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1 : ◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/27(金)22:57:52 ID:ptQ [1/1回]

妖魔が来たりて風が吹く。
侍の下駄は地を叩く。
東の再果て日出ずる島、侍とあやかしが住まうその国の名は倭(やまと)。
今日ここに至った貴方は何者か、異国からの来訪者?人に紛れたあやかし者?或いは魔を斬る侍か。
どなた様でもおいでませ、倭の都、『丁』の町は、全てを受け入れる坩堝でございます故に。

【倭(やまと)】
世界の東にある妖魔と侍が済む奇怪な国。
『将軍』と呼ばれる君主が国を治めている。

【妖魔】
倭の国に太古から根付いている、『あやかし』とも呼ばれる不思議な生き物。
人に化ける者、人からかけ離れた姿の者、人と親しくする者、人を嫌う者。
様々な姿形と生態を持ち、悉くが謎に包まれている。

【丁の町】
倭の都、最も栄えている町。
将軍が済む城が中心に聳え立ち、その周囲に広大な街が広がる。


・世界観モデル
『討鬼伝』(重すぎず軽すぎない和風ファンタジー、全体的な空気感のモデルです)

・キャラシテンプレ
【名前】
【種族】(人間、妖魔、半妖等。不明でも可)
【性、齢】(性別、年齢。不明でも可)
【容姿】
【技能、能力】
【概要】

・PBCロールガイド(※必読)
http://pbcguide.fc2web.com/frame.html
・スレ規約(※必読)
1:トリップ必須です、キャラシート投下の際にも忘れずにお願いします。
2:キャラシート無しでのロールも可能です、相手のロールに不自由が生まれない様、適度に情報を開示しつつ行ってください。
3:キャラの査定は基本的にはありません、際どいキャラの場合のみ都度ストップを入れさせていただきます。
4:R-18、R-18Gに当たる描写は禁止です。
5:上記にURLを記載した『PBCロールガイド』を必ず一読し、他の参加者の方に迷惑にならない様心がけましょう。
6:その後のスレの動きを定める様な大規模な設定や展開を行う場合は、必ず事前に一度、相談スレ内での確認を挟んでください。
7:ロール途中で1日以上の長時間相手と連絡がつかなくなった場合は、個々の判断でロールの破棄や凍結を行えます。
8:無連絡で一ヵ月以上動きの無いプレイヤーのキャラクターは、他参加者間で相談の上、削除や引継ぎ等の処遇を決める事になります。
9:荒らしや、誰の物か不明な書き込みには、反応せずアク禁を待ってください。
2 : ◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/28(土)00:00:14 ID:69h [1/2回]

立ち込めた暗雲が月光を遮る闇夜。
季節の変わり目、少しずつ冷たくなって来た風が、山伏の肌を撫でる。

「冷い、冷い、風が吹いておるのう」

丁の町から南へ三里、鬱蒼とした森の奥。
濁酒で満たされた酒壺を手に岩へ腰かけた『雨霧』と言う名の妖魔は、木々の隙間から覗く群れ成す気配にからからと笑った。
それはまるで祭りの前夜の様な、意気軒昂に沸き立った気配である。

「冷い風が吹いておるのう、大嵐じゃ、大嵐の前触れじゃ。
 火照るのう、渇き老いた血肉すらも躍りだす様だ、ひゃ、ひゃ、ひゃ」

祭りの前夜、人知れぬ森の奥。
獣とあやかしの吐息が、遠く見える丁の町の灯りを覗き見て、響いていた。
3 : ◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/28(土)00:00:56 ID:69h [2/2回]

翌日、早朝。
丁の町は騒々しさに包まれていたが、それはいつもの安穏とした騒々しさではなかった。
響くのは、物見櫓で打ち鳴らされる警鐘の音色である。

『危急!危急!南より丁の町へと押し寄せる、無数の妖魔の群れを確認!』

呼びかけの声は、町を走り回る同心達や火消し達の物。
声色はいつにも増して必死で、事態の深刻さを如実に表していた。

『丁の町は将軍様が御座す町!倭の中心!妖魔によって打撃を受ければ、それは即ち国家への打撃を意味する!
 戦える者は刀を取り南へ!戦えない者は逃げろ!危急!危急である!』

町の外、南方には確かに、無数の妖魔の影がある。
空を自在に飛ぶ者、地を潜り進む者、先頭を疾駆する俊足の者は、既に町のすぐ外周まで差し掛かりそうな程。
正に緊急事態が訪れようとしている。

史上でも稀に見る大騒動が、こうして始まろうとしている。
4黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/28(土)12:51:12 ID:49g [1/1回]
「……突然どうした?」

比較的大きな屋敷の、屋根の上に座し妖魔の大軍を見つめる妖魔の男、その表情はどこか怪しむようで…

「にしても、こりゃ少し骨が折れるかもねぇ…」

男は駆け出す、戦さの渦へ、妖魔の群へ





5安宅◆</b></b>8s3Vqae61o<b>[sage] 投稿日:19/09/28(土)18:29:54 ID:ZoM [1/1回]
「唐突過ぎんだろ…」

突然ふって湧いた連中に気が付き突っ立っている虚無僧一人。

「えぇ?治安維持組織とかどういう働きしてんだマジで」

今からでは知らぬ存ぜぬで逃げ出すこともできないだろう。
荒事待ったなしの状況に大きくため息をついた。

「何処かに居ねえもんか、血気盛んな美形剣士。
 そういうのに任せて拙僧念仏唱えるだけにしたい」

言いながら妖魔の群れへと向かい歩いていくのだった。
6 : 狼牙 雲黒斎“天雷 雲雀”◆</b></b>MaGu8/o5KQ<b>[] 投稿日:19/09/28(土)22:03:19 ID:XUN [1/1回]
「妖魔の群れ…あれの事ですね。」
騒ぎを聞き、南へと向かってみると、そこには確かに無数の妖魔が居る。
群れを率いる妖魔が存在する事は知っていた。
戦った事もある。しかしそれは、私が妖魔狩り集団に居た時の話。
一人になって、丁の町へ来てから、群れを見るのは初めてだ。
しかし、此処で逃げる私じゃ無い。

