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1 : ◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/05(木)12:03:52 ID:1oc [1/4回]
20世紀初頭。各国が武力によって鎬を削る時代に現れた「能力者」達。人智を越えた力を持つ新たな人類により、世界は激変した。
能力者は人類の生活を豊かにし、科学を発展させた一方で新たな犯罪やテロリストの出現、戦争の多様化によって数々の恐怖も生み出した。
そして、世界は「ヒーロー」を求めた。

時は流れて2019年、日本。
この国で最大級の規模を誇る学校法人「私立星十字学園都市」ここでは日夜少年少女達の健全で自由な成長を目的とした研究と教育が行われている。
そして、この学園には他の学校とは一味も二味も違う特徴がある。それは「ヒーロー学」
能力が世界を激変させていく中で、この世界を闇から守る為に力を使いたいと願う少年少女らの研鑽である。

【名前】
【年齢】
【職業】
【容姿】
【能力】
【装備】
【概要】

・世界観や舞台に不可逆的で大きな影響を及ぼす設定、ロールは事前に参加者の方に相談するようにしてください。いきなり学園都市を粉砕はNG
・画面の向こうに他の人がいることを忘れず、最低限のマナーは守って楽しみましょう。ロール外での罵詈雑言は良くない
・勝手にこの世界の神になったり、絶対万能や確定能力はアウトです。言葉のキャッチボールの遊びと言うことを意識しましょう
・R-18な描写はここが全年齢向けであることを意識した上で節度を守って描写しましょう。ストレートすぎるのはNG
・キャラの能力は原則一種類までです。イベントボスや普段表に出てこない黒幕級のキャラクターはその限りではありません。
2◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/05(木)22:15:40 ID:1oc [2/4回]
疲れ切ったサラリーマン達を乗せた最終電車が暗闇を切り裂いて進んでいく。不規則な音は夜の恐怖を加速させる。
高架下。じっとりとした空気が充満する、仄かな灯りに照らされた静寂の空間。
柔らかく、重く、瑞々しい何かを刺し貫く音。何度も、何度も、繰り返し。

「ハァ~~~~~~~~~~~……」

男。黒づくめの男。仮面によって顔は隠され、ただ声だけが男であると証明している。
刀。片手に刀。蛍光灯に照らされて妖しくギラギラと光る刀。滴り落ちるのは紅色の粘液。

「ダメだなァ……」
「もっと力強く、抵抗してくれなきゃァ……」
「美しくないだろォ……?」

刀の刃を上に向け、肘で挟んで血糊を拭き取る。
ふと、どこかのライトが一瞬だけその場を照らす。コンクリートの地面に散らばるのは、150等分された人だったもの。
最近、学園都市ではこんな都市伝説が流れ始めている。「亡霊侍が彷徨っている。出会った者は殺される」
3凶津清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/05(木)22:49:24 ID:Mnm [1/4回]
>>2
「……やっと見つけたぞ、お前が亡霊侍か?」

夜の静寂を切り裂く声が高架下に響く、声の主はその目に覚悟を宿し、その佇まいと言葉からは決してこの場に偶然居合わせたものではないと悟ることが出来るだろう

「よくもまあ、こんな酷い事ができる…」

彼はそう、意図的に亡霊武者を探しそして見つけたのだ
日常的にこんな事をしているのか恐れず男に向かって一歩また一歩と踏み出す。

「お前はキッチリと裁きを受けてもらう」
4 : 凶津清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/05(木)22:49:51 ID:Mnm [2/4回]
//よろしくお願いします!
5◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/05(木)23:01:48 ID:1oc [3/4回]
>>3
「はァ~~~~……」

ゆっくりと振り返る。仮面越しに、彼の面白おかしそうな声が漏れる。

「いいなァ……威勢の良い奴は好きだァ……」
「いい匂いだ……生き急いでいる奴の匂いさ……」

切先を引きずり、不愉快な音を立てながら男もまった一歩ずつ前へと進んでいく。

「楽しもうか……」

蛍光灯が明滅する。一度、二度、そして三度。それと共に、少年の首目掛けて斬りかかる。
6凶津清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/05(木)23:14:44 ID:Mnm [3/4回]
>>5
「正当防衛成立ッ…!」

先に仕掛けなかったのはあくまで逮捕、私刑を下そうという考えでは無いからだ。
これで取り敢えずは戦闘の言い訳ができたると一安心、だがそんな暇を長々と与えてくれる訳もなく、咄嗟の回避で後方に避ける。

「悪いが楽しむつもりはない、ここから本気で…」

突如清彦の体が黒く変色し、その身体を包み込む様に漆黒の、紫のラインが入った鎧が装着される。

「遊びはお終いだ…!」

まずは右腕を刃に変化させ刀を持った腕に斬りかかる、
だがこの時の刃は極限まで切れ味を落としているので形状的には木刀に近い。
7◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/05(木)23:29:08 ID:1oc [4/4回]
>>6
「おぉ……いいじゃァないか……」
「素敵だ……間髪入れずに戦いに意識を向けられる……」

首筋を狙った斬撃は空を斬り、すぐさま次の攻撃へ移る。
しかし、相手の方が一手速い。刃と刃が衝突し、橙色の火花が散る。

「どうした……?単調だぞ……」

つばぜり合いのまま刀の角度を変え、相手の刃を滑らせるようにして受け流す。
同時に此方は前方へと踏み込み、右脇の下から肩までを両断せんと斬り上げた。
8凶津清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/05(木)23:46:22 ID:Mnm [4/4回]
>>7
「中々やるみたいだが敵に指摘する暇があるのか?随分と余裕だな…!」

刃を受け流されるとすかさず形状を元に戻し、斬撃を避けるため体勢を低くするとそのままバク転の体勢に移る。その際両足を一つの刃に変化させ亡霊の顎目掛け斬り上げる様な蹴りを放つ。

//今日はここまででよろしいでしょうか!


9◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/06(金)00:07:56 ID:fM5 [1/3回]
>>8
「当然だァ……」
「キッズとは違うのさ……キッズとはなァ……」

事実、彼は未だ能力らしい能力を見せてはいない。その身のこなしと攻撃の速度は最早能力と言っても良いが。
彼が明かしている手の内は「剣術」のみ。どこから、何が飛び出てくるかはわからない。

「いいなァ……その力……欲しいぞ……」

下方から迫った一撃を回避するも、その刃が彼の仮面を弾き飛ばす。
やや狼狽えながらも少年を見つめるその顔は、まるで皮をはぎ取ったかのような痛ましい代物だった。

「ほう……やるじゃないかァ……」
「俺の顔を見れたご褒美だ……こいつを見せてやろう……」

血液の如き流動体が刀を包み込み、その刃は異形の物へと変化する。そして、少年へ向けて刃は振り下ろされた。
凄まじい速度で液体を飛ばすことにより物体を切断する技。この血液操作が男の能力なのだろう。

/了解です!おやすみなさいー
10凶津清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/06(金)20:00:16 ID:xNh [1/3回]
>>9
「そりゃ大層な自信をお持ちで!…クッ…!」

放たれた血液による攻撃を予想する事は出来なかった。
咄嗟の回避で直撃こそ免れたもののその右腕の鎧には斬撃の跡が刻まれ黒い血液が滴っていた。

「…所で醜い顔だな、内面と比例してるってか?」

挑発しつつ踏み込み、左手を刃に変え脳天を狙った一撃を放とうと、ここで亡霊が刀を上げガードしようものならすかさず変化させた右足による、みぞおちへ突き刺す様な蹴りが放たれるだろう。
11◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/06(金)21:05:21 ID:fM5 [2/3回]
>>10
「そうかァ……お前はこれを醜いと思うかァ……」
「なァら良かった……俺もそう思うぜェ……」

口角を歪に吊り上げ、ニタニタと笑みを零す。蛍光灯に照らされて、白い歯が艶々と輝いていた。
少年の攻撃体勢を見ると、男は刀を低く下ろし構える。
次の瞬間、刀は円を描くような軌道で振るわれ、同時に男は後方へと飛び退る。
少年から距離を取りつつ、渦を巻く血液の斬撃で防御と攻撃を両立する。高架下と言う狭い空間を上手く利用していた。

「さァ……もっと熱くなれ、ヒーロー!」

まるで少年を鼓舞するかのようなその言葉。男はヒーローと戦うことに楽しみを見出しているようにも思えた。
12凶津清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/06(金)22:13:13 ID:xNh [2/3回]
>>11
「そうかよ」

不発だった挑発に不満げに声を漏らす。
更に攻撃も不発とあれば不満は苛立ちに変化した。

「お前の力は大体分かったぞ」

粗方の予想はついた、後は相手がどれだけ力を応用してくるかだ、円形の動作の時点である程度予想できた攻撃
咄嗟に後方に回避して難を逃れる。

「俺がヒーローならさっさと倒されるべきだな、怪人…
それにヒーローだったら一人で解決する所だが生憎俺はそんな力もないみたいだ、だから応援を呼んだ」

耳をすませばサイレンの音が聞こえてくるだろう、この男は既に警察を呼んでいたのだ。

//すみません急用であと1、2レス程で切り上げてもらいたいなと、本当にすみません
13◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/06(金)22:28:15 ID:fM5 [3/3回]
>>12
「クックックッ……どうした……万策尽きたか……?」

今の所両者の力は拮抗している。しかし、地面に転がる死体は人の原型を留めない程に〝分解〟されている。
能力自体はさして珍しい物では無い。だが、それを技術によって凶悪無比な力にまで昇華している。
一筋縄ではいかないだろう。少なくとも、今は。

「それは違うな……」
「ヒーローは死力を尽くして怪人を止めるのさ……そう、例え己の命が危険に晒されても……」
「なァ……命、賭けてみろよ……」

そう挑発した時、聞こえてくるのはけたたましいサイレンの音。
加勢。この場所で大勢に囲まれればただでは済まないだろう。男はつまらなそうに鼻で笑う。

「そうかい……案外、普通なんだな……」
「なァ少年……お前の名前を聞いておこう……いつか、お前がヒーローになった時に、叫ぶ為に」
「俺の名は〝バンディット〟囁くバンディット。覚えておけ……」

そうして、男は凄まじい勢いで高架下を飛び出ていく。
都市伝説は実在する。そんな噂が流れ始めるのに、そう長い時間はかからないだろう。

/了解です。こちらからはこれで〆になります!ありがとうございましたー
14 : 凶津清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/06(金)22:47:04 ID:xNh [3/3回]
>>13
「ああ、普通だ…普通で悪いかよ、俺は清彦だ」
「バンディットか、覚えたぞ」

男が夜に消えるのを見送ると、途端にへたり込んでしまう。

「ああ~~~ッ!!!怖ええ~~~ッ!!!」

鎧は砕け、中からは汗だくで腕から血を流した少年が姿を表す、その表情は恐怖で目を見開き呼吸に至っては過呼吸寸前である。

「ヤベェ、名乗っちゃったよ…なんなんだよあれヤバ過ぎるだろ!?は!?実在するなんて聞いてねぇよ!!!
次から俺狙われんのかなぁ!?チクショウ!」

今までの雰囲気とは打って変わって実に情けなくなってしまった。
実際のところこの清彦、本番にはめっぽう強いタイプ、今回も散歩中偶然居合わせたに過ぎないが日常的にこんなことをしているかの様な雰囲気は出せていた。

「取り敢えず病院行って…いや事情聴取が先か?え?警察も治療ってしてくれんのかな?あー!もうなんにも考えられねぇ!」

だが戦いが終わるとこのザマなのだ。
この後警察にみっちり話を聞かせて、家に帰り着く頃にはもう日が出ていた頃だったという。

//ロールありがとうございました!
15◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/07(土)14:57:02 ID:k8x [1/8回]
星十字学園高等部ヒーロー課一年。百合玄良。特殊能力「サイコムーブ」
彼は今、ヒーロー課の授業の一つである「戦闘訓練」の為に第二体育館にいる。
第二体育館。主に能力を使用した戦闘訓練、体力測定などを行う為に設計された堅牢強固なフロアである。

