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1 : 名無しさん@おーぷん[] 投稿日:19/11/15(金)22:02:06 ID:3Rh [1/2回]

テンプレート
【名前】キャラクターの名前
【年齢】
【容姿】霊装装着時の見た目もこちらで構いません
【所属】学生や職業、組織等など
【霊装】使用する霊装やその能力についての説明を
【概要】その他、生い立ちや背景等

『ルール』
・こちらはキャンペーン方式の期間限定スレです
・プレイヤーキャラクターは原則として霊装使いの少女となります
・審査は不要ですが、キャラクターシートは投下していただけると非常にありがたいです
・文量に指定はありませんが、返信に際して相手を待たせ過ぎない程度に
・寝落ちしそうだったり、返信が出来ない状況に陥りそうな時は、必ずお相手に一言連絡をお願いします
2神崎 千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/15(金)22:56:08 ID:3Rh [2/2回]

……雨降りしきる街中。

学生が正しく、下校の最中である夕方の時間にそれは起こった。
アームズ――人類を脅かす、謎の生命体の出現。一般的な兵器は効かず、対抗できる手段は唯一つのみ。
霊装。一部の少女のみが適合し、力を扱うことが出来る人智を超えた力こそが、人類を守る唯一の盾であり、剣であった。
そして今、ここでも。霊装使いの少女が、人々の盾となって戦っていた。

「くっ……次から次に、キリがないッ」

何人かの学生と、それを囲むように出現している無数の灰色の悪魔、アームズ達。
そしてそれを守りながら、相対するのは白い鎧を纏った少女。
額に張り付く長い髪を気にする余裕もなく、無数のアームズ達へと向けて槍を振るい、屠るが……その数は多く。
既に疲れが少女の顔に見えている。肩で息をしながら、再度その長い槍を握るが……。
3名無しさん@おーぷん[] 投稿日:19/11/16(土)04:06:34 ID:oaL [1/1回]
エリナがスレ立てしたスレに参加しないでください
4 : 神崎 千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/16(土)06:57:45 ID:0xD [1/2回]
!aku3
★アク禁:>>3
5◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/16(土)17:34:54 ID:0xD [2/2回]
雨が降る中、路地裏を駆けている少女がいる。

一般的な人間では、出現したアームズに対抗手段は存在しない。
ただの一匹だとしても、それは対抗手段の一切存在しない致命的な脅威となってしまうのだ。

「はぁ……はぁッ……!!」

その背後には、一体のアームズが迫っている。
剣状の四足を持った、虫のような個体であった。アームズの本能の通り、それは地面や建物の壁を這い回りながら獲物を追いかける。

「はぁ……嘘、行き止まり……!?」

霊装使いとアイアス、それらがあったとしても、未だにアームズが人類にとって脅威なのは変わらない。
神出鬼没である以上、どうしても取り零してしまう人命は存在してしまう。
今この瞬間も、まさにその例になろうとしている最中であった。

/>>2と合わせて絡み待ちですー!
6曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/17(日)02:35:21 ID:jSb [1/1回]
>>2

微かな音を、彼女は耳にするだろうか。
遠くからの爆音と、叫び声を。

「…………ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお……!!!」

急速にその声は、輪郭を得て。

「うぉぉぉぉぉ、いよいしょぉぉぉぉっ!!!」

それは爆発とともに、彼女らを囲む怪物たちのど真ん中に降り立つ。
爆風が止めば、霊装により紅に染まったしなやかな身体が、炎に照らし出される。
その顔には一応正体を隠すつもりではいるのか、大きめの丸サングラス。

「おぉ~お。霊装におまけつきだなんて、やってるねえ。いいねえいいねえ♪」

にひひと口角を上げ、疲労した彼女とその後ろの人々へ指を巡らせるうちにも、怪物は再び迫りだすだろう。
酷い状況にもかかわらず……いや、「酷い状況だからこそ」ウキウキが隠しきれていない様子は、彼女の目にどう映るか。

//凍結か置きになりますがよろしければ
7◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/17(日)03:15:18 ID:F5C [1/2回]
>>6

『神埼さんの付近に霊装の反応が!』

『一体何処の誰のものだ!?』

『識別波形、こちらのデータベースには無し! 対象……未知の霊装使いです!!』

彼方から聞こえてくる爆発音。
アームズによる襲撃かと思えば……通信機から発せられる情報は、全く違うものであることを叫んでいる。
アイアスのデータベースには存在しない、所属不明の霊装使い。野良の可能性がないわけではないが、そんなものは余程レアな存在だ。
ならば――考えられるのは、一つしか無い。

「……貴様……何者だ……!!」

突如として出現した、爆炎と共に現れた赤い霊装使い。
両手で握り締める霊装、蜻蛉切に力が籠もる……識別不明であるということだが、それがどういう素性か何となくの察しはつく。
霊装使いを保有する武装組織、ラグナロク。真っ先に思い付くのは、そんな忌み名であった。

「……くそ!! こんな時だと言うのに!!」

だが、アームズ達は止まらない。彼女のことも含めて、彼らにとっては本能的に排除しなければならない存在なのだ。
灰色の身体が蠢いて、迫る。この場にいる蜻蛉切の使い手、神埼千華にも……爆薬の使い手である、曙野炎乃火にもだ。
槍を横薙ぎに振るうと、一息に幾つものアームズ達が両断される。だが、やはり全てをカバーしきれるほどに、敵の数は少なくなかった。

「くそ、なんでもいい!! アームズ達を殲滅するのに手を貸せ、一般人の逃走路を作る!!」

そして、イチかバチかと神崎は彼女へと叫んだ。
味方である可能性は低い。そしてその表情に浮かべる楽しげなもの、人命を尊ぶ人間とは思えなかったが……。
何より、この状況で、霊装使いまで相手にすることを考えたくはなかった。少なくとも……神埼の考えとしては、結果は最悪なものになる気がしているが。

/反応遅れてすみません、宜しくおねがいします!
8ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/17(日)19:24:07 ID:F5C [2/2回]
市街地、アームズ達が群れを成して進行する。
無差別に行われる破壊活動の中、ビルの屋上から腕を組んで、彼らを見下ろす少女が居た。
小柄な身体であった。低い背を厚底のブーツを履いて底上げし、黒いコートと、ウェーブの掛かった金髪を風に靡かせている。
傍らには爆発の痕が残っていた。黒ずんだそこは、真新しいもので、未だに熱とコンクリートの焦げる音、粉塵と煙の混じったのを漂わせる。

「さてさてさて、炎乃火のヤツ一人に良いツラはさせないぜ」

組んでいた腕を解いて、その右手が胸の前でグイと握り締められる。
その瞬間、纏っていた黒いコートを光が包んで、解いていく。そして光は輝きを増すと同時に、身に纏うものを再構築するのだ。
黒いインナースーツを身体が包み込み、更に硬質な鎧が出現、挟み込むように身体の各部位に装着される。
胸元が大胆に露出された、血管のような赤色が這った黒い鎧。そしてその右手に握り締める巨大な剣は、正しく霊装“アロンダイト”の姿である。

「よいっしょ――と」

そして分厚い大剣を肩に担ぐと、ビルの屋上から身を投げだした。
空中に放り投げ出されながらも姿勢を一切崩すことはなく、着地姿勢を取ることもなく地上に降り立つと、ハイヒールがアスファルトの地面に穴を空ける。
アームズ達の注目を一気に寄せながらも、それを気にすることはなく、空へと向かって少女は中指を立てる。

「オラァ、アイアス共!!! 見えてんだろうが、さっさと掛かってこいよォ!! ……邪魔だ!!!」

対特殊生物災害対策組織“アイアス”へと向けて、高らかに宣戦布告をする。
そして右手に握った大剣を、片手で軽々と振るうと、今正しく飛びかかったアームズの一体を滅茶苦茶に拉げさせ、光へと還す。

/返レスは炎乃火さん優先になりますが、>>5と併せて絡み待ちですを投下しておきます!
9曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/18(月)01:52:20 ID:Duc [1/2回]
>>7

「気になる?気になる?アタシの名前はぁ~……やっぱ教えな~い!」

警戒心をあらわにする神埼をおちょくるように、悪戯っぽく笑う。
その間にも、怪物は牙を剥くべく迫りくる。気配に笑みは忽ち大きく歪む。
バチバチと音を立てるダイナマイトを背後へ一つ放り投げた次の瞬間、今にも突っ込もうとしていた数匹がまとめて爆炎へと飲み込まれる。

「ヤバ。アイアスの子、おこじゃん」

一閃を抜けて押し寄せてくる怪物たちに餌でもやるように、ダイナマイトを投げつけては爆ぜさせる。

「は?指図すんなし。そっちなんかに言われずとも、『全員』やっちゃうし☆彡」

彼女の言葉は、真面目ちゃんの上から目線に感じたらしく、一瞬で笑みが抜け落ちる。
目を見開いた刹那、両手の指の間に小型のダイナマイトが握られる。
優に30本は越えるそれを、くるりとターンして全方位にばら撒く……神埼や彼女が守るべき人々がいる方向にも、例外はなく。
小型故に先程までのそれと比較し爆発力は劣っているが、1発につき怪物1匹、一般人なら数人を吹き飛ばすには十分だろう……彼女はどう動くか。

//遅くなりました、都合のいい時にお返しください
//火力描写は探り探りなので、問題があるようならば遠慮なくおっしゃって下さい……!
10◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[sage] 投稿日:19/11/18(月)02:19:07 ID:xvW [1/2回]
>>9
「やはり……爆発物か!!」

これは、ある程度彼女の能力を把握していたからこそに他ならない。爆発音も煙幕、そこから出来る単純な推察による物だ。
蜻蛉切よりも遥かに手早く、そして一度に多くを容易く殲滅出来る武器であるならば、この状況の打破は容易だ。
一瞬、心の内で援軍が来たも同様だと考えたが、その考えは甘いものであったとすぐに思い知らされることになる。
押し寄せる軍勢を払うように投擲される爆弾、ここまでは良かったのだ。

「……何だと?」

次いで投擲されるのは、大量の爆薬だ。
先ほどよりも小さいが、霊装によるもの。三十を超えるとするならば、ここに居るアームズをどころか……民間人をすら巻き込むのは。
想像に難くない。ならば相手はやはり、真っ当な人間ではない……彼女自身の言葉から推察するに、やはり彼女は敵だ。

「貴ィ様ぁぁぁぁぁぁ!!!!」

握る一本の槍、蜻蛉切。それが左右に分割される。
変形したことによって二本の長槍になったそれを両手にそれぞれ握り締めたならば、両脚を思い切り踏み締める。
ミシッ、という音と共に道路に穴を開けたのも束の間、跳躍した少女は、正しくダイナマイトの群れへと飛び出したのだ。

「"ラグナロク"!!!お前達はぁぁぁぁぁぁ!!」

そして二槍を、瞬間音も無く振るったのであれば……人々へと向かうダイナマイトに繋がれる導火線を、一息に切り落としたのだ。
そして残されたものを、柄や石突きで弾き飛ばし、アームズへと向かうように調整……つまり、彼女の爆薬を利用して、道を開こうというのだ。

「くっ、させるものか、その悪虐非道!!この私の目が黒い内はぁぁぁぁ!!!!」

そして空中を駆け出すと、腰のスラスターが炎を噴き出して、更なる推進力となる。
空中で再度蜻蛉切を一本の大槍に変形させて、その切っ先を彼女へと向けて、正しく一本の槍にでもなったかのように一直線に突撃していくのだ。

/お返しします!
/火力描写に問題はありません!強めのキャラクター設定を推奨してますので…!!
11曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/18(月)03:36:32 ID:Duc [2/2回]
>>10

「うわ~、怖っ。そんなこと気にしてないでさ、もっと楽しんだほうがいいよ?」

爆音がひっきりなしに鳴り続ける戦場の中心で、彼女へそんな言葉を投げかける。
まるで大きなパフェを前に財布を気にする友人を前にしたかのような台詞には、彼女の偽りなき感覚がにじみ出る。
爆音と熱気、それにより齎される充足感の前には、一般人が巻き込まれていることなど彼女にとってはあまりに些細にすぎないことであるというだけ。

「ひっど。そんな悪い人に見える?目、だいじょぶ?」

激昂しながらも正確無比な槍さばきを見せる彼女を煽っていく。
怪物の群れが弾かれ、彼女までの道が切り開かれる。
迫るのは単純、しかし激烈な一撃。

「っ!?」

その切っ先が腹を突き破る寸前、彼女の足元が爆ぜ、破片や爆炎とともに炎乃火の身体は爆風に乗って大きく飛びのくような形となる。
足からダイナマイトの原料となる爆薬、ニトログリセリンを発生させ、大ジャンプへと利用したのだ。

「痛っ……、あっぶな」

ガラスを突き破り、近くのビルの室内へと着地する炎乃火。だが、完全にかわすには至らず、スーツに違う種類の紅が混じる。
しかしそれでも、彼女の身体に巡る興奮は留まるところを知らない。

「やって、くれるじゃんか!」

驚愕する非難が遅れ縮こまっていた会社員達を尻目に、窓際にあったオフィス机を蹴り飛ばせば、ニトログリセリンによる爆発によって神埼へと撃ち出される。
それは手当たり次第に周囲にあるものを撃ち出す大砲めいた攻撃。
空中に留まっているならば、赤熱した机やいすやコピー機、更には炎乃火の元へ向かったアームズまでもが降り注ぐだろう。
12◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/18(月)04:25:41 ID:xvW [2/2回]
>>11
「くっ!!……逃すか!」

彼女の移動時に使われた爆発は、単純に少女に対する目くらましにもなった。
爆発によって生じた衝撃と熱は傷を付けるには至らなかったが、視界を一瞬奪い、移動を許すには十分だった。
これをミスとは断じなかった。霊装使いを相手に、常に十割想定しているものをぶつけられる筈がないとは熟知している。
空中でターンし、ビルの中へと突っ込んでいった彼女の姿を追い掛ける。

「楽しむ?……楽しむだと?」

そして追い掛けた先に居たのは、怯え叫ぶ人々の姿であった。
彼女からすれば、全くと言って良いほどどうでも良いものなのだろう。だが……少女にとっては違う。無辜の人々が、理不尽な力に絡め取られることをこそ、少女は嫌い、その為に今戦っている。
そして、何の力も持たない人々をまるで軽視し、好き放題に力を使う彼女のことを赦せない。

「私はただ……お前達やアームズによって齎される理不尽な悲劇を……」

腰のスラスターから噴き出る炎の量が何倍にも膨れ上がると、投擲される砲弾の数々を気にすることもなく最高速で突撃する。
無論、赤熱した砲弾は直撃する。頭部に叩き付けられば、顔面を火傷で覆い、頭部を割って血を流した。
左肩に着弾した時、自らの勢いも相まって、アームズを貫きながらもそこから先が引きちぎれた。その為に、大槍を右手でしっかりと握り直す。

「この世から!!!根絶することだ!!!」

そしてその勢いのまま、ビルの中へと突撃して彼女へと蹴りを喰らわせようとした。文字通り、ビルの中から彼女を蹴り出そうという魂胆であった。
13雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/18(月)22:58:17 ID:Avi [1/2回]
>>8

破壊が生み出す黒煙を、赤い輝きが横一文字に切り裂いた。
はらりひらりと、胸元大きく開いた扇情的な深紅の着物、両の手に携えた大鉄扇は融鉄の色に輝いている。
首から口元を覆う白いマフラーが風に揺れて、鉄扇を畳むと溜息を吐いた。

