を放つ真田ファントム。

凪「ちっ」

子供達が現れ次々と火を放つ。

凪「く、くそ!」
真田ファントム「やっつけた。大人をやっつけたぞ」
早紀ファントム「康くんすごい」
408 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:36:55.74 ID:???.net
プームプーム「やっぱり、君ほど素敵な友達は初めてだよ。
待ってて、きっと助け出してあげるから。暗い淵の底から」
茜ファントム「プームプーム、追いかけようよ。大人をやっつけよう」
プームプーム「それより友達を集めよう。もっと沢山の友達をさ」
茜ファントム「うん!」
409 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:40:18.59 ID:???.net
藤花「茜、やっぱり変だよ。この頃なんだかさ」
茜「藤花、ちょっと付き合ってくんないかな」
藤花「え」
茜「会わせたい子がいるんだ」
410 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:43:42.43 ID:???.net
藤花「ねえ、茜。茜ってば!」
茜「その子ね、友達を欲しがってるんだ。一人でも沢山の友達を。
ねえ、藤花。もし大切なものを無くして、でももう一度それを取り戻せるとしたらどうする?…藤花?」
411 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 16:55:04.36 ID:???.net
鏡の家を入り込んだ凪はそこの鏡を割り、ふと誰かの気配に気づく。

プームプーム「さっきはごめんね」
真名花「ごめんね」
凪「お前は何だ」
プームプーム「さあ、おいで。僕らは友達になれるよ」
凪「お前もマンティコアの同類か?」
プームプーム「何を言ってるの。僕は塊だよ」
凪「塊?」
プームプーム「大人が切り捨てたもの。いつの間にか置き去りにされた大切なものの塊さ。
そのくらい君はとっくに知っていったはずだ。だからここへ来たんだろ?
感じたよ。君が誰よりも僕らの仲間になりたがっている事。さあ」
凪「何を言ってる。誰に向かって話してるんだ」
プームプーム「君だよ」
真名花「きみだよ」

光の蝶を飛ばす真名花。

凪「う…」
412 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 17:06:46.59 ID:???.net
死んでいる誠一に向かってお父さんと叫ぶ幼い凪。
入院中の慎平会話。
お見舞いに来てくれた友人との思い出。
世界の敵と戦う凪。

プームプーム「どうしてそんなに、自分は一人だって思い込もうとしているの?
どうしてそんなに苦しみを封印しようとしているの?
強がらなくていい。もう、苦しまなくていいんだ。さあ」

泣いてる幼い凪と目が合った凪は、もう一度鏡を割る。

プームプーム「大人め」

凪はたまらず鏡の家から飛び出す。

凪「…!」
子供達「見つけた」
早紀ファントム「大人がいたよ」
良樹ファントム「見つけたよ」
凪「冗談だろ」
413 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 17:07:45.19 ID:???.net
死んでいる誠一に向かってお父さんと叫ぶ幼い凪。
入院中の慎平との会話。
お見舞いに来てくれた友人との思い出。
世界の敵と戦う凪。

プームプーム「どうしてそんなに、自分は一人だって思い込もうとしているの?
どうしてそんなに苦しみを封印しようとしているの?
強がらなくていい。もう、苦しまなくていいんだ。さあ」

泣いてる幼い凪と目が合った凪は、もう一度鏡を割る。

プームプーム「大人め」

凪はたまらず鏡の家から飛び出す。

凪「…!」
子供達「見つけた」
早紀ファントム「大人がいたよ」
良樹ファントム「見つけたよ」
凪「冗談だろ」
414 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 17:15:08.68 ID:???.net
茜「知ってる。これ、知ってる。これ、私の世界。私が書いた世界だよ。
仲間に入れて。一緒に遊んで。ねえ、遊ぼう。一緒に。
いやあ!離して!離して!」

飛び降りようとした茜を、凪が助けるのだった。
茜ファントムを見て、自殺を思いとどまる茜。
口笛に導かれるように進んでいく子供達。

茜「待って!」
凪「こんな所に長居は無用だ!」
茜「いや!いやああああ!」
415 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 17:23:23.57 ID:???.net
ブギーポップ「人知れず葬られたおとぎ話の世界。それも過去という訳かい?
他の波及が収束しつつある中で、君だけは進化を続けていたって訳だ」
真名花「あ…」
ブギーポップ「残念だが、君達の幻影に呼応するかのような友達は僕の中にはいない。
君達のいう大切なものなど持ち合わせていないんだ。何しろ、僕は受動的なんでね」
真名花「う…」

火をかわすブギーポップ。

真名花「ああ…う…」

真名花は観覧車から転落してしまう。

プームプーム「は…!」
416 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 17:35:54.32 ID:???.net
プームプームが下に降りて見ると、そこには老けた真名花が横たわっていた。

ブギーポップ「もっと早く気づくべきだった。まさかあの事件が、
こんな形の波及を生むとは思ってもみなかったよ」
プームプーム「お前は何だ。彼女に何をしたんだ。どうして彼女をいじめるんだ」
ブギーポップ「彼女が世界の敵だから」
プームプーム「世界の敵?どうして」
ブギーポップ「君をつくった」
プームプーム「僕を?」
ブギーポップ「自分でも分かっているはずだよ」
プームプーム「僕はただ遊んでいただけだ。友達と遊んでいただけだよ。
どうしてそんな目で見るの。僕が何をしたっていうのさ。僕は…僕は…」
417 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 17:54:26.24 ID:???.net
プームプーム「切り捨てられて、置き去りにされて、暗い淵の底でずっと独りで。
でも、でも彼女に助けられて。だから僕は他の皆を助け出して、そして一緒に」
ブギーポップ「いい加減、純粋を装うのはやめたらどうだい?」
プームプーム「え」
ブギーポップ「君は、自分が誰かに切り捨てられた過去だとでもいいたそうだが、
そうじゃない事は自分が一番よく知っているはずだ。
もちろん、置き去りにされたものの塊でもない。君は喪失の嘆きそのものだ」
プームプーム「違う!」
ブギーポップ「失ったものが全てだったと思わせる何か。
二度と手に入らないものに、もう一度手を伸ばせと命じる何か。それが君の正体だ」
プームプーム「違う!違うもん!」
ブギーポップ「君は存在そのものが幻惑だ。その、幻惑の先は」

早紀の自殺。
風船を手渡された者。
康「何だよ。これ燃やせば良かったんじゃんかよ」
418 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 18:09:18.38 ID:???.net
ブギーポップ「とんだハーメルンの笛吹きだな、君は」
プームプーム「うるさい!僕は、僕と同じ友達が欲しかっただけだ!」
ブギーポップ「違うな。失われたものと、それを嘆くことは、子供と大人ほどに違う。
君は大人なんだよ。誰よりも。子供のふりをして友達を騙していた。君は本当に美しいものを侮辱していたんだ」
子供達「友達じゃなかったの?」
子供達「違うんだ」
子供達「友達じゃなかったんだ」
子供達「嘘つき」
子供達「嘘つき」

消えていく子供達。
419 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 18:21:10.12 ID:???.net
プームプーム「現在を正当化するために、過去を否定するのが人間の常だ。
でも、今まで人間の現在が正当化に値した事があったと思うかい?」
ブギーポップ「…」
プームプーム「いつだって異形呼ばわりされてきたのは、僕らの方だった。
現在という歪な秩序を守る、ただそれだけの為に、僕らは異形なるもの、
いまだ人間ならざるものとして、否定され、強制され、封印されてきた。
その蓄積の中で、僕だけは、本物の異形になっていたらしい。
でも、これだけは分かってほしい。目的は復讐じゃなかった。
僕にはもう分からない。生まれたこと自体、悪だったんだろうか」
ブギーポップ「波及なんだよ。君も彼女も」
真名花「あ、あ、あ、あの…」
ブギーポップ「君らはお互いを犠牲にしあっていた。彼女の能力がはからずも君を生み、
そして、君は彼女を消耗させ続けた。もうすぐ彼女は死ぬ」
プームプーム「ごめんね」

消えるプームプーム。

真名花「あ…」

そして降り出す雨。
420 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 18:27:16.99 ID:???.net
茜:
僕は消える。
消えてなくなる。
でももしかしたら、いつかまたどこかに現れるかも知れない。
その時は…君の友達は僕と遊んじゃ駄目だよ。
421 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 18:34:03.66 ID:???.net
茜「ん」
藤花「あ、何これ、茜。プームプーム?へえ、小説?」
茜「ちょっとやめてよ。やめてったら」
藤花「いいじゃん、減るもんじゃないし。友達でしょ。見してよ」
茜「やだー」
藤花「見してってば」
茜「返してよー」
422 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 18:35:49.56 ID:???.net
消える光の蝶。
423 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/23(月) 18:36:06.04 ID:???.net
雨が降りしきる中、真名花とブギーポップが対峙する。

真名花「死神…私を殺しにきたのね…」
ブギーポップ「…」
424 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:34:57.94 ID:???.net
康子「望都!置いてっちゃうぞ!」

皆が歩いていく中、一人うずくまる望都。

康子「望都」
望都「きゃあ!」
男子達「何」
理恵「ほっときゃいいのに。あんな奴」
康子「ちょっと皆、来てよ!」
男子達「お、おう」
理恵「もう」
425 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:36:56.50 ID:???.net
聖谷高校 1年2組
高井理恵
426 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:41:56.02 ID:???.net
理恵が帰宅すると部屋が発光する。
気付かず自分の部屋に入った理恵は、笑いを抑える事が出来なかった。
それは嗚咽に変わり、引き出しを開け、カッターナイフを取り出す。
リストカットしようとする理恵。

理恵「何で生きてんだろう、毎日」

光の蝶が真名花とブギーポップの元へ飛んでいく。
427 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:43:20.32 ID:???.net
Vol 11
Under The Gravity's Rainbow
428 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:44:04.31 ID:???.net
429 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:45:13.04 ID:???.net
私はどうして生きているのだろう
430 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:46:24.33 ID:???.net
望都:
どうせ、死ぬのに。
431 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:49:56.01 ID:???.net
光の蝶を見て手をかざしている真名花。

真名花:
どうして?
すぐに死んでしまうのに。
すぐに消えてしまうのに。
432 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:51:36.87 ID:???.net
SCENE 001
5年前
433 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 14:57:37.63 ID:???.net
真名花:
私、どうして生きてるの?
たったの5ヶ月。
月に満たず、産まれたくもないのに。
5年前、父親知らずの罪を背負った。

美代「悪魔よ。悪魔の子に違いない!」

飛んでいく光の蝶。
434 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:00:08.97 ID:???.net
SCENE 002
3年前
435 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:08:22.80 ID:???.net
真名花:
忌まわしい悪魔の子。
それはすぐに分かった事。
一人だけ、たった2年で。
化け物。
他の子は見た事無いけど。

美代「真名花!」
真名花「いや!」
美代「誰かに見られたらどうするの!」

真名花:
だって一度も家から出られずに、たった一人。
ううん、この人と二人。
一体誰?
お母さん?

真名花「わーん!わーん、わーん…」
美代「お前はずーっとお婆ちゃまと一緒にいればいんだよ。お母さまみたいな目に遭わないようにね」
436 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:13:53.85 ID:???.net
SCENE 003
5年前
437 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:21:17.64 ID:???.net
真名花:
騙されて、きっと捨てられて。
それでも愛してる。
それでも信じてる。
誰を?