「よっし……やるか!」

準備運動を済ませ、周りの生徒から適当に訓練相手を選べと指示された通りに動き始める。
訓練である為学年関係無くヒーロー課の生徒が入り乱れており、他学年との交流も兼ねている。
周囲を見回しながら訓練相手を選ぼうとしている少年に声をかける者はいるだろうか。
16奴賀月カガチ◆</b></b>ONLtyY9P7k<b>[sage] 投稿日:19/09/07(土)19:17:06 ID:2rv [1/8回]
>>15
普通を愛し、普通に生きたいと願う少女は第二体育館に居た。
奴賀月カガチ。彼女もまた星十字学園高等部ヒーロー課に属する二年生である。

高等部からはヒーロー課、研究開発課、普通課など様々な課に分かれている訳だからして、
普通を貴ぶカガチは間違いなく普通課を選択する筈であったが…あったのだが色々あったのである。
色々あった挙句おそらく一番普通に縁遠いヒーロー課に属してしまった。

甚だ不本意であるが学校中退など普通にあるまじき事など出来ようもない。
だから今日もカガチはサボる事も嫌な顔する事もなく平凡で普通な生徒として授業に出るのだ。

「……君」

周囲を見回す一年らしき生徒が目に入ったので、これ幸いにとカガチは百合に声をかけるのだ。
ここでボッチになろうものなら其れもまた普通ではないのだから!
17◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/07(土)19:39:15 ID:k8x [2/8回]
>>16
ふと視界の外から呼びかけられる。声音は女性の物であり、それ程聞き覚えの無い物だ。
振り向けばやはり見覚えのない女性。他学年の生徒だろうか。そうなると必然的に先輩と言うことになる。

「対戦希望ですか? よろしくお願いします!」
「俺は百合玄良と言います。一年A組です。えぇと……先輩ですよね?」

そう問いかける。もし同学年の生徒だとしたらかなり失礼な言動になるが、聞かない訳には事が進まない。

「じゃあリングまで行きましょう! 空いてる所は……」

そうして、彼は訓練試合用の個別リングルームを探す。準備が出来れば、試合開始だ。
18奴賀月カガチ◆</b></b>ONLtyY9P7k<b>[sage] 投稿日:19/09/07(土)19:46:10 ID:2rv [2/8回]
>>17
「…ええ、二年の奴賀月です。宜しくお願いします」

百合の問いに短く答え名乗り返すカガチ。
余計な話もせず直ぐに本題に入る百合の様子に割と好印象を持つ。
色々と詮索されるのは好きではないのだ。
カガチは普通に静かに暮らしたいので。
現状それはだいぶ遠い願いなのだけれども。

「あそこ、空いてますね」

一つのリングを指さし百合と共に向かう。
構想こそあれ、カガチはコレといって武具の類を必要としない。
故に何時始めても問題なかった。
19◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/07(土)19:57:25 ID:k8x [3/8回]
>>18
「奴賀月さんですね。わかりました!」

そして、試合ルームに入れば最早ここは百合と奴賀月のみの隔離空間。故に、どれだけ派手に戦っても問題無い。
多少周囲を破壊してもそれらは些事として処理される。充実した訓練が第一だ。

「じゃあ、早速始めましょうか!」

その言葉と共に、彼の身体が紫と蒼の電流を放ちながらふわりと浮かび上がる。
サイコウェーブ。即ち、念によって物体を動かし力の流れその物を操る能力。未熟とは言え、汎用性の高さにおいては自負がある。
そして、奴賀月へ向かって勢いよく突進し、速度を乗せた蹴りを繰り出す。

/すみません。ここで少々中断させてもらっても良いでしょうか?一時間ほどしたら戻ってきます!
20奴賀月カガチ◆</b></b>ONLtyY9P7k<b>[sage] 投稿日:19/09/07(土)20:09:04 ID:2rv [3/8回]
>>19
百合の一撃を特に構えもせず棒立ちでカガチは迎え撃つ。
その蹴りを遮るのはカガチの左肩から突如として生える巨大な半透明の腕。
カガチの前で大きく広げた掌で蹴りを受け止める。

「…ん」

先ずは相手の能力把握が勝利への第一歩。
百合の能力を見極めんとカガチは防御に徹する腹積もりだ。

「よっ…と」

蹴りを受け止めた巨大な手でそのまま百合を掴もうと指を閉じる。

//了解ですー
21◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/07(土)21:19:53 ID:k8x [4/8回]
>>20
遮られることなく一直線に奴賀月へと向かう。しかし、その一撃が命中することはない。
突如として出現した半透明の腕を確認し、幾つかの予測を立てる。
一つ、腕のみを出現させる異能。二つ、体のパーツを作る異能。三つ、様々な物を作り出す異能で腕を作った。
今の段階ではどれも一様に可能性がある。ひとまずは距離を取るべきと蹴りを止めた腕を踏み台に跳び上がる。

「面白いですね! それ!」

周囲はこれと言った備品は存在していない。白い壁と床があるばかりだ。
何か物があればそれを牽制の為に投げ飛ばすことも出来た。周囲の壁を能力で砕くのも良いが、それによって生まれる隙は大きい。
事実上、近接攻撃で挑む他に無い。だが、戦いながらでも戦況を変えることは出来る筈だ。

「よし……次はこう!」

再び奴賀月に向かって接近する。今度は右の拳を思い切り振り抜いて、腕の先にエネルギーを集中させる。
接触する瞬間にインパクト。普通に殴るよりも大きな衝撃を与える算段だ。
22奴賀月カガチ◆</b></b>ONLtyY9P7k<b>[sage] 投稿日:19/09/07(土)21:31:28 ID:2rv [4/8回]
>>21
どうしたものかとカガチは考えていた。

百合の次なる一撃を振りかぶった半透明の拳を叩き付けるようにして応戦する。
パワーに自信はあるが競り勝つかどうか微妙な所だ。
一点集中している分、あちらに軍配が上がっても不思議ではない。