「……ちっちゃいのにナイスバディ……格差社会を感じる……」

それは、現状にはとても見合わない呑気な台詞。
瓦礫を踏み砕きながらの歩みは黒鎧の少女へ向かっていて。

「同じ様なカッコしてる私が言うのもなんだけど、そのカッコ、恥ずかしくない?」

続く呑気な言葉と共に、閉じていた鉄扇を開きざまに振り下ろす。
14ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/18(月)23:19:59 ID:rNM [1/1回]
>>13

「……あぁん……? っし、来やがったな盾ヤロー」

アームズの身体を引き裂く音は、霊装使いならば何度も聞いたことだろう。
それを聞いた瞬間、ベアトリクスはすぐさまそちらへと意識を移した――そしてそれが思っていた通りの結果を齎したならば。
ニィ、と口元に笑みを浮かべた。

「なんでぇ、オレに比べて随分痩せっぽちじゃねえの。ちゃんと食ってんのかー? アイアスの連中はよー?」

売り言葉に買い言葉とばかりに、目の前に現れた霊装使いの少女の身体を揶揄する。
胸元の大きく開いた深紅の和装、高熱を持った巨大な鉄扇。この東洋の国を起源に持っているのは、間違いなく明白だろう。
踏み砕かれる瓦礫の音は、正に開戦のカウント・ダウン――そしてそれは、鉄扇が空を切り、大剣が虚を裂くことによって、合図となるだろう。

「う、うっせぇ!! 好きでこんな格好してんじゃねえよまな板!!」

放たれる言葉は、彼女の呑気な台詞の延長線上にあった。
しかしその手に握る、彼女の大鉄扇に、大きさだけで言うならば有に倍はあるであろう、巨大な黒い大剣が打撃を受け止めているのだ。
金属同士がぶつかり合う、鋭い音が鳴り響く。

「ぶった斬って、その霊装ひん剥いてやるっ!!おりゃああああああああ!!!!!!!」

魔剣・アロンダイトの峰に並ぶ、無数のブースターから一瞬爆炎が噴き出される。一瞬ではあるが、休息に加速したことによって。
その鉄扇を思い切り弾き飛ばし、その切っ先が勢いのまま地面を叩き――それを更に、薙ぎ払うように振るわれるのだ。
鈍重で単調だが、強力な一閃を、彼女の鉄扇の一撃に対する返礼とばかりに、振るうのだ。
15雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/18(月)23:51:51 ID:Avi [2/2回]
>>14

「ちゃんと食べてるよ、でも私って胸に栄養が行かないみたいでさ。
 あぁ、やっぱりそれなりに恥ずかしいって感情はあったんだ?」

相手が年下に見えたなら、揶揄う様に歯を見せて笑み。
大剣を相手に力圧しは不利、ましてや相手のそれがただの大剣では無い事など分かりきっている。
アロンダイトが火を噴くと同時に瓦礫を蹴り、射程外へと飛び退いた。

「いやいやいやいや、流石にこれ以上ひん剥かないでくれない!?
 ……本当、それなりに抵抗はあるんだよ、人と戦うのって。
 君達はそんな気持ち知らないだろうけど」

飛び退き、右足が地面につくと同時に左足を即座に踏み込んで前方へと跳躍。
両手の鉄扇を縦に回転させ放った再びの二閃は、先程とは違い炎を纏い撒き散らす。

「一応こっちは花の女子高生だしさぁ!」
16ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/19(火)00:11:59 ID:Tew [1/6回]
>>15

「うっせぇ!!脳味噌にも栄養行ってねえんじゃねえのか、あぁん!?」

アロンダイトが敵を捉えることはなかったのを認識すると、すぐさま体勢を立て直す。
握る大剣を両手で握りしめ、正面に構え直すと敵の動作を観察……赤熱した鉄扇は、アロンダイトで充分防ぎ切れることは分かった。
防御手段は在る……とすれば、適切に対応することが肝要。

「ごちゃごちゃうるせえ!裸にされたくなけりゃあ霊装渡してさっさと消えろ腰抜け!!」

相手が着地した瞬間に踏み込んだならば、迎撃の体勢を取る。
腰をより低く構えて、相手の鉄扇が振り下ろされたと同時に大剣を振るい、無理矢理攻撃を押し通そうという算段であった。
力比べならば有利であるとすれば、真正面から戦うのは得策であろうと。

「あっちぇい!! なんだよ、卑怯なヤツ!!」

放たれたのは、鉄扇から放たれる火炎放射だ。
咄嗟にバイザーを展開して、目を焼かれないように目元のバイザーを展開。
然しジリジリと身を焼く炎を受け続けるわけにも行かず、その熱によって身体が焼き切られるのを恐れ後方へと跳躍する。
引いても身体が痛む……感覚で何箇所か深めの火傷を負ったことが分かる。

「知るか!! オレは学校行ったこともねぇよばーか!!」

そしてその空中でアロンダイトのブースターを点火。
そのまま斜めに落ちるように、その大剣の出力を以て一気に前進、重力による加速も重なった一撃を叩きつけようとする。
彼女の言葉に、忌々しげに言葉を吐きながら。

/すみません、本日はこちらで返レス最後になりそうです……!!
/絡んでいただいて申し訳ないのですが、凍結をお願いします……!
17雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/19(火)00:37:15 ID:TMh [1/3回]
>>16

「マジで……学校行った事無いとか、余計戦い難くなる事言わないでって!」

戦う覚悟はあったとしても、人の命を奪う覚悟までもそう簡単に決められるとは限らない。
割り切らなければこちらがやられる……そう理解はしていても後退する彼女へと追撃をしなかったのは、悠花の意志が丁度その境にあったからに他ならない。

「(アームズが相手なら……躊躇いなんて捨てられるのになぁ、本当にさぁ!)」

着地と同時に跳ぶ、ステップを踏む様に、情熱的に舞うかの様に。
はためく着物は炎熱に揺らめいている。
放たれた反撃の一振りに、身体を大きく横転させる様に屈めて。

「ぐぅっ……!」

結果としては、剣先が僅かに掠めただけだ。
たったそれだけで、胸元から肩にかけて真っ直ぐに刻み込まれた裂傷が、アロンダイトの威力を物語っている。

「……もうっ!!」

確かな痛みが戦意を僅かに鈍らせても、そこでの停止は即ち死を意味している。
ならば停まってはいけないのだ。
地面に左掌を突き、右手に構えた鉄扇を、大剣を振り抜いたままの姿勢であろう少女の足へと横薙いだ。

//こちらも返信遅く申し訳無いです、凍結了解しましたー。
18曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/19(火)03:25:49 ID:k5Q [1/1回]
>>12
 
「それっ……!?」

ニトログリセリンを右足へ纏わせ、突撃する彼女への迎撃に繰り出すのは回し蹴り。
しかし、爆発は信念を露にする彼女を吹き飛ばすには至らず。
押し負けた炎乃火はビルからの転落こそ免れたが、その身体が叩きつけられた机や椅子を瓦礫に変えながら、それらへと埋もれ、淵へと追いやられることとなる。

 
「……へぇ。アタシみたいなのを、理解できない化け物を、あんたが言うようにこの世から根絶しちゃえば、みーんな幸せ、ってワケ。ふーん……」

暫くの静寂の後。オフィス機器を掻き分け立ち上がり、己の血潮で紅く染まった顔を再び神埼へと向ける。
割れそうな頭を押さえ、身体は痛みにがくがくと揺れ、今にも倒れそうにふらつく。しかし、その瞳だけは、未だ彼女が危険であることを示すようにギラギラと光り続ける。
 
「ホント、ムカつく」

彼女の鋭い信念が、曙野炎乃火へ火をつけた。
 
燃える炎を見たい。爆ぜるものを見たい。
それは彼女にとって、飢えに、耐え難い眠気に、燃え上がるような劣情に等しい。
物心ついた時から、抱えてきた欲求。目の前の彼女が示すように、社会においては忌むべき欲求。
いくら人がそれを晴らすことを禁じようが、彼女を理不尽、災厄と称しようが、それは消えてなくなりはしない。
人が喰わずに生きられないように。
人が眠らずに生きられないように。
人が交わらずに殖えられないように。
曙野炎乃火は燃やさなければ、爆ぜさせなければ生きられない。

神埼への獣のような視線に答えるかのように、その身に巻き付けられたダイナマイトに火が点る。
再び爆発とともに駆け、瞬く間に間合いを詰め懐に潜り込めたならば、繰り出すのは下からの鋭いボディーブロー。命中の可否に関わらず、ニトログリセリンによる爆発を伴う。
炎乃火の斜め上方へと吹っ飛ばすよう調整された爆発は、次なる一撃への導火線。
19蜂鳥 空 ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/19(火)18:33:36 ID:64r [1/5回]
久里峰市郊外。
高層ビル群を遠く見渡す事の出来る埠頭に響く音がある。
駆動音だ。
咆哮にも悲鳴にも似た音を響かせる機械──チェーンソーは異形の化物を超高温の刃によってバターのように溶かし断つ。

「はぁ……こんな小物じゃなくてさぁ……」

駆動を止めたチェーンソーをコンクリートに突き立て嘆くのは1人の霊装使い。
上昇志向の塊、情けも容赦も無い癖に利用という名の協調はすると有名な蜂鳥 空だ。

「こう、ドーンとデカいの来ないわけ?
それを鬼教官だのビリビリが来る前に私が斬り倒して……はぁ」

突き立てたチェーンソーの基部に顎を乗せボヤきながら回収を待つ彼女の元に訪れるのは
共に世界を守る盾か、災厄を引き起こす黄昏か、或いは未知の脅威か──
20ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/19(火)19:09:54 ID:Tew [2/6回]
>>17

「これだから箱入りのお嬢ちゃんは軟弱なんだよなぁ!!」

ベアトリクスの戦いは這い上がるための戦いだ。
最下層から引き上げられ、霊装を使った殺しを強いられ、それでもと抗うためにラグナロクへと所属して剣を振るっている。
覚悟の差と言うべきかは分からないが、少なくともその質が違うのは間違いなかった。人を痛めつけるのに微塵の躊躇も無い。

「うぉっ……!!」

振るった大剣は敵を僅かに切り裂いた。直撃とは行かずとも、アロンダイトは強力な霊装ではある。
戦況に与える影響は大きい。然し大剣を振り抜いた隙に、反撃を許す……鉄扇が叩いたのは、少女の両足とそれを覆う霊装だ。
バランスを崩したせいで、ぐるりと目の前が一回転するような錯覚。そのまま逆さに転ぶという、大きなミスをベアトリクスは犯したのだ。
思わずアロンダイトを手放すと、その傍らに、凄まじい重量が倒れ込む。

(おっ……とこれは、流石にマジぃ!!)

箱入りだと称した相手に、出し抜かれたことによる苛立ちはふつふつと湧いてくるが。
その反面頭の中は冷静に、現在の状況を弾き出している……転倒は最悪の状況だ、仕留められる前にリカバリーを行わなければならない。
右腕のガントレットから、極小のワイヤーと刃が撃ち出される。それらが鉄扇の片側、彼女が左手に持つ方へと向けて飛ぶと、それを絡め取ろうとする。
体勢が整っていない状態で武器を崩せるとは思わなかった。
そのため、動きを僅かに遅らせることに賭けた。ほんの僅かでも隙を作ることが出来たら、動ける自信もあった。

/お待たせしました、お返しさせて頂きます……!!
21ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/19(火)19:28:38 ID:Tew [3/6回]
>>18

「――逃げろ!!」

一喝。この場に存在している逃げ遅れた人々へと向けて、視線を向けることもなく、ただ一言そう叫ぶ。
それを以て去っていく彼らを見届けることもなく、ただ背にしている。それだけで、少女は正しく、人類を守るための盾となるのだ。
片腕が千切れ飛ぼうとも、今この瞬間だけは、神埼千華は絶対的存在となっていた。

「当然だ……破壊と死を撒き散らす災厄に理解など必要無し」

災禍を撒き散らす者が、理解の及ばぬ思考回路を持ち合わせているのであれば、それが災害、“アームズ”と何が変わろう。
それを討ち果たすために、少女は立つ。それが少女の揺るぎない、硬く、叩きのめすかのような信念であった。

「う、ぐ……ぉぉぉ!!!!!! どうした、何を期待していた、私は此処に居るぞ!?」

ボディーブローは容易くその腹に突き刺さり、そのまま爆風を受けることになる。
だが少女はそこに立ち止まった。人類の盾として、そして剣として。未だに立ち塞がろうとしていたのだ。
そしていま正しく目の前に在る、災禍を野放しにするわけには行かないと……ここで決心したのだ。

『神埼さんの霊装反応が急速に拡大……これは……完全起動!!』

「……災禍を絶つ。私の命はそのためにある……!!」

強力極まる霊装の力――完全に解放したのであれば、それは霊装使いの命をすら食らう。
この瞬間、神崎は自らの生命力を霊装へと注ぎ込んで力へと変換し……“目の前の敵を巻き込んで自爆しようとしている”のだ。
ただし、神崎は無防備で立っている。動いては居ない。ならば手段次第では逃げることも……止めることも出来るだろう。

/お待たせしました、お返しします!
22澪月 イナ◆</b></b>0Ur0ZYylRM<b>[] 投稿日:19/11/19(火)20:14:50 ID:0PO [1/5回]
>>19

夜空に流星が駆ける。いや違う星ではない。
残光のアーチを描きながら飛翔するのは霊装使い、盾の担い手にして雷霆の名を冠する者。

脅威の殲滅に現れた彼女は、然し脅威は既に同胞の活躍によって駆逐されたことを知る。
それは良いことなのだろうけど、ここまで飛んできたのに何も成さないのは少しだけ残念である。
どうしたものかと夜空を高速で旋回しながら思案すること僅か数秒、名案を思い浮かんだ彼女は早速思いつきを実行に移す。


《申請が認可されました。現時刻を以って対象区画に於ける模擬戦闘の実施を許可します》


通信端末から宣告されるのはオペレーターの事務的な台詞。
そして天空より舞い降りるのは、翠光を纏いし紺碧の霊装ーー《葬雷・ケラウノス》とその使い手。
そして澪月イナは蜂鳥空の眼前に着地すると、真紅の眼を彼女に向ける。
ついでに手にしている大型電磁砲の銃口も向ける。


「れっつ、どーんと、模擬戦」


電磁砲がぶっ放される。
因みに仮に命中しても凄く痛くて凄く痺れるだけの模擬戦用威力調整済み。
23雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/19(火)20:17:09 ID:TMh [2/3回]
>>20

「人殺しを躊躇う事の、何がそんなにいけないのさ!」

屈んだ体制から足を前へと踏み込み、踏ん張りながら身体を起こして。
左の扇に絡みついたワイヤーを、咄嗟に右の扇で断つ。
一瞬の出遅れに歯噛みしながらも追撃の一手へと更に前進を。

「(狙いは足と腕、命まで奪う必要は無い、無力化さえ出来ればそれで……!)」
24蜂鳥 空 ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/19(火)20:31:54 ID:64r [2/5回]
>>22

「は?」

あまりにも当然な発砲、ある種の常識や社会性を持ちそれを行動における規範とする彼女にとってそれは考えられないものであり。

「あ゛ばばばぱばばぱばばばば!!?」

喰らって派手に感電、点滅する様は漫画のように骨が見えるのではないかというくらい100点満点の様相。
ひとしきり痺れ痛みに呻いた後、イナが次の動きに移ろうかというタイミングで埠頭に笑い声が響いた。