「人に害をなす妖魔は、この雲黒斎が成敗します!」
私は名乗りを上げ、妖魔の群れへと立ち向かって行く。
7◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/28(土)23:55:51 ID:aMj [1/1回]
>>4
指向性を持った妖の波の中で、一際足取りの重い人の影があった。
着物も帯も、腰まで伸びた髪でさえ闇夜の澱ほどに黒く。陽光に晒された四肢だけが病的に白い。
いかにも手弱女と言った外見。しかし全身をしとどに濡らす、水浴びの直後めいた様相は騒乱に相応しい異常性を孕んでいた。

「嗚呼、煩しい……なんて煩しい事でしょう……」
「このような狼藉……わたくしの性にはとんと合いませぬというのに……」

ぼそぼそと、覇気のない声。俯きがちの顔は陰気と呼ぶに相応しく。
黎都にじとっと向ける蒼氷色の眼差しは、最早恨みがましげですらもある。

「貴方様も……そう思いませんこと……?……ええ、ええ……言わずとも分かっております……」
「ですが……お役目を果たさずして戻るのはいけませぬ……さあ……わたくしもすべき事は為しますが故に……」

語りかけるのは狂言の類ではない。どうやら黎都が持つ濃い同胞の気配を感じ取り、攻め手の側と認識しているようで。
緩慢と歩み寄り、人の営みが横たわる方角を指差す態度に、今のところ敵意に近いものは見受けられなかった。

//平行になりますがまだよろしければ…!
8蓮村一紗◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/29(日)10:31:56 ID:vcD [1/7回]
>>5

戦場の端、若侍が一人。
眼の前で唸り声を挙げるのは、一匹の赤鬼。

「(赤い肌、二本角、体格もそこそこ……)」
『グルルルルルル……』

何やら考えている様子で、じっと赤鬼を観察する。
鋭く吊り上がった赤目は見る者を威圧し、3mを優に超える体格は、何もかもを押し潰せてしまいそうだった。
が、一紗の表情は少しばかり、期待外れな物でも見ているかのような雰囲気を宿しており。

「(……しかし、こいつは違う、『奴』はこれより二回りも三回りも大きかった)
 ……いやはや儘ならない、儘ならないでござる……しかしまぁいずれにせよ、ここから先へ向かわせる訳には行かぬ故」

振り下ろされた赤肌の巨拳を飛び退いて躱し、同時に抜刀、構え。

「こやつを倒せぬ程度では拙者もたかが知れる、いざ腕試しでござる」
9黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/29(日)14:11:36 ID:akf [1/3回]
>>7
「はあ、水も滴るいい女……できればここで出会いたくは無かったね…」

駆け足をやめ女と向かい合うような形に位置取る。
まだまだ距離はあるがそれを詰めるが如くジリジリとゆっくり歩みを進める。

「あー、悪いがアタシはそっちの側じゃない」

突き放すように言い放つ、だが向けた瞳には同族、ましてや女を斬る覚悟など宿ってはいない。

「その"すべきこと"とアンタらに指示を出した存在を言いな…そして引き返せ、じゃなきゃアンタを斬る事になる」

願わくばそのまま引き返してくれと、甘い考えを持つのは妖魔であろうとまだひよっこである為か

//遅れましたがよろしくお願いします!



10安宅◆</b></b>8s3Vqae61o<b>[sage] 投稿日:19/09/29(日)15:17:20 ID:roo [1/6回]
>>8
「おー…腕試しかあ、じゃ、拙僧手出し無用よな?見てるなー」

見知った顔が何やら決意を固めて鬼と対峙している。
義に厚い者なら助太刀でもしよう状況で虚無僧は声をかけるだけで横に並んだりはしない!

「存分にやるといい。横槍入れてくるのが居たら払っておく位はしてやるからさー」

先日の借りもある。
故にその位の厄介事ならやってもよかろうと。
組み立て式の錫杖を取り出し、仁王立ちだ。
11◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/29(日)15:23:00 ID:ZNG [1/3回]
>>9
糾問への返答はない。代わって叩きつけられるのは憂鬱と嫌忌が入り混じった冷ややかな眼差し。

「…………忌々しい……嗚呼、この上なく忌々しい……わたくしの手を煩わせようなど……」
「わたくしは不本意ながら馳せ参じた身……却々に人の子を虐げて……済ませてしまおうと思っておりましたのに……」

独白にも等しいくぐもった声。口許を袖で隠し、滲んだ厭わしさを隠そうともせず顔を顰める。
答える気はないという意思を全身で示していた。踵を返すつもりもまた、同様に。

「兎角……貴方様を捨て置く訳にも参りませぬ故……」
「――――……ここで喰ろうてしまいましょうか」

唇に寄せていた袖を振るう。水をたっぷりと吸った衣から幾条かの滴が弾け、陽の光に煌いたかと思えば。
燕の如き流速でもって宙を裂くそれは、散弾めいて一直線に黎都を襲う。
その攻勢に同じ妖への情けなど一切介在していない、種族という観点で見れば全くの異種なのだから。
12蓮村一紗◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/29(日)15:55:42 ID:vcD [2/7回]
>>10

「……む?おぉ安宅殿!よく会うでござるな!」

知った声にちらとそちらを見て、戦場に於いては呑気が過ぎる朗らかな笑顔。
今日の様な日に知り合いの無事を確認出来たのは喜ばしい事だ、視線が逸れる。

『グァゴアアアアアアア!!』

それを好機と見たのであろう赤鬼は、大木の様な右腕を掬う様に振るい、地面を指先で抉り土石を飛ばす。
攻撃範囲には、不運な事に虚無僧も含まれていた。

「お心遣いには感謝いたす、が……生憎巻き込まない保証は致しかねるでござるよ。
 何しろ相手がこの巨躯故……気遣いにも限度が出来るでござるッ!魂気『車流(くるまながし)』!!」

白光が薄く刃に纏わりつき、手首を返して車輪の様に回転させる。
円形の白壁が成形され土石を弾き受け流したが、全てでは無い、弾き損ねた一部は安宅の元へ。
13安宅◆</b></b>8s3Vqae61o<b>[sage] 投稿日:19/09/29(日)16:04:03 ID:roo [2/6回]
>>12
「あ、見誤ったいででででで!?」

べしばしべしばし、と雨あられと土石が虚無僧に叩き付けられる。
散弾めいた攻撃に効果的な対応が取れないのは今後の課題な虚無僧。
笠やら袈裟やらが優秀なので大きな怪我には繋がらないが痛いものは痛い。