「よっこら…しょッ!!」

どうしたものかとカガチは考えていた。

その気質から無様に負ける気は更々ないが、相手を打ち負かす気も沸いてはいない。
無難に勝敗を決し、普通の戦いであったとするのが最良であると訓練の時はいつも考えている。

どうしたものかとカガチは考えていた。

とりあえず、もう一本追加すべきだろうか?
正直、本気の五本出しは今後も披露する気は一切ない。
普通であらねばならぬ。何よりもそれが優先されるのだから。
23◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/07(土)21:41:02 ID:k8x [5/8回]
>>22
拳と拳のぶつかり合い。結果は互角と言ったところだろうか。
彼は少々疑念を抱いていた。どうも相手側の攻めの手が緩い。緩いと言うより、ほぼ攻めてきていない。
防戦一方と言う言葉もあるが、そこまで余裕が無いようにも見えない。手を抜いているのだろうか。

「ドンドン来ていいですよ! さぁ!」

そう呼びかけ、やや離れた所に着地する。
恐らく相手はまだ余力を残している。底を見るのは難しいかもしれないが、もう少し引き出す事なら或いは。
自分は能力を十分に使いこなしている訳ではない。その分、技術で補わなければ。

しっかりと腰を下ろし、正面から奴賀月に接近。そのまま、再び右の拳を繰り出した。
24奴賀月カガチ◆</b></b>ONLtyY9P7k<b>[sage] 投稿日:19/09/07(土)21:51:59 ID:2rv [5/8回]
>>23
繰り出された拳を払う様に裏拳を繰り出す要領で迎え撃つ。
百合の態勢が上手い具合に崩れてくれたなら右肩からも触腕を生やし、
ハエ叩きの様に振り下ろして百合の身体を床に叩き付けてやろうと。

あまり長々と戦うのも注目を浴びたり、何時までも決め手に欠けると揶揄されたりと都合が悪い。
先輩として後輩に花を持たせる方向も悪くないが…いや、やっぱりソレは良いと思えない自分がいる。

これは訓練だ。勝ち負けに拘るべき場面ではない。ない筈だ。
そうやって少しずつ自分を曲げていかないと上手く普通を装えない。
難儀な性格だと自分でも思うが、普通は尊ぶべきであるという大前提は覆らない。

「んッ!!」

と、色々ぐちゃぐちゃ考えすぎなのが悪かったのかもしれない。
百合の態勢が崩れたらと前提を考えていたが、
実際はそれを確認することなく右肩の触腕は発現し、百合目掛けて振り下ろされる。
しかも加減をやや間違え、結構キツめの一撃になっている。
25◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/07(土)22:05:01 ID:k8x [6/8回]
>>24
裏拳で弾かれる前に急制動をかけ、右腕に集中させたエネルギーを保持する。
更にカウンターを叩き込まんとするが、相手の方が一手速い。そして、迫る一撃は力強い代物。
ようやく、戦いらしい戦いの時間がやってきた。
彼はほんの少しだけ口角を上げ、そして歯を食いしばる。避けるつもりは無い。

「ガッ!!!」

少年の身体は思い切り床に叩きつけられ、床には大きなひび割れが生じる。

「いっ……たいなぁ……」
「でも……難しくなきゃ、訓練じゃない!」

彼の右手は、既に開かれていた。床にピッタリと密着し、あえてエネルギーを床に流すように。
彼女の拳による衝撃、そして彼の拳による衝撃。それによって砕かれた床は複数の瓦礫と化している。

「シュート!」

彼が右手を掲げると共に、瓦礫の一部が奴賀月目掛けて跳ね上がる。至近距離でのショットガンを意識した一撃だ。
26奴賀月カガチ◆</b></b>ONLtyY9P7k<b>[sage] 投稿日:19/09/07(土)22:14:54 ID:2rv [6/8回]
>>25
「っ!?」

加減を間違えたと動揺が走る矢先に散弾めいた攻撃が放たれる。
咄嗟に触腕で自らの身体を抱える事で瓦礫の弾は防ぐ事が出来るが足の踏ん張りが足りていない。
そのまま転倒し、瓦礫と共に転がり百合との距離があく。

「ふぅ…」

正直大事に至らなくてよかったと安堵するカガチ。
しかし相手は大分やる気に満ちてきた。
こうなると中々上手く負けるのも難しくなってくる。
両手をついて立ち上がり百合を見据えた。

「次で、決めます」

両肩の触腕の掌を大きく広げ、鎌首をもたげた蛇のように構えて見せる。
27◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/07(土)22:24:47 ID:k8x [7/8回]
>>26
「よっ……こいしょ!」

痛む体で無理矢理立ち上がりながら、奴賀月を睨みつける。
もしかしたら骨の一本や日本折れているかもしれない。だが、今はそんなこと気にすることもない。
全力の訓練でこそわかることがある。もしかすれば、もっと能力の幅が広がるかもしれない。

「俺も……本気で行きます」

両腕を広げ、周囲に転がった瓦礫に意識を集中する。
殆どの瓦礫が彼の周囲に集結し、まるで生きて動いているかのように空中を漂っている。
相手が構えているからこそ出来る余裕のある動き。いつどんな時でもこれが出来るとは限らない。

瓦礫を結集させ、一つの大きな塊を作り上げる。そのまま、野球選手のように礫塊を吹き飛ばす。

「もう一発!」

礫塊の影に隠れて奴賀月へと接近する。パワーは礫塊に集中させているが、まだ身体は動く。
左の拳を握りしめ、礫塊に続いて正拳突きを繰り出さんとしていた。
28奴賀月カガチ◆</b></b>ONLtyY9P7k<b>[sage] 投稿日:19/09/07(土)22:47:38 ID:2rv [7/8回]
>>27
構え待ちに徹したからこそ相手の攻撃を冷静に見る事が出来た。

「念動力の類でしたか」

今更ではあるが相手の能力が掴めた。
本気だと宣言したのを真と取れば、おそらくこれ以上の何かは無い。
所々で実直な反応を見せていたので可能性は高い。
なれば礫塊を如何にかしなければ。
正直、これの直撃は軽い怪我ですまないだろうから。