美代「悪魔よ!父親は悪魔なんだわ!」

真名花:
一人で産んで、私を産んで、
痛みの中で熱にうなされ、気が付いたら、全てが消えてた。

真弓「お母さん?」
美代「ん」
真弓「何これ?」
美代「…」
真弓「…」

真名花:
それ以来、別れたきり。
何故って?
会っても、あの人には分からないから。
産んだ事さえ、覚えてないのだもの。

飛んでいく光の蝶。
438 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:22:24.34 ID:???.net
SCENE 004
1年前
439 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:32:28.51 ID:???.net
真名花:
光の蝶。
こうして私は、世界を知った。
私にとって、世界はこのように、過去が幾重にも折り重なって揺れている、歪んだ虹。
秩序と無秩序が交差する狭間で、悲しみも、痛みも、望みも、喜びも、切なさも、孤独も、
夢も、微笑みも、叫びも、全てを飲み込んで揺れている、虹。

美代「ほら真名花、新しいお洋服だよ。お前はすぐ大きくなるからね。ん?何を見てるんだい?」
真名花(小学生姿)「お母さん。ほら」

何もない手を差し出す真名花。

真名花(小学生姿)「ふふふふ」

飛んでいく光の蝶。
440 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:39:44.07 ID:???.net
SCENE 005
一ヶ月前
441 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:41:16.03 ID:???.net
真名花:
そして5年。
光がのぼる直前に、唐突に死が訪れた。
442 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:45:51.37 ID:???.net
美代「真名花、ごめんね」

美代が真名花の首を紐で絞め殺す。

真名花「あ、う…あ、あ、う…」
美代「お前一人をこの世に残していけないの。お婆ちゃまもすぐに行くからね」

真名花:
奇妙な感覚。
暑さと寒さが、同時に訪れた。
訳も分からず、唐突に、私は殺された。
443 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:46:23.07 ID:???.net
光の柱がのぼる。
444 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:47:36.47 ID:???.net
殺したはずの真名花が生きてる事に、驚愕する美代。
445 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:48:38.11 ID:???.net
SCENE 006
数日後
446 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:55:17.37 ID:???.net
真名花:
光。
私は促進された。
ただでさえ生き急がされてきたのに、たった5年で、
こんな体に。こんなに大きく。

美代と写真を撮る真名花。
447 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:56:39.13 ID:???.net
美代「私がいなくなっても、お前が私の孫だと分かるようにね。それに思い出になるだろう」
真名花「そんなの、意味ないのに」

真名花:
それがわずか数日で、光は更に、私を進めた。
私は持て余す。
大人の体を。
448 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 15:57:32.00 ID:???.net
SCENE 007
一ヶ月後
449 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:01:29.50 ID:???.net
真名花:
それからしばらくして、祖母は死んだ。
あっけなく。
何の為に?
長生きしても、いつかはこうなるのに。
この人、何の為に生きてきたんだろう。

写真を本棚に入れる真名花。
450 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:05:57.00 ID:???.net
真名花:
初めて見る外の世界。
沢山の過去が、私の中に入ってくる。
真綿が水を吸うように、私の中に。
私は世界を理解した。
世界を悟った。
高度な知性、全哲学を凌駕する。
言葉が溢れる。とめどなく。
宇宙の真相を。口から溢れて光になった。
でも、すぐに私はそれを封じた。
451 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:17:12.14 ID:???.net
エコーズ「この異常に発達した知能の、文明への影響のため、
コミュニケーション能力の制御を加える。弁護行為の不可。
故に我を反響体、エコーズと名付ける」
真名花「反響言論。未来の言論。行為の不可」
452 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:19:20.92 ID:???.net
真名花が道を歩いていると、倒れてしまう。
453 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:24:10.10 ID:???.net
真名花:
もう一つ悟った事。
私の体も光になる。
光になってもうすぐ消える。
だって私は、彼だもの。
同じ進化の最終形態。
いつか皆私になる。
ただ早すぎただけ。
孤独に耐え。
だからもう一人。
私は生んだ。友達を。
その瞬間、光が脳裏にひらめいた。
私にも何かが出来る。

光の蝶を飛ばす真名花。

小夜子「お兄ちゃん!」
454 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:25:13.74 ID:???.net
SCENE 008
ペイズリーパーク
455 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:29:52.66 ID:???.net
真名花:
言葉でなく、過去を見せる事で、
見せてあげる事で、
こんな私が希望を持って、
それが産まれた意味だと信じて、
世界に関わることが。
なのに。
なのに。
死神はやってきた。
私を殺しに。
私の誤解を暴きに。
456 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:43:42.81 ID:???.net
ブギーポップ「君が、世界の敵だ」
真名花「あ、う、あ、あ、ああ。あ。う、う、う、う、あ、う」

ブギーポップが世界の敵と戦ってきた過去を見る真名花。

真名花「し、に、が、み…私を、殺しに来たのね。わた、私、しに、死にたくない」

ブギーポップから逃げる真名花。
457 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:53:20.06 ID:???.net
真名花「しに、死にたくない」

真名花:
私は、何故死にたくないんだろう。
生きていたって仕方ないのに。

その時、ブギーポップ・ファントムが現れる。

真名花「あ、あ、うう」
ブギーポップ・ファントム「君の力は人を過去に縛り付け前進する気を奪う。僕は君を遮断するしかない」
ブギーポップ「待ちたまえ。もはや彼女に、世界の敵となる力は残っていないよ」
真名花「あ、ああ、ああ、ああ!」
ブギーポップ「世界の危機を追って来たら、妙なものに遭遇したね。君は僕の敵なのかい?」
ブギーポップ・ファントム「やっと会えたね。待っていたよ。君を」
458 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 16:58:58.80 ID:???.net
真名花:
違う、違う。
私は光になるの。
あの人のように。
だって、あの人は、私だもの。
同じように光になって、空にのぼって。

真名花「あ…」

鏡の家に入り、自分の老けた姿に愕然とする真名花。
459 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:00:38.43 ID:???.net
真名花:
宇宙を行くの。
それは死じゃない。
それは永遠。
だって同じ、宇宙意識。
私は光に。
あの人と同じに。
なのに死神は。
違う、違う。
誰の事を言ってるの。
460 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:15:23.51 ID:???.net
ブギーポップ「ここかい?僕に見せたいというのは」
ブギーポップ・ファントム「彼らの進化は本来のものじゃない。今の時代にその力は、必ず弊害をもたらす」
ブギーポップ「その弊害が世界を飲み込もうとするなら、僕はそれを遮断するしかないよ」
ブギーポップ・ファントム「だから僕は彼らをここに」

真名花:
誰?
違う。私じゃない。
私は光に。
あの人と同じに。
永遠に、孤独からも、悲しみからも、解放されて、光に。
それは死じゃない。
それは永遠。
なれの果て。
それにすらなれない。
たったひとりで、孤独に死んでいく。
それが私の運命。

真名花の前に男が現れる。

真名花「あ、あなたは」

手を差し伸ばす男に真名花が触れると、大量の光の蝶が街中へと飛んでいった。
461 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:20:54.69 ID:???.net
理恵が帰宅しても部屋は発光しなかった。
リストカットしようとする理恵を見つける理恵。

理恵「何で生きてんだろう、毎日」
462 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:27:23.64 ID:???.net
久志の父についている虫を久志が喰らうのを目撃する久志の父。
森田(スネークアイ)に喰われそうになるのを目撃する山本巡査。
交換日記を持ってきた静枝を目撃する里香。
463 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:29:00.21 ID:???.net
理恵「駄目!」

リストカットをもう一人の理恵が止める。

理恵「あ…あの時止めたのは、私だったんだ」
464 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:34:50.79 ID:???.net
真弓「あ、あなたは?」
真名花「お母さん」
真弓「え」

真弓に過去を見せる真名花。

真弓「真名花…私の、娘」
真名花「お母さん」
真弓「待って」
真名花「お母さん、私ね」
真弓「行かないで」
真名花「産まれてきて、良かったよ」

光になってのぼっていく真名花。
465 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:35:49.21 ID:???.net
ブギーポップ・ファントム「どうやら、僕の時間も終わりのようだ」
ブギーポップ「…」
466 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:37:26.30 ID:???.net
SCENE 009
翌日
467 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:39:29.54 ID:???.net
婦長「おはようございます。あ、真名花って誰です?」
真弓「え?昔、娘が産まれたらつけようって思ってた名前ですけど、それが何か」
468 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:40:24.05 ID:???.net
そして 虹
469 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/24(火) 17:43:37.63 ID:???.net
理恵「ん」
康子「どした」
理恵「え、ううん。何か聞こえた気がしたから」
康子「ん?」
理恵「気のせいみたい」
康子「何か面白いことないかね」
理恵「楽しいじゃん。毎日」
康子「あんたはいいね。悩み事なくて」
理恵「ふふ、あ。虹」
康子「ほんとだ」

真名花「虹」
470 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 14:17:36.38 ID:???.net
SCENE 001
東京 湯島
471 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 14:20:50.62 ID:???.net
ホテルのフロントから電話が鳴る。
472 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 14:23:45.37 ID:???.net
和子「はい、おはようございます。はい。
朝よ」
藤花「うん」

カーテンを開け、眼鏡をかける和子。
473 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 14:33:36.38 ID:???.net
和子「ほら藤花。時間よ」
藤花「う、うーん、はあ、おはよう」
和子「よく眠れた?」
藤花「どうだろう。2時過ぎまで寝らんなかった」
和子「私も。緊張して4時くらいまで寝られなかったの」
藤花「うわあ、それじゃあ3時間ちょっとしか寝てないじゃない。大丈夫?」
和子「駄目かも知んない」
藤花「大丈夫だって、和子は。あ!それより私だ。判定Cだもんな」
和子「12月の模試は特に難しかったもん。それに、あれから藤花すごく頑張ってたじゃない。絶対大丈夫よ」
藤花「頑張ろうね」
藤花・和子「ふふふ、ふふ、ふふふ」
474 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 14:35:36.77 ID:???.net
Vol 12
A Requiem
眠りによって全てが終わる
475 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 14:38:24.57 ID:???.net
和子:
歪んだ虹が消えてから、1年以上が過ぎた。
私達は3年生になり、受験勉強に捧げた1年の、今日はその総決算。
476 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 14:51:13.47 ID:???.net
単語帳を見ながら、和子と復習する藤花。

和子「Vacant」
藤花「空の」
和子「Skeptical」
藤花「懐疑的な」
和子「Reluctant」
藤花「えーと、あ、嫌々ながらだ」
和子「Intensive」
藤花「んー、あれ」

和子:
私達は二人は受験の為、
一日前から東京のビジネスホテルに泊まっていたのだ。
477 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 14:57:54.32 ID:???.net
藤花「えーと、新御茶ノ水で降りて、丸ノ内線。ないよ」
和子「歩くんじゃない?御茶ノ水駅まで。改札、どうすんだろう」
藤花「東京の電車ってよく分かんない」
478 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:08:08.27 ID:???.net
藤花「Ashamed」
和子「恥じて」
藤花「Perpetual」
和子「永久に。絶え間ない」
藤花「Possible」
和子「可能な」

和子:
彼女とは2年の時、予備校の冬期講習で知り合って以来になる。
クラスは違ったが、お互い気が合い、今ではすっかり親友同士だった。
479 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:12:10.87 ID:???.net
御茶ノ水駅に着く二人。

女性A「ねえ、これ。この辺だっけ」
女性B「ていうか秋葉の方?伝染病とかだったら怖いよねー」
藤花「…」
和子「あっちだ。うわあ、遠回り」
480 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:14:47.73 ID:???.net
藤花「え」
『4番線、発車致します。ドアが閉まりますからご注意ください』
和子「藤花、早く」
藤花「うわ、待って」
481 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:27:32.74 ID:???.net
藤花「はあ」
和子「ねえ。何そんなにいっぱい持ってきたの?」
藤花「色々。着替えとか参考書とか」
和子「ん?」
藤花「ん」
482 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:28:52.94 ID:???.net
和子「私はこっちね」
藤花「私は、あっちだ」
藤花・和子「頑張ろうね」
和子「じゃ」
藤花「うん」
483 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:29:47.91 ID:???.net
和子「はぁ…」
484 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:30:06.13 ID:???.net
試験管「はじめ!」
485 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:30:32.99 ID:???.net
試験官「はじめ!」
486 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:30:56.52 ID:???.net
試験官「そこまで!」
487 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:31:20.64 ID:???.net
和子「ん…藤花?」
488 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:31:38.91 ID:???.net
SCENE 002
御茶ノ水
489 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:40:56.37 ID:???.net
一朗:
東京に戻って一年以上、俺はあの街で遭遇した事件に、
ある謎の組織が関わっている事を突きとめた。
そいつは知らないうちに、人間社会に溶け込んでいる。
ルポを発表するにも、慎重に相手を見極めなければならない。

編集長「昨日今日始めた新入りじゃないだろ!国へ帰れ!国へ!」
女性編集部員「う…うう…」
編集長「あれ、君東京だっけ」
女性編集部員「うう…」

一朗:
その為に出版社を渡り歩く毎日。
このルポが少しでも、霧間凪の役に立つと信じて。

編集部員「今は触らぬ神に祟りなしだね」
490 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:47:02.81 ID:???.net
女性編集部員「もう、辞めようかな。あ」
一朗「うちの事務所に来ないか?相談に乗るよ」
女性編集部員「え…」
491 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:47:26.12 ID:???.net
SCENE 003
秋葉原
492 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 15:51:22.35 ID:???.net
女性編集部員「私、何でこんな所に」
一朗「…」