「誰よりも先に拙僧が倒れるんじゃないかなコレ!」

戦わずして再起不能。
ちょっと情けないってレベルの話題ではない。
少し真剣に周囲の状況に気を遣う虚無僧。
14蓮村一紗◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/29(日)16:32:20 ID:vcD [3/7回]
>>13

「安宅殿ーっ!申し訳無いが、自分の身はどうにか自分で守って下され!」

軽い調子で無責任な事を言う若侍だ。

「地走、飛鷹!」

反撃の縦横二連撃、十字の遠隔斬撃が赤鬼の腹を浅く斬りつける。
鈍重な巨体の攻撃範囲と、存分に蓄えられた贅肉の壁、それがこの鬼の武器と言ったところだろうか。
軽傷、鬱陶しそうな唸り声。

「……ふむ、巨躯は巨躯か、遠距離からの『薄刃』では限界があるでござるな」

刀を両手で握り直し正眼へ構えた、白光がより分厚く、長く。
額から頬へと向けて汗が伝った、赤鬼が放つ拳に合わせ、刀を回転させる。

「『大車流(だいくるまながし)』ッ!!」

ドォン!と轟音と共に、光刃の大刀と拳がぶつかり合う。
が、受け止められはしてもやはり一紗の小柄で巨体を止め続けるのは無理があったのか、力負けし地面を滑り後方へ飛ばされる。
それは鬱陶しい小虫を排除した感覚だっただろうか、赤鬼は続いて一紗の向こう側に居た『立派な体格を持ち、如何にも強者然として佇んでいる男』へ狙いを定め、地響きと共に前進を開始する。
……誰あろう、安宅の事だ。
15安宅◆</b></b>8s3Vqae61o<b>[sage] 投稿日:19/09/29(日)16:41:30 ID:roo [3/6回]
>>14
「惜しいなあ……ってオイオイ、決着着かぬままにコッチに来るかあ?」

蓮村ならもう一度挑めば倒せるだろうとか考えていた矢先にコレである。
一応警戒を強めていたおかげで対応に戸惑いはない。

「浮気者はもてねぇぞ?最後まで相手してこそだなあ…聞いてねえかっ!」

錫杖の端と端近くを持っての独特の構え。
棒術や槍術の流れから生まれた安宅流の構えである。
虚無僧であり、僧兵であり、そして…

安宅の戦い方は基本、待ちだ。
相手の動きに対応して一撃を叩き込む、カウンター重視の戦法である。
16 : ◆</b></b>W9/EZq3i5Ymm<b>[] 投稿日:19/09/29(日)16:58:50 ID:okr [1/1回]
己腕藤は旅人である。
故に一つ処に居続けることは無く、常に諸国を巡っては事件や謎に首を突っ込む。
そうして何かしら己の技術を磨く手掛かりを得ることが出来たならば万々歳と言う訳だ。

東の空が白み始めた頃、藤は丁の街近くの街道を一人歩んでいた。
明け方には街へと着くだろう。街へ着いたらひとまず宿を探し、その後で温泉にでも浸かろうと考えながら。
その時、街道沿いの森がいつに無く不可解な騒めきを孕んでいることに気付く。
おどろおどろしい気配は後方から少しずつ街へ向かって進んできている。只事ではない。
そして、頭上を巨大な烏の如き妖魔が飛び去り静寂は切り裂かれた。

「こいつは……とんでもない事になってるな!」

包みを抱えながら怪鳥を追いかける。周囲には多種多様な姿の妖魔が現れているが、まずは高速で街に接近する者からだ。
荷を投げ捨て、両脚に力を込めて高く高く跳び上がる。同時に、怪鳥へ向けて強烈な蹴りを見舞う。
怪鳥を蹴り落としながら着地すると、戦闘態勢に移行しながら妖魔の群れへと振り返る。

「眠気覚ましには良い運動だ。ドンと来やがれ!」

緋色の長髪が風に揺れ、武の申し子が立ちはだかる。
17蓮村一紗◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/29(日)17:15:17 ID:vcD [4/7回]
>>15

『グォォォァァァアアアアアアアア!!!』

猛る鬼が咆哮し、拳を振りかぶり真っ直ぐに振り下ろす。
単純だが、人を大きく超える体重を乗せて放てば威力はかなりの物。
今まで幾人、幾匹もの獲物を仕留めて来た、赤鬼にとっては必殺の一撃に近い。
が……それはあくまで威力のみを見た場合の話だ、動き自体は単調、『対応』はし易いだろうか。

「……腕が痺れる」

一方、弾き飛ばされた『小虫』の方は、刀は握りしめながらも即座の復帰は出来ずに居た。
体格差体重差という物は正面からぶつかり合えばより大きく響く、腕は痺れ、柄にあてがわれた両掌の感覚は薄い。
それでも腕は動かせ、刀を離さずにいれたのは、両腕に纏わりついた白光が多少なりとも衝撃を和らげたからか。

「(甚だ未熟……が、奴の程度は計れただろうか。
  多少は無理をしてみよう、一日二日、怠いくらいは致し方なし)
  いざ……」

ゆらり体勢を引き戻し、痺れる腕を掲げ、光放つ大刀を背中の方へと振りかぶり、溜め。
18安宅◆</b></b>8s3Vqae61o<b>[sage] 投稿日:19/09/29(日)17:27:14 ID:roo [4/6回]
>>17
「体格差と得物の長さで間合いは五分五分、てなわけでッ!!」

相手が得物を振り上げた時点で安宅が動く。
狙うは巨体を支える足、その膝である。
近づくときの動き、武器を構え振り下ろさんとする動作で利き足も見抜けるだろう。

其処へ繰り出す岩をも穿つ強烈な突き。

武器を振り上げてから振り下ろす動作よりも遥かに速いのは当然。
そして攻撃の最中に此方の攻撃を、足を動かしかわすなど先ず不可能。
故に先手、そして必中。
更に膝を砕くに至らずともバランスは崩れるだろう。
だから繰り出された一撃は安宅へ到達したとしても必殺足り得ない。

ただ、足りえずとも当たったら痛いのである。
安宅流カウンター戦法最大の問題は攻撃=回避なので、
意図が外れると途端に此方も窮地に立たされる所にある。
19蓮村一紗◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/29(日)17:46:56 ID:vcD [5/7回]
>>18