「ふッざけんじゃないわよ、ビリビリィ……!
いい加減殺されたいわけ……!?じゃなきゃこんな事しないわよねェ……!?
えェ!?いつもいつもいつもいつも……!!」

本来笑いというものは牙を剥く表情に由来する攻撃的なものである。
それを表すかのように怒りを、それも普段から悩まされ積み重なったそれを発露させるように叫べばチェーンソーの出力を模擬戦モードに切り替える。
それと同時にスターターロープを全力で引けば先端をコーティングされた鋸刃が重く響く唸りを上げる。
そしてもう一つのロープを引く事で刃の側面から炎が噴き出、それによって初速を得ながら疾駆。
勢いをそのままに振り下ろさんとチェーンソーを振りかぶった。
25ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/19(火)20:33:02 ID:mOt [1/1回]
>>23
掛かった……!!そう思った瞬間、両手を地面に着いて、全身を躍動させ、思い切り体を刎ねあげる。
その瞬間、振り子のように踵の刃による牽制を同時に放つだろう。当たらなくてもいい、追撃を諦めさせるのだ。
着地と共に片手にアロンダイトを握ると、ブースターを噴射し、それによって無理矢理、更に距離を作った。

「ダメじゃねえさ。でも、オレ達と戦うなら……!!」

その精神自体はベアトリクスとしても頷けるものだ。
だが、霊装使いとして、霊装使いと戦うのだとしたら……ラグナロクと戦うのならば、やはり勝敗を決めるのは、覚悟の差になる。
……身体に張り巡らされている、血管の如き赤色が広がっていく。自身を襲った頭痛に、忌々しげに表情を浮かべて。

「……効いてきたな。タイムリミットかよ!」

このまま暴走するのは宜しくないだろう。
周りにはアームズ、相手には大きくダメージを与えられているわけではない。仕留め切れるなら戦闘継続しても構わないが……。
完全に暴走するまでのリスクを数えると、あまり得策ではないか。

「お前の顔は覚えたぜ、まな板女!!次はぜってえぶっ飛ばしてひん剥いてやるからな!!ばーか!」

一先ずは撤退しようと試みるのだ。
アロンダイトのブースターを起動……それを握り締めると、そのまま空へと舞い上がっていこうとするだろう。
このまま逃すと言うのであれば。彼女へと中指を立てると言う、血の気の荒い置き土産と引き換えに逃げ出すだろうが。
26澪月 イナ◆</b></b>0Ur0ZYylRM<b>[] 投稿日:19/11/19(火)20:53:29 ID:0PO [2/5回]
>>24

澪月イナに常識と呼べる常識は全くない。いやもしかすると少しはあるかもしれない。
そして彼女の言動に引っ掻き回されてしまうのは、最早アイアス内である種の名物と化している。
そんな霊装使い澪月イナ、そんな彼女が組織に受け入れられている理由の一つは間違いなくその実力。


「ビリビリじゃないよ、澪月イナだよ」
「……大丈夫?機嫌が悪いなら模擬戦で気分転換しよう?」


天然度数の高い台詞を言いながら、その左手に握られるのは柄しか存在しない剣。
次の瞬間には電撃が弾けて光の刃を形成する、これこそがケラウノスの近接武器スパークエッジ。
火炎の回転刃と翠雷の線香刃が衝突して目も眩むような光が爆ぜた。

加速の差によってイナのケラウノスは後方に吹き飛ばされる。
と思いきやすぐさまターンして急加速、幾つもの翼を広げて翠の光を強く輝かせる。
放電攻撃、幾つもの電撃が蜂鳥を包み込むように放たれて、その行動範囲を制限すると共に。
ケラウノスは加速しながらスパークエッジを再び構えるーーと見せかけておもむろに電磁砲を彼女に向けてぶっ放すのだ。
27雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/19(火)20:58:44 ID:TMh [3/3回]
>>25

前進と共に鉄扇を回転させ、ベアトリクスへと切りかかる寸前。
跳ねる様に繰り出された一撃に、慌ててブレーキをかけ飛び退いた。

「くっ……!」

掠めた刃が僅かに鼻先を傷つけて、鋭い痛みに眉を顰める。
二度三度とステップを踏み後方へと退避、間合いは十二分に離されてしまうが。
溢す息は、撤退を選んだ少女への、ある種の安堵が混ざっている。

「んー、私より年下に見えるのに、私よりよっぽど覚悟が決まってる。
 ……良い事なのかな……良い事だとは思えないけどなぁ」

舞い上がる少女とその置き土産へむっとした顔で一度鉄扇を振るう、極小さな火の玉がその後を追い飛び出した。

「まな板言うな、ひん剥く言うな!」

追撃と呼ぶにはあまりに小さい。

//では〆でしょうかー。
28 : ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/19(火)21:00:20 ID:Tew [4/6回]
>>27
/はい、それでは〆で!
/ロールありがとうございました!!楽しかったですー!
29蜂鳥 空 ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/19(火)21:08:59 ID:64r [3/5回]
>>26

「知らないわよ!いや知ってて無視してんのよ、わかんないわけビリビリ!?」

そな理不尽の裏にあるのは撃墜スコアに対する嫉妬であり、それを本人も認めるところではあるが決して対外的にそうだとは言わない。
なので尚更理不尽にしか聞こえないだろう、本人もキャラクターとしてそれを良しとしている以上空からイナに対する当たりはキツいものとなる。


「気分転換ねぇ……
じゃそこ動くんじゃないわよ、非殺傷モードとはいえ当たりゃ泣くほど痛……言ってるそばから動くんじゃあないわよッ!」

要するに「ストレス発散の的になれ」宣言を放つも、相手は当然ながら聞く耳持たない。
そうして放たれた放電が自分を狙ったものでなく左右への回避を封じるものであるとわかった以上、ムダに動いてわざわざ被弾する事もなく次の動きを待ち受ける。
そして、回避を封じれば当然飛んでくる本命。
相手の器用さも万能さも知っているからこそ構えを取り待ち受ける。
斬撃に見せかけて撃ち込まれる電磁砲。
大出力からくる威力を風で感じながらもチェーンソーを構えて半身になれば、
タイミングを合わせるように片足を上げ、そして横振りの一撃がインパクトする瞬間に踏み込んだ。
渾身の一本足打法、華美な装備を持たぬ空が持つ基礎能力を活かした迎撃は弾頭を纏う磁界ごと溶断させ二つに裂き、
弾に追従する暴風が分かたれ埠頭のコンクリートと大気を揺らした。

「今度はこっちの番!」

そのフルスイングの勢いのまま、独楽のようにスラスターを噴かせ回転しながら迫っていく。
無策にて当たれば弾き飛ばされる程度の衝撃と痛みはあるし、そうでなくても生半な迎撃は両断されるのが見て取れるだろう。
30澪月 イナ◆</b></b>0Ur0ZYylRM<b>[] 投稿日:19/11/19(火)21:38:36 ID:0PO [3/5回]
>>29


「……ビリビリじゃないのに……」


分かりやすく落ち込んでいる、この風変わりな少女には、蜂鳥の内心を理解することはできないのだろう。
そして落ち込みつつも動きに一切の支障がないのは、戦闘に関してだけは天才的だと呼ばれる所以。

翼を折り畳み、急加速、急接近。そして接触衝突の寸前にて、地面に向けて勢いよくスライディング。
横回転するチェーンソーの真下を目前の距離にて潜り抜ければ、すぐさま姿勢を引き起こして再度翼を展開。


「ストライク、バッターアウト。つまり次は、私の打順」


発光量が更に増す。この光は只の装飾ではなく電気の発振器にして増幅装置。
そして増幅した電気は全て電磁砲に注ぎ込まれて、砲身が展開して大出力砲撃体制へと移行する。
そして砲撃が解き放たれた。地上ではなく空に向けて。

《Electro Airstrike》

空中に伸びた極太の閃光は、ある一点に到達すると同時に幾つにも分岐して地上へと軌道を修正する。
そして蜂鳥へと目がけて、雨嵐に暴れ狂う雷霆のように連続で降り注ぐのだ。
言ってしまえば彼女の必殺技の一つ。それも広域をぶっ飛ばして避けさせない為の大規模攻撃。迎え撃つには回避よりも防御の方がまだ正解だ。
当然威力は模擬戦用とはいえ、手加減や自重という概念は明後日の方向へ裸足で逃げてしまった後。
31蜂鳥 空 ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/19(火)21:55:08 ID:64r [4/5回]
>>30

「ざけんじゃないわよッ!?」

大出力を通り越した大災害に、思わず口から出た呪詛が空に弾ける雷音にかき消される。
シウ・コアトルもこういった範囲攻撃は持ち合わせていないし防御能力も当然持っていない。
近寄って、斬る。
攻撃しか出来ないのだ。

「……ホント、後で手当て出るんでしょうねコレ…………?」

そうでなければやってられない、具体的には駅前のタピ屋でクリームやら盛りに盛らねば未成年飲酒に手を出してしまいそうなくらいだ。
空から放たれる雷霆に恨み言をぶつくさ言いながらも、改めてスターターロープを全力で引く。
刃の熱がその色を赤からターコイズを思わせる青へと変わり、回転の速度もより速く強く理不尽なものへと変貌していく。

「私は斬ることしか出来ないっつーのにアンタらはホントに器用で強いしオマケに映える……!
でもね……私は斬ることなら出来んのよ、大抵のモンはねえぇぇぇぇッ!」

負けじ劣らじ最大出力、大上段に構えたチェーンソーを全身で叩きつけるようにして迫る雷霆目掛け振り抜く。
これこそが私の全力の攻撃による防御、回避を許さず降り注ぐ雷霆を避雷針じみて引き寄せ、そして物理法則やらなんやらを完全に無視しながら斬り裂いていった。

「ざっけんじゃ……ないわよぉぉぉぉぉッ!!!」

基部のラバーパーツが弾け飛び、身体に走る電撃に歯を食いしばって耐える。
コンクリートを踏みしめ、身体を前傾にし、そうしてチェーンソーを振り抜き雷霆の全てを一刀の元に切り捨てた。

荒く息をつく空からはぶすぶすと黒煙が上がり、ライダースーツのような装甲服は所々を破き露出度を増している。
だが、感電によりすぐには動けぬはずのその身の中で顔だけは爛々とイノを捉え、そして笑っていた。
32澪月 イナ◆</b></b>0Ur0ZYylRM<b>[] 投稿日:19/11/19(火)22:15:46 ID:0PO [4/5回]
>>31


「手当なら大丈夫だよ」
「怪我が治るまで、ちゃんと私が手当してあげるから」


挑発としては百点満点の台詞を悪意もなく本心から言ってのける天然少女。
そうして蜂鳥が雷霆の嵐を文字通り斬り伏せる姿を見届けたなら、とても嬉しそうに笑みを浮かべるのだ。

排熱中の電磁砲を潔く手離すと、二刀目のスパークエッジを握り締めて、二刀流の構え。
万能機じみたケラウノスであっても、近接戦闘の一点に特化した霊装に近接戦闘で挑むには流石に分が悪い。
だから全力を飛ばしてぶつかる必要がある。機体の発光が更に高まり、そして奥の手が解き放たれようとした瞬間。


『……おいコラビリビリィ!!お前演習で無闇矢鱈に火力出すなって前言ったよなァ!?中止だ中止今すぐ帰ってこい!!それから反省文五十枚は覚悟しとけよ!?』


通信回線に入り込むのは管制室からの怒鳴り声。それはノリと勢い任せに必殺技ぶっぱを敢行したイナに対する反省文という名の死刑宣告。
同時にこれまで発令されていた演習区画指定が強制的に解除され、これ以上の模擬戦闘は規約によって禁じられることになる。

なんとも呆気ない終わり方である。何方が敗北者かと決めるのなら、色んな意味で澪月イナの圧倒的大敗に違いない。
反省文五十枚。その単語を聞いた瞬間から澪月イナの言動の一切合切がストップしていて、再動までに数分間の時間を必要とする。
やがて、何とか復活したイナはその目を蜂鳥に向ける。これまでの超然とした態度は消え去って、懲罰に震える小動物みたいな表情で。


「……………………………………はんせいぶん」


その目は涙を溜めてこう訴えていた、"助けて"と。
33蜂鳥 空 ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/19(火)22:34:26 ID:64r [5/5回]
>>32

「気に入らないのよ……あくまで手当てしてやる側って上から目線ッ!」

もはや言い掛かりに等しいレベルの暴論と共に再び刃を赤熱化させようとスターターロープに手を伸ばし、空振りそのまま倒れる。
初撃に加えあれほどの規模の電撃を喰らいよく考えれば立っていたほうがおかしいくらいなのだがだからといって倒れる事は納得いかない。

「……ちッ、今回は管制に助けられたってワケ……?
つーかどうなってんのよ、このビリビリの扱いは……!
聞いてんでしょ管制、出すモン出さなきゃ許さないわよ……!?」

とてもではないが独断専行の常習犯ゆえにイナと同じく管制からは問題児扱いされる人間のセリフではない。

そして反省文を叩きつけられたイナの様子を見るや、そこでようやくふらふらと立ち上がる。
そして息を大きく吸い込むと、満面の笑みで叫ぶのだった。

「ざまあ────────!!!!!」

蜂鳥空、性格は最悪、友人の少ない理由がここに集約さされるのだった。
34 : 澪月 イナ◆</b></b>0Ur0ZYylRM<b>[] 投稿日:19/11/19(火)22:44:04 ID:0PO [5/5回]
>>33


「え、だって」
「友達の怪我を心配するのは、当然のことでしょ?」


まさかの友人認定。果たして何時からこの恐ろしい認定はくだされていたのだろうか。
しかし結果的に澪月イナは反省文五十枚の大敗北を喫して、友人認定した相手からは満面の笑みを頂戴する。
暫くはぷるぷると震えていたが、現実からは逃げられないことをイナは知っている。

この間やらかした時は反省文三十枚だったので、今回もきっと何とかなるだろう。
悲観的気味な楽観視で気持ちを立て直せば、思い出したように蜂鳥を見つめ直して。
おもむろにずかずかと歩み寄って距離を詰めれば、身長差的に見上げる形になるのだ。


「…………ビリビリじゃない、澪月イナ」


若干不機嫌そうにそう呟いたら、翼を広げて急速上昇。
ケラウノスの運動性能を存分に発揮して、先行して帰還するのだった。

そうして残されるのは蜂鳥一人と割と破壊されてしまった周囲の光景のみ。
そんな出鱈目で傍迷惑な、アイアスの問題児達の日常風景なのであった。

//では、これで私からは最後です
初ロールありがとうございました!
35西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/19(火)23:02:55 ID:Tew [5/6回]

対特殊生物災害対策組織“アイアス”本部。

「……蜂鳥さんと澪月さん、またなにかしたのかな……?」

幾つかのダンボールを重ねて抱え、ポニーテールを揺らしながら、少女が廊下を歩いている。
アイアス内には様々な施設がある。食堂からトレーニング施設、簡単な医務室から本格的な治療や手術を行うことが出来る場所まで。
休憩室や仮眠室、自動販売機、研究施設まで……霊装使いのバックアップのために欠かせないものを、とにかく詰め込んだのがここだった。
そして今回の少女、西條夏鈴の行き先は医務室で。役割は、この段ボール箱を送り届けることだった。

「怪我がないと良いけれど……霊装使いの皆は、無茶ばっかりするんだから……わっ、と、と」

ちょっと愚痴気味になりながら、廊下を歩いていく……段ボール箱の中身は軽いものであったが。
霊装使いでもない少女の細腕では、それなりに腕に負担が来るもの。それに廊下に置かれた長椅子の脚に、爪先をぶつけてしまう。
今にもバランスを崩して、転倒しそうになりながらその場でフラついているのだった。
36曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/19(火)23:13:18 ID:lmj [1/1回]
>>21

「で?理解できないから消えろとか、そっちもそっちで超自己チューじゃん」

誰かを巻き込むことへの逡巡など、とうの昔にやり終えた。
誰にも理解されずとも、そう言う生き物として生きる。
霊装を手にし、テロ組織へ身を落とした時から決めたことだ。
そしてその生物としての本能が、生きるために目の前の女を爆ぜさせろと叫ぶ。

「キモっ!?何、こいつ」

人一人吹き飛ばすには十分すぎるだけの威力を、先ほどの爆発は持っていた。
それが直撃し微かにも揺らがないというのは、霊装を考慮しても常軌を逸している。これも、強固な信念のなせる業か。
反動により、逆に数m吹っ飛ばされ、ヨロリと膝をつく。
「爆発」を扱う霊装を取り込んでいるせいか、何をしようとしているかは直感的に理解できた。口元を歪め、嗤って。

「ホント、マジキモ過ぎ。マジ、ウケる……そういうことすんなら、手伝ったげるよ」

そう言うと、ぼとぼとと手元から大量のダイナマイトが地面へと落ち、足元からはゲル状のニトログリセリンがにじみ出て、神埼と炎乃火の足元を浸していく。
霊装の完全開放による自爆に大量の爆薬が加われば、その威力は彼女が立つビルどころか周囲一帯を崩壊させてなお余りある。
その猛威は神埼と炎乃火だけでなく、彼女にとっての守るべき人々をも巻き込むだろう。
それに気が付かず、あるいはそれを理解した上で炎乃火という怪物を殺すことを選ぶならば、結局のところ彼女が炎乃火の言うところの「キモイ」存在……求めるものが「独りよがりな正義」というだけの、炎乃火の同類と呼びうる存在となるだろう。

危険性を察し自爆を止めたとしても、スラスターへの点火レベルの火気、鋭い一閃が何かにぶつかった時の火花一つで大爆発を引き起こすニトログリセリンが撒かれてしまった時点で、迂闊な行動への強烈な牽制たりうる。
顧みるものがある神埼と、欲望を満たす為なら何も顧みない炎乃火。この一触即発の土俵で、どちらが有利となるかは火を見るよりも明らかだろう。

自身もまた災いとなり災厄を断つか、人間として災厄に呑まれるか。
仕掛けられた悪辣な二択に、突破口は存在するだろうか?