「…ッ!」

振り下ろす左手を礫塊に叩き付ける。
今までのパワーでは流石に太刀打ちできないが此方は未だ触腕の真価を発揮していない。
触腕の掌より発せられる超振動。これでもって触れた礫塊を破砕せんと。
そして使わずにおいた右手で百合の本命、正拳突きが達する直前に自身を掴む。
衝撃によって見事に吹き飛ばされるだろう。
派手な散り様だが、しかし大きなダメージは負わない筈だ。

百合が派手に目立つ勝利となれば注目は彼に集まる。
此方の負けは些細な出来事になるだろう。それを狙う。
29◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/07(土)23:00:11 ID:k8x [8/8回]
>>28
普通の正拳突きだ。そう、それは本当に普通の正拳突きだ。
それでも決着の一撃足り得るのだと。必ずしも大技が最強では無いのだと。そう証明してみせた。
奴賀月の目論見通りその試合は「百合が死力を尽くして奴賀月に勝った」ように見えるだろう。
そして、注目は奴賀月には向けられない。普通を望む少女の、普通を勝ち取った瞬間だ。

「お疲れ様です。いい勝負でした」

奴賀月に手を差し伸べる。彼自身は、どうにも消化不良と言った気分でいた。
しかし、勝利は勝利である。相手に乗せられていたことに気付くことはない。

そして、模擬戦闘の訓練は終了時刻を迎えた。

/こちらからはこれで〆になります!おつかれさまでしたー
30 : 奴賀月カガチ◆</b></b>ONLtyY9P7k<b>[sage] 投稿日:19/09/07(土)23:12:24 ID:2rv [8/8回]
>>29
実際のところ、超振動まで使ったのは誤算だった。
あくまで触腕のみでの対応を考えていただけに。
一年と侮った訳ではない。
百合は最後の最後でカガチの予想を超えた。
そういった意味では、カガチは百合に負けたと言える。

「…ええ、ありがとうございました」

カガチの目論見は成ったと見えるがはてさて。
秘めたる超振動を一瞬とは言え使用した事に目聡い誰かさんは気づいているやも知れない。
ヒーロー課に入ってしまった元凶たるその人物に知られてしまう事は普通への到達を否応なく妨げる。

故に奴賀月カガチは今回活躍した百合へと如何にか注目を向けられないかと考え始めていた…

//お疲れさまでしたー
31凶津清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/08(日)11:36:55 ID:mVY [1/7回]
「あー、疲れた…」

右腕に包帯を巻いた少年は屋上でため息を漏らす。
というのも先日の亡霊武者との邂逅を警察から事細かに取り調べられ、寝ずに学校に来てからも教師陣からの質問責め。

「ここなら静かに過ごせるよな…?」

そう、彼は静寂を求めて屋上にやってきたのだ。
そんな彼の元に現れるのは新たな来訪者かはたまた先客か。
32蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/08(日)16:30:55 ID:FuR [1/6回]
>>31
「うおっ」

ごちんと、階下に繋がる扉の方から何かがぶつかった音。見れば校舎内から屋上に出ようとして、さしていた傘が突っかかってしまったようだった。
思わず漏れた声は思わぬ衝撃と、予期せぬ先客の両方によるものだろう。黒と紫のオッドアイが少年を認めて僅かに見開かれた。

「……悪い。誰もいないと思ってたからよ」

開いたままの傘を傾けて扉を潜らせながら片手で謝罪の仕草、失礼な反応を見せてしまった自覚はあるらしく。
感情に乏しい表情に、室内でもお構いなしにさしていただろう日傘。一般的な男子学生と呼ぶには、些か風変わりな風体と言えた。
33凶津 清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/08(日)18:06:49 ID:mVY [2/7回]
「げっ」

音と共に振り返れば目を見開いた男、清彦の肩がビクッと動く。
その際変なものを見るような目で見てしまったので申し訳なく思った。
こちらの漏らした声も突然の来客と思わぬ衝撃によるものだ。

「お、おう…こっちも悪かった、なんか変な反応して」

手を合わせ軽く謝罪。
少し無言が続いた後また口を開く。

「…アンタはなんでここに?」

それは自分以外の人間がどんな理由で屋上に来るのか知りたいという好奇心から出た言葉だった。

//よろしくおねがいします!
34 : 凶津 清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/08(日)18:07:08 ID:mVY [3/7回]
>>32
35蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/08(日)18:35:07 ID:FuR [2/6回]
>>33
謝意を受け止めて片手を上げてもなお、やはり面持ちは憮然としたままで。
やおら屋上の端に寄ったかと思えば、何をするでもなくフェンスに寄りかかってぼうっと校庭を見下ろすばかり。
不機嫌なのか単に何も考えていないのか、仏頂面から読み取るのは少々難しい。

「ん……ああ、俺か?第二体育館が埋まってたから、空くまでの暇潰しだよ。お前こそ――」

そんなだから問いへの反応も鈍い、少年に目をやって答えるまでに一拍の間。
戦闘訓練に適する第二体育館は生徒からの人気も高く、彼のように順番待ちになることもそう珍しくはない。
せっかく無言から会話に発展したのを惜しいと思ったか、言葉を続けようとしてふと少年の右腕に視線を移した。

「……どうしたんだよ、その腕。鍛錬中に事故ったか?」
36凶津 清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/08(日)19:29:24 ID:mVY [4/7回]
>>35
「あー、あるあるだな」

やはり普通ならこういった理由なのだろう、静寂を求めてなどと思っていた自分が少し小っ恥ずかしくなる。

「ん?この腕か?これは…」
「…とその前に亡霊侍の噂って知ってるか?」

突如神妙な顔つきになる。
からかっているようにも見えるかもしれないが本人は至って真面目だ。
37蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/08(日)19:56:01 ID:FuR [3/6回]
>>36
問いに問いで返されて気を悪くした……かどうかは変わらない表情から定かではないのだが。
唐突な言葉に何か言いたげな眼差しを向け、しかしその真剣な様子に冗談ではないと悟ったのだろう。