例え動きが見えていたとしても鬼に武芸の心得は無い。
故に安宅の思惑は見事に嵌まる、贅肉の壁が薄い関節部、膝に走る衝撃と激痛は未だかつて味わった事が無い物だった。

『ガァァアアアアアゴァァアアアアアアアア!!??』

派手にバランスを崩し、拳は狙いとは見当違いの場所、安宅の後方に着弾するとそのまま地面に倒れ込む。
砕けた膝が復帰を困難にさせ、赤鬼は困惑の最中に。

「お見事、安宅殿!助太刀まことに感謝致す!!」

この好機を逃す手は無い、構えていた一紗が痺れる腕を振り下ろす。

「いざ、決着を!『大地走(だいちばしり)』!!」

大刀縦一閃、放たれる閃光は地面を穿ちながら走り、転倒し大きな隙を晒した赤鬼の首元に食い込んだ。
ガリガリと肉を削ぎ落し、しかし一紗の腕が完全な状態で無かったためか、肉の壁に徐々に勢いは落ちる。
それを見て、咄嗟の判断で叫ぶ。

「安宅殿!その『光』は実体を持っている!触れられる、つまり『押し込める』でござる!
 あと一押しをお頼み申す!!」
20安宅◆</b></b>8s3Vqae61o<b>[sage] 投稿日:19/09/29(日)18:17:15 ID:roo [5/6回]
>>19
「応ッ!虚無僧使いが荒いこったぁっ!!」

悪態つきながらも安宅が鬼の首へと走る。
両手で確りと錫杖を握りしめて。
そして倒れ伏す鬼の頭と食い込む閃光の上を跳ぶ。

「南無…散ッ!!!」

跳び越えている途中で身体を反転させ身体を弓のようにしならせ
足裏に錫杖の先端がつかんばかりに身体をそらして一気に戻す。
跳んだ勢いと、全身を使った渾身の振り下ろしが閃光に叩き付けられる。

無論、自身の唯一にして最大威力の八百万乃一撃を込めて。
21蓮村一紗◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/29(日)18:48:43 ID:vcD [6/7回]
>>20

斬撃は止まる、自分の肉の壁は、どんな刃も寄せ付けて来なかった。
故に、首に走る痛みにも赤鬼は確信を持っていた、『この斬撃は止まる』。
案の定、肉をある程度削り進んだところで閃光は徐々に速度を落としていたのだから、赤鬼はほくそ笑むのだ、『死んだと油断させて食ってやる』。

ゆっくりとゆっくりと、砕けた膝の痛みにも慣れて来た。
身体を起こせばまた優位に立てると、今度は同じ過ちはしないと。
勝利に対する絶対の自信を持って地面に手を突いた。



妙な衝撃と共に、止まっていた筈の斬撃が、『再加速』する。



『ガッ……??????』

安宅の全霊の打撃が閃光を押し込めば、それはあっという間に赤鬼の骨を断ち、肉を裂き、向こう側へと突き抜ける。
赤鬼の視界は飛んだ、脳を失い力無く地面へ落ちる己の腕を、何処か遠くからの視点で見て。
それを最後に、暗転する。




「……勝ったとはいえ、止められるとは。
 甚だ拙者も、未熟が過ぎる」

一先ずは大物の一角は倒せたかと、安堵の息。
安宅に向けて笑顔で手を振って、後ろ向きに地面に倒れ込んだ。
彼からすれば、以前にも何処かで見た様な光景だろう。

「むむむむ……燃費の悪さもどうにかせねば……」

未だ周りは喧騒が包んでいる、意識を失わないでいられているのは幸いか。
22「安宅」と『緒結』◆</b></b>8s3Vqae61o<b>[sage] 投稿日:19/09/29(日)19:10:46 ID:roo [6/6回]
>>21
「てか、この状況でぶっ倒れるようなを撃つなよ!?」

ずだだだだ、と土煙をあげて虚無僧が走り寄ってくる。
あれよあれよと言う内に始まった戦は未だ収束しているわけではない。
そも、この集団を率いている頭が存在しているかも怪しい。
そんな状況下で動けなくなることの恐ろしさよ。

「ああ、もうとっとと退散だ、退散!命が幾つあっても足りやしねえよ!」

安宅は虚無僧であって妖魔討伐を専門としている訳ではない。
心情的にも先陣を切ってこの戦を制しようなどと露程にも思っていない。
蓮村が動けないのであれば尚更、放置して進むなどあり得ない。

「後は周りの連中に任せた方が利口ってもんだ!」

米俵でも担ぐ様に安宅を肩に担ぎ上げ、虚無僧が戦場から離脱せんと駆け出す。
どったばったと走る速度はお世辞にも軽快からは程遠く…
ギィギィと耳障りに鳴く人の頭蓋と脊椎を組み合わせて羽根をくっつけたような奇怪な妖魔に目をつけられた。

「だあああ、ばれたああああああ!!!」
「ギッ!」

海鳥が魚を捉えるために急降下するように妖魔が落下してくる。
当然飛び道具を持たない、片手も蓮村で塞がっている安宅に反撃の術はなく。

「食われ―
『竈祓・一式』
「ギg

ボウ、と蒼い炎が安宅の頭上をなめるように通り過ぎ、
進行方向ゆえに突っ込んでしまった妖魔を一瞬の内に焼き払った。

「ああああああ…あ?」
『お団子一本の借りにしておきましょー』

したたたた、とあっけにとられ動きを止めた虚無僧の横を小柄な何かが駆けていった。

「……え、何?」

何かは戦場の喧騒に消え最早見えない。
何時までも突っ立っている訳にもいかず蓮村を担いで安宅は戦場から離れたのだった。
23 : 蓮村一紗◆</b></b>XvJ/M5Y/pE<b>[] 投稿日:19/09/29(日)19:56:07 ID:vcD [7/7回]
>>22

//キリ良く締めてもらったので、これで〆ということで、お疲れ様でしたー。
24黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/29(日)20:36:03 ID:akf [2/3回]
>>11
「アタシの話は聞いちゃくれないか……仕方無し」

刀に手をかけ抜いた刹那、飛び込んでくる水の凶弾
それを迎え撃つ訳でもなく刀を地面に突き立てる。

「操骨一式、葬列…!」

突き立てた地面から骸骨が這い出て壁のように立ちふさがる、一体目が被弾し砕けるも間髪入れず二体目が這い出て目の前の女に向かい走り出す。

「不本意ならやめちまいな!」

骸骨を前に走らせ盾とし、自身は剣先を地面につけ引きずりながらゆっくりと間合いを詰める。
25九郎丸◆</b></b>TLZFKCRioA<b>[sage] 投稿日:19/09/29(日)20:45:38 ID:mRJ [1/1回]
「……こいつら、なーんか他の奴らと違うんだよなぁ」