//遅くなりました、返信です
//きわどいキャラを使っておりますので、不快な部分がありましたら遠慮なくおっしゃって下さい……!
37西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/19(火)23:34:53 ID:Tew [6/6回]
>>36

……腸を掴んで揺さぶられるような感覚は、気のせいではない。
寧ろそれで済んで運が良かったと言ったところだろう。腹の装甲は殆ど砕け散って、内側の皮膚は禍々しいばかりに火傷に苛まれている。
しかしそれは問題ではなかった。生命活動をここで終わろうとも、目的を達すれば、人々を守れば少女にとっては無問題なのだから。
神埼の生命力を使えばこの幾つかのフロアは吹き飛ぶだろうが、恐らく今頃は効果範囲の外を必死に彼らは駆け下りている頃だ。

「……何?」

そして今正しく、その生命を爆発させようとせんとした時に、彼女の言葉が手伝って状況に気づいた。
足元にあるのは液体。その口振りから恐らくは、爆発物の霊装を起源とする何らかの機能。
恐らくは、それを用いれば神埼の想定している以上の爆発が起きる……ということだろうか。そうなれば、軽率に爆破することなど出来ない。
どころか、戦闘行動に槍を用いることすら出来ない。

「……やってくれたな、貴様。やってくれたな……!!」

そうなれば、完全開放も中止せざるを得ない。霊装使いの力で槍を振るえば、火花などいくらでも散らせることが出来る。
霊装由来の何に反応するのか、神埼には知る由もない。それ故に……正しく、射殺すように彼女の睨みつけた後、大槍を手放した。
これで神埼から武器は失われた。ぐいと拳を握りしめる。爪が突き刺さり、血が滲むほどに……そして、一度その瞳を閉じた後。

「お陰で少し――頭が冷えた!!!」

……握り固めたその拳を、全力で彼女の顔面へ叩きつけようと振るった。
火を使わず、火花は起こさないように、武器は捨てられた状態で振るわれる力。それはあまりにも純粋な拳による殴打であった。
ボロボロの状態から、その身体に漲る力の全てを叩きつけようとする……既にひどく消費している身体、完全開放に代わって……恐らくこれが最後の一撃になる。

/こちらは大丈夫ですよ!こちらこそなにかありましたら遠慮なく仰って頂ければ!
38曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/20(水)00:51:53 ID:kiK [1/2回]
>>37

「……ふーん」

彼女の選択に、表情が消えていく。
怪物になってでも殺すという意思があるわけでもなく、想像もつかない奇策があるわけでもなく。
2人の命全てと引き換えにした爆発を、本能が求めていたそれを見そびれた。
そのことは、ここまでヒートアップしていた彼女を急冷するには、あまりにも十分すぎた。

「盛り上がっちゃってるけどさ、こっちはあんたのせいで湿気ちゃった」

まるで、ただの人間にに付き合ってなどいられないといわんばかりの表情。
各所の骨が砕け、立っているのもやっとの状態。防御態勢など、望むべくもない。
しかし、全てを終わらせる準備は彼女が逡巡する間に終わっていた。
彼女が拳を振り被ると同時に、ほんの小さな、しかし致命的なそれ──火が付いた手のひらサイズのダイナマイトが一つ、手から零れ落ちる。
それは、あまりにも軽率に。

「この世から抹消されるのは、アンタの方」
「つーまーりー……いーかげん、死ね☆彡」

怪物に、人間の手は届かない。
渾身の一撃が届くまで一寸、足元のニトログリセリン、更に連鎖して散りばめられたダイナマイトが爆ぜ、爆炎が二人を包み込む。
同時に建物が軋み、立っている床が崩れ出す。完全開放には及ばずとも、この建物をめちゃくちゃにしてしまうには十分だ。
当然、炎乃火自身も無事では済まない。爆風に煽られ、ビルの外へと吹き飛ばされる。

(……あぁ、物足りないなぁー……)

痛むからだ。薄れゆく意識。解ける武装。
相手がどうなったかもわからない、霊装の回収も結局できてない。ナマイキベアトリクスになんと言われるだろうか。そもそも生きていられるだろうか。学校の課題が終わっていない。
完全開放によってみられるはずだったものよりずっと小さいであろう爆炎をその目に映し、とりとめのないことを考えながら、地面へと落ちていく。
残っているアームズに貪られるか、アイアスかラグナロクの応援が間に合うか、はたまた誰にも見つからずに炎と瓦礫の中に消えるか。どうなるかは、神のみぞ知る。
39清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/20(水)01:08:30 ID:cSH [1/4回]
>>35

「そやなあ。最前線で切った張ったのわやくちゃ三昧、ほんにせわしないお人達やわぁ」

誰に向けられるでもない独り言を、通りがかった一人の少女が拾った。
ゆったりと間延びした発音の京都弁。けれどその穏やかな響きには、裏腹な毒気が見え隠れしていて。

「おはようさん、夏鈴はん。今日も今日とてお疲れさんどす」

後ろから夏鈴の隣に並びつつ、微笑を浮かべて挨拶。
口で労いはすれど、転びそうな身体を助け起こしたり、荷物の一部を引き受けたりはしない。
それが霊装使いである以前に、清水谷織衣という少女を定義する振る舞い。
猪突猛進な仲間たちとは別のベクトルで、この基地の〝問題児〟である――やりたくないことは、本当にやらないのだ。

尤も今は悪名高い彼女も手持ち無沙汰ではなく、一冊の本を抱えている。
ちらりと見えた表紙には、『アームズ群体の行動と研究』というタイトルが書かれており、どうやら仕事に関連するものらしかった。

//まだいらっしゃれば……!
40◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/20(水)01:21:46 ID:sHa [1/6回]
>>38

爆発。爆風と共に身体が跳ね出され、焼かれていく。
腕どころか、足が千切れ飛んでいく感覚を直に味わっていた。痛覚が麻痺していたのは幸いだったか。
してやられたということだ。今回は完全に敗北した、だが……それでも落ちていく最中に瞳に映るものがあった。
オフィスビルの下、逃げ出していく社員の数々。それを見届けたならば、少女は満足して、空中で笑っている。

「……だったら、私の……勝ちだ……」

身体が吹き飛ぼうが、焼けようが、朽ちようが、結局はそこに着地する。
勝敗の基準をそこに置いてしまえば……なんと素敵な勝ち逃げになろうか。こうやって五体が吹き飛ぼうと誰にも何も言わせない。

『急げ、急げ!!蜻蛉切と……神埼君を回収しろ!!すぐに!!』

耳元から聞こえてくる管制塔からの声。間に合うだろうか、それは今はどうでも良かった。
確かに手に入れた勝利を噛み締めて、今度こそゆっくりと瞼を閉じる。


「――何だお前、ボロボロにされてやんの」

アロンダイト共に、空中を駆けるベアトリクスが、炎乃火の身体をコンクリートが受け止める前に小脇に抱えた。
そんな彼女へと向けて悪態をつくかと思えば、うーん、と渋い顔をしている。
高速航行の中、思考速度だけは人間のそれと変わらない。過ぎ行く景色を見やることもなく、空へと消えていきながら。

「ま、オレが拾ってやっただけ運が良かったと思えよ?」

落とし所としては、そんなものだろうと。彼女へと言って、それで彼女に届く言葉は終わりだろうか。


/それではこちらからは〆で!絡みありがとうございました、お疲れさまでした……!!
41曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/20(水)01:29:14 ID:kiK [2/2回]
>>40
//ロールありがとうございました、こちらも〆で
//至らないところはなかったでしょうか
42◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/20(水)01:31:40 ID:sHa [2/6回]
>>39

「あ、あぁぁー……!!」

べちゃあ、と結局地面に倒れ伏すことになる少女。幸い対して打つことはなかったが……箱の中身は散乱することになる。
軽いものだ、ティッシュペーパーやガーゼといった軽いものが、見事にそこらに散らばってしまったのだ。
少し膝を痛めて、それをすこし擦りながらもゆっくりと立ち上がり……流麗に毒を吐く少女へと、意識が向かっていくのだった。

「おはよう、清水谷さん。清水谷さんもお疲れさま」

散らばった一つ一つを拾って、段ボール箱に詰めながら、微笑を浮かべる彼女へと向けて、少女は微笑みを返すのであった。
問題児の多いこのアイアスであったが、彼女の問題児加減はまた質の違うものである……とは言え。
言動や行動はともかくとして、夏鈴は手伝われないこと自体は気にすることは無かった、取り敢えずは何も言うことはなく。

「……勉強してたの?」

彼女の持っている本、そのタイトルが目に入って、彼女へと口に出して聞いてみる。
それからまた、片付けを再開する。無論、意識は彼女へとしっかり向けながら。

/大歓迎です、お願いします!
/ただ、次の返信は明日になってしまいそうです、申し訳ない……!!
43 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/20(水)01:32:00 ID:sHa [3/6回]
>>41
/大丈夫ですよ、お気になさらず!楽しかったですよー
44清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/20(水)02:52:28 ID:cSH [2/4回]
>>42

「そや。敵の手管はよう知っとった方が楽でけるやろ」

清水谷織衣が勉強に励む――という様子は、普段の様子や伝え聞く噂からは想像しづらいかもしれない。
なにせ訓練の内容に応じて露骨にやる気を出さなかったりするし、今でさえ少しばかりの善意でこなせる苦労を避けるような人物だ。

「大刀契にはぎょうさん鉄砲が入っとるやさかい、全部効率的に動かせなあかん。
 『あぁむず』を一秒でも早うしばけば、そんだけ被害も抑えられるんちゃいます?」

だが、よくよく考えればそう不思議でもない。彼女の霊装『大刀契』は、現在確認されている中でもかなり大型で複雑な機構を有している。
合計16基の独立型思念誘導兵装ユニットを手足のように動かし、敵を殲滅する、いわば浮遊武器庫。
常人なら脳がパンクしかねない情報量を処理しながら戦うとなれば、ものぐさなりに真剣にならずにはいられないらしかった。

「うちかて、霊装使いのつとめを放るわけにもいかへん。代わりはおらへんし、ご先祖様もお見やすからなあ」

織衣は深く息を吐き、悩ましげに唇に指を添える仕草をした。
清水谷家はかつての華族であり、今なお資産家だ。時代錯誤な血筋への誇りと帰属意識を覗かせる。

「……夏鈴はんは、えろう立派やわ」

――だからこそ、〝霊装使いに非ざる〟夏鈴に対しては、ある種の好奇心を感じているのかもしれない。
義務でもない仕事のため奔走する少女を、慮るような訝しむような、玉虫色の視線が見下ろしていた。

//了解です!私も置きのつもりだったので気づくのと返信が遅れてすみません。今日はお疲れ様でしたー
45◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/20(水)20:32:32 ID:sHa [4/6回]
>>44

「……そうだね、敵を知り己を知れば百戦殆うからず……だっけ?」

彼女の意識は最もだろう。
アームズの動きや生態を知っていれば、より効率的な殲滅方法を最短で選択することが出来る。
霊装使いとしては、アイアス所属の戦士としては正しいことだろう……方向性の正しい努力、というやつなのだろうか。
西條夏鈴は、あまり霊装使いの戦い自体を好んではいないが……それを役目とするのであれば、ぐうの音も出ない。

「でも、戦いや勉強も大切だけど、他の人とも仲良くしなきゃダメだよ?」
「清水谷さん、勘違いされやすいんだから……勘違い……うん、勘違い」

そして、そこに見え隠れする少女の使命感……を何となく感じ取って。
それ自体はきっと立派なことなのだろうが、彼女の毒舌……というべきか。それは多分に、他人との関係性に亀裂を生みやすい。
余計なお世話かもしれない、叱るでもないが、ちょっとした注意喚起であった。

「……そうかな?皆は霊装使いとして戦えるけれど、私は出来ることがないから」
「こうやってちょっとでも多くお手伝いして……役に立たないとなって、思ってるだけだよ?」

彼女の言葉を素直に受け取って、ちょっと遠慮がちに笑いながらそう返した。
彼女や、他の人々は、皆が霊装使い、自分は違う。一緒に戦うことは出来ない、無力な存在だ……だから無力なりに出来ることを。
そう思って動いているだけだった。大変ではあるかもしれないが、戦うよりは余程、という感覚でいた。

/遅くなってすみません、凍結ありがとうございました!
/置きでも私は構いませんので、お好きなタイミングで返信をお願いします……!
46清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/20(水)22:12:01 ID:cSH [3/4回]
>>45

「勘違い?仲良う? ……ん、上手く付きおうとるやろ? うちはうち、よそはよそで。
 子供やないし仕事なんやから、べったりしとるのもじゃまくさいんとちゃうか?」

――と、口から出任せに孤高ぶってはいるものの、なんだか怪しい。
織衣は話し好きか寡黙かで言えば前者だし、今だってわざわざ夏鈴に時間を取らせている。
子供やない、と嘯きながらも、いつもミカンの皮剥きや部屋の掃除すら付き人に任せる有様は我儘なお嬢様そのものだと知っているはずだ。


「ふふ。あんさん、ほんまにおもろいわあ」

夏鈴の真っ直ぐな言葉を聞き届けると、織衣は唇を結んだまま気ままな猫のように笑った。
嘲笑──であっても彼女ならおかしくないシチュエーションだが、少なくとも声色は思いの外優しい。

「うちら霊装使いが戦うんは、多かれ少なかれ義務どっしゃろ?
 そやけど夏鈴はんは、いっこも強いられてはおまへん。あんさんの意志だけで『あいあす』に居やはるさかい、立派やと思うんどす」