藤花がある場所へ向かう。

女性編集部員「ああ…!あ…」

女性を捕食しようとする一朗。
その時口笛が聞こえる。
493 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:01:13.40 ID:???.net
ブギーポップ「なるほど。人に自分を委ねたいという心。
それをエネルギーに変えて、喰らう事で生き延びてきた訳だ」
一朗「何を言ってるんだ」
ブギーポップ「君を探すのに一年以上かかった。マンティコア」
一朗「マンティコア?」
ブギーポップ「正確には、君の中にいるマンティコアの残滓、とでも言うのかな。
本来あの街の電磁場が消えると共に消滅するはずだったそいつは、
過去を運ぶ少女を生み出した君に、上手く紛れ込んでここまで逃げてきた訳だ」
一朗「過去を運ぶ?生み出した?」
ブギーポップ「君とは、一度会っているね。探偵さん」
494 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:17:54.85 ID:???.net
遺体からコートを羽織る藤花。

ブギーポップ「あの時僕は生まれたらしい。
心理学者なら死を目の当たりにしたトラウマと呼ぶんだろうね」
一朗「だが、それじゃあ俺の岸田という名は」
ブギーポップ「探偵さんなら、いくつかの偽名を使っていても不思議じゃないんじゃないのかい?」
一朗「は…凪の父親の事を調べる為に使った名前」
ブギーポップ「少女の能力は、その瞬間の君だけを蘇らせたという訳だ」
一朗「それじゃあ、俺がこれまで調べてきた組織の秘密も、実は黒田の記憶。
考えてみれば、一介のルポライターがそこまで連中に迫れる訳はないか」
ブギーポップ「これまで、自分は岸田だという思い込みが封じていた記憶が、蘇ってきたようだね」
一朗「彼女の進化を止める為、俺はワクチンを…」
495 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:19:58.22 ID:???.net
凪にワクチンを投与しようとする慎平。

真希子「誰かいるの?」
496 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:23:01.06 ID:???.net
一朗「そして、組織を裏切った俺は処理されたんだ」
497 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:23:42.52 ID:???.net
藤花「何してるの?」
498 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:32:18.30 ID:???.net
ブギーポップ「その薬が後で、別の怪物を生むことになった訳だが、そいつも僕が始末した」
一朗「うおお」
ブギーポップ「現れたね。マンティコア」
マンティコア・ファントム「追い詰めたつもりだろうがそうはいかない。ここには逃げ場が沢山あるのだよ。
ふっ、うう!」
一朗「こいつを殺せ!」
マンティコア・ファントム「ちくしょう!離せ!離せよ!」
一朗「俺がこいつを封じているうちに殺せ!」
ブギーポップ「そうするつもりだよ」
マンティコア・ファントム「!」
ブギーポップ「地下トンネルで拾ったものだよ。沢山あったので、下のジャンク屋に置いてきた」
マンティコア・ファントム「あ…」
499 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:36:58.15 ID:???.net
一朗「凪は、凪は、知っていたんだろうか。俺が黒田だと。悲しむだろうなあ。
俺がこうなってしまった事を知ったら」
ブギーポップ「君の責任でもないさ」
マンティコア・ファントム「うわあ!ああ、ああ!」

マンティコア・ファントムが暴れ、一朗の眼鏡が外れる。

一朗「命とは不思議なものだな。俺もこいつも、これでも生きているつもりなのだから」
ブギーポップ「彼も同じ事を言ってたよ」
500 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:41:53.97 ID:???.net
ブギーポップ・ファントム「彼らは眠っているんだよ。肉体は滅んでも、
こうして街全体を神経細胞が張り巡らされて、夢を見続ける。
早すぎた進化が、当たり前となる来るべき日までね」
501 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:46:47.90 ID:???.net
一朗「だが、虚しいものだな。自分の存在を示す術を持たないとは。
こいつはだから人を、喰っていたのかな」
502 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:48:31.63 ID:???.net
ブギーポップが電話を掛け磁場が消滅する。
マンティコア・ファントムを道連れにする形で一朗も消滅する。
503 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:50:07.68 ID:???.net
女性編集部員「う…」
藤花「やれやれ。宮下藤花には、悪い事をしたな」
504 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:50:59.67 ID:???.net
女性編集部員「う…」
ブギーポップ「やれやれ。宮下藤花には、悪い事をしたな」
505 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:53:06.75 ID:???.net
藤花「お待たせ」
和子「どうだった?」
藤花「何か、全然出来た気しない」
和子「私も」
506 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:55:46.63 ID:???.net
和子「そうだ。中休みどこ行ってたの?」
藤花「え、私も探したのに」
和子「そうだったんだ」
藤花・和子「ふふふ」
藤花「あ、ちょっと寄りたいとこあるんだけど、いい?」
507 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:57:32.12 ID:???.net
藤花「お待たせ」
和子「何買ったの?」
藤花「テルミン」
和子「テルミン?」
508 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 16:59:01.66 ID:???.net
和子「はい」
藤花「サンキュ。怖いね」
和子「何が?」
藤花「何だか、飲み込まれちゃいそう」
509 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:03:44.47 ID:???.net
藤花「東京来ても、私達変わらないよね。ずっと友達だよね」
和子「うん」

和子:
きっとあなたは大丈夫。
私は、自信ない。
口に出せず、飲み込んだ言葉が胸に痛かった。
510 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:08:58.75 ID:???.net
和子:
それから時は容赦なく流れ、
残りわずかの高校生活も、あっという間に過ぎ去っていく。
511 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:10:24.30 ID:???.net
和子「はぁ…よし!
はい、末真です。あ、藤花。どうだった?そう。私?うん、ありがとう。うん」
512 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:13:36.13 ID:???.net
『卒業されていく先輩の皆さま。
当たり前の事ですが、私達がこの学び舎、深陽学園に、
新1年生として入学した時、先輩の皆さんは2年生…』
513 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:20:20.29 ID:???.net
実咲「ちゃんと撮ってよ」
京子「あ、末真ー!末真も入れ」
和子「待って。霧間さんも一緒に入ろ」
凪「え」
京子・実咲「げ」
凪「あ、ちょ、ちょっと」
514 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:24:04.74 ID:???.net
和子「この辺も変わったね」
凪「ああ、もうすっかり埋まっちまったんだろうな」
和子「え」
515 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:25:09.05 ID:???.net
地下トンネルでセットするブギーポップ。
516 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:27:52.14 ID:???.net
凪「良かったのかい?あいつらと宴会行かなくて」
和子「そんな気分じゃないし」
凪「最後の日なのに?」
和子「最後だから、一緒にいたいんじゃない」
凪「…」
藤花「和子」
和子「あ、藤花」
藤花「あ」
和子「ふふ」
517 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:32:30.21 ID:???.net
藤花「3年間、色んな事あったなあ」
和子「3年間、同じ時間を過ごして、でも、一人一人は全然別の、色んな違う経験をして」
凪「…」
藤花「…」
和子「え」
藤花「どうしたの?」
和子「ううん、何か音楽が聞こえたような気がしたから」
518 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:32:59.92 ID:???.net
真弓「あ、この曲は?」
519 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:44:22.85 ID:???.net
藤花「きっと、街の記憶が音楽を奏でているのよ」
和子「街の記憶?」
藤花「私達が過ごしたこの街の記憶達。何も表現手段を持たないのは辛いことだし、
誰にも聞いてもらえないのも悲しいことでしょ」
凪「あるかもね。そういうの」
茜「あ、いた。もう藤花!」
藤花「え」
茜「どこ行ってたの?皆もう集まってるよ」
藤花「ごめん。それじゃあ、私行くから」
凪「あ、宮下さん」
藤花「え」
凪「彼女に元気でなって」
茜「やーだー」
純子「でしょ」
茜・純子「ふふふふ」
凪「それじゃあ、私も行くよ」

和子:
いつか思い出すだろうか。
この感触を。
私達の高校生活が終わったこの瞬間の、
何かを無くして疼いているような、この胸の痛みを。
520 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/25(水) 17:49:45.90 ID:???.net
この地球のはしっこで見上げる太陽
沈まない 終わらない 落日の夢
地層には眠っている 歴史の絵巻
図鑑にも 載ってない 不思議な形態

未来世紀が近づいている
ふたりは何処へ行くんだ

細胞が 必ずきっと覚えてる
ときめきの メカニズム
ふたりの 距離を 縮めたい
待つだけの 為体 飛びこえたい夜
521 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/29(日) 22:05:27.90 ID:???.net
Abemaで明日からエヴァ放送

https://twitter.com/eva_information/status/989368616071020544
30~4日にTVシリーズ全話
5~6日に劇場版放送
522 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 14:53:12.00 ID:???.net
孤独な都会は 涙の監獄なの
ハロー!(ジャングル)
夢を失くしたら
あなたも閉じ込められる
(ジャングル)

心に響く 遠いアフリカの歌
誰もが自由な
アニマル・カーニバル
喧嘩をしてた ヒョウとチンパンジーも手をつないで
今夜だけは 陽気にはしゃぐの

ジャングル・ダンス
あなたも誘いたい
ダンス & ダンス 不思議な夜へ
ジャングル・ダンス
ワニの尻尾つかみ
ダンス & ダンス
スカンクがジャンプする
523 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:03:04.14 ID:???.net
大理石の 台の上で
天使の像 ささやいた
夜になると ここは冷える
君の服を かしてくれる?

タイムトラベルは楽し
メトロポリタン美術館
赤い靴下でよければ
かたっぽあげる
524 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:07:06.36 ID:???.net
エジプトでは ファラオ眠る
石のふとんに くるまって
呼んでみても 五千年の
夢を今も 見続けてる

タイムトラベルは楽し
メトロポリタン美術館
目覚まし時計 ここに
かけておくから
525 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:10:56.20 ID:???.net
バイオリンのケース
トランペットのケース
トランクがわりにして
出発だ!
526 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:12:21.15 ID:???.net
タイムトラベルは楽し
メトロポリタン美術館
大好きな 絵の中に
とじこめられた
527 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:17:07.75 ID:???.net
引き裂いた 闇が吠え 震える帝都に
愛の歌 高らかに 踊りでる戦士たち
心まで 鋼鉄に 武装する乙女
悪を蹴散らして 正義をしめすのだ

走れ 光速の 帝国華撃団
唸れ 衝撃の 帝国華撃団
528 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:21:46.95 ID:???.net
「わたしたち 正義のために戦います。
たとえ それが命をかける戦いであっても
わたしたちは 一歩も引きません!
それが 帝国華撃団なのです!」
529 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:23:42.35 ID:???.net
街の灯が 消え果てて 脅える帝都に
虹の色 染め上げて 踊りでる戦士たち
暁に激情を 照らし出す乙女
悪を滅ぼして 正義を示すのだ

走れ 光速の 帝国華撃団
唸れ 衝撃の 帝国華撃団
530 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:23:57.38 ID:???.net
走れ 光速の 帝国華撃団
唸れ 衝撃の 帝国華撃団
531 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:27:17.49 ID:???.net
コンピューターおばあちゃん
コンピューターおばあちゃん
ウォウウォウ ウォウウォウ ウォウォウォ
532 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:34:36.25 ID:???.net
ぼくのおばあちゃんは
明治生まれのコンピューター
算数国語社会
何でもドンと来いさ

物知り博学
足腰カクシャク
元気にワンツースリー
英語もラクラク
義歯をカクカク
得意のABC

コンピューターおばあちゃん
コンピューターおばあちゃん
イェイイェイ ぼくは大好きさ
533 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 15:43:53.23 ID:???.net
バミューダ海域
ハワイはワイキキ
世界をまたに
百聞一見 事件を発見
Let's go! おばあちゃん

コンピューターおばあちゃん
コンピューターおばあちゃん
イェイイェイ ぼくは大好きさ

コンピューターおばあちゃん
コンピューターおばあちゃん
イェイイェイ ぼくは大好きさ
534 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 16:44:44.92 ID:???.net
スーパーマリオ
ももたろう編
535 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 16:48:28.81 ID:???.net
<ナレーター>
小さな星に、おじいさんとおばあさんが、
ピーチ姫というそれはそれは美しい娘と、一緒に暮らしておりました。
536 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 17:06:01.56 ID:???.net
ピーチ姫「おじいさん、おばあさん。お茶が入りましたよ」
おじいさん「ああ、いつもすまないね。ピーチ姫」