突如の襲撃。魑魅魍魎が街を覆い、ただ力なき人々は逃げ惑うのみ。
そんな場面に九郎丸もまた偶然居合わせていた。襲われるならばこちらもまた相応の反撃をしなければならないので向かってくる妖魔達を次々に斬り伏せていくうちに、九郎丸は違和感を覚えた。
それは、他が街を無差別に襲うのに対して、この妖魔達は自分を執拗に狙ってくるのだ。

『忌み子め!その命貰い受ける!』

「あー、やっぱりそんな感じ?」

妖魔が口を開いた途端に、その正体は自ずと知れる。この九郎丸という存在に心底苛立っている連中が、この騒ぎのどさくさに紛れて刺客を送り込んだのだろう。
気付けば四方を無数の妖魔達に囲まれていた。

「さすがにこれは、ちょっときついな……」

これだけの数を同時に相手するのは厳しいものがあった。誰か助太刀が現れてくれないものかと九郎丸は願った。
26◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/29(日)21:24:29 ID:ZNG [2/3回]
>>24
「……小癪……なんたる小癪でしょう……」
「黙って身を任せれば……すぐに極楽へと連れて行って差し上げますのに……」

上手い具合に行かなかった苛立ちからか、殊更に濃くなる眉間の皺。
ゆらと閑麗に踊った指先から滴った水が、地面に染みを描く。

「貴方様こそ……人の子に肩入れなどして……どのようなおつもりでしょうか……?」
「我等の本分は……そのような児戯ではありませぬ……畏怖を、憂虞を……恐怖を振り撒く事こそ、意義でございましょう……」

腕を払えば爪の先から水が弾ける。それは弾ではなく一筋の線として宙を舞い、虚空に刃を象って。
一の水閃は土より出でた骨の盾を切り裂き、次いだ二撃目は接近を許すまじと距離を詰める敵影を目掛けた。
27狼牙 雲黒斎“天雷 雲雀”◆</b></b>MaGu8/o5KQ<b>[] 投稿日:19/09/29(日)21:39:53 ID:IPj [1/3回]
>>25
「助太刀します。」
向かって来る妖魔達を斬って行った先に見えた光景。
男が妖魔に囲まれて居る。
あの妖魔達だけ、男だけを狙っている様に見える。
助けなくては…!

「私こそは黒狼が忍び、天雷 雲雀。又の名を狼牙 雲黒斎。
 人を襲わんとする妖魔よ、私が相手となりましょう。」
一体なぜ、この男は狙われて居る…
忌み子…人と妖魔の間に生まれた子の話を聞いた事がある。
その子の母の一族は人に対して敵対し、父の一族は妖魔を悪として切り捨てる一族だったとか…
その子供は忌み子として、人と妖魔から命を狙われて居るとか…
私が黒狼に居た時に聞いた話だ。
黒狼は焼き討ちに寄って滅びた妖魔狩り集団だ。
今は無いとは言え、黒狼の名を聞かせれば、妖魔と男の素性が解るかもしれない。
私は忍者刀を構える。
刃は私が妖力を具現化させて作り上げたものだ。
本物の刃では無いが、斬れ味もある。
立ち向かって来るなら斬るだけだ!
28黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/29(日)21:54:55 ID:akf [3/3回]
>>26
「生憎様アタシはまだ二十なんでね、まだまだ逝くつもりは無いのよ…!」

骸骨の破壊は予想の範囲内だ、最も厄介なのは水の攻撃が自身に集中する事、空かさず刀で水を受けるが…

「妖魔がそんな存在だっていつ誰が決めた?縛られた生き方なんて真っ平御免さ!アンタらが恐怖を振りまく存在ならアタシは愛と享楽を振りまく存在として生きたいね!」

刀には大きな切れ込みが入る。
それを再び地面に突き立てると大きく踏み込み地面を抉る様に斬り上げの動作

「操骨二式、飛槍!」

三発の鋭利な骨が女に向かい地面より飛び出す。
29◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/29(日)22:44:33 ID:ZNG [3/3回]
>>28
「嗚呼――温い……温い、温い……!人に愛を……?享楽を……?」
「所詮……我等を忌み嫌うしか出来ぬ存在に……そのようなモノを与えて何になりましょう……!」

陰鬱な声の調子は、吐き捨てるような響きに移ろって心底からの唾棄を孕む。
物憂げに一歩下がって正面からの剣撃を間一髪で避け、しかし地中から這い寄る骨の凶刃の察知はそれが姿を現してようやくのこと。

「ぐ、ああっ――!」

袂を振るって水の刃で対応できるのも一つが限度、残り二本の白骨は容易く女の腹部を抉る。
目元が見えないほどに俯いて、唇から漏れるのは色香と苦悶を含んだ吐息。
それから数秒。微動だにしなかったかと思えば、ぎっと顔を上げてまっすぐに睨んだ瞳は強い怨恨を宿した。

「――に……本当に憎らしい……!」

大地から生えた骨に囚われたままぶつぶつと、怨嗟を吐けば着物の裾が不自然に揺れる。
見ればそこから覗く足先は、既に人の形ではなく。

「抵抗するだけでなく…………わたくしにこの姿を取らせるなど……!!」

黒布の内側、下半身は蛇のそれに転じていた。ぬらりと光る深緑の鱗に覆われ、まるで尾のような。
大人の胴ほどもある太さ、長さもまた蛇の身だけで男の背丈一人分はあるか。
まさに怒りと呼ぶに相応しい形相、蛇の尾を円を描くように振り回して自身を貫く骨を打ち砕き。
最後に黎都へと横薙ぎに叩きつけ、質量でもって吹き飛ばそうと。
30九郎丸◆</b></b>TLZFKCRioA<b>[sage] 投稿日:19/09/29(日)22:52:38 ID:ypU [1/1回]
>>27
「おっと、助太刀感謝!」

この場で運良く助けが来るのは僥倖だった。知らない名前だったが、今はどこの誰であろうと構わない。

『チッ、忍びか……ええい、このまま数で押し潰す!かかれ!』

妖魔達は二手に別れて九郎丸と彼女を潰すつもりのようだ。戦力が半分に別れようとも、それでも数的には圧倒的に有利。彼らは皆剣で武装しており、彼女に向けて一斉に刃が向けられた。