「……『あぁむず』のえげつない記憶も、普通やったら忘れさせて貰うんとちゃいますかなあ」

名家に生まれ、戦士としての適正を見いだされ、敷かれたレールの上で(というには横暴が過ぎるが)進んでいく。
不満があるわけではない──むしろ、自分の価値を高めてくれた家柄と才能こそ、織衣が誇るものだ。

だからこそ、何も背負ったものが無く、むしろ常人ならモチベーションがマイナスになる状況でアイアスに留まることを選択した夏鈴は面白い。
見知らぬ異国からやってきた使節にあれこれと問いただすように、織衣は詮索とちょっとの揺さぶりを続ける。

//ただいま帰宅しました、これからは安定してレスできるかと思います!今夜もよろしくおねがいします
47◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/20(水)22:35:50 ID:sHa [5/6回]
>>46

「えーっと……そうじゃなくてね?私達、子供だよ?清水谷さんもそう」
「……だから、年相応に、みんなと仲良くしても良いんじゃないって思うの。付き人の人たちばっかりじゃなくてね?」

霊装の適合者は基本的に少女だ。それが失われる時期は人によって異なるが、少なくとも原則としては。
基本的にはまだ、子供の範疇に入るはずだ。それで無かったとしても、誰かと仲良くするということは、決して悪いことではないはず。
だから、彼女に付き従う人々と以外にも、交流を持っていいじゃないか……と持ち掛けるのであるが。

「面白くなんか無いよー、私は普通の人だから」

彼女の笑顔には悪い気はしていないようで、夏鈴が返す言葉のイントネーションはとても柔らかいものである。
京都の人々の言葉……皮肉は、夏鈴には難しいもので察するのが難しい。だから今回も、素直に話を受け取っているわけだが。

「……そうだね、忘れちゃうのは簡単だったけれど」

選択としては、そちらのほうが間違いはなかっただろう。
少しの記憶さえ消せば、またいつもの日常に戻ることが出来る。強制されたわけでもなく、忘れないことを選択したのにも理由がある。

「私のために戦ってくれた人がいて、私のために怖い思いをしてくれる人がいる。私は、そういう人たちを忘れたくないから」
「……清水谷さん風に言うなら、それが私の“おつとめ”だと思ったから。かな?」

彼女がノブレス・オブリージュに則るのとは少し違うが、知ったことを忘れずにいたい。
自分のために戦う人々を忘れたくないから、同じように肩を並べることが出来るわけではないが、少しでも助けられる手段を選択した。
それが嘘偽りない無い夏鈴の気持ちであり、揺さぶるまでもない……問われれば答えるような、隠すでもない本心だ。
48澪月 イナ◆</b></b>0Ur0ZYylRM<b>[] 投稿日:19/11/20(水)23:08:09 ID:uCt [1/1回]
久里峰学園、その最先端設備が誇る総合体育館にて。
普段であれば部活動の利用予定が途絶えないこの空間を、今日は贅沢なことにたった一人が貸し切っていた。

フロアの中心にたんと立つのは体操服姿に身を包んだ小柄なアルビノ少女、澪月イナ。彼女の手に握られているのは使い慣れた様子の木刀。
そして彼女を包囲するのは最新鋭のテニスボールマシン。投球速度、命中箇所、偏差時間といった諸要素を全て管理可能であるその機材の投球口は、全て澪月イナを狙っている。
何をしているかと言えばちょっとした訓練である。発想の根本から狂っているような訓練方法ではあるが。


「それじゃあ、スタート」


合図と共にテニスボールマシンが火を噴いた。もといテニスボールを噴いた。
機器同士が連携して速度やタイミングを絶妙にずらしながら、ターゲットである澪月イナを確実にノックアウトさせようと暴威を剥き出しにする。

その苛烈な脅威に対して、澪月イナは最小限の動作のみで冷静に対処していく。
その場から足を大きく動かすことなく、身体を僅かに逸らすだけでボールを回避して、回避が間に合わない物ものだけを的確に木刀の一閃で叩き落としていく。
決して単調な動作ではない。流動的かつ臨機応変に、回避と迎撃を連携させていく行為は、全てのテニスボールマシンが弾切れを起こすまで続くのだ。


「……ゲームセット、パーフェクトゲーム」


大量のテニスボールが転がる体育館の中心にて、澪月イナは最初と変わらない位置に立ったまま、かすり傷の一つさえ負わず。
体育館の入口に立っているであろう誰かに向けて、淡々と両手Vサインを向けるのであった。どやっ。

//凍結挟むと思いますがよろしければ
49清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/20(水)23:12:44 ID:cSH [4/4回]
>>47

「……、……あんさんがたがどうしょうと、清水谷の娘は高嶺の花やさかい。堪忍しとくれやす」

僅かに言葉を詰まらせた辺り、偏屈で孤立しかけている自覚はあるらしい。
尤も彼女は小さな頃から対等な対人関係をあまり経験していないから、自分でどうすればいいかも理解していない。
身に受けてきた嫉妬や敵意の感触を精査せずに全て生まれや才能へのやっかみだと解釈し、それをプライドに変換することで痛みを無視してきた。

「ふむふむ。夏鈴はんにとっての霊装使いは、うちにとってのご先祖様と同じかもわからんなぁ。
 ほんなら理解できんこともあらへんわ。単にかまい(構いたがり)やと思うとってすんまへんなぁ」

更に言えば、『共感』というのも織衣にとっては珍しい経験だ。それを抱くことも、向けられることも。

(……うち、よもや本気で謝ってるんとちゃう?)

自分の気持ちを定義できないまま――きっと恥ずかしいことだと思って小さく溜息をつく。
それから彼女は懐を弄って、レトロな造りのドロップス缶を取り出した。

「ほな、飴ちゃんあげますえ。手ぇ出しておくれやす。
 いつもはうち一人で全部舐めるさかい、ほんまもんの特別やで?」

にいっと、悪戯げに口元は弧を描いて。
謝りつつ、ささやかなプレゼントで立場としては有利に。――いかにも幼い意地の張り方だった。
50◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/20(水)23:33:05 ID:sHa [6/6回]
>>49

「もう……私はともかく、他の皆は、清水谷さんと同じ霊装使いなんだからね?」

夏鈴は自身と霊装使いの少女たちは対等ではなく、そこには絶対的な隔たりがあると考えている。
最前線に出て戦っている少女達は危険な戦いに駆り出される。それはあまり良くないことだとは思うが、それでも責務を果たすその姿は立派だと思う。
だから自分に対してはどうでも良いから、他の少女達とは仲良くしてほしいと暗にそう言っている……その間柄において家柄など関係ないだろうし。
彼女が心を開けば、分かり会える人たちはきっといると、思っているからだった。

「ううん、分かってくれたなら嬉しいな……でも、清水谷さんのほうが、立派だと私は思うけどね」
「ご先祖様のことは、よく分からないけど。実際に皆のために戦っているんだもの、すごいなぁ」

そして、彼女がどういうふうな態度を取ろうと、その一点だけは変わらない。
彼女は確かに立派で、他の霊装使いたちと違う、人々にとっての英雄なのだということは伝えておきたかった。
……もう少し、素直になることが出来たのならば言うことは無しなのだが。

「……あと、ちゃんと謝れたのは、第一歩かな?」

そして珍しく謝るということをした彼女へと、素直に褒めるのであった。
彼女がどう取るかはわからないが……この話し方だと、ちょっとした煽りと取られることもあるかもしれないが。

「……本当?じゃあ、一つもらおうかな。ありがとう、清水谷さん」

取り出されたドロップ缶に、少し首を傾げた。口元にいたずらっぽい笑みを浮かべる彼女へ、少し考えることもあったが。
すぐに微笑んで、素直にその手を差し出すことにした。彼女が渡すというのだから、小さな一歩だと思いながら。
51清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/21(木)00:03:16 ID:618 [1/1回]
>>50

「うちかて必要なら謝るぐらいのことはできますえ。ただ……滅多に間違えへんだけどす」

夏鈴の手厳しい指摘に、そっけない屁理屈を返す織衣。
だが謝罪を口にしたこと自体と、他人にからかわれる感覚で羞恥心を覚え、頬がうっすら赤くなっている。
彼女自身には見えていないので、自分が思う強かな振る舞いを続けているつもりなのだが。

夏鈴がドロップの受け取りを承諾すると、織衣は開いた掌の上で軽く缶を振る。
からから、こんこん、と飴同士がぶつかり合う音と金属音が混ざった涼やかな響きのあと、まろび出てきたのは真っ白な飴。

「あら、ハッカやわ。よう喋ったし、すうっとする味はええんとちゃう?」

(ぷぷ。これあじない(まずい)からいつも避けとるんよ。夏鈴はんのお陰で助かりましたわ)

……結局、人は一朝一夕で変わるものではないというわけだ。
とは言えハッカ味は一般に癖が強いとされるものの、言ってみればメンソール系なので、好きな人は普通に好きだろう。
織衣が他人に押し付ける厄介ごととしては、相当マシな方だ。

「……と、随分話し込んでしもうたわ。そろそろ戻らんと、本を読む時間がのうなるなぁ。
 夏鈴はんも、色々と運ばんとあかんのやろ?」
52 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/21(木)00:21:14 ID:xR4 [1/1回]
>>51

「そっか……じゃあ、まだまだダメかなー?」

今度ははっきりとからかいを含んだ口調で、彼女の屁理屈へと向けてそう返すのであった。
彼女はいつもどおりの振る舞いのつもりであろうが、外から見ている夏鈴からすれば、顔色で丸見えである。
少しずるいが、いつもは彼女のほうがずるいのだから、今回は許されるだろうとちょっとした仕返しであったという。

「……あ、ハッカ味だ。ありがとう、清水谷さん」

ドロップ缶の中で、一般的なイメージだとハッカ味は避けられがちだ。
あまり子供が好む味ではない為にそういうイメージが付いたのだが……これに関しては、やはり好みの問題だと言ってもいいだろう。
夏鈴は味に対して特に言及はしなかった。ハッカ味を外れだとは思わないタイプなのだ。普段からミント系のお菓子はよく口にしている為に、慣れ親しんだ味だからだ。
それを口の中にコロンと入れる。ころころと口の中で転がる飴は、なんだか久々な感覚だ。

「あっ……そうだった……」

『緊急連絡、緊急連絡。基地内の医療スタッフは直ちに集中治療室まで。繰り返します。基地内の医療スタッフは……』

突如として鳴り響く基地内放送。これは即ち、誰かが『集中治療室にまで入るほどの重傷を負った』ということに他ならない。
それが何者か。大体の想像はつくだろう。いつも運び込まれるのは……たいていの場合、アームズの犠牲者か、或いは……霊装使いだ。

「……急がないと。じゃあまたね、清水谷さん。あんまり皆に、変なこと言っちゃダメだよー!」

片付けたダンボールを重ねて持ち上げると、ドタバタと走り出しつつ、振り返りながら彼女へとそう叫ぶのであった。
走り去っていく少女は……またせわしなく、それを置いてからも。職員の手伝いに奔走するのであった。

/それでは、私からはこれで……ありがとうございました、絡み感謝ですー!
53 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/21(木)10:18:00 ID:Ywv [1/1回]
>>48
「わぁ……凄いね、澪月さん!」

Vサインを向けられた少女は、ぱちぱちぱち、と両手で拍手を送る。
体育館倉庫を貸し切りにする簡単な手続き程度であれば、今は夏鈴にも任されていたし、事実今回はその担当であった。
利用者とその目的も把握していたために。授業終わりの放課後に顔を出しに来て、こうして彼女に遭遇したわけである。
片手にはビニール袋、中にはジュース類やお菓子等の、ちょっとした差し入れを持ちながら。
テニスボールがもう動かないのを見ると、体育館の中へと歩を進めた。

「澪月さんは凄いって司令や色んな人が言ってたけれど……いつもこういうことしてるの?」

はい、これ。と差し出すのはスポーツドリンクだ。訓練の最中であるならば、これが一番良いだろうと。
どの道差し入れは置いていくつもりなので、彼女が求めるなら別のものを手にとってもいいわけであるが。
ともあれ、訓練に励む霊装使いの彼女へ、非戦闘員である夏鈴からの、せめてもの気遣いであった。
54ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/21(木)17:22:08 ID:g3R [1/1回]

日も落ちかけた時間帯、僅かな陽の光すらも届きにくい自然公園の木陰。
中々人目にはつきにくい場所で、ブツブツと小さな声で呟き続ける人影があった。

「……甘い、甘い、甘い……」

しゃがんでいるせいで長い髪は地面にべったりと落ちている。
厚手のコートで防寒を、プラスチックのスプーンを咥えたまま、零れる言葉は延々と『甘い』。
不審人物を絵に描いたような少女の手に握られているのは、大きめのアイスコーン上に大判焼きとたい焼きを並べて突き刺し、
アイスクリームと生クリームとチョコクリームとを隙間に敷き詰め、クラッシュクッキーやらチョコチップやらを散りばめた……。
一目見ただけでもウンザリする様な容貌の、得体の知れないスイーツである。

「高かったのに、甘いのに……あんまり美味しくない……嫌いよ、あの店、もう二度と買わないわ……」

過剰に飾り立てられた謎のスイーツを、それでもちびちびと口に運びながら。
不審な少女はぼやく、ぼやき続ける……。
55氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/22(金)00:34:43 ID:pGP [1/1回]
>>54

「ふぅ……」

風が冷たくなりつつなる中を、少し大きめの服を着た少女が歩を進める。
その手は、コンビニで買った缶のコーンポタージュというありきたりなチョイスのぬくもりを握る。

「こんなつもりじゃ、なかったんだけどなあ……」

希少な素質を持っていることが分かりアイアスにスカウトされたときは、まるで物語の主人公になったかのような気分になり、心踊ったものだ。
しかし、待っていたのは華々しい活躍などではなかった。
人類の敵と戦えるだけの戦闘能力を持たず、かといって全く使えないわけでもない能力を持つ彼女は、後方支援に回されることとなった。
後方支援と言っても、前線で戦う少女たちのうちの誰かや、有力者・権力者の影武者が大半だ。
今日もまた、自分の子供のアイアスでの活動を知らされていない親の前で、良い子を演じてきたところであった。

「…………いっそ私も、あんなふうになれたらなあ……」

暗い木陰にいながらも、大きなスイーツを抱え、何やらぶつぶつと呟く少女へ結花の視線が注がれる。
どう見ても世間一般に好まれるタイプの人間ではないことは分かる。しかし、悪名は無名に勝るのもまた事実。
あれだけイメチェンすれば、空気だけど便利みたいな扱いから脱却できるかも。
送られ続けるそんな考えと好奇心がないまぜになった視線、彼女は気が付くだろうか。

//置き気味になりますがまだよろしければ
56ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/22(金)12:12:54 ID:f9K [1/6回]
>>55

「なぁに?」

ぎょろりと、左右で色の違う瞳が、睨めつける様に結花へと向けられて。
プラスチックスプーンを咥えた口元、口角が吊り上がる。

「そんなに食べたいのならあげるわよ、甘味は過ぎれば地獄に変わるのよ、ひひひ」

肩を揺らして小さく笑い、片手でゆらゆらと手招く。
まるで地獄に道連れを求める亡者の如く。
好奇の視線には慣れていた、というより、それ以外の視線を向けられる方が珍しい。

「可愛い子、可愛い、貴方、ひひひひひ」

木陰に風が吹き込んで、長い髪が僅かに揺れた。
57氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/22(金)15:46:07 ID:Px7 [1/4回]
>>56