<ナレーター>
おじいさんとおばあさんは、美しいピーチ姫を大切に思い、
大事に大事にしていました。
ピーチ姫もおじいさんおばあさんが大好きだったので、
3人はとても幸せに暮らしていたのです。
537 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 17:07:27.55 ID:???.net
<ナレーター>
ところがおじいさん達の幸せな暮らしも、そう長く続きませんでした。
と言うのも、欲張りな鬼の王様クッパ大王が、手下のコクッパ達を使って、
星々の人々から美しいものや大切な宝物を奪い荒らしまわっていたのです。
そしてついに、ピーチ姫の美しさを聞きつけ、おじいさんの家へやってきたのです。
538 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 17:13:38.16 ID:???.net
おじいさん「ああ」
クッパ大王「行けー」
コクッパ達「おー!」
ピーチ姫「あ…」

<ナレーター>
ピーチ姫の姿を見た一目見たクッパ大王は、
あまりの美しさにお嫁さんにしたくなりました。
539 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 17:28:21.18 ID:???.net
ピーチ姫「ああ、ああ…」
クッパ大王「おお…美しい。ぼくちゃんのお嫁さんにぴったしよん。
よーし、ピーチ姫を連れて行け!」
コクッパ達「おー!わっせわっせ!」
ピーチ姫「おじいさん、おばあさん、助けて!」
おじいさん「姫!」
おばあさん「ピーチ姫…」
クッパ大王「へへへへ。ん?」
おじいさん「な、何でも差し上げますから。ピーチ姫だけは返してください」
クッパ大王「何でも差し上げます?ピーチ姫を返せ、だと?」
おじいさん「お願いでございます。ピーチ姫をお返しください」
クッパ大王「えーい、離せ」
おじいさん「大王さま、お願いでございます。ピーチ姫だけは」
クッパ大王「ぼくちゃんのお嫁さんにするんだもんね。でへへへへへへ」
おじいさん「姫。ピーチ姫」
ピーチ姫「きゃー、おじいさん。おばあさん」
クッパ大王「引き上げるぞ!」
コクッパ達「おー!」
おばあさん「ピーチ姫」
おじいさん「うう…」
クッパ大王「へへへへへへへへへへへへ」
540 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 17:36:06.76 ID:???.net
<ナレーター>
おじいさんとおばあさんは、
鬼のクッパ大王に連れて行かれたピーチ姫が心配で心配でたまりません。

おじいさん「うう、姫…」
おばあさん「ご無事でありますように」
541 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 17:42:15.35 ID:???.net
ピーチ姫「うう、おじいさん。おばあさん」

<ナレーター>
クッパ大王のお嫁さんになることを断ったピーチ姫は、
冷たい牢に入れられてしまったのです。
ピーチ姫がいなくなったおじいさんとおばあさんは何も手につかず、
来る日も来る日もピーチ姫のことばかり思い出しては、泣き暮らしていました。
542 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 17:47:24.86 ID:???.net
コクッパ達「へへへへへ、行け行けー!」
クッパ大王「引き揚げだー!」

<ナレーター>
相変わらずクッパ大王は、手下の鬼たちを連れて、
宇宙の星々の宝物を奪い荒らしまわっていました。
543 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 17:54:00.93 ID:???.net
クッパ大王「へへへへへへへ。へへへへへへへへ。へへへへへへ。へへへへへへへへ」
544 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 17:59:43.95 ID:???.net
<ナレーター>
ある日のことです。
その夜もピーチ姫を思い出し、
夜空を見上げて悲しんでいたおじいさんとおばあさんの前に、
光の玉が落ちてきました。

おじいさん「ば、ばあさんや」
おばあさん「じいさんや」
おじいさん「うぅ」
545 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 18:05:28.00 ID:???.net
<ナレーター>
見ると、それはそれは大きな桃が落ちているではありませんか。

おじいさん「こ、これは驚いた。ばあさんや、この桃動かなかったかい?」
おばあさん「そういえば動いたような」
546 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 18:11:28.15 ID:???.net
<ナレーター>
動いたばかりではありません。
桃がぱっくり二つに割れたかと思ったら、
ひげを生やした元気のいい男の赤ちゃんが飛び出しました。

おばあさん「あらー」
おじいさん「大きな桃が降ってきたかと思ったら、中から男の子が」
547 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 18:15:31.30 ID:???.net
おばあさん「これも何かの授かりものじゃ。大切に育てましょう」

<ナレーター>
それからというもの、おじいさんとおばあさんは、
赤ちゃんを連れ帰り、マリオと名付けて育てることにしました。
赤ちゃんはすくすく育ち、その早い成長ぶりに驚いたり喜んだり。
立派な男の子になりました。
548 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 18:29:15.56 ID:???.net
おばあさん「立派に育ってくれましたね、じいさんや」
おじいさん「ああ」
おばあさん「それにしてもこんな時ピーチ姫が」
おじいさん「やめなさい。ばあさんや、思い出しても今の私たちの力ではどうしようもないんじゃ」
マリオ「よかったら聞かせてください、おじいさん。
おばあさん、ピーチ姫がどうとか、何の事ですか?ぼくに話してください」

<ナレーター>
おばあさんはマリオに一部始終を話しました。
549 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 18:40:55.43 ID:???.net
ピーチ姫「ふふふふふ、ふふふ、ふふふふ」
おばあさん「あはははは」
おじいさん「いやいやいや、ふふ」
コクッパ達「ははは、行け行けー!」
クッパ大王「それ行けー!へへへへへへへへ。よーし、ピーチ姫を連れて行け!」
コクッパ達「おー!わっせ!わっせ!わっせ!わっせ!わっせ!」
ピーチ姫「おじいさん、おばあさん、助けてー!」
クッパ大王「引き揚げるぞー!」
コクッパ達「おー!」
550 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 18:48:26.51 ID:???.net
マリオ「そうだったんですか。よーし、そのクッパ大王とやらをやっつけ、ピーチ姫を助け出してやる!」
おじいさん「マリオ。お前の気持ちはありがたいが、クッパ大王には手下が大勢いるし、
敵う相手ではない。お前を危険な目に遭わせたくないんじゃよ」
マリオ「大丈夫です。ぼくに任せてください。きっとピーチ姫を助け出してきます」
おばあさん「マリオ」
マリオ「おばあさん、心配ありません。ピーチ姫を助けてきますからね」
551 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 18:53:06.76 ID:???.net
ピーチ姫「おじいさん、おばあさん」
クッパ大王「ピーチ姫、ピーチ姫ちゃん」
ピーチ姫「?」
クッパ大王「早く機嫌を直して、ぼくちゃんのお嫁ちゃんになって。お願い。いっひっひ」
ピーチ姫「おじいさん、おばあさん、助けて」
552 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 19:01:29.39 ID:???.net
マリオ「ふ、よしっと。それじゃあ行ってきます」
おばあさん「気をつけてな。これはマリオの好きなものが入ってるお弁当だよ。持っておゆき」
おじいさん「マリオー。なあ、マリオ、これを持って行ってくれ。
この銃は我が家に伝わる家宝の銃じゃ。持ってゆけば役に立つじゃろう」
マリオ「ありがとう、おじいさん。おばあさん。きっとピーチ姫を連れて帰ってきます」
おじいさん・おばあさん「気をつけてなあ」
マリオ「行ってきまーす」
553 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 19:10:43.90 ID:???.net
マリオ「ほんだらったほいほい♪だんだらんらんらーん♪ほんだらったほいほい♪らんだらんだらーん♪」
(ドガッ)
マリオ「あら、どうしたんだい?」
パタメット「お腹が空いて飛べないんだ」

<ナレーター>
マリオは、おばあさんにつくってもらったお弁当をパタメットに分けてあげました。
元気になったパタメットは、お礼にクッパ大王退治に付いて行くことにしました。
554 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 19:17:30.70 ID:???.net
ブーメランブロス「おーい、おーい、助けてくれー!」
マリオ「あらー」
ブーメランブロス「誰か早く起こしてくれー」
マリオ「さあ」
ブーメランブロス「ああ、助かった。もう少しで死ぬところだった。ずーっと仰向けになってたんだ。ありがとう」

<ナレーター>
こうして助けてもらったブーメランブロスも、鬼のクッパ大王退治に参加することになりました。
555 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 19:27:07.27 ID:???.net
ガボン「おーい、待ってくれー。おいらも連れてってくれー。
今おじいさんのところへ行ったら鬼のクッパ大王退治に出かけたっていうんで追っかけてきたんだ。
おいらの星もクッパ大王にメッチャクチャにされちまってよう。
思い出しただけで悔しくて悔しくて、おいらもクッパ大王やっつけたいんだ。
連れてってくれるよね?ね?」

<ナレーター>
マリオは、パタメット、ブーメランブロス、そしてガボンの三人を味方に、
クッパ大王のいる鬼ヶ島へ向かいました。
556 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 19:31:49.80 ID:???.net
クッパ大王「でへ、でへへへへへへへ。へへへへへへへへへ、へへへへへ。
これで、ピーチ姫がお嫁ちゃんになってくれさえすればこの世の春だ。あはは」
557 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 19:42:26.12 ID:???.net
クッパ大王「でへ。ピーチ姫ちゃん、ご機嫌いかが?今日はいい返事が聞けるかな。
でへへへへへ」
ピーチ姫「ああ…」
クッパ大王「ピーチ姫ちゃん、早くこんな冷たい牢に入ってないで、
クッパちゃんのお嫁ちゃんになってちょうだい」
ロイ「大王さま」
クッパ大王「?」
ロイ「クッパ大王さま。怪しい船が島に近づいてきます」
クッパ大王「えーい、どんな船であろうと、叩き潰してしまえ!」
ロイ「ははあ」
558 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 19:55:40.09 ID:???.net
コクッパ達「でりゃあー!」
マリオ「よーし、行くぞ!」
コクッパ達「とりゃあ!」
マリオ「そーれー!」
パタメット「たあー!」
ガボン「やーやーやーやーやー」
モートン「でい!」
ロイ「でえい!」
イギー「ほりゃあ!」
ガボン「ポイッ」
ルドウィック「ああ」
(ドカーン)
マリオ「クッパ大王出てこーい!ピーチ姫を迎えに来たー!」
クッパ大王「こしゃくな!ピーチ姫は渡さん!」
マリオ「なに!?」
クッパ大王「ええい、小僧、くたばれ!」
パタメット「それー!」
ウェンディ「ぎゃ」
ブーメランブロス「とう!」
レミー「うぎゃあ」
559 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 20:01:09.92 ID:???.net
マリオ「…!?」
クッパ大王「えい!」
マリオ「姫ー!ピーチ姫ー!」
クッパ大王「えーい、くらえ!よ!こら!それ!えい!あら」
ブーメランブロス「とう」
マリオ「たあ」
クッパ大王「あららら、お願い、乱暴はよして。話せば、話せば分かるんだから」
560 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 20:06:04.71 ID:???.net
<ナレーター>
激しい戦いが続きましたが、とうとうクッパ大王をやっつけることが出来ました。
鬼たちはスーパーマリオに降参して、二度と悪いことをしないと誓いました。
そして、人々からとりあげた宝物をみんな返しました。

ピーチ姫「助けてくれてありがとう」
マリオ「いやあ」
561 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/04/30(月) 20:09:18.49 ID:???.net
<ナレーター>
こうしてマリオは、お供の三人とピーチ姫を連れ、
人々に返す宝物をいっぱいに積み込んで、
おじいさんとおばあさんの元へと帰っていきました。
562 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/05(土) 11:16:54.37 ID:???.net
Abemaで今日と明日にエヴァ劇場版を放送!