「……聞いた事はある。つっても所詮は都市伝説だろ」
「本当に出会うと殺されるんなら、噂になってるのもおかしな話だしな」

記憶にこそあれど、実在を信じてはいないのは明らかだった。
とんとんと日傘の柄を指で軽く叩きながら、真意を推し量るように凝と三白眼で見つめて離さない。

「それともなんだ、まさかお前がその亡霊侍だってか?」

少し、口の端を持ち上げた。初めて見せた表情の変化はまるで少年を揶揄っているかのようで。
肩を竦めて冗談だと言いたげな仕草、顎をしゃくって言外に話の続きを促した。
38凶津 清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/08(日)21:20:13 ID:mVY [5/7回]
>>37
「…ただの噂だ…そう俺も昨日まで思ってたよ」

座り込みニヤリとして上目遣い、この時点で少なくとも彼が何を言いたいのか察する事が出来るだろう。

「昨日会って闘った…こりゃその時の傷だ、噂は本当だったんだよ、ただ一つ違うとすればアンタが言ったように会っても絶対死ぬ訳じゃないって事だな」

前半は怪談話でも話すような感じの喋りだったのだがそれも徐々に真剣なものに変わってくる。

「俺が亡霊侍だとか言ったが俺はどっちかっつーと騎士だ」

腕に鎧を纏わせてみせる。
先程とは打って変わって軽い空気だ。

「ま、都市伝説だけに信じるか信じないかはアンタ次第なんだけどな」

//ここから安定します


39蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/08(日)21:53:44 ID:FuR [4/6回]
>>38
「フーン……良かったじゃねえか、噂通りにならなくて。マジモンのヴィランだったんだろ?よく相手できたよ」
「……まあ確かに、お前が遭遇したのが本当に噂の亡霊侍って決まった訳じゃねえけどな」

興味の薄そうな相槌ではあるが、僅かに肩の力が抜けた辺り、無事を喜んでいるのは間違いないらしい。
無愛想ながらも労うような言葉の選び方は、事実多少なりとも賞賛の意を抱いているからだろう。
都市伝説の真偽はともかく、危険な存在として彼の記憶の表層に刻み込まれたのは確かで。

「ははっ、なんだそれ。お前はどう見ても洋風より和風だろ」

今度は明瞭に笑った。弛緩した空気を肌で感じたか、あるいは少年の言葉を冗談と捉えたか。
しかし見下ろした先の腕が鎧を纏うや否や、その異能による変質に目を見開いた。

「……カッケェ……何これ、お前の能力?めっちゃカッコいいじゃねえか……」
「なあ、もしかして全身こうなれんの?いいよなぁ、こういうの……」

なんというか、漢の浪漫のような何かを強く揺さぶられてしまったらしい。
隣にしゃがんで至近距離でまじまじと腕を観察、先程までの落差激しく一転して高揚した様子であった。
40凶津 清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/08(日)22:34:20 ID:mVY [6/7回]
>>39
「よせよせ、俺はただジョギングしてたらたまたま会ってたまたま死ななかっただけだって」
「まぁそう言われるとそうなんだがな、でも多分アイツは亡霊侍だ、夜道には気をつけろよ?」

照れ隠しの為に頭を掻く、どうやら嬉しいみたいだ。
だがそのまま冗談めいた雰囲気を纏いつつ促した注意は確かな警鐘だ。

「どうだ?俺の能力!、そしてご名答!全身に纏えるんだなこれが」

目の前の男の高揚につられてこちらもテンションが上がっている。
誰しも自身の能力を褒められると言うのは嬉しい事なのだろう。


41蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/08(日)22:56:40 ID:FuR [5/6回]
>>40
了承の意に片手をひらひら、ふざけているのではなく真摯に受け止めているのは、まっすぐな眼差しからも伺える。
甲冑めいた腕に胸を躍らせている様子からは、もうそんな摯実な空気はすっかり失せていたのだけれど。

「マジ?絶対カッコいいじゃんそれ……憧れるよなぁ、そういうの。いかにもヒーローって感じだし」

ほう、と感嘆の歎息。無感動から転じて素直なそれは、己の能力の卑下も僅かに含まれていた。
変身能力といえばヒーロー物の華だ、と少なくとも彼は思っている。となれば垂涎の思いになるのもある程度は必然で。
手慰みに傘を回せば、屋上に伸びる影もまたくるくると踊った。

「そういやお前、名前は?俺は二年、ヒーロー課の蓮水漣だ。暇なら今度、手合わせでもしようぜ」
42凶津 清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/08(日)23:20:14 ID:mVY [7/7回]
>>41
「そんな照れるって~!」

カッコいいという言葉は変身ヒーローに憧れヒーローを目指すようになった清彦にとって最大の賞賛であった。
それは自身が憧れる存在に向ける思いであるから。

「俺はヒーロー科一年…の…え?先輩だったんすか?
いや失礼しましたぁ!改めまして自分はヒーロー科一年の凶津清彦と申します!」

一瞬のフリーズの後テンパったように発せられる敬語は人が変わったように感じられるだろう。

「ハイ喜んで!」

手合わせの申し出はすんなりと受け入れられた。
43蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/08(日)23:42:06 ID:FuR [6/6回]
>>42
謙遜する少年に向けられるのは紛れもない憧憬の眼差しだ、ヒーローを体現したかのような異能への。
自分の力に不満があるわけではない、けれどもいざ目の当たりにすれば多少は羨んでしまうのも人の性。
ゆっくりと立ち上がって、またフェンスに体重を預ける。コツンと傘の骨が金網にぶつかって音を立てた。

「なんだ、後輩だったのかよ……おいコラ落ち着け、そこまで堅苦しくすんなっての」

明らかになった学年の違い、形式上の上下関係にいきなり慌てる少年とは対照的に、彼はよくよく落ち着いたもので。
呆れているような、それでいて悪い気はしていないのは浮かんだ苦笑からもよく分かる。
下にある狼狽する少年の頭をチョップ、当たっても軽く小突かれた程度の衝撃だろうか。