「ひっ!?」

突然向けられた視線に、ビクリと身体を震わせる。
不躾な目線を向けていたほうが悪いといえばそうだが、話しかけられるとは思っておらず、あたふたと慌てて。

「いえっ、その、珍しいなってだけでっ、別に、欲しいとかじゃなくてっ……」

眼鏡越しの目線はスイーツと彼女の間との反復横跳びを繰り返す。
手招きに一瞬躊躇った後、視線を合わせないようにしながら、木陰に足を踏み入れる。
目の前の少女ほどの奇人変人には、全くといっていいほど免疫がない。
 
「……そ、そちらこそっ……個性的、ですね」

縮こまったのは冷たい風のせいか、それとも。

「え、っと、あの、そのー……それ、どうですか」

最近ほぼずっと他人として過ごしてきた身としては、自分自身のことに言及されるのは座りが悪い。
話題をなんとか変えようと、彼女が手に持つスイーツを恐る恐る指差す。
58ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/22(金)16:16:56 ID:f9K [2/6回]
>>57

「珍しいのはどっち?
 私?それともこの『大判鯛焼き全部盛りクリームチョコアイスパフェ』?」

薄気味の悪い笑顔と視線は、下から目線でじろじろと結花を追いかける。
肩を震わせて笑い声と共にぐいぐいとパフェを押し付ける様にして。

「個性的、個性的、なんだか便利な言葉よねぇ、私と話したらみぃんなそう言うよ。
 そもそも私と話そうっていう人があんまりいないけど、あは」

ついでに、歯で噛む様に加えていたスプーンをパフェに突き刺す。

「甘味の地獄、気になるなら試してみれば良いのよ。
 ……世の中平等、公平が一番なんでしょう?あはぁ、だから貴女も味わえば良いわ」
59氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/22(金)17:22:22 ID:Px7 [2/4回]
>>58

「えっと、それは、その……」

どっちもと言いたいのは山々だが、いくらなんでも初対面の本人の前で言うのはどんな相手であっても憚られる。
しどろもどろに目を泳がせ、妙な圧力から逃げようとする、が。

「…………ごめんなさい…………」

負けるまでには、そう時間はかからなかった。
オブラートを完璧にひっぺがされ、ぐうの音も出ない。
完敗である。

「え、あ、いやその……じゃあ……いただきます……」

奇妙な威圧感に抗うすべは、彼女にはない。
恐る恐るスプーンでスイーツの山をすくい、口へ運ぶ。

「…………重たい甘さ、ですね」

餡と砂糖とチョコとミルクとバニラと、エトセトラエトセトラ。
猛烈な甘味が結花の口のなかで爆発する。
一口なら美味しいのだろうが、逆に言えば一口だけで十分だ。
例え二口目を進めても、慎んで辞退するだろう。
60ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/22(金)18:47:50 ID:f9K [3/6回]
>>59

「雑誌に載ってたし、高かったの、でも買って損しちゃった。
 いつだって情報に踊らされた人は痛い目に遭うのよ、ひひひ、教訓ね。
 ……もっと食べて良いのよ、遠慮しないで」

甘味を口にして重々しく呟いた結花の様子に、口角は更に吊り上がり。
唯一甘味が抑えられている鯛の尻尾を千切ってクリームを掬う。

「……アタシが怖い?私が怖いから、そうしておどおどしているの?どう?
 私は怖いかしら、怖いとしたら、原因は何?」

尻尾を口に放り込んで、唇についたクリームをちろりと舐め取った。
ほんの少し鋭くて、長い、蛇の様な舌だ。

「ひひ、あはは、私『個性的』って言葉が嫌いなの。
 悪い意味を込めても良い意味に聞こえる、使いやすい言葉でしょ?
 はっきり言えば良いのに、『お前は周りに合わせられないはみ出し者だね』って……あはぁ、あたし、全然気にしないわよ」

視線を逸らそうと何をしようと、薄紅と黒の瞳はじっと結花を見つめ続けている。
61 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/22(金)20:00:36 ID:PiP [1/2回]


「久里峰市内に多数のアームズ反応を確認!」

「大型を中心に、複数箇所に同時出現しています!人の多い場所ばかりです、このままでは……!!」

「更に未知の霊装反応を複数感知!!アームズの居る方角へと向かっています!!」

アイアス本部内にけたたましく響き渡るアラートの音。
管制室内のモニターには、無数の様々な反応が。チカチカと点滅し、中継されたモニターには大型のアームズを中心とした群れが街中で破壊を振り撒く。
更に未知の霊装反応……アイアス組織の内にデータの無い霊装の反応が幾つも出現。『ラグナロクの霊装使い』とほぼ同義であった。
下手をすれば、アイアスの霊装使いは大打撃を負うことになるだろう……だが、人類の盾である彼らには、そこで取るべき選択肢は一つしか無かった。

「……動ける霊装使いへ緊急出動を要請!!最大限のバックアップで、彼女たちの戦場を整えるんだ!!」

今、すぐに動くことの出来る少女達全てへと向けて、司令部より招集と緊急出動が彼女達へと通達されるはずだ。
人類を守る盾、アイアス――今こそ、その役目を果たすべきだ、と。



――ラグナロク有する空中空母にて、その所属する少女達の前に、彼女は姿を表した。
黒く、長い髪の女であった。病的なまでに白い肌に、なにか仄暗いものを否が応でも感じさせる黒い瞳。
そして顔の半分を覆っている火傷痕。その姿は彼女達には見慣れたものであるはずだ……彼女もまた霊装使いであり、また多くのラグナロクの者達の同類であった。

「大型アームズの出現を確認。アイアスも恐らくすぐに向かうことでしょう……それでは、皆様」

既にその旨は彼女らへと伝えられているはずだ……反芻は手短に、その女は、高い頭を深々と下げる。

「我々が望む黄昏の為、共に……参りましょう」

空母のハッチが開く。その下に見える久里峰市の町並みは、霊装使いという正しく超人達にとっては……無きに等しいものであろう。
彼女達もまた、戦いへと躍り出る筈だ。同じく超常を纏う少女達との邂逅のため……各々が抱える胸の内のために。
62西條夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/22(金)20:15:14 ID:PiP [2/2回]

「……始まったんだ……また、戦闘が……」

アイアス本部内……西條夏鈴はいつもどおり、職員の手伝いとして雑用に回っていた。
アイアスに所属することになった……とは言っても、ただの少女が詳しいことを窺い知ることは出来ない。
管制室に入ることは余程のことがない限り許されないし、戦闘となればいつも蚊帳の外……出来ることはほとんどありはしない。

「皆……大丈夫かな……」

清掃を続けることになるだろうが、然し今から霊装つかいの少女たちは戦いに向かう。或いは、もう既に交戦中かもしれない。
そう思うと、気が気でなかった。
気がつけば、モップを片手に持ったまま、エレベーターへと続く廊下を少女は歩いている。
管制室へと向かうには、最も手っ取り早い道である……時折職員が、忙しなく駆けていくのを、見送りながら。

/氷夢井結花さん宛の投下です!
/こちらは片手間で、雨野さんとの戦闘を優先しつつかえしていただければ幸いです!
63氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/22(金)20:17:58 ID:Px7 [3/4回]
>>60

「いえ、大丈夫です……」

進められるスプーンを、手に取ろうとはしない。
しかし、ここまで接してきたならば何となく察しはつくだろうが、押しに強いタイプではない。
もう一押しすれば、失敗を押し付けることは難しくないだろう。

「ごめんなさい……。た、多分普通じゃない感じがするから、そう思っちゃうのかもしれないです……ごめんなさい!」

失礼なことを言っていることは分かっているが、言わないという選択もまた良くない気がした。
びくびくしながら、しかし目を恐る恐る合わせ。
 
「……でも、ちょっとだけ羨ましいです。私、はみ出したくてもそんな勇気、ないですから……」

色の違う瞳。人より長い舌。エキセントリックな人格。
どれをとっても、滅多にいないと断言できよう。
対する結花は、どこをとっても平々凡々、量産大人しめ型女子高生。
唯一珍しいと言える霊装使いという個性さえ、その実態は「誰かの代わり」という有り様。
怯えながらも、その個性に対する羨望は、お世辞ではないということがにじみ出ていることが読み取れるだろうか。

//お返し安定せず申し訳ないです、イベントを優先していただいて大丈夫ですので……!
64イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[sage] 投稿日:19/11/22(金)20:22:47 ID:Zdr [1/3回]
久里峰市メインストリート、明日多通りに金属の砕け散る甲高い音が響き渡る
次いで小型アームズ数体が宙を舞い地面に叩きつけられ砕け散った

「…少々数が多すぎるのでは?」

アームズが吹き飛んだ中心地には短刀を振り上げた格好のまま、
インカム越しにアイアス管制室のオペレーターに不満とも質問とも取れる呟きを漏らす少女一人
単身群がるアームズを文字通り千切っては投げ千切っては投げを繰り返していた

「とは言えこういう時の為のグラトニーです、ご利用は計画的に」

霊装アゾットによって生み出された戦闘用人工生命体は一挙同一挙動の間に何か喋る
しかし新米の担当オペレーターが緊迫した状況で会話など続けられる筈もなく完全に独り言状態であった

「ガンガンいこうぜ」

ノーリアクションも意に介さず新たな相手へと突っ込むグラトニー
突っ込んだ先で面白いように小型アームズ群が弾け飛んでいく
しかし戦闘は始まったばかり、アイアス陣が懸念するラグナロク側の介入は未だないが…時間の問題であろう事はグラトニーも理解していた
65ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/22(金)20:48:23 ID:f9K [4/6回]
>>63

突如として、顔をずいと結花の鼻先まで近づけた。
細められた視線がまっすぐに瞳を見つめている。

「……別に私もはみ出したくてはみ出してる訳じゃないのよ?
 可愛いね、可愛いわね、私みたいなのを羨ましがっちゃって、あは、はひゃひ、はは」

吐息はバニラの香り、ニヤニヤと、浮かべる笑顔は相も変わらず。
ただその手が、結花の首元へと近付けられて。
もしも抵抗が無ければそのまま触れる、やや長い爪はともすれば首に食い込みでもするだろうか。

「『普通』は嫌い?『個性的』が好き?贅沢ね、贅沢で可愛いわね。
 でも不思議に思わない?貴女達の『普通』って、いったい誰がどんな基準で決めたのかしら」

言いながら、空いた手に握られたパフェをするりと結花の手に滑り込ませようとするのだ。

//こちらも返信遅く申し訳無いです、取り合えずこちらのロール、この辺りで〆という事で良いでしょうか……!

>>64

//少々お待ちください……!
66 : 氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/22(金)22:33:33 ID:Px7 [4/4回]
>>65
//連絡遅れ申し訳ありません、〆で大丈夫です。
//こちらのお返しは後ほど行わせていただきます
67ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/22(金)23:00:30 ID:f9K [5/6回]
>>64

『所属部署不明の霊装使いの介入を確認』。
その報告が彼女の無線から漏れ聞こえたであろう次の瞬間、ギャラギャラと金属がひしめく様な音が響いた。
グラトニーの頭上を舞っていたアームズ数体が、小さな雑居ビルの屋上から伸びた鈍銀色に、串刺しにされ霧散する。

「……あはぁ」

長い髪の少女、ベルナ・アルベルタは屋上の縁に腰を掛け笑っている。
ローブを起点とし、数体のアームズを容易く貫き砕いた『蛇』は、そのままグラトニーへと向けて真っ直ぐに襲い掛かる。

「ねぇ、蛇って好き?」

//お待たせしました、宜しくお願いします!

>>66

//急かしてしまう様な書き方になってしまい申し訳ありません、とりあえずお疲れ様でした……!
68イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[sage] 投稿日:19/11/22(金)23:13:48 ID:Zdr [2/3回]
>>67
「それは食的な意味ですか?」

態々物音を立て存在を知らせてからの襲撃
気づかない訳もないその一撃目をグラトニーは間合いに余裕を持たせて回避すべく後方に跳んだ

「他の意味であっても蛇とは接点がないので何ともと言った所ですが」

先ず間違いなく目の前の襲撃者はラグナロクの一員
しかしグラトニーは構えるでもなく会話を優先した

//日付が変わる位までになってしまいそうですが、お願いします
69ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/22(金)23:34:06 ID:f9K [6/6回]
>>68

「あっはぁはは、まず真っ先に『食』方面から聞くなんて、貴女は食いしん坊さん?」

跳躍するグラトニーの眼前、コンクリートを砕いて地面へと金属の蛇が突き刺さり。
けらけら笑うベルナは指を上空に向け、掻き回す様に振るった。
ゆっくりと、再び蛇が鎌首をもたげる。

「でもね、今日食べられるのは貴女なの、貴女は美味しいかしら、ひひゃひぁは」

今度は鞭の様に、大きくしなり、横薙ぎに振るう。
辺りの瓦礫が砕けて散らばった。
70イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[sage] 投稿日:19/11/22(金)23:44:23 ID:Zdr [3/3回]
>>69
「よく食べ、よく寝、よく遊ぶ、グラトニーのモットーです」

言いながらグラトニーが手にする短刀アゾットが大きく振り上げられると唯一保持する能力が発動される
刀身より放たれる『破壊力』は襲い掛かる金属の蛇を散らばる瓦礫ごと宙へと叩き上げんとする衝撃波となった
小型アームズが複数体纏めて打ち上げられていた正体がコレであった

「さて、どうでしょう?グラトニーは食用として造られていませんので」

戦いながら会話も進める
戦闘用でありながら色々と無駄の多い人工生命体なグラトニーであった
71◆</b></b>BDgSPyr9yjTF<b>[sage] 投稿日:19/11/22(金)23:46:33 ID:2TL [1/1回]
無数の意思なき怪物が、その門の前に現れた。逃げ惑う子供達を突っ切って一人。怪物へ向かう少女。
翡翠の瞳に確かな意思を込めて、謳う様に何かを口にしたならば。彼女の体から溢れる光が装甲を形作った
武骨な装甲の隙間から覗く歯車が犇めき唸り猛る。紛れもない霊装使いの姿。ただし───

そのまま怪物の群れの中心にて拳を掲げれば、出現したブレード・ギアが怪物の群れを凪ぎ払う。
そこに残るのは少女がただ一人だけ。
辺りを見渡して、両手を口に添えて、息を大きく吸って。

「───出てきなさい、正義ヅラした外道のバカアイアス!!」

叫ぶ。多分、なんの見に覚えの無い言葉を。

「邪魔物は消してあげたわ。
今日こそ、私の妹を返してもらうんだからっ!」

ラグナロクの手によって、アイアスこそが悪であると吹き込まれた彼女の振る舞いは、錯乱した狂人にでも見えるだろうか。
面倒なのはそれでも霊装使いに違いなく、放置するには余りに危うい。

//大変お待たせしました……
//神崎様よろしくお願いします
72神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)00:01:30 ID:jLw [1/18回]
>>71


手が足りないのならば、私が出ないわけにも行くまい――そう言って、無理を押し通し、神崎は戦場にやってきた。
霊装・蜻蛉切の装甲を身に纏い、少女は現れた。長い、何処までも長大な槍を右の手に握り締めて、そこに立っている彼女を睨みつける。
蜻蛉切の無骨な霊装、その隙間からは赤く染まった包帯が見え隠れし、特にその左肩と左足に関しては、何重ものベルトで固定されている。
見える素肌は酷い火傷に覆われている。その顔貌すら、それに蝕まれているが。

「――そう急くな、すぐに行くとも」

――アームズを先に彼女が消したのは、神崎としても好都合であった。
相手は一体に集中することが出来る。ラグナロクは無視してもいい、というのは司令の判断であったが……眼の前にいるそれは。
どうにも、無視をしていい相手とは思えなかった。このまま暴れられてはそれこそ、困る。