EVANGELION:DEATH(TRUE)²
https://abema.tv/channels/abema-anime/slots/EoLUMXznkeYTCK

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
https://abema.tv/channels/abema-anime/slots/EoLUQZJ8vrFTtj
563 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 14:25:49.78 ID:???.net
スーパーマリオ
いっすんぼうし編
564 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 14:32:11.02 ID:???.net
<ナレーター>
あるところに、子供のいない夫婦が住んでいました。
毎日毎日夜になると、どうか赤ちゃんが授かりますように、と、
夜空の星にお祈りをしていました。
そんなある夜のことです。
流れ星が、夫婦の住んでいる家に落ちてきました。
なんと、その流れ星は、小さく可愛い赤ちゃんを運んできてくれたのです。
子供のいなかった夫婦は大喜び。
大切に大切に育てました。
565 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 14:41:56.68 ID:???.net
<ナレーター>
ところがどういう訳か、食べても食べても大人の小指ほどしか育ちません。
それでも両親は、いっすんぼうしのような子供を、マリオと名付けて可愛がりました。
1年経ち、2年経ち、10年経ちましたが、少しも大きくなりませんでした。
でも、いっすんぼうしのマリオは、明るく元気に育ちました。
そんなある春の日に、マリオは大きな木に登ってビックリしました。
566 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 14:45:07.20 ID:???.net
マリオ「わあ、すごいなあ」

<ナレーター>
マリオは、こんな広い景色を見るのは初めてだったのです。
567 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 14:50:39.31 ID:???.net
マリオ「あぁ、あの山の向こうには何があるんだろう」

<ナレーター>
まだ見たこともない世界があることを知ったマリオは、
居ても立っても居られません。
568 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 14:56:01.94 ID:???.net
マリオ「パパ、行きたい。山の向こうの大きな町に。ねえねえ、いいでしょう。
ぼく町へ出て色んなことを勉強してみたいんだよ」

<ナレーター>
でもパパもママも心配でとても許してはくれません。
569 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:00:10.36 ID:???.net
マリオ「行くんだ。ぼくは絶対。あの山の向こうの大きな町へ行くんだ」

<ナレーター>
日増しに強くなるマリオの気持ちを、パパやママがいくら止めても聞きそうにありません。
とうとうパパは。
570 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:07:55.83 ID:???.net
パパ「そうか。ま、可愛い子には旅をさせろって言うし、仕方ない。行かせてあげよう」
マリオ「わーい」

<ナレーター>
パパは、マリオのために、針の刀に、お椀の船、箸の櫂をつくりました。
早速マリオは、パパにつくってもらった刀を腰に差し、船に乗って町を目指します。
571 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:11:41.39 ID:???.net
パパ「じゃ、気をつけて行くんだよ」
マリオ「はーい、それじゃあ行ってきまーす。
えっちら、おっちら、えっちら」

<ナレーター>
両親に別れを告げたいっすんぼうしのマリオの夢は、大きく大きく膨らみます。
572 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:15:25.93 ID:???.net
マリオ「ぼーくはマリオ♪いっすんぼうしのマリオ♪小さな体に大きな望み♪
夢も大きく膨らんで、ほい♪希望の町へ、ゴーゴーマリオ♪」
573 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:19:00.43 ID:???.net
マリオ「♪~。ん?あらら、なんだこれ。よーし」
カロン「…(ドサッ)」
574 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:26:41.76 ID:???.net
マリオ「らんらんららんらら♪らららららんらら♪らんらんらん♪あら?あ、雨だ!」
ジュゲム「へへへ。へへへへ」
マリオ「よっこらっと。ああ、わあ」
ジュゲム「ぐふふふふふふふふ」
マリオ「あららら、あら、揺れる。うわあ、ああ、ああ。助けてー。わお。どわ、わあー!」
575 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:33:40.29 ID:???.net
マリオ「ん?あぁ…あ」
ピーチ姫「あ、気が付かれましたね」
マリオ「こ、ここは…ここはどこ?あなたは誰?」
ピーチ姫「ご心配ありませんよ。私はピーチ姫」
マリオ「ピーチ姫?どうしてぼくはここに」
ピーチ姫「それはね。嵐があった後、私は散歩に出たのです」
576 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:36:41.65 ID:???.net
ピーチ姫「河原に出てみると、そこにあなたが倒れていたのです」

<ナレーター>
そうです。
嵐にあったマリオは川に流され、ピーチ姫に助けられたのです。
577 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:40:27.82 ID:???.net
マリオ「そうだったのか。ありがとう、ピーチ姫。ぼくマリオ。
隣町から勉強しにやってきたのです」
ピーチ姫「そうだったの」

<ナレーター>
ピーチ姫は、可愛らしいマリオがとても気に入りました。
578 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:45:38.82 ID:???.net
ピーチ姫「マリオっていったわね。ここに住んで勉強すればいいわ」

<ナレーター>
マリオも大喜び。
こんな美しいお姫様の側で勉強が出来るなんて、とっても幸せでした。
それからというもの、マリオはピーチ姫が町へ出る時はいつも一緒でした。
579 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:54:11.03 ID:???.net
ピーチ姫「あ!クッパ大王だわ!」
マリオ「クッパ?」
ピーチ姫「ああ…」
マリオ「!」
ピーチ姫「ああ!」
クッパ大王「へへ、可愛いのう。美しいのう、ピーチ姫。
今日こそはよい返事を聞かせてもらうぞ。もちろん、オーケーだろうな。えへへへへ」

<ナレーター>
クッパ大王は、美しいピーチ姫が好きで好きでしつこく結婚を申し込んでいたのです。
580 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 15:57:33.04 ID:???.net
ピーチ姫「いやです!何度も言ってるように、お前のようなやつのお嫁さんにはなりません!」
クッパ大王「な、なにを!」

<ナレーター>
クッパ大王は、自分の欲しいものは力づくでも奪い取る鬼のような海賊のボスだったのです。
581 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 16:08:43.32 ID:???.net
マリオ「許せーん!許せーん!許せーん!クッパ大王、マリオ様が相手だ!」
クッパ大王「ん?何だお前は」
マリオ「ピーチ姫には指一本触れさせないぞ!」
クッパ大王「はははははは」
マリオ「な、何がおかしい。行くぞ」
クッパ大王「ははは、威勢がいいのう。ちびっ子めが」
マリオ「マリオ…」
クッパ大王「へへ、こうしてくれるわ」
マリオ「わ」
クッパ大王「マリオー!」
マリオ「わあ、ああ」
クッパ大王「えい、世話を焼かせやがって」

<ナレーター>
懸命にマリオは戦いましたが、やっぱりクッパ大王には敵いません。
582 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 16:11:13.54 ID:???.net
マリオ「許せーん!許せーん!許せーん!クッパ大王、マリオ様が相手だ!」
クッパ大王「ん?何だお前は」
マリオ「ピーチ姫には指一本触れさせないぞ!」
クッパ大王「はははははは」
マリオ「な、何がおかしい。行くぞ」
クッパ大王「ははは、威勢がいいのう。ちびっ子めが」
ピーチ姫「マリオ…」
クッパ大王「へへ、こうしてくれるわ」
マリオ「わ」
ピーチ姫「マリオー!」
マリオ「わあ、ああ」
クッパ大王「えい、世話を焼かせやがって」

<ナレーター>
懸命にマリオは戦いましたが、やっぱりクッパ大王には敵いません。
583 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 16:18:26.76 ID:???.net
クッパ大王「ちょろちょろうるさいやつじゃ。腹の足しにもならんが」
ピーチ姫「ああ、マリオ!」
クッパ大王「食べてしまえ。あむ」
ピーチ姫「マリオ…」
マリオ「あー、あー」
584 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 16:27:12.58 ID:???.net
クッパ大王「可愛い可愛いピーチ姫。これで邪魔者がいなくなったし、ピーチ姫」
ピーチ姫「ああ…」
クッパ大王「今日こそは連れて帰り…う」
マリオ「えい、やっ、とう!」
クッパ大王「うう…」
マリオ「やっ、とう、えい、そりゃ、えい、とう、やっ!」
クッパ大王「ぐわあ、ああ…あいたたたた」
ピーチ姫「?」
クッパ大王「あ、痛い。苦しい。痛い」
マリオ「えーい」
クッパ大王「ぐふう…」
ピーチ姫「マリオ」
マリオ「ピーチ姫、ご無事で」
585 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 16:42:47.15 ID:???.net
ピーチ姫「助かったのね、マリオ。ああ!」
マリオ「?」
クッパ大王「…」
ピーチ姫「あ、マリオ」
クッパ大王「ぐわあ」
マリオ「ふっ、とりゃあ!とう!てえい!」
クッパ大王「ん?ん、ああ、ああ」
マリオ「あははははは」
ピーチ姫「うふふふ、ふふふ、ふふふ」
クッパ大王「ああ、ぼくちゃんの角がー」
ピーチ姫「マリオ、本当に勇敢な人ね。助かったわ、ありがとう。私の命の恩人です」
マリオ「いやあ、あはは、あははは」
ピーチ姫「あら」
マリオ「?」

<ナレーター>
そうです。
これはいっすんぼうしの活躍で、
クッパ大王を追い払った時に落としていった打ち出の小槌で、
願い事が何でも叶うという不思議な宝物なのです。
586 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 16:49:25.62 ID:???.net
ピーチ姫「マリオ、あなたは何が望みなの?」
マリオ「ぼく?やっぱりぼくは立派な体が欲しいなあ」
ピーチ姫「分かりました。さあ、打ち出の小槌よ。マリオを、立派な若者にしておくれ」

<ナレーター>
ピーチ姫がそう言いながら打ち出の小槌にお願いしました。
するとどうでしょう。
マリオの体が少しずつ大きくなりだしました。
どんどんどんどん大きくなったマリオは、立派な若者になりました。
587 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 16:52:24.31 ID:???.net
ピーチ姫「とっても立派よ。マリオ」

<ナレーター>
ピーチ姫とマリオは、手を取り合って喜び合いました。
588 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/15(火) 16:54:34.67 ID:???.net
<ナレーター>
こうしてマリオは、立派な若者になり、
ピーチ姫を連れて、故郷の両親の元で幸せに暮らしました。
589 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/28(月) 18:03:54.74 ID:???.net
Where am I vanishing into?"
Into a clam, quietly sleeping in the sea?
Last night's dream, I dreamed an unbelievably real one.
I'm just sleeping...

Town beyond the boundless horizon, nobody seems to be there.
Only the moon shines, and her light creates shadows.
Imagination, like illusions, starts overwhelming the town.

Holding inconsistency, wasted sense of value,
penetrates into the ground's surface so, so deeply.
"Where am I vanishing into?"
Truly, into a dark, calm layer.

But, wind, don't stop blowing yet.
Yeah, wind, don't stop blowing yet. 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)
590 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/28(月) 18:08:26.34 ID:???.net
Gentleman with a rich chest living in an east mountain,
crowd of ladies wasting time for nothing.
Children creating a perfect evil, like a genius does,
river forms a flow but never needs water.

Purple time turns everything into the truth,
mysterious rumors floating in the skies.
Group of information creeping on the ground filled with noise.
Memories of a story that was never born.

Holding inconsistency, wasted sense of value,
penetrates into the ground's surface so, so deeply.
"Where am I vanishing into?"
Truly, into a dark, calm, layer.