「そんだけ元気なら怪我もすぐ治るだろ。手合わせはそれからな。その時は俺の力も見せてやるよ」

徐に、バイブの音が屋上に響いた。そのスマートフォンの持ち主であった彼はポケットから取り出して一瞥したかと思えば、フェンスから身を起こした。
第二体育館に空きができたことを伝える通知だったようだ、屋内に向かう足取りはさも大儀そうなもの。

「じゃあ、俺は行くから。今回はたまたま腕だけで済んだがな。お前も夜道には気をつけろよ、清彦」

最後に一度だけ振り返って見せた笑みは、正しく知人に向ける親愛のそれで。
屋上を出ようとした時に、また扉に開いたままの傘を引っかけたのは些か滑稽な様相であった。

//この辺りで〆でよろしいでしょうか!
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
44 : 凶津 清彦◆</b></b>WZ3ErSTLbQ<b>[] 投稿日:19/09/09(月)07:52:39 ID:pLX [1/1回]
>>43
「いやぁ、先輩だしそこはしっかりしておかないと」
「イテッ」

謙遜する態度は相変わらず心なしかさっきより腰が低くなっているようにも見える。

「俺が完治したら速攻でやりましょう!全力でいかせて貰いますよ!」

目を輝かせ手合わせの約束を取り付ける。それは幼い子供のような眼差しであった。

「蓮水先輩もお気をつけて!……あちゃー」

向けられた笑顔に返すかのようにこちらもニカッと笑顔をみせる。引っかかりには苦笑い。
漣が屋上を後にするとそのまま寝転がり一眠りする。

//ありがとうございました!楽しかったです!
45◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/09(月)21:26:58 ID:kjI [1/1回]
「ごめんねぇ、コロッケパン売り切れちゃったのよ」

そう食堂のおばちゃんに言われ、百合玄良は仕方なく焼きサバパンを買った。
最早巨大要塞と見紛う程の大きさの本校舎。主にヒーロー課の教室が入っている一角の屋上に百合はいつもやって来る。
昼食を食べながら眼下に広がる学園都市を眺め、自分がこんな街並を守るヒーローになるため何を磨くべきか考えるのだ。

「上手くいった気がしたけど、なんか違うよなぁ……」

思い出しているのは先日の模擬戦のこと。結果は百合の勝利だったが、勝負だったかと言われればそうではない。
相手は確実に勝つ気が無かった。堂々と、誰もが称賛するような勝利を求めていなかった。
目立たず、波風を立てず、ただ粛々と事を終わらせる。そんな戦いだった。

「うーん……やっぱり、成績上位の人に訓練を頼んでみるか……?」

色々と思案しながら、彼は焼きサバパンを頬張った。当然の如く焼いたサバの味だ。
46蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/09(月)23:13:16 ID:OAg [1/1回]
>>45
がんと響いた雑音が、千々の独り言を遮った。校舎内に繋がる出入口の方、屋上に数歩踏み入った男子学生によるものらしかった。
見ればさしていた傘が扉に引っかかったようで、反動に引き戻されている。

「…………またか」

黒い日傘を傾けて扉を潜らせながら、ため息と共に吐き出した呟きはまるで呆れているようで。
改めて頭上に侍らせた黒布が作る影の下、先客を捉えた黒と紫の三白眼はそれだけで不機嫌にも見えた。

「……悪いな、邪魔したか?たまにやるんだ。気にしなくていい」

憮然とした表情は変わらないというのに、フェンスに寄ってかける言葉の内容は存外に友好的なそれ。
片手は傘で塞がっているから、器用に口で包装を裂いて取り出した焼きそばパンにかぶりつく。
視線は既に雑多な建物が息づく学園都市の展望、どうやら彼も副食をこの眺めとしているようだった。
47◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/10(火)20:37:26 ID:UrO [1/2回]
>>46
「ん?」

音のする方へ目を向けると珍奇で、如何にも学園都市の住人らしい人影。
何故屋内で日傘を差しているのか。日傘の幅を考慮して扉を潜ろうと思わなかったのか。謎が謎を呼ぶが、それを聞く暇は無い。

「何ともないさ。それで、君は?」

こんなにも目立つ見た目だと言うのに百合の記憶に相対する者の名前は無い。
つまり、会ったことがないと訳だ。ただでさえ生徒が多いのだから話したことのない生徒がいても珍しくはないが。
焼きサバパンは減っていく。もうすぐ五割が彼の胃の中だ。

/申し訳ありません。こちらを覗く時間が無く返信が遅れました
/出来れば置き進行にしていただきたいのですがよろしいでしょうか?
48蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/10(火)21:30:57 ID:QVA [1/1回]
>>47
もっちゃもっちゃ、黙々と食べ進める彼の視線はずっと眼下の光景に向いていたが。
ただ無為に屋上を共有しているだけの間柄から、会話という関係性に発展すれば気怠そうなオッドアイを少年に移した。

「二年、ヒーロー課の蓮水漣。お前は?」

同じ課でも学年が違えば顔を合わせる機会はぐんと減る、常に他学年にも意識を張り巡らせていなければ尚更の事。
したがって見覚えがなくてもおかしくはないだろう、特別進んで交友関係を広げようとする人間でもないのだし。
しかしこうして切欠があるなら話は別だ、揺らがない仏頂面とて何も心まで凍てついているわけではない。

「ンな所で一人で飯食っててもつまんねえだろ。それともなんだ、悩み事か?友達が出来ないとかよ」

全部自分にも返ってくる言葉なのだが、そうは思わせない淡々とした声の調子。
フェンスに背を向けてもたれれば、自重を支えて金網がぎしりと鳴いた。

//お気になさらず、置き進行の方了解です!
//改めてよろしくお願いしますー
49◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/10(火)23:08:29 ID:UrO [2/2回]
>>48
「ヒーロー課一年。百合玄良(もまえはるあき)です。よろしくお願いします!」