その突撃はまさに同時に行われた。九郎丸と彼女、双方に向けて妖魔達が一斉に剣を振りかざして襲いかかったのだ。

「一体一体の練度はそう高くはない、下級の妖魔が集ろうと!」

九郎丸は果敢に立ち向かいそう言った。
実際、数だけで彼らの質はそう高くはない。下級の妖魔をあっさり捻り潰せる程度の実力があれば、捌けなくもないはずだ。

//気付くのが遅れました、よろしくお願いします
31狼牙 雲黒斎“天雷 雲雀”◆</b></b>MaGu8/o5KQ<b>[] 投稿日:19/09/29(日)23:55:20 ID:IPj [2/3回]
>>30
「良いでしょう、相手になりましょう。」
私は手に持った忍者刀を一振りしてみせる。
その刃の先からは妖力で作られた塊が生み出される。

「喰らいなさい!」
塊は無数に分裂し、それぞれ妖魔達へと向かって行く。
数は多いが、あの男の言う通り、質は高く無いと見える。
妖力の塊は分裂させる事で威力は下がるけど、下級の妖魔ならこれでも十分に効くはず!
32 : 狼牙 雲黒斎“天雷 雲雀”◆</b></b>MaGu8/o5KQ<b>[] 投稿日:19/09/29(日)23:55:44 ID:IPj [3/3回]
//ごめんなさい、続きは後日で。
33黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/30(月)00:00:44 ID:WI4 [1/6回]
>>29
//すみませんまた後日お願いします
34 : ◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/30(月)00:12:34 ID:TTu [1/6回]
>>33
//了解しました!遅レスで申し訳ありません…!
//明日は午後以降であれば安定してお返しできると思いますー
35九郎丸◆</b></b>TLZFKCRioA<b>[sage] 投稿日:19/09/30(月)01:13:16 ID:WDU [1/1回]
>>31
『グワー!』

無数に分裂する妖力のエネルギーの塊。忍びに向かって行った妖魔達は、瞬く間に吹き飛ばされて灰と化して行く。
九郎丸もまた、刀を振るって軽快に妖魔を打ち倒して行く。やがて、刀に染み込んだ彼らの血が凝固し、一つ一つが小さな結晶の刃となって軍団の元へ飛来する。

「!今度は左右に!」

さて、九郎丸が気を取られているその隙に今度は彼女の左右に妖魔達が現れた。両側面を挟んで彼らは剣で切りかかって行った。
そして、彼らの背後には妖術による援護も存在していた。妖気を纏った気弾が、援護射撃として同時に襲いかかる。

//了解しました
36黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/30(月)08:15:00 ID:WI4 [2/6回]
>>29
「なんとでも言いな、アタシにゃ響かないがね」

吐き捨てる声には微笑で返す。挑発の意図と、やはり人間とは相容れない自分を含めた妖魔という存在への哀れみを込めたものだ。

「アンタ…なぜそこまで憎むんだ?」

腹に刺さった骨を見るにもう戦意喪失してもおかしくは無いはず、少なくとも自分なら…と思慮を巡らせる。
だが尚も自身に向かって来る彼女には恐怖を感じ始めていた。

「ぐっ…!!!」

横薙ぎを避ける事が出来なかったのはどういうわけか
直撃を受ける。
その際骨が砕ける様な嫌な音が響くだろう。
それは目の前の異形の女にも手応えとして伝わるはずだ
当然真横に吹き飛び地に付す事となる。





37◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/30(月)13:32:35 ID:TTu [2/6回]
>>36
「何故……?何故と……おっしゃいますか……」
「理由など……決まっているでしょう……?」

倒れ伏した男に即座の追撃はない。うねる蛇の胴が擡げられれば、氷よりも冷たい眼差しが降り注ぐ。
問いを受けて煮え滾る憤懣が収まったか。否、それは嵐の訪れを告げる静寂に他ならない。

「わたくしのこの姿を――醜いと!穢らわしいと!ただそう在るだけで蔑視する人の子など……憾まずに、憎まずにはいられませぬ!!」

初めて、声を荒げた。激情に応えた蛇の尾が強く大地を叩いて砂塵を巻き上げる。
濡れた髪から覗くアイスブルーの瞳は激しく吊り上がり、やり場のない怒りを乗せた視線で黎都を貫く。

「人の子は決まってそうなのです!幾ら仮初めの姿を好いても……本性を知れば血相を変える者ばかり!!」
「であればわたくしが彼等を忌み嫌うのも……!道理でなくてなんなのでしょうか!?」

哀哭の叫び。衝動のままに頭を搔き毟れば滴が散って緊迫を飾る。
これ以上の問答は無用とばかりに持ち上がる蛇の胴、潰れた肉塊を拵えるべく容赦なく振り下ろされた。

//お待たせいたしました!
38黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/30(月)18:36:37 ID:WI4 [3/6回]
>>37
「…アンタの…言う通りさ…なんにも言い返せないねぇ……」

途切れ途切れの言葉は疲労とダメージの蓄積を嫌でも物語らせる。
たった一撃で、先ほど言った通り骨が折れる結果となったのは流石に予想外だった。

「……アンタが憎しみに囚われて人間を恨むのはよく分かる……でも人間にだって良い奴は居る、アタシやアンタみたいな異形の妖魔でも分け隔てなく接する様な奴がね…!」

段々と活力を持っていく声からは、ようやく覚悟が感じられることだろう。
それは目の前の妖魔を斬りふせる非情なものでは無く…
そんな折彼女の尾が無慈悲に振り下ろされる。

「なぁ、アタシらに与えられた永い命は人間達と解り合うためにあるんじゃないのか?」

砂煙が舞い数秒して晴れる、しかしそこにあるのは肉塊でも死にかけの妖魔でもなく無数の骨の腕に受け止められた尾、そのすぐ後ろに黎都の姿、間髪入れずに走り込み、その地面に刀を突き立てると、無数の骨の腕が女を拘束しようと這い出る。

「操骨肆式、縛腕…!」




39◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/30(月)19:13:46 ID:TTu [3/6回]
>>38
「嗚呼……これだから年端もいかぬ小童は……どこまでも甘い……!」
「そのような夢物語を信じた同胞達が……どれだけ失望の最中で命を散らしてきたとお思いでしょうか……!!」