But, wind, don't stop blowing yet.
Yeah, wind, don't stop blowing yet.
591 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 14:34:48.33 ID:???.net
スーパーマリオ
しらゆきひめ編
592 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 14:37:56.18 ID:???.net
<ナレーター>
昔々ある国に、それはそれは気位の高い自惚れ屋で、
自分が世界で一番美しいと思い込んでいる女王が住んでいました。
593 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 14:44:57.40 ID:???.net
クッパ女王「ほっほっほっほっほっほ。ほっほっほっほっほっほ。ほっほっほっほっほっほっほっほ。
鏡よ鏡よ鏡さん。世界で一番美しいのはだーれ」
鏡「クッパ女王様、あなたが世界で一番美しい」
クッパ女王「そうよね。鏡は正直。嘘はつかないわよね~」

<ナレーター>
ところがある日のことです。
594 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 14:53:04.90 ID:???.net
クッパ女王「鏡よ鏡よ鏡さん。世界で一番美しいのはだーれ」
鏡「女王様、この国ではあなたが一番美しい。けれど、隣の国のピーチ姫が世界で一番美しい」
クッパ女王「むう、ピーチ姫だとー!」

<ナレーター>
それからというもの、クッパ女王はピーチ姫が憎くて憎くてたまりませんでした。

クッパ女王「イライライライライライライラ」
595 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 14:57:45.92 ID:???.net
クッパ女王「もう、ピーチ姫め」

<ナレーター>
ピーチ姫のことを思うと夜も眠れません。
次の朝、コクッパたちを呼びつけました。
596 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:02:46.35 ID:???.net
クッパ女王「ピーチ姫など二度と見たくない。永遠にこの世から消してしまうのだ。
よいか、コクッパたち」
レミー・モートン・ウェンディ・ロイ「おー!」
597 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:06:10.40 ID:???.net
クッパ女王「分かったら、出撃!」
レミー・モートン・ウェンディ・ロイ「おー!」
ロイ「行くぞー!」
レミー・モートン・ウェンディ「とりゃあ!」
598 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:14:28.12 ID:???.net
<ナレーター>
なーんにも知らないピーチ姫は、湖の近くで花を摘んで遊んでいました。

ピーチ姫「らーんらんらんらん♪ふふふ」
ロイ「いたぞ」
ウェンディ「それー!」
ピーチ姫「きゃあ!」
ロイ「クッパ女王様の命令だ。世界一美しいピーチ姫、消えてもらおう」
モートン「こんな可愛い姫消しちゃうなんて可哀そう」
ウェンディ「何を言ってるの!クッパ女王様が一番!みんな、おやり!」
ピーチ姫「ああ、誰か。助けて」
ロイ「かかれー」

<ナレーター>
その時です。
599 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:19:36.06 ID:???.net
マリオ「姫ー!」

<ナレーター>
スーパーマリオは、ピーチ姫の悲鳴を聞きつけ助けにきました。
600 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:30:03.69 ID:???.net
マリオ「ピーチ姫」
ウェンディ「な、何者!」
マリオ「スーパーマリオだ!寄ってたかってか弱い姫に何をする。許さん!」
ロイ「んー、こしゃくな。マリオも一緒に消してしまえ」
ウェンディ「たぁ!」
モートン「えい!」
マリオ「とう!」
レミー「うわ」
モートン「あらら」
マリオ「すた」
レミー「てい!」
マリオ「でやあ」
レミー「うわ」
ロイ「あわわわ」
モートン「ひえー」
レミー・ロイ・ウェンディ・モートン「あわわわわわ」
マリオ「今だ、ピーチ姫。逃げるんだ」
ピーチ姫「はい」
マリオ「すたこらすたこらすたこらさっさ。すたこらすたこらすたこらさっさとな」
601 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:32:30.75 ID:???.net
<ナレーター>
ピーチ姫を助けたスーパーマリオは、森の奥にある小さな家に案内しました。
602 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:35:15.55 ID:???.net
ピーチ姫「まあ、可愛い。ベッドも椅子も、何もかも小さく可愛いものばかりだわ」

<ナレーター>
そうです。この家は、森の小人の家だったのです。
603 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:40:21.84 ID:???.net
キノピオたち「おいらキノピオ。みんな仲良し」
マリオ「ああ」
キノピオたち「森のアイドル。おいらキノピオ」
マリオ「やあ、キノピオ」
キノピオたち「スーパーマリオ。来てたのかい?久しぶりだね。元気だった?」
マリオ「みんなも元気そうだな。勝手に入っちゃってごめんね」

<ナレーター>
マリオはピーチ姫を紹介し訳を話しました。
604 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:46:01.71 ID:???.net
キノピオA「そっか、あの自惚れ屋のクッパ女王に」
キノピオB「ここに隠れてれば大丈夫。安心ですよ」
キノピオC「とっても綺麗なピーチ姫。僕たちみーんなで守ります」
マリオ「うん、みんな頼んだぞ。これで安心して僕は旅に出れる。ほんじゃまあこれでな」
キノピオたち「マリオ、元気でねー」
マリオ「ピーチ姫を頼んだよー」
ピーチ姫「さようならー」

<ナレーター>
スーパーマリオは、国から国へと冒険の旅をしていたのです。
さて、クッパ女王の城では。
605 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 15:52:58.07 ID:???.net
クッパ女王「な、なに!しくじっただと!?この役立たずめが」
レミー・ロイ・ウェンディ・モートン「申し訳ございません」
クッパ女王「えーい、お前たちの顔も見たくないわ。さっさと立ち去れ」
レミー・ロイ・ウェンディ・モートン「…」
クッパ女王「もう、イライライライライライラ」
606 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:00:27.28 ID:???.net
クッパ女王「鏡よ、鏡。この世で一番美しいのはだーれ」
鏡「森の奥のキノピオの家にいるピーチ姫が、世界で一番美しい」
クッパ女王「むう、こんなところにいたのか。今に見ているがいい。ピーチ姫め」

<ナレーター>
地下研究室に入ったクッパ女王は何をしているのでしょう。
森の小人キノピオたちは、今日も森へ働きに出かけます。
その間ピーチ姫は、お料理やお掃除、洗濯をしてあげることにしました。
あら?このあばあさんは?
607 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:05:10.46 ID:???.net
クッパ女王「娘さん。リンゴを買っておくれ。ほっぺのように真っ赤なリンゴ。美味しそうだろ。
どれほど美味しいか一つ食べてみておくれ」
ピーチ姫「ほんと。美味しそう。キノピオたちにもご馳走してあげようかなー」
クッパ女王「ふふふふ」

<ナレーター>
ピーチ姫はリンゴを手に一口食べました。
608 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:09:32.50 ID:???.net
クッパ女王「んん?」

<ナレーター>
あら大変。
リンゴを一口食べたピーチ姫は、その場に死んだように倒れてしまいました。
609 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:12:50.96 ID:???.net
クッパ女王「ふふふふ。ふははははは。ははは。これで私が世界で一番美しいわ」

<ナレーター>
そうです。
このおばあさんはクッパ女王だったのです。
610 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:16:10.71 ID:???.net
キノピオたち「おいらキノピオ。みんな仲良し。森のアイドル。ただいまー。ああ!」

<ナレーター>
帰ってきたキノピオたちは驚きました。
611 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:19:25.60 ID:???.net
キノピオたち「ピーチ姫、しっかりしてください!」

<ナレーター>
しかしピーチ姫は目を閉じ死んだように動きません。
612 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:23:12.77 ID:???.net
キノピオたち「わーん、わーん、ピーチ姫が死んじゃったよー」
マリオ「?」
キノピオたち「わーん」

<ナレーター>
キノピオたちの泣き声が、マリオの耳に届いたようです。
マリオは急いで駆けつけます。
613 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:28:30.63 ID:???.net
マリオ「姫ー!ピーチ姫ー!今行くぞー」
キノピオたち「わーん、わーん、ピーチ姫ー。うぅ…」
マリオ「姫。ピーチ姫」
キノピオたち「マリオ。僕たちが付いていながら、こんなことになってしまって」
マリオ「姫、さあこれを」

<ナレーター>
スーパーマリオは、遠い国を冒険した時に、女神からもらった薬をピーチ姫に飲ませました。
614 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:33:52.67 ID:???.net
キノピオたち「あぁ…」
ピーチ姫「ん…」
マリオ「ああ、ピーチ姫」
ピーチ姫「マリオ、ここはどこ?私は今まで何をしていたの?」
キノピオたち「やった。良かった。気が付いた。ピーチ姫が生き返った!」
ピーチ姫「そうだわ。私、リンゴを食べて」
615 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:37:39.85 ID:???.net
ピーチ姫「ああ」
クッパ女王「ふふふふふふ」
616 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:41:56.26 ID:???.net
マリオ「そっか。あのクッパ女王の仕業か。ピーチ姫をこんな目に遭わせるなんて許せん!
僕が行ってこらしめてやる!」
ピーチ姫「待って、マリオ」
キノピオたち「僕たちも行くよー」
マリオ「許さんぞー」

<ナレーター>
スーパーマリオは、ピーチ姫、キノピオたちとクッパ女王のお城に攻め込みました。
617 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:47:17.49 ID:???.net
マリオ「…あ!」
クリボーたち「クリボー」
マリオ「このこの!クッパ女王出て来い!それそれそれそれ!
クッパ女王、スーパーマリオが相手だ!」

<ナレーター>
クッパ女王は、ピーチ姫が生きていたのに怒り、
そのうえマリオの攻撃を受けますます怒りました。
618 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 16:58:50.95 ID:???.net
クッパ女王「えーい、スーパーマリオめ。ピーチ姫ともどもあの世に送ってやるわ。
者ども行けい!」
ロイ「今度こそ!」
ウェンディ「生きて!」
ラリー「返さーん!」
マリオ「よーし、来い!あ、あー」
ウェンディ「てやあ!」
レミー「えーい!」
モートン「ええい!」
マリオ「あらららーら。あららら」
ピーチ姫「マリオー!」
クッパ女王「ほほほほほほ。ん?」
キノピオたち「(ぽん)(ぽん)(ぽん)(ぽん)」
マリオ「よーし、パワーアップだ!」
ラリー・ウェンディ・ロイ「うわ…」
マリオ「とりゃあ!」
ウェンディ「うわあ」
マリオ「とう!やあ!」
クッパ女王「わー、助けてー」
マリオ「待てー、クッパ女王!あら」
クッパ女王「へへへへへへへへへ」
ピーチ姫「マリオ」
619 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 17:03:32.67 ID:???.net
マリオ「どうしよう」
クッパ女王「へへへへ」
ピーチ「あ…」
クッパ女王「マリオ。もう観念せい」
マリオ「く、くそー」
ルイージ「マリオ、助けに来たぞ!」
マリオ「ルイージ!」

<ナレーター>
そうです。
スーパーマリオに双子の兄弟、ルイージがいたよね。
620 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/29(火) 17:13:28.38 ID:???.net
ルイージ「そら!」
クッパ女王「ああ」
ルイージ「この!」
クッパ女王「うがあ」
ルイージ「おーら、うりうりうりうり」
ピーチ姫「マリオ」
クッパ女王「あが…」
マリオ「ルイージ、ありがとう」
ルイージ「マリオ、行くぞ」
マリオ「よーし」
クッパ女王「あれ、あれあれあれー」
マリオ・ルイージ「それー」
(ガシャーン)
クッパ女王「うぐ」
マリオ「わー、やったやったー」
キノピオたち「わーい、わーい。やったやった」

<ナレーター>
こうして、スーパーマリオやルイージ、キノピオの活躍で、クッパ女王を改心させ、
ピーチ姫と一緒に楽しく暮らしました。
621 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[] 投稿日:2018/05/30(水) 05:25:57.39 ID:KYKjGdlq.net [1/1回]
PS4NY
622 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/05/30(水) 14:57:29.11 ID:???.net
"What's he seeking?" "What does she understand?"
"You love me?" "I sure do, honey."
Satisfaction constantly creates loose portrait.

A lake filled with mystery but not leading to the sea.
Thousands of molecules slash the darkness while giving ultrarapid lights.
"Who knew it?" "Everyone owns it in common."
Unnatural body and unconsciously developed technologies called "indifference"
.
Value of enormous intelligence named "ignorance" is disregarded...

But, wind, don't stop blowing yet.
Yeah, wind, don't stop blowing yet...