元気ハツラツ程ではないがエネルギーを感じさせる表情で自己紹介。
どちらもヒーロー課。同じヒーローを目指す身として話に花を咲かせることも出来るだろう。

「友達はいますけど……ここで食べるの、癖なんです。街を見ながら食べるのが」
「俺達はヒーローを目指していて、ヒーローになるからにはこの街や、他の街、他の国も守っていかないといけない」
「けど、俺の手はこの街を支えられるくらいに強くはない。だから、強くならないといけない」

彼なりのヒーローに必要とされる物の定義だった。
力無き者に人は守れない。真に重要な物は力だけではないが、力もまたヒーローである為に必要なのだ。

「その為に何をすればいいか……難しいですよね」

溜息をつきつつ、吹き抜ける風を感じていた。
50蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/11(水)00:09:47 ID:Zy6 [1/2回]
>>49
溌剌とした玄良の振舞いとは対照的に、落ち着きを通り越して鷹揚とした態度。
実際は単に感情の起伏が微細なだけであり、無心にも近しい精神状態のだけなのだが。
焼きそばパンを口に含みながら無言で話を聞けば、話すために食べる手を止めるのは半分以上を胃に収めた頃。

「……なんだお前、一年から伸び悩んでるのか」

実に噛み砕いた理解だった。口腔内の炭水化物を飲み下して、器用に片手でくるくると柄を回す。
視界の端から端に流れていく傘の骨を何ともなしに見上げ、考えこんでいる素振りのつもりのようで。
先輩と雖もたった一年長くここで学んでいるだけだ、簡単に望む答えが与えられるとは思っていない。

「鍛えるしかないだろ。身体にしろ、心にしろよ」

だからこそ、できるのは現実的でありふれた助言くらいだ。
語り口こそぶっきらぼうであるが、年下の悩みに見て見ぬふりができるほどせせこましい情を持ち合わせているつもりはなかった。

「精神は知らん。お前とは会ったばかりだし、どういう人間なのかもまだロクに分からないからな」
「けど、身体だったら能力を鍛えるとか武道を学ぶとか、いろいろ出来るだろ。自分より強い奴と手合わせするのも勉強になるんじゃねえの」
51◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/11(水)22:13:28 ID:Vix [1/1回]
>>50
「伸び悩んでる……って言うんですかね。これ」

いまいち、今の状況が自分でも掴めない日々を過ごしている。
彼は自身の能力を十分に使いこなせてはいない。医者からはよくあることだと言われたが、これでは宝の持ち腐れだ。

「そうですよね。とにかく鍛えるのが一番か……」
「自分より強い奴と言えば、この前先輩と同じ学年の人と模擬戦闘をしたんです」
「そしたらなんと、俺が勝ったんですよ! けど、なんと言うか……ちょっと変な感触の人だったなって」

思い出すのは先日の授業における模擬戦闘。相手はヒーロー課二年の奴賀月カガチ。
しかし、彼はあの模擬戦闘のことを思い出す度に「試合に勝って勝負に負けた」と言う言葉を頭に浮かべていた。

「知りませんか? 奴賀月カガチって人なんですが……」

もしかすれば、蓮水が知っているかもしれない。そう思い立って、彼は恐る恐る尋ねてみた。
52蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/11(水)23:10:03 ID:Zy6 [2/2回]
>>51
「ふーん、二年に勝ったのかよ。やるじゃねえの」

平坦な声、凪いだ表情だったが世辞にしては感嘆を含んだ調子。
おそらくは性分が冷淡なのではなく、感情を露呈させるのが不得手なのだろうか。

「は?カガチ?あー…………」

残り少ない焼きそばパンを全て頬張って、視線を反対側のフェンスの更に向こうへとやる。
よく噛んで口の中の全部を飲み込み、それからようやく回顧に至って向き直った。

「知ってるよ、あまり話した事はねえけど」
「あいつだろ?なんつーか、いかにも普通って感じの奴」

いつでもどこでも日傘をさす彼と並べば、大抵の人間は普通に分類されそうなものだが。
彼がカガチに抱く印象はそう強くはない、個性の薄い平凡な女生徒といったものだ。

「俺はあいつと模擬戦闘した事はないから、能力とかまでは知らねえんだよな」
「まあでも勝ったならいいじゃねえか。なんか不満でもあんのか?」
53◆</b></b>5NEMOP7Utr.2<b>[] 投稿日:19/09/12(木)22:17:17 ID:xHh [1/1回]
>>52
「へへっ、ありがとうございます」

やるじゃないかと言われ、彼はまんざらでもない表情をする。
勝ったことは事実だ。それは誇っても良いと思っている。しかし、誇るに誇れない引っかかりが今も残っている。

「如何にも普通……そう言われると、そうかもしれませんけど」

普通。普通をどのように定義するかにもよるが、ごく平凡で特徴が無いことと言えばその通りかもしれない。
あの時の戦いは至極普通だったのだ。派手さ、悪辣さ、爽快さ、そのどれもが戦いから欠けていた。
しかし、模擬戦闘として成り立っていたのだ。まるであの女性の普通さを裏付けるかのように。

「勝ったことは誇っていいんですかね……」
「勝ったことで、何か成長しなければいけない。そう思うんです、俺は」
54 : 蓮水漣◆</b></b>YKoSaxcWXw<b>[] 投稿日:19/09/12(木)22:49:39 ID:aGk [1/1回]
>>53
「いちいちメンドくせえ事考えてんな、お前」

バッサリと。あまりに呆気なく、忖度もなにもあったものじゃない言い草。
しかし片眉を持ち上げる仕草に謗る意図は見受けられない、考えこむように微か首を傾げて。

「一度やり合っただけですぐ何かが身につくんなら、誰も何回も模擬戦闘なんてやってねえよ」
「いろんな奴と手合わせして、それでやっと少し成長するモンだろ。少なくとも俺はそうだ」

異能は千差万別であり、その存在は無能力を前提とした頃と比べて紛争の形を大きく変えた。
故に一個人との経験は必ずしも即座に結実するとは限らない、求められるのは往々にして不明な力に対する適応力なのだから。

「そうやっていつまでも反省してるよりは、空き時間に誰か捕まえて相手してもらった方がいいんじゃねえの」


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