最早、聞く耳を持たないと言ってもよかった。今はただ、目の前の耳障りな男を黙らせる事しか頭になく。
骨の防壁を打ち砕くべく再度尾を振り上げようとしたが、激昂した状態では守りが疎かになるのは自明。

「あっ……っ……!」

結果這い出る骨の腕に先んじられ、巨影を落とす前に下肢に値する蛇の部位を地に留められる事となる。
人の形を保った女の上半身もまた倒れ伏す形、両手をついて上体を起こせば、瞳の奥の瞋恚は尚も消えず。

「……この永い命など……なんの為になりましょう……?……ええ、ええ……確かに貴方様の言う通り……良い人間とやらも……どこかにはいるのかもしれませぬ……」
「ですが……果たしてどれだけの裏切りと絶望を知れば……その出逢いに辿り着けるのでしょうか……?」

しかし抵抗の意は弱く、言葉の調子もまた先程までの覇気のないものへと逆戻り。
濡れた髪が砂に塗れるのも厭わずに俯く。華奢な肩が震えるたびに、乾いた土に濡羽色が踊った。

「身を焦がすなら……苦しい思いをするくらいなら……最初から憾んてしまった方が……貴方様も……きっと楽でしょうに……」
40黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/30(月)19:33:33 ID:WI4 [4/6回]
>>39
「はぁ…最初から憾んでそれで楽にはなれても決して幸せにはなれないだろうね、このままアンタが変わらなければいつか必ず誰かがアンタを討ち倒す…一生その負を抱えたまま永い時を過ごすつもりかい?」

地に伏した女を見下ろす様に立ち言葉を放つと
そのままスッとしゃがみこむ。

「なぁ…もう一度だけ考えちゃくれないか?ほら、面をあげて、折角の美人が泥に汚れてちゃいけないだろ?」

心からの願い、同族を、そして人間達を守る為に決めた覚悟、それは意地でも彼女を説得してみせるというものだった。

「アンタ、名は?アタシはがしゃどくろ、今は黎都で通してる…」



41◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/30(月)20:15:34 ID:TTu [4/6回]
>>40
黙したまま地面を見つめて微動だにせず、説諭に反応を見せることはない。
間近に捉えた気配に慄くように指に力を入れれば、が水を吸って変色した土を爪が掻いた。

「…………出来ませぬ」

しばらくの沈黙の後、首をゆるりと横に振って呟いたのは否定の言葉だった。
微かに顔を上げる。蒼氷の眼は相変わらずの底知れぬ悲憤、それから諦観や失意を複雑に湛えて。

「……今更……考えろだなんて……酷い事を仰るのですね……わたくしはもう……疲れたのです……」
「出来る事なら……何者にも心を煩わされず……一人悠久の時を過ごしたい……それだけで、本当に……」

どれだけの時を彼女が生き、幾度人に不義を押し付けられたのか、今や知る術はない。
されどどうあれ若き妖の冀望は人間の怨嗟を知る彼女には眩しすぎて、ふいと斜め下へと視線を逸らした。

「…………濡女の……乙羽(おとは)と申します……」
「ごほっ……どうぞ……貴方様の好きになさってくださいまし……ここで逝くのも、また……」

名乗るのは今日一番のか細い声。激憤が過ぎ去ったからか、腹を穿たれた痛みが今になって騒ぎ立て。
咳き込んだ唇の端から伝う鮮血は水に滲んで広がって、白い肌によく映えた。
42狼牙 雲黒斎“天雷 雲雀”◆</b></b>MaGu8/o5KQ<b>[] 投稿日:19/09/30(月)20:31:06 ID:U9B [1/1回]
>>35
「忍法、火遁の術!」
妖魔達の挟み込みに反応し、私は妖力の弾を地面へと投げ付ける。
妖力の弾は地面へ触れると大きな火柱を上げる。
向かって来る妖魔をこの炎に誘い込めば…!

「効きません!」
火柱が上がると同時に、私は妖力弾を撃ってきた妖魔へと向かって行く。
妖力弾は避けきれなかった。効いてないわけじゃ無い。
足元がフラついたけど、倒れ込むほどじゃ無い。
私は忍者刀を片手に妖力弾を撃って来た妖魔を斬り伏せんと突進する!
43黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/30(月)21:35:15 ID:WI4 [5/6回]
>>41
「出来ない…か…はは…」

異能の力を持って生まれても、悠久の時を生きる命を持って生まれても、ひとりの心さえ救えない。
なんて小さな存在なのだろうか…自分は余りにも

「乙羽と言うのか、どうか…どうかそんなに悲しい顔をしないでくれ…こんなところで死ぬなんて言わないでくれ…それがアタシの望み……いいや…」

言葉を詰まらせる。
「アンタと闘ってるうちに、アタシはどうしても救いたいって思ったよ、そして気付いたら惚れちまってた」

「一緒に…生きてくれ…!」

喉の奥からひねり出す様な声、それはか細くも力強い。
44◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/30(月)22:26:17 ID:TTu [5/6回]
>>43
「…………は……?」

吐息に近しい、呆けたような声。思わず見上げた眼を丸くして、茫然と瞬き。
未だ初対面、出会いも決して良いとは言えず、剰え互いに血を流し合っているというのに。
斯様な場で想いを伝えられるなどと、それだけで思考が止まるには十分であった。真摯だと分かるからこそ尚更。

「……あの……そのような事…………突然言われても……困ってしまいます……」
「わたくし達は……先程からずっと……啀み合っているのですよ……?」

何分人の姿を取り繕っている時でこそ多々あれど、人頭蛇尾の状態で恋慕の情を告げられたのは初めての事。
また目を伏せて濡羽の髪で顔を隠す。不理解を畏怖する本能に、拘束された内の僅かな猶予でもって僅かに後退る。
唯一髪を掻き分けて覗く耳が仄かに朱を呈するのは、胸に去来した欣幸と羞恥故か。

「このような……半端な混じり物の醜女など……好いても良い事など一つもありませぬ……」
「……どうか……今の言葉を最後の吉夢としたままで……終わらせてくださいまし……」

それでも予防線を引くのは偏に未だ恐怖が根付いているからだ、愛が憎悪に変わる瞬間の。
土を巻き込んで強く握る両の拳。全てから逃げるように瞼を閉じれば玉響に肩が震えた。
45黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/09/30(月)23:09:23 ID:WI4 [6/6回]
>>44
「あ、いや…」