「ここつまんなーい。私んち行こう。もう帰ろうよ」
623 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/11(月) 14:43:42.89 ID:???.net
今日も元気にマリオが走る、走る
ピーチ姫を助けに行くぜ、行くぜ
今日も元気にマリオが、走る
今日も元気にジャンプ
今日も元気にコインを、探せ
今日も進めよマ・リ・オ
きのこを取ってスーパーマリオだぜ
フラワーを取ってファイアーマリオ
クリボーだ、ノコノコだ、メットだって倒せ
マリオはいつも、元気でつよーい
624 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/11(月) 14:47:12.28 ID:???.net
(キノコ達にかけられた魔法を解く事が出来るのはピーチ姫だけです
でも、ピーチ姫は遠いお城の地下に囚われの身になっています
ああ、平和で夢のあったあの頃に
もう一度あの頃に戻れたら
ピーチ姫を救い出し、再び平和なキノコ王国を築くためマリオは今日も行くのです)
625 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/11(月) 14:51:11.43 ID:???.net
今日も元気にマリオが走る、走る
クッパ一族をやっつけに行くぞ、行くぞ
今日も元気にマリオが、走る
今日も元気にジャンプ
今日も元気にコインを、探せ
今日も進めよマ・リ・オ
スターを取って無敵になろう
早くピーチを助けに、行こう
ジュゲムだ、トゲゾーだ、プクプクだって倒せ
マリオはいつも元気でつよーい
626 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/11(月) 14:54:44.91 ID:???.net
今日も元気にマリオが走る、走る
来たぜ、お城だ、花火をあげろ、あげろ
ハンマーブロスをひらりと、かわし
最後の力を出せ、マ・リ・オ
長い旅だったけれどもうすぐ、終わる
やったぜやったぜ、クッパを倒した
ピーチ姫にサンキュといわれ
マリオの心は大きく弾んだ
マリオの冒険はここで終わったけれど
マリオの夢は果てなく続く
627 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 00:13:52.76 ID:???.net
(悟空のGOKIGENジャーニー/声・野沢雅子)

でっかい青空 今日も飛ぶんだ
えへへ 愉快 いい気分
ドラゴンボール どこにあっても
いくぜ ファイト まっしぐら

面白仲間出来たしさ
何が起こるか いつもワクワク

旅はGOKIGEN 空もぴかぴか
スリルだらけ 夢だらけ
628 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 00:21:18.38 ID:???.net
びっくり仰天 敵の待ち伏せ
やるぞパンチ どんと来い

危険な罠も何のその
戦うたびに勇気りんりん

風はごきげん
腕が鳴る鳴る
見てよ オラの雲さばき
旅はGOKIGEN
さあ出発だ
そんじゃじゃーに
また会おう
また会おう
629 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 18:10:24.00 ID:???.net
network operating system
630 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 18:15:45.25 ID:???.net
Authorize User

○○○
631 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 18:21:37.62 ID:???.net
Cou001
632 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 18:45:16.78 ID:???.net
精神科医「それでは、お母さんはそちらの控室でお待ちください。
玲音ちゃん、心配ないからね。さあ、そこに座って。ジュースか何か飲むもの欲しい?
そんなに緊張しなくてもいいのよ。
そうだな、先生は喉が渇いたから紅茶が飲みたいんだけど、玲音ちゃんも付き合ってくれない?
だって先生だけ飲んでると変でしょ。ありがと。とりあえず何飲む?色々あるけど」
玲音「同じで」
精神科医「紅茶でいいの?分かった。じゃ、ちょっと待っててね。はい、お砂糖とミルクは自分で入れてね。
はい、どうぞ。うん、まずまずかな。これ、アールグレイってお茶で先生はこのお茶が大好きなの」
玲音「アールグレイ?」
精神科医「そう、紅茶にも種類があって、香りとか味とか違うものなの」
玲音「美味しい?」
精神科医「うーん、そうね。私には良いかも知れないけど玲音ちゃんにはどうかな。
試しにちょっと飲んでみればいいのよ。もし美味しくなかったら他のものにすればいんだから。ほら。ね」
633 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 18:52:23.56 ID:???.net
Upgrade...
634 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 18:57:53.22 ID:???.net
Tda028
635 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 20:49:36.38 ID:???.net
柊子:
今日で、玲音ちゃんに会ったのは2回目。
真っ直ぐな目で彼女に先生なんて呼ばれると少し嬉しくて、顔が赤くなってしまった。
玲音ちゃんにばれちゃったかな。
先生なんて呼ばれたくらいで赤くなってるようじゃ私もまだまだ新米カウンセラーだな。
でも、玲音ちゃんに初めて会った時から感じている不思議なあの感覚は何なのだろう。
あの目を見ていると私自身を見透かされているような気分になる。
あの大きな目の中に映る私は頼りなく見えるのだろうか。
それにしても、私が玲音ちゃんくらいの頃ってあんなに落ち着いてたかな。
一応品が良いで通ってたから、大丈夫かな。ふふふ。
でもほんと、彼女はとても落ち着き払っているように見える。
12歳なんてまだ子供だと思っていたけれど、玲音ちゃんは大人びている気がする。
まあ、最近の子供はみんなませてるって言うし、実際親戚の子とかも大人びたとこもあるし、
昔と今は違うのかも。あー何だか、私おばさんみたいな事言ってる。
幻覚なんかに負けないで、玲音ちゃん。
私がきっと治してみせるから。
636 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 21:11:33.91 ID:???.net
Cou002
637 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 21:24:58.41 ID:???.net
玲音「良い匂い」
精神科医「さあどうぞ。どう?あれ?あんまり美味しくなかったみたいね。
苦い?お砂糖入れる?じゃあミルクを入れたら苦味が無くなっていいかも知れないわ。
それとも、他のにする?」
玲音「牛乳は嫌い」
精神科医「そうなんだ、ごめんね。先生知らなかったから。じゃあなんかジュースでも持ってこよっか。
ごめんね、そうだね。先生も12歳の頃に紅茶なんて飲まなかったかも。
紅茶には種類がいっぱいあるって言ったでしょう?私もダメなのはダメなの。
もちろん飲めない訳じゃないけど、相性っていうか、単なる好き嫌いとか種類によって出ちゃうのよね。
玲音ちゃんは好き嫌いは?あ、牛乳は何で嫌いなの?」
玲音「お腹がごろごろするの」
精神科医「ふ、ふふふふ。実はね、先生も昔そうだったの。だから学校の給食で牛乳が出るとね。今は大丈夫だけど」
玲音「ほんとは好きなのに」
精神科医「お腹に優しい牛乳でもダメ?」
玲音「なんて牛乳?」
精神科医「名前は忘れちゃったけど、お腹がごろごろしない牛乳もあるのよ。
玲音ちゃんとか、昔の私のような子の為にね。
お母さんに相談すればきっと探してくれるわよ」
638 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 21:32:54.13 ID:???.net
Cou003
639 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 22:20:37.34 ID:???.net
玲音「牛乳にも種類があるの?」
精神科医「そうね、基本的には同じものなんだけど、加工の仕方によって違う種類になるの」
玲音「違う種類?」
精神科医「うん、紅茶もね。葉っぱの摘み方や蒸らし方で種類が違うのよ。同じ葉っぱでもね」
玲音「人間も?」
精神科医「え」
玲音「人間は種類があるの?」
精神科医「そうだね。種類っていうより人は一人一人違うのよ。
例えば、玲音ちゃんは紅茶は嫌いだけど、私のように好きな人もいる。
牛乳を飲んでお腹が痛くなる人もいるし、そうじゃない人もいるでしょう?
でも、同じ人間でも私みたいに大きくなったら、平気になっちゃう人もいるの。
ひょっとしたら玲音ちゃんも平気になるかも。
ね、良い事でも悪い事でも何でもないのよ。人と違う事なんて当たり前の事なの。
全然気にしなくてもいいのよ。むしろ、誇りに思ってもいいくらいの事だわ」
玲音「誇り?」
精神科医「ごめんなさい。そうよね、玲音ちゃんは悩んでるんだもんね。
自慢するとかじゃなくて、気にする必要なんか全然ないって言いたかったの」
640 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/12(火) 22:38:29.28 ID:???.net
玲音「私は、変な夢見るから違っているの?」
精神科医「違っているかも知れないって事なの。普通の事なのかも知れないわ。
私は玲音ちゃんがそれを気にしているんなら、何か役に立てるかも知れないからここにいるの。
夢を見ないようにする事じゃなくて、玲音ちゃんがその事で、
何か分からない事とか、困った事があったら相談してくれると嬉しいな。
先生はね、そういう相談に答える勉強もいっぱいしてきて、今も勉強してるの。
玲音ちゃんは困ってなんていないかも知れないけど、もしそうだとしたら、
先生にちょっと付き合って、お喋りしてくれるだけでいいの。
先生はね、玲音ちゃんの事、もっと知りたいの。ダメかな。嬉しい。
今日から玲音ちゃんと先生は友達よ。遊びに来て。約束よ」
玲音「私も、先生から色んなお話聞きたい」
精神科医「うん、何でも聞いて。分かんないことがあっても調べるから。
それから玲音ちゃんの好きなものも用意しとく」
玲音「何?」
精神科医「お腹の痛くならない牛乳。ふふふふ」
641 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 15:20:22.53 ID:???.net
Cou004
642 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 15:53:47.85 ID:???.net
柊子:
7月8日。午後2時。2回目のセッション。