「……妹?何の話だか知らんな……」

神埼千華は、アイアスに所属して長い。
教官の真似事も、時に司令代理として霊装使いに言伝を運ぶこともあるが、誰かの妹を隔離している、などというのは聞いたことがない。
それに、彼女の霊装は『識別不明』だ。少なくとも、元身内だとか、そういうことではないのだろうが……。

「まぁ、いい。覚悟しろ黄昏共、この蜻蛉切、生半な剣は触れることも叶わせん」

その切っ先が彼女へと向けられる。
戦いの火蓋は今正しく……神崎千華の、この距離を一息に縮める一足によって切られ、最初の一撃が彼女の脳天を狙い、振り下ろされた。

/こちらこそ、よろしくおねがいしますー!!
73ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/23(土)00:01:38 ID:MWk [1/7回]
>>70

「私のモットーは『寝て、食べて、暴れる』よ。
 似てる、似てるわね、奇遇ね、あははは、ひひはははは!」

衝撃に弾かれた蛇が雑居ビルの壁に叩きつけられて、支柱が砕け倒れれば当然、倒壊が始まる。
それに合わせて屋上からふわりと舞い上がったベルナが、奇怪な笑い声と共に地上へと降り立った。
ギャラギャラと、金属がひしめく音が響く。

「あははははは、建物が壊れる、街が壊れるわ、大変ね!
 きっとここの人達、壊れた建物を見て悲しむわ、苦しむわ、ひひひひひひ!!」

壁に埋もれていた蛇が再起動、瓦礫を撒き散らしながら大きく身体を持ち上げて、グラトニーへと縦一文字に叩きつける。
74イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[sage] 投稿日:19/11/23(土)00:19:09 ID:KXe [1/1回]
>>73
「そうなのですか?」

何やらご満悦なベルナの心情を図りかねるグラトニー

「形あるものは壊れます、ですが作り直す事が出来る」

縦に振り降ろされた蛇の横っ面を叩くように水平にアゾットを振るう
今度は横へと蛇を叩き付ける事になり、周囲の破壊は更に規模を増すだろう
霊装使い同士の戦闘に巻き込まれた小型アームズは面白いように蹴散らされ数を減らしていくだろう

「悲しみ苦しんで時間を浪費するのは、それこそ建設的ではないのでは?」

グラトニーは人の心がわからない!

//中途半端ですが此処で一旦凍結をさせていただきます
明日も夜間は安定して返信できると思いますので、よろしくお願いします
75 : 氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/23(土)00:22:34 ID:qPA [1/5回]
>>65

「……ごめんなさい」

個性であれ才能であれ、持たざる者に持つ者の心は分からず、またその逆もしかり。
眼前に突きつけられた笑顔を、蛇に睨まれたかのような引き攣った表情で受け止める。

「……それは」

この世界、特別な存在でいたいというだけで贅沢であるのかもしれないのは確かだ。
霊装使いの資格がある時点で、非凡と言ってしまえるのだろう。
だが、それでも「誰かの代わり」としてしか求められないなんて、いやだ。
肥大化していく思考に爪の食い込む痛みすら、意識の片隅に追いやられる。

「あっ、ちょっ、えっ……!?これ、どうしよ……」

気が付いたら、器だけで掌に余るほどの大きさの食べかけのパフェがその手に握られ、彼女は目の前から消えていた。
その後陽が落ち切ったなか、「甘い……冷たい……」と呟きながら大きなパフェを食べる羽目になったのはまた別の話。

//此方からはこんな感じで〆で、いつの間にか消えた感じにしちゃいましたが不都合でしたらおっしゃって下さい
76名無しさん@おーぷん[] 投稿日:19/11/23(土)00:26:17 ID:B04 [1/5回]
>>72
懸念の通り少女が元身内であるだとか、また誰かの妹を隔離していると言う事実もない。そもそもそれは死んでいるのだし。
アイアスが守り切れなかった人々の遺族から責められる事はあったかもしれない。だがそんな事は言っていない。
攫われた妹を助けたいと、少女は本気でそう思って動いているのだから。

「最初からとぼけられるのは分かってるのよ。
 だからわざわざ舞台を作ってあげたんだもの。」

周囲に守るべき一般人が存在し、アームズも居ない。必ず一対一になり得る状況が今だ。
それを意図して作り出した、と言うよりは運が良かったと言うのが一番なのだが、ともかく。
今この瞬間は、まだ彼女の描いた脚本通りに動いている。

振り下ろす切っ先は空を裂く。避けられた、と言うよりはそこに居なかった。

「侍ごっこなら、一人でやって!!」

微かな動きで正確に槍の軌道を避けた少女は、そのまま屈んで腹部へ、カウンターを放つ。
拳を握り、そこに展開される歯車。高速で回転するそれは刃ではないが、代わりに肉を削り抉るブレード・ギアだ。

一連の動きは全て、未来が見えてなければ不可能な動きと言っていい。
達人の勘ならばそれを可能にするのかもしれないが、16の少女にそんなものはない。
あるのは霊装に対する適正。数秒先の未来を予測し、バイザーに映し出す。
未来予知に匹敵する制度の予測。それが少女の能力だ。
77 : ◆</b></b>BDgSPyr9yjTF<b>[] 投稿日:19/11/23(土)00:26:39 ID:B04 [2/5回]
>>76
//名前ミスです……
78清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/23(土)00:37:23 ID:ZnN [1/9回]
突然の襲撃によって始まり、混迷を極める市街戦──ここはその一局面。
街路を塗りつぶすように群れなして迫り来るアームズの群れに、一人の霊装使いが対峙していた。

アイアスの〝問題児〟清水谷 織衣。才能と家柄を驕り、面倒事はすべて付き人に任せ、訓練の無断欠席は日常茶飯事の厄介なお嬢様だ。
纏う霊装『大刀契』はスラスターつきの巨大な武装コンテナとでも言うべき異形の威容を示し、その中で織衣はあろうことか座りながら戦っている。
日頃の驕傲な振る舞いも相まって、一見すれば〝何もしていない〟ように見えるかもしれない。

「固まっとるんはええ的やさかい。さっさと往んでしまい、ぼっかぶり」

時を同じくして。魚のような形状をした『大刀契』の思念誘導攻撃モジュールが、一条の光を吐き出して、アームズの一群を背後から狩り立てる。
それに反応して先頭を進む甲虫型の重アームズが旋回するや否や──群れの側面をぶち抜き、焼け付く光の帯が襲いかかる。
『日月護身剣』――霊装本体に搭載された、大出力粒子砲の一撃だった。

同じように、群れの動きを誘導し、致命的な隙を突き刺す。そんな衝突の顛末が、戦域のあちこちで繰り返されていく。
身体は一歩も動かすことなく汗の一滴も流さず、織衣は自らの霊装を存分に操り、戦況をコントロールする。
その冷徹かつ効率的な戦闘で、誰にどう思われようとも。

「このまま虫さんとほたえるだけやったらええんやけど……なんや、かんこくさいなあ」

倒しきれないほどの敵ではない。──このまま状況が推移すれば、だが。
往々にして、希望的観測は破綻し、目に見える脅威の下でもっと大きな策動があるものだ。さて、鬼が出るか蛇が出るか。
79神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)00:43:44 ID:jLw [2/18回]
>>76

(避けられた、ならば……!!)

一撃目が回避される程度ならば、神崎も予測できている。そうなったのならば、すぐに次の行動に移る。
振るった槍を直様持ち替え、横薙ぎに振るうことによって回避先をも巻き込んだ広範囲の攻撃を行う……然し、次の瞬間に感じたのは。
腹を抉る感覚だ。見れば少女の姿は消えて、またも槍は空振り、その代わりに、歯車が……神埼の腹を、削っている。

「ぐっ……しまった!!」

大量に摂取した痛み止めによって、幸いに基っていいべきか……痛みを受けることはなかったが、勿論ダメージを受け過ぎれば、行動不能は目の前だ。
前方へとスラスターを向けると、それを噴射する。その推力を持って後方へと飛び退ると同時に槍を構え直す。
今の動きは、余程手練なものか……それとも、霊装の力によるものか。

「一撃はくれてやった……だが、ごっこ遊びと侮るな」

(思考を読まれたのか……少し試してみるか)

そして姿勢を低く落として、両の瞳を瞑る。
思考を放棄し、自身に刻まれた反射だけを頼りに攻撃を繰り出してみよう、という算段だった。
それで通用するならば、自身の思考を読んで相手は動いている。だが、通用しないのであれば……

「ほうら、来てみろ。お前の妹とやらが何かは知らぬが、怖気づいて足を竦ませるようでは、到底助けられるとは思えんな」

挑発的な言動で彼女を誘う。
敢えて彼女の狂言に乗って、感情を揺さぶり、彼女の方から来るように仕向けた。
もしも彼女が攻撃を仕掛けたのであれば……受けることになるかどうかは分からないが、少なくとも彼女へとカウンターの鋭い突きが飛ぶことになる。
80ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/23(土)00:51:12 ID:MWk [2/7回]
>>74

「分からない、分からないのね、『同じ物』は作れないのよ。
 どれだけ見た目を真似たところで、決して全く同じ物にはならないから。
 だから、ヒトは物が壊れれば悲しむの、苦しむの」

弾かれた蛇が再び建物へと飛び込んで、また新たな瓦礫が生み出される。
破壊が破壊を呼び、壊れる度にベルナは幾度も恍惚の溜息を吐くのだ。

「はぁ……あはぁ、あたしね、貴女みたいなヒトは嫌いよ。
 苦しまないし悲しまないなら、傷つけ甲斐がない、壊し甲斐がないから」

深い猫背、両腕をだらりと垂らし、長い黒髪は破壊の風に揺れ、隙間から覗く表情はいまだ薄気味の悪い笑顔。
瓦礫に埋もれていた蛇が起き上がった、身体を構成する金属板がカチリカチリと噛み合って。
間接毎にしなる曲線軌道の『蛇』が、硬く鋭い直線軌道の『槍』へと変わる。

「だから、死ね」

ボウと空気を裂いて槍が放たれた。
蛇よりも幾分も素早く堅牢、生半可な衝撃では弾き返せないだろうが、代わりにこちらは軌道が読みやすい。

//凍結了解です、取り合えず今日はお疲れ様でした……!

>>75

//大丈夫ですー、ありがとうございました!
81氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/23(土)00:54:27 ID:qPA [2/5回]
>>62

「呼ばれたはいいけど、まあ、そうなっちゃいますよね……」

霊装使いの殆どが出払うような事態となると、自然災害が起こった時と同じく避難が指示され、区画が閉鎖される。
学校を始めとする公的機関もまたあらかた閉まり、イベントも中止になる……即ち、誰かに化けてアリバイを作ったり身代わりになったり、というちまちまとした工作の出る幕ではなくなる。
そうなった今回、霊装使いであっても戦闘能力のない彼女は事後処理に必要になるまで基地での待機命令を出され、廊下を手持ち無沙汰に歩いているしかなかった。

「あ……西條さん」

不安そうに掃除をする彼女に会釈する。
アイアスの一員、非戦闘員同士としてある程度互いのことは知りうる。

「……お暇、ですか」

字面だけ見れば嫌味にも聞こえる一言だが、おずおずとした様子からは、そう言うのは感じにくいだろうか。

//遅くなりましたがよろしくお願いします、そちらももう一方の方優先で大丈夫です
82◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)00:55:43 ID:jLw [3/18回]
>>78

「では――私も、動かせて頂きましょう」

アームズの群れと、それと対峙する霊装使い。場は一旦、それによって支配されていた――アームズの群れの、その更に向こう側。
ビルの屋上に、一人の女の姿があった。漆黒の霊装を身に纏い、目元は目隠しのように黒いバイザーに覆われている。
肌は異様なまでに白く、バイザーから僅かに覗く肌からは酷い火傷の痕が覗いている。
黒く流麗な装甲と、その整った身体のラインを映えさせるインナースーツ。そして右手には……長大極まりない、一丁の“砲”が握られている。

「《タスラム》の輝かしき弾丸――どうか、受け止めてくださいますよう、お願い致します」

――清水谷織衣、彼女の戦闘は、その場から一歩も動くことなく、彼女の持つ霊装の大火力によって徹底的に効率的に。
アームズ達を焼き払うことの繰り返し。そしてその通りに、一太刀を浴びせることもなく、肺のように消えて失くなっていった。
それでは――これはある意味、試し金でもあった。果たしてアイアスの有する霊装使いが、現状如何程のものか……見定める目的であった。

「――Shoot.」

引き金を引かれる。
女の高い身長すらも優に超える、巨大な砲身を持ったリヴォルヴァー・カノンから放たれるのは、光の軌跡を描く、輝ける弾丸であった。
それは凄まじい貫通力と射程、命中精度を以て、清水谷織衣本人を……針の穴でも通すかのように。
アームズ、建築物、それらの隙間を縫って、正しく、着弾させようとしていた。
83西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)01:04:52 ID:jLw [4/18回]
>>81

「あ……氷夢井さん」

同じく、非戦闘要因であり、なおかつアイアス職員の学生……である彼女の姿を認めたならば、会釈を返した。
霊装使いと一般職員の間では大きな立場の差があるとは言え、彼女もまた……現状は何もない、手持ち無沙汰な状態なのだろう。
故に、その問いかけに対しては困ったような笑顔を浮かべながら、返答を返すだけだった。

「そうだね……一応、暇……なのかな」

少なくとも現状は、ということになるが。
これから彼女達が帰還すれば、職員たちの手伝いの仕事が増える。主に医務室の仕事になるだろうが……。
しかしそれが分かっていたところで、現状の何も出来ない状況からは逃れ得ないのであり。

「皆は……もう戦ってるんだよね」

分かりきったことではあるが、再確認、或いは反芻するようにそう言った。
84◆</b></b>BDgSPyr9yjTF<b>[] 投稿日:19/11/23(土)01:11:20 ID:B04 [3/5回]
>>79

「知らない?嘘でしょ。
 目を閉じて知らないふりをしたいだけ。」

思考をそぎ落とした明鏡止水の構え。それを確認して尚動じないのが一つの答えとも言えた。
叫ぶと同時に、脚部に展開したギアが車輪となって前進する。切迫する。

「鬱陶しいのよ、余裕ぶって上から見下して……」

反射で放たれるカウンターは、思考を頼りにすれば反応できるわけがない。
だがしかし、少女はその槍が動き出す寸前で横に飛んだ。
全身の勢いは殺しきれず、切っ先は少女のスーツの一部を切り裂いたが、それだけ。

「思い知りなさい。
 優を苦しめて出来た力なんかで、勝てるわけないのよ!」

あとは先ほどの再現だ。握った拳、ギアが回り唸り、放たれる。
口にする言葉は全てありもしない、逆恨みにすらならない何か。
妹の名前もとうに戦死者リストに刻まれた、死人の名前でしかない。
だとしても、込める感情だけは本物。だからこそ少女は霊装使いとして戦う事が出来るのだから。
85神埼 千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)01:27:08 ID:jLw [5/18回]
>>84


「つくづく、何を言っているのかが分からんが――」

然し、少なくとも敵の動きは本物だ。
どういう仕組みか知れないが、こちらの動きを全て見切り一方的に攻撃を与えられている……なんとも不利な状況であるが。
あと一撃、恐らく凌ぐことが出来たのならば、かなりその力の仕組みを絞ることが出来る。一撃、ただの一撃……。

「――“避けた”な!!」

槍の穂先が、僅かにスーツの一部を切り裂いて空を切った。
だがその仕組みを知ることは出来た。無論、大雑把なものではあるが……こうなれば最早、そうとしか考えられない。
相手は“未来”を視ている。彼女が纏っているのは、そういうタイプの霊装なのだろう。

「知らぬと言っているだろうが!!お前の事情は知らぬが――」

――その瞬間、蜻蛉切が変形する。一本の巨大な槍だったそれは、2つに分かれてそれぞれがまた槍へと変形。
その内の左手に握る槍を用いて、歯車の一撃を受け止める……力を込めた代償として、その“継ぎ目”から血が溢れるが。
なんとか、受け止めることは出来た……再度後方へ跳躍、つまり、見ることが出来ても、対応しきれるかは別の話であり。

「――勝てないなどと断言されては、勝つ以外に無くなるなぁ!!」

そして片手の槍を、彼女へと逆手に握り締めて、その肩を狙って投擲した。
もしも回避するならば、それは思い切り彼女の背後の、学園の校門に突き刺さることになるだろう。
それは構わなかった。相手が未来を読めるというのであれば……どうするか、という答えに対して、一つ賭けをすると決めた。
86氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/23(土)01:28:08 ID:qPA [3/5回]
>>83

「ですよね……私もです」

ばつが悪そうに、笑って見せる。
しかし、大変な状況の中何もやる事がないという重苦しさを感じさせる現実は、何も変わることはなく。

「……多分」

霊装使いの彼女も、作戦の進行状況をリアルタイムで知らされているわけではない。
仮にも秘密組織なのだ、内輪であっても直接関与してない作戦の情報が筒抜けになるようなことはない。
申し訳なさそうに、一言で答えた後。

「私も戦えたら、良かったんですけど」

それはきっと、目の前の彼女も思っていることだろう。
87清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/23(土)01:35:03 ID:ZnN [2/9回]
>>82

爆発四散する直前、甲虫型アームズが角に通ったレールガンから断末魔の弾丸を放つ。ブレードビットの妨害により、それは明後日の方向に飛んでいった。
槍の角を持つ鹿のような個体が跳び上がり奇襲を試みる。放物線の下には既に魚が伏せており、跳躍した影は閃光の中に消えた。

危なげない殲滅戦。清水谷織衣はこうでなければと、少女の胸の矜持が囁く。
華麗さの下で懸命に足掻く白鳥など馬鹿らしい。鳳は生まれながらに鳳だ。このまま……、……、――

──網膜投影ディスプレイに、突然のアラートが走る。

「な──、邪魔や、『三公闘戦剣』!!」

青天の霹靂が如き狙撃に、織衣は機体の右舷に配された巨大なビームソードを発振させて応じる。
光の弾丸と灼けつく刃は競り合い、その衝撃で『大刀契』が揺らぐ。

「要らんこと……せんといてやぁ!」

巨体に相応の出力を持ってしても押し返されそうになりつつも、気迫を込め、機体出力を剣に集中させていく。
刃を包む閃光は一段と強くなり、果たしてその熱によって弾丸を熔解せしめた。
放出される熱量は莫大。恐らく、そう何度も繰り返せるものではあるまい。だがそれでも織衣は、絶好の初撃を切り払って見せた。
88西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)01:40:30 ID:jLw [6/18回]
>>86

「……私は……あんまり、戦いって好きじゃないな……」

西條夏鈴は、戦いがあまり好きじゃない。
正確には、誰かが傷つくことが好きじゃない……それが人々を守るためだとしても。
そして実際に、夏鈴がそれに助けられていたとしても。
見知った人々が。或いは自分と変わらない少女が、戦って傷つくのは、どうしても受け入れがたい現実であった。

「……でも……もしも私が戦えたら……」

だからその現実を少しでも軽くするために、こうして職員として、雑用でもなんでも彼女達のためになることをしているのだが。
もしも戦えたら……ということを、考えると。

「……そしたら、私が皆の分まで、戦うのに……なんて」

適正値が低く、適性霊装も存在しない少女にとって。
それが叶わぬ願いであるからこそ、この状況で冗談のようにそう言える。
89ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)01:50:39 ID:jLw [7/18回]
>>87

超遠距離からのリヴォルヴァー・カノンによる一撃。
アイアス達を相手にしていたことによる、絶対的な隙とほんの僅かでも発生する気の緩みを狙って、それは放たれたのであるが。
女の想定から掛け離れて、咄嗟の対応……アームズ達を相手にしながらも、攻撃に対応したことに、女は少々驚いていた。
リヴォルヴァー・カノンの銃身を上げる。少しだけ、思考を巡らせた後。

「……いいでしょう。それでは、後は任せました……ベアトリクス」

女は、軽く地面を叩くように跳ね上がると、そのまま踵を返して飛び立っていった。
そしてそれと入れ替わりに、霊装が起動される――『正体不明』ではあるものの、少ないながらデーターベースに登録されているその霊装は。
勉強熱心である彼女ならば、もしかしたら知っているかもしれない。
アイアスの霊装使いとの交戦経験もある、それは……。

「任せろよぉ!!! どけぇぇぇぇ!!! アームズ共ぉぉぉぉぉ!!!」

ごう、と凄まじい音を立てながら、それは“音のように駆け抜けていく”。
低空、街中に蔓延るアームズ達を真正面から飛び、その勢いのまま突っ込み、レールガンを撃たせる間もなく粉砕しながら。
間違いなく、彼女へと向けて……“吹っ飛んでいくのは”。

「行けぇぇぇ!!!!オレのアロンダイトぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

巨大な剣と、それに連なる無数のブースターの出力で、無理矢理飛んでいく少女の姿。
それは直線的ながら、凄まじい速度で距離を詰めていく。目標は無論、正しく火力のハリネズミの如く少女、清水谷織衣の下へ。
近距離へ一気に持ち込もうという算段であるが……動きは直線的。彼女ならば対抗策を見出すことも不可能ではないだろう。
90◆</b></b>BDgSPyr9yjTF<b>[] 投稿日:19/11/23(土)01:57:39 ID:B04 [4/5回]
>>85

「――――――!?」

受け止められる、そこまでは想定の範囲内。だがしかし、見えるのはほんの先の未来のみ。
その先の未来は未知であり、故に。逆手の構え、その槍が飛来する未来を見たとき、少女は青ざめた。
知っていても、その未来をどう変えれば位以下までは知らない。

「い"っ………」

投擲された槍は少女の肩を貫き、力の抜けた腕が垂れる。
食いしばった歯が軋んで、堪えた喘ぎは微かに漏れる。目は閉じない、じっと相手を見つめたまま。

「奪って……あげたわ……あんたの武器。
 おあいこよ、こんなの……」

槍が一本と腕が一つ、ハンデを考えれば十分等価だ、なんて。頭の中ですら強がって。
彼女にとっては賭けに勝ったか、あるいはそれ以上の成果かもしれない。

当然こんな状態で近接戦闘など挑めない、
脚部装甲を展開、そこからギアが射出される。だがしかし、回避先を予測しそこに打ち出されることはない。
あくまで相手の体の動きから予兆を読み取りそれを映しているだけ、なのだから。射撃する時点で相手の動きが読めるわけじゃない。
代わりに無数に発射されたギアは制圧するに足る。選択肢は面制圧
91氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/23(土)02:03:52 ID:qPA [4/5回]
>>88

「それは……そう、だけど」

テロ組織や謎の怪物との闘いが身近にある日常を過ごしていると忘れがちであるが、本来闘いを好き好んで行う人間の方が少ない(はずだ)。
それを踏まえれば、彼女の持つ感覚は、非常に真っ当なものと言える。
なのになぜ、「だけど」と言ってしまったのだろうか。彼女自身、分からない。
──戦いを、望んでいるのだろうか?

「すごく立派、ですね。私は……」

──もしも戦えたなら、みんな結花を見てくれるはずだ。「誰かの代理」じゃない、結花自身を。

「……いえ、なんでも、ないです」
「あ、そうだ、今どうなってるかどうしても気になるなら、わたしなら見てこられないこともない、ですよ」

内心は、今はまだ表になることはなく。
その話題を避けるかのように、別の話題をふる。
92ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)02:17:55 ID:jLw [8/18回]
>>90
投擲によって、一旦はダメージを与えることが出来た……相手の片腕を奪った。
ここまでは重畳。寧ろ一撃を与えられると思っていなかった為に、作戦が盤石になったと言ってもいい。
後は自分がどれほど踏ん張ることが出来るかという話だが――それは勿論、どれだけでも、という話だった。

「……ふっ、奪ったなどと。笑わせてくれる」

強がりに聞こえるだろうか、実際そういう面もあるのだから仕方がないか。
だが、それだけではない。展開される無数の歯車。それを片手の槍一本で捌くことが出来るか。
恐らく答えは否であろう。故に――神埼千華は、もう一度、残された蜻蛉切をそこに握り締めた。

「いいか、視ているがいい……これも」

……投擲。同じ技が二度通じるとは思っていない。それは回避されてもよいだろう。だが……。
蜻蛉切は。一本の大槍としての形態と、二本の短槍としての姿を持つ。そしてそれはいついかなる時でも不変である。

「……蜻蛉切の力だ。覚えておけ!」

彼女の背後より、先程投擲されたもう一本の蜻蛉切が、飛来している。
つまるところその二本の槍は、合体という目標を果たすべく、お互いに惹かれ合っているのだ……中間地点に、彼女を置きながら。
それと同時に、放たれたギアが神埼の身体に降り注ぐ。遂に耐え切れなくなった、左腕と左足が。千切れて、今度こそは、立つこともままならなくなる。
93清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/23(土)02:25:20 ID:ZnN [3/9回]
>>89

「待ちよし!まだ挨拶も……行かはった。忙しないお人どすなあ」

小手調べとばかりに撃ち逃げしていく黒衣の女を、織衣は忌々しげに見送る。
今の彼女には怒りや疑念と言った、怠惰を乗り越えて敢えて動くのに十分なだけの理由はある。
だがそれは、無辜の人々の命を護るという霊装使いの責務と、防衛線を維持する任務に優先するものではない。

そして何より、災難とは立て続けに舞い込むものだ。

「あれが『べあとりくす』やろか。威勢ええなあ、お江戸の人みたいやわぁ」

爆音と、それに負けないほどの大声を轟かせながら飛来する第二の敵影。
──敵性霊装、コードネーム:アロンダイト。

「『あぁむず』を片付けてくれはって、おーきに。……お礼せんとあかんなぁ」

高機動型の霊装を相手取るには、大刀契は取り回しが悪い。
だが地上のアームズが薙ぎ払われたことで子機が解放された現状ならやりようはある。
8基のレーザーガンビット――『符契』を象徴する魚を象ったそれは織衣の元へ帰還しつつ、テンポをずらしながらの射撃でベアトリクスを背後から追い立て始めた。

更に。それ自身が一本の剣であるかの如く真っ直ぐに突撃してくるベアトリクスに向けて、織衣は日月護身剣の銃口を向ける。
刹那、煌めく粒子が弾け、空に一閃の光軸が走った。

直線的な突撃に対して、直線的な砲撃。軸をずらすことが出来れば回避はそこまで難しくないだろう。
言ってみればこれは、本命に見せかけた揺さぶりだ。
大火力の回避を強要し、着実にガンビットでのダメージを蓄積して自分のペースに持ち込むことこそが、織衣の狙いだと気付けるか。
94西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)02:26:24 ID:jLw [9/18回]
>>91

今は少女に、氷夢井結花の心を察するには余裕がなかった。
自身の悩みでいっぱいの今は……だが、そこにある違和感を幽かに感じ取ることが出来た。
その証拠として、その瞳はたしかに彼女を向けられていた。その瞳を、そこに微笑みを僅かに湛えて。

「……え、本当!?」

驚いていた。
確かに霊装使いであれば情報を拾ってくるのは簡単だろう……いや然し、もっと究極的な方法だろうか。
彼女の霊装の力ならば、職員の誰かに成り済まして観に行くことも出来る……出来るだろうが。

「た、たしかに……確かに、気になる……けど……!!」

葛藤。皆のことは知りたいが、かといって不正を犯してまで情報を手に入れるというのは。
アイアスに対する背信行為になりうる。露呈すればどうなるかは想像に難くない。
だが、ここまで情報を閉ざされているという不安もある……散々そこで頭を悩ませた末。

「……私は、ここで皆を待とうかな。私はせめて……信じて待つ、くらいのことはしたいから」

苦しいながら、絞り出したのは。此処で待つ、という答え。
自分達の代わりに戦ってくれる、少女達の強さを信じて。怖いながらも、待つことにする、それが少女の唯一出来ることだろうと。
95西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)02:44:31 ID:jLw [10/18回]
>>93

「当たってねえ、当たってねぇ!オレの速さに追いつけてねえな!!」

正しく爆走。凄まじ勢いでブースターに任せて、障害物を徹底的に粉砕しながら前進を続けている。
子機に対してのベアトリクスの意識は、正しく“軽視”であった。追いつけていない、当たっていない、だから何の問題もないと思っていた。
相変わらずスピードを緩めないまま、突っ込み続けていくと。そこで此方へと迎えて、織衣が銃口を向けていることに気付く。
ならば、とばかりに左方向へと推力を向けての回避――

「へっ、そんなもん当たるかよ……うわっ、またこいつら!!」

そこで行われるのは、子機達によるレーザーである。
一発一発は、彼女の放った“主砲ほどではない”。だが、それは……数多く、不規則に動き回り、いつの間にかベアトリクスにダメージを与えている。
熱を撃ち、肌を焼き、傷を負わせる……細かく何度も掠ったり、触れていた部分を、ここに来て意識せざるを得なくなる。
それによって僅かに鈍くなる動きに、ベアトリクスは妙に“腹が立った”。

「なんだよこのしょーゆビームはよ……しょっぱいくせして……!!」

恐らく、彼女の霊装とベアトリクスのアロンダイトの相性は良くはない……あの一息で接近できなかったのは酷く痛かった。
接近して勝つか、接近できずに負けるかの二択だと考える。であれば、どんな手段を用いても接近しなければならない。
……狙いは空中の子機。その内の一つへと向けて左腕を掲げると、ワイヤーが放たれて、絡め取り……巻き取ることで、空へと舞い上がり。

「――ちょーしくれてんじゃねえぞ!!おら、出てこいよお前!!ムカつくんだよ!!」

そして空中で、その大剣を振るった。
接近のため、まずは障害となるガンビットを切り落として叩き落とそうという腹積もりであった。
ワイヤーを用いて軌道に変化をつけて、ガンビットの対応を一瞬でも送れさせているその隙に、一つでも二つでも落とす。
その性格の割には、手順を一つずつ踏んで接近することを選択したのであるが……果たして正解か、不正解か。
向こう側にいる織衣へと、育ちの悪さも隠そうともせず。汚く叫びながら。
96◆</b></b>BDgSPyr9yjTF<b>[] 投稿日:19/11/23(土)03:01:20 ID:B04 [5/5回]
>>92

「……いいわよ、そのまま
 ズタボロになっちゃいなさい!!」

霊装を手放したとしても、スーツは残る。だとしても、無防備にギアを受けるのであれば致命傷になりかねない。
負けを認めた悪あがきか、投げつけられた槍を回避し、少女は勝利を確信して笑った。その槍が起こす未来を見るまでは。

「―――ふざけないでよ、この!!
 相打ち覚悟とか古いのよ偽サムライっ!!!
 ああもう、早く抜き……抜けてよぉ!!」

突き刺さった槍を握れば鋭い痛みがほとばしる。肉の中身まで強化されるわけじゃない。
引き抜こうと力を籠めれば、傷口の熱がすべて痛