勢いで言ってしまった、だが後悔など微塵もなくただただ妙な達成感やら羞恥心やらが胸の内を駆け巡る。

「本気…さ……憎しみに縛られたアンタ…いや、君を見ているとどうしても助けたくなって気付いた時にはもう惚れちまってたのさ…」

白骨じみた黎都の顔がパッと赤く染まるのは彼女と時を同じくして

「夢だなんて言うな…!君の痛みも恐怖もアタシが全て背負う、だから…!」

拘束を解くと、乙羽を抱きしめる。
46◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/09/30(月)23:48:52 ID:TTu [6/6回]
>>45
「譫言は……よしてくださいまし……っ!」

容易く抱き寄せられる華奢な体躯。骨の柵から解放された蛇の尾が、その場でびくついたがそれだけだ。
息を飲んで、けれど抵抗の動きはなく。幼子のように背中を震わせるばかり。

「……お戯れを……貴方様まで……濡れてしまいます……」

掌で押し戻そうとして、すっかり泥だらけであったから腕を僅かに持ち上げるに留める。
どうして衣を汚してしまうのを躊躇ったのか、自分でも分からぬままに束の間の硬直。
心の臓が聞こえてしまいそうなほどに煩い。不思議と熱い顔を見られていないのは僥倖であった。
ようやく言葉を紡いだ声はやはりか細く、彼女を抱きしめていてやっと聞き取れる程度。

「……わたくしは……このような醜い姿でも…………誰かに愛されて良いのでしょうか……?」

もしもその問いが、尚も是であるのならば。
彼女もまたおそるおそるに伸ばした腕を、背中に回して抱擁を返すのだ。
47黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/10/01(火)00:09:23 ID:nNf [1/2回]
>>46
「気にするな」

濡れようが汚れようが、彼が彼女を拒むことなどない
それは"今まで"が証明している事だ。

「醜い?愛されていいか?冗談じゃない、君は綺麗さ…愛されちゃいけない存在なんてこの世にあるものか」

抱擁で感じる相手の命の脈動は暖かな物だという
それは人間であろうが妖魔であろうが違いはない。
返された抱擁にどこか安堵を漏らし、そのまま黎都にとっては永遠とも一瞬とも感じられる程の時間をそのまま過ごす。

「どうか共に来てくれ…」

そう呟くと抱きしめた腕を緩め正面に向き合う形となる。
48九郎丸◆</b></b>TLZFKCRioA<b>[sage] 投稿日:19/10/01(火)00:31:12 ID:aDB [1/1回]
>>42
『グアアアアア!』

炎によって焼かれる妖魔。
彼女の懇親の突撃によって、気弾を発射した者も斬り倒される。

『ええい、こうなれば……!』

これだけの人数差があるのにどうして押されているのか。たった二人相手にここまで手こずるのは想定外である。
指揮官クラスらしき妖魔が、手を掲げて大きな妖力を集め始めた。大きな塊が形成され、それは一気に二人へ向かって拡散する。

「なるほど、あいつが親玉ってわけだ……!」

九郎丸は放出される妖力に身を晒す事を厭わず突撃する。指揮官たるあの妖魔を倒せば、この戦いも収束へ向かうだろう。

//遅れて申し訳ありません
49◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/10/01(火)00:35:13 ID:0re [1/2回]
>>47
こうして誰かと肌を触れ合わせるのを諦めたのは、どれだけ昔の事だったか。
潤んだ瞳、紅に染まった頬でも向き合って、目と目を合わせて。
慎ましやかに、けれど確かに小さく頷いた。

「…………はい……どうぞ……何処なりへと……連れ立ってくださいまし……」

ついに言ってしまったと、視線が斜め下に逃げる。縮こまるように蛇の化生もまた人の下肢へと姿を変える。
大きく息を吸って吐く。鼓動を落ち着かせてから、今初めて微笑を浮かべた。

「……わたくしは……重い女でございますから……移り気などは……死んでも許しませぬよ……?」

その脅し文句の答えを、彼女がこの場で聞く事はない。言い終えるや否や、その意識を彼方にやるからだ。
腹を刺す骨棘によるダメージが限界に達したのだ、死はまだ遠くとも幾許かの休養を要する程の。
その倒れ込む先は黎都の胸の内。花車な体躯は濡れて冷たいにも拘らず、確かな熱を持っていた。
50黎都◆</b></b>H1j4nPdd3CrY<b>[] 投稿日:19/10/01(火)00:51:19 ID:nNf [2/2回]
>>49
「やっぱり、君は笑顔が一番だねぇ…行こう…!」

彼女とは対照的に真っ直ぐな瞳は確かな希望を内に孕んでいた。
応じるかの様ににっと笑顔を作ると、手を引き町へ行こうとするが

「ははは、そんな事ある訳が…どうした?」

胸に倒れこむ乙羽を受け止めると、全てを察した。
生きていることを確認すると一息つき、ゆっくりと抱きかかえて町へと赴く。

「医者に行かないと…!」

妖魔でも診てくれるという行きつけの町医者、この世の中では珍しい妖魔から見たいい人間、ひとまずその医者
の腕に頼ることにした。

//いい感じなので〆と言うことで!ロールありがとうございました!
51 : ◆</b></b>eUcBywYYnk<b>[] 投稿日:19/10/01(火)00:54:28 ID:0re [2/2回]
>>50
//こちらこそ数日に渡るロールありがとうございました!
52 : 狼牙 雲黒斎“天雷 雲雀”◆</b></b>MaGu8/o5KQ<b>[] 投稿日:19/10/01(火)20:44:24 ID:7E7 [1/1回]
>>48
「うっ…!」
敵将の放った妖力。
これを避けきれなかった私は、その威力に片膝をつく。
中々の威力だ…
だけど、致命傷には至らない。未だ戦える!

「負けません!」
男が妖魔に立ち向かった。
ならば私が狙うは敵将の背中…
私は脚力を活かし、背後へと回り込む。

「お命、頂戴します!」
私は棒手裏剣を打ち(投げ)、脚を狙う。
棒手裏剣はその名の通り、棒状の形をした手裏剣だ。
平手型より威力がある。
それと同時に、私は忍者刀で背中を斬らんと背後から突進する!


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