柊子「はい、お願いします」
玲音「柊子先生、こんにちは」
柊子「こんにちは、玲音ちゃん」
玲音「こんにちは」
柊子「夏休みももうすぐ。楽しみだね」
玲音「別に」
柊子「えっと、今日はね。玲音ちゃんと一緒に簡単なゲームをしようと思ってこれ持ってきたんだ」
玲音「何、それ」
柊子「お絵かきセット。玲音ちゃんは絵は好き?」
玲音「好きじゃない。多分」
柊子「そう、残念。あ、じゃあね、○×って知ってる?」
玲音「知ってるけど、やりたくないよ」
柊子「うーん、ごめんね。なんか先生外しちゃってるね。じゃあ玲音ちゃんが何かやりたい事ってある?」
玲音「もっとお話を聞かせて欲しい」
柊子「お話…何の話をすればいい?」
玲音「何でもいい。柊子先生の事」
柊子「先生の事…そうねえ、そんなに面白くないわよ」
玲音「嫌?」
柊子「ううん、嫌じゃないよ。でもほら、先生は27年も生きちゃっていっぱいお話があってね。
すっごく昔の事から話すと長くなるのよ。それにそんなにすごい話もないけど」
玲音「先生は何の先生なの?」
柊子「先生はそうだな。玲音ちゃんみたいに、何か悩み事がある人の話を聞いて、
こうしたら良くなるんじゃないかってアドバイスしたりする先生なの。分かる?」
玲音「やっぱり…そうなんだ」
柊子「どうしたの?もし気分が悪くなったり、何か嫌な事があったら正直に言って。
先生も気をつけるけど。そう、そんなに深く考えなくっていいのよ。
リラックスして、先生と月1回こうして楽しくお話をするだけでいいの」
玲音「うん」
643 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 16:04:03.46 ID:???.net
Dia001
644 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 16:27:01.17 ID:???.net
『診断方法に関して。既往歴に関して言えば、
クライアントの家庭環境は両親とクライアントのみの核家族であり、
両親とも経済的にも社会的にも恵まれた環境にあると言える。
両親の関係も非常に良く、精神衛生上問題となる要因は特に見受けられない。
発端者の血族の病歴に関しては、両親からの情報からも、
当研究所のデータベースにおいても、神経症、精神病、自殺者、血族結婚等の親類もなく、
遺伝素因による発病の可能性は低い』
645 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 16:32:22.93 ID:???.net
Dia002
646 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 16:46:36.09 ID:???.net
『出生時以後の児童期までにおいても、特別な事は無く、
現時点での習癖も無く、不登校等の問題行動も無い。
既往疾患に関しても同様に調査した結果、問題になるような点は見受けられない。
無論、当研究所の付属病院に関してはこれを除外する。
カウンセリングを行った時点で、直接本人に現病歴を聞きたかったが、
人見知り的な性格であり、非常にセンシティブな少女である為、
今回のカウンセリングではクライアントの心を開くべく一般的な話に終始した』
647 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 16:48:30.33 ID:???.net
Dia003
648 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 17:33:41.49 ID:???.net
『現状で母親からの話では、頻繁に怖い夢を見るとの事である。
ただし通常の夢という事ではなく、
現実感が強くどちらかといえば幻覚に近い訴えを聞かされ、病院に足を運んだとの事である。
問題の夢だが、あまり内容に対して詳しくは語らないそうだが、
突然意味不明な声が聞こえたり、
無理やり目を開けられてビデオを見せられたとか、
庭で遊んでいたら、いつの間にか一人になった気がして怯えたりといった、
児童期特有の恐怖に対する想像の産物程度のものと考えられる。
これらの症状は今後、自我が確立されると共に回復に向かうだろうという見方はいささか楽観的ではあるが、
小児の臨床事例からも可能性の高い事である。
また、基本的にそれが治らなくても、生活に支障がないと思われるほど、
クライアントの受け答えは明瞭かつ知的である。
ただし、母親の話の中で気になったのは、幻覚と共に、幻蝕を感じる事である。
この点は通常の児童期の精神症状としてはかなり特異であると言わざるを得ない。
彼女の中にそうした妄想なり幻覚を抱かせるだけの恐怖のモデルがあったかどうかが重要な点ではあるが、
これは今後のカウンセリングによって、明らかにしていくつもりである』
649 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 17:41:04.97 ID:???.net
Dia004
650 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/13(水) 18:02:33.79 ID:???.net
『身体所見。体型は小柄で痩せ型。
少々発育不全気味なところもあるが、この年代の少女としては特に問題ないレベルである。
服装外見での問題点は、髪型の一点のみ。
片側のもみあげだけを伸ばしており、髪を束ねている。
よもや学校で流行っているとは思えないが、彼女なりのファッションになっているようだ。
母親の話では本人が好きでやっているとの事なので、
彼女を理解する上で何らかの指針となるだろう。
今後調査したい。
おとなしい印象で肌も綺麗であり、その他の特記事項はない』
651 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 14:52:15.55 ID:???.net
Tda024
652 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 15:09:54.22 ID:???.net
柊子:
今日は、初めての私のクライアントに会った。
玲音という12歳の女の子だった。
高島教授に紹介された時は、何故私の研究対象年齢以下の、
12歳のクライアントを担当させるのか不満に思ったが、
玲音ちゃんの顔を見たら、何も言えなかった。
玲音ちゃんがとても可愛いかったから?うーん、何か不思議な感じがしたから。
とにかく、研究の対象年齢以下だろうが何だろうが彼女は私のクライアント。
幻視、幻聴症状が起こって精神的に不安定らしい。
家庭環境とか悪いのかな。
幼児期の経験が屈折してイメージを作ってるのかしら。
何とか私のカウンセリングで良くなってもらいたいな。
少しずつ心を開いてもらえるように、焦らずやってみよう。
653 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 15:15:44.96 ID:???.net
Dia005
654 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 15:31:15.24 ID:???.net
『問診。表情はやや暗いものの、笑った顔のあどけなさは全くの健康な児童である。
話し方に関しては基本的に無口になる傾向はあるが、
全くコミュニケーションが取れないほどのものでなく、
控えめでおとなしい印象である。
質問等に対する理解力も十分にあり、その答えは明快で問題ない。
注意力、集中力、見当識、思考、感情の面にもおおむね問題はないが、
病状に対する質問には、疎通性に支障をきたす』
655 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 15:33:29.36 ID:???.net
Cou005
656 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 15:51:00.52 ID:???.net
柊子「そうだ。学校は楽しい?」
玲音「普通」
柊子「普通って?面白くもつまんなくもない?」
玲音「うん」
柊子「友達は?」
玲音「いるよ」
柊子「友達とよく遊ぶの?」
玲音「うん。でも皆塾とかお稽古で忙しいの。私はここぐらいだから」
柊子「何か習ったりしたくないの?お習字とか、スイミングスクールとか…あ」
玲音「いいよ。そんなに気を使わなくても」
柊子「ごめんなさい、先生カウンセラー失格だな」
玲音「何かお稽古をするよりも、お家にいる方がいいの」
柊子「お家で何をしてるの?」
玲音「秘密」
柊子「あー、ずるいなあ。教えてくれないんだ」
玲音「だって、恥ずかしい」
柊子「恥ずかしい事してるの?」
玲音「多分」
柊子「うーん、気になるなあ。ま、いっか。でも何だろうなあ。気になるなあ」
玲音「言わなきゃ駄目?」
柊子「話してくれると嬉しいな」
657 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 16:00:14.28 ID:???.net
玲音「ぬいぐるみさん達とお話をするの」
柊子「なんだ、全然普通じゃない。先生はてっきり」
玲音「てっきり?」
柊子「え、ふふふふ。何でもないの。先生もお気に入りのぬいぐるみあったっけ」
玲音「何のぬいぐるみ?」
柊子「銀行でもらった龍のぬいぐるみなの。変でしょ」
玲音「何で変なの?」
柊子「だって、女の子だったらもっと可愛い動物のぬいぐるみを集めるじゃない。
それにそれはほんとはぬいぐるみじゃなくて貯金箱だったの。
でもすっごく大事にしてたんだ。たっちゃんって呼んで話しかけてね」
玲音「私も…話してる。普通?」
柊子「普通よ。玲音ちゃんは先生が普通じゃない人に見える?」
玲音「ううん」
柊子「そう。玲音ちゃんも同じ。変なんかじゃないのよ」
658 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 16:06:47.38 ID:???.net
Cou006
659 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 16:25:39.67 ID:???.net
柊子「こんにちは、玲音ちゃん。元気だった?」
玲音「うん、先生は?」
柊子「先生はもちろん元気よ。ちょっと疲れてるけど」
玲音「疲れてるの?」
柊子「そうね。これでも結構忙しいのよ」
玲音「どのくらい?」
柊子「うーん、そうだなあ。こうやって玲音ちゃんと話すのが唯一の楽しみなくらい、かな」
玲音「ほんと?」
柊子「ほんとよ。今日は何の話をしよっか。玲音ちゃんは何を話したい?」
玲音「先生の事。先月はあまり聞けなかった」
柊子「うーん、先生の話なんかより先生は玲音ちゃんの話が聞きたいんだけど。
そうね、一方的に聞くのも平等じゃないわね。私が話したら、今度は玲音ちゃんの番よ」
玲音「うん」
柊子「何から話せばいいのか分からないけど、米良柊子、27歳。
東京都世田谷区生まれ。橘総合研究所精神病理研究室ドクター。こんなとこよ。
あ、これじゃ話になんないよね。先生はね、人の話を聞くのは慣れてるんだけど、
自分の事話すのはあまり得意じゃないのよ。玲音ちゃんの聞きたい事って何かある?」
玲音「どうやって先生になったの?」
柊子「うん。大学ってところで一杯勉強して、論文っていうものを書いて、
それが認められると博士号が貰えて、それで先生になれるの」
660 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 16:30:59.44 ID:???.net
Cou007
661 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 16:55:38.39 ID:???.net
玲音「大学ってどんなところ?」
柊子「玲音ちゃんは今中学生よね。そこでもっと勉強したい人は高校へ行くでしょ。
それでもまだ勉強したい人が行くところが大学なの」
玲音「先生は勉強が好きなの?」
柊子「昔は嫌いだったな。でも中学の時にアメリカに留学してちょっと考えが変わったかな」
玲音「留学してたの?すごーい」
柊子「うん、その頃は先生も親に勧められて行っただけなの。
ただ、外国って日本と考え方や価値観も違っていてすごく勉強になったの。
今思うと大変だったし、初めは不安だらけだったけど、
今は留学させてもらった事を感謝してるぐらい。それと、英語の勉強にもなったしね」
玲音「すごいんだ。柊子先生」
柊子「そんな事ないよ。先生よりももっと勉強してる人なんていっぱいいるわよ。
先生はどっちかといえば怠け者で割と遊んでたかな。だって勉強だけだとつまんないでしょ。
玲音ちゃんは勉強好き?」
玲音「あんまり好きじゃない」
柊子「どの教科が嫌いなの?」
玲音「体育と国語」
柊子「そっか。玲音ちゃんは運動が嫌いなのね」
玲音「違うの。体育が嫌いなの」
柊子「運動は好き?」
玲音「うん」
柊子「何の運動が好きなの?」
玲音「鉄棒」
柊子「すごーい。先生は走るのは得意だったけど、鉄棒はちょっと駄目だったな。ぐるぐる回ると目が回っちゃって駄目なのよ」
玲音「私、ぐるぐる回るの好きだよ」
柊子「前転も後転も?」
玲音「どっちも好き」
柊子「で、何が嫌いなの?」
玲音「…」
柊子「答えたくないんだったら別にいいんだよ。それより玲音ちゃんの好きなお勉強は?
ごめんなさい。疲れた?今日はちょっと早いけど、終わりにしよっか」
662 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/14(木) 17:05:32.64 ID:???.net
Cou008
663 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/18(月) 14:34:30.07 ID:???.net
柊子「この間はごめんね。でも良かった。先生嫌われちゃって、
もう玲音ちゃん来てくれないかなって心配してたの」
玲音「ごめんなさい」
柊子「玲音ちゃんが謝る必要なんて全然ないのよ。悪いのは質問攻めにした先生。
許してくれる?ありがと。
それでね、今日はちょっとこの絵を見て話をしようかなって思ってるんだけど」
玲音「それ、前の病院でやった」
柊子「そう?でも先生もこれで遊びたいの」
玲音「何かのテストなんでしょ」
柊子「すごいわね、玲音ちゃん。知ってるの?これはね、ロールシャッハテストっていうのよ。
別にこれで何がテスト出来るって訳じゃないの。ちょっとしたお遊びって思ってくれていいのよ」
玲音「でも、つまんない」
柊子「うん、そうね。つまんなかったら、そこでやめにしましょ。それならいい?」
玲音「うん」
柊子「じゃあね、これ何に見える?」
玲音「シミ」
柊子「そうね。でも何かに例えるとしたら?」
玲音「先生は何に見えるの?」
柊子「先生?そうね。人の顔かな」
玲音「怒ってる?それとも泣いてる?」
柊子「ちょっと怒ってるかな」
玲音「つまんないよ」
柊子「玲音…はあ。そう、約束よね。やめましょ」
664 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/18(月) 14:41:44.64 ID:???.net
Cou009
665 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/18(月) 14:57:21.38 ID:???.net
柊子「何か楽しい話をしよっか。玲音ちゃんはお風呂とシャワーどっちが好き?」
玲音「シャワー」
柊子「そう、先生はお風呂の方が好きだなあ。でも先生の家ってユニットバスだから、
お風呂だと結構めんどくさいのよ。
毎日遅くに帰ってからお風呂の支度するのがめんどくさくって、
ついついシャワーで済ましちゃうんだけど、お休みの日は必ずお風呂にするの。
お風呂に入ると体中があったまるし、気持ち良くならない?」
玲音「お湯の中が怖いの」
柊子「溺れちゃいそうで?」
玲音「違うよ」
柊子「じゃあ何が怖いの?」
玲音「よく分からない。でも、体に何かが触れてるみたいだから」
柊子「うーん、それは。お湯は少なくとも肌に触れてるけど」
666 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/18(月) 15:19:59.96 ID:???.net
Cou010
667 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/18(月) 15:38:22.42 ID:???.net
玲音「私、変だから」
柊子「ちょっと待って、玲音ちゃん。玲音ちゃんは全然変な子じゃないのよ。
子供の頃って皆そうなの。天井の木の模様が人の目に見えたり、
想像力が旺盛な子だったら皆そういう経験は持ってるのよ」
玲音「でも、違う」
柊子「玲音ちゃんは、人と違う自分って嫌い?」
玲音「よく分からない」
柊子「良い?人と違うから玲音ちゃんなのよ。玲音ちゃんは、とっても想像力があって、
それはね、すごく良い事なの。だから自分の事を変な子なんて言っちゃ駄目。
先生は全然そんな事思ってないよ」
玲音「でも、テストした」
柊子「ごめんなさい。でもね、はあ、玲音ちゃんは困ってるんだよね。
先生は、玲音ちゃんを困らなくていいようにしてあげたいの。
それにはね、玲音ちゃんの事を色々知らなくちゃいけないの。
でも玲音ちゃんが嫌がる事はしたくない。
玲音ちゃんの困ってる事を解決する為に、先生が出来るのは手助けだけなの。
玲音ちゃんの事は玲音ちゃんにしか分からないでしょ。
玲音ちゃんが自分で解決するしかないの。
先生が手助けするにも、玲音ちゃんの協力が必要なの」
玲音「私は何をすればいいの?」
柊子「今は何をしなくていいわ。先生と玲音ちゃんは友達なんだから、
ゆっくりゆっくり一緒に話をしていけば、玲音ちゃんの事色々分かってくるから、
そしたら、先生がこうした方がいいんじゃないかって言うから、
玲音ちゃんがそれを聞いてそうした方がいいかなーって思ったらそうしてくれればいいの。
だから今は、玲音ちゃんの事を先生にいっぱい教えてくれたらいいな」
668 : 名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2018/06/18(月) 15:49:07.13 ID:???.net
玲音「柊子先生は、誰にも言わない?」
柊子「うん、玲音ちゃんと私の秘密だもの」
玲音「友達にも、お母さんにも?」
柊子「うん、約束する。嘘ついたら針千本」
玲音「針千本?」
柊子「あは、玲音ちゃん達は知らないか。先生達が子供の時は、
約束する時、約束破ったら針千本飲みますよって約束してたの」
玲音「痛い?」
柊子「痛いよー。先生なんて5回も飲まされたんだから。
はい、先生のお腹の中には今何本針が入ってるでしょう。岩倉さん」
玲音「5千本」
柊子「残念でした。昨日トイレに行って全部出しちゃったので0本でしたー」
玲音「先生汚い」
柊子「ふふ、ふふふふ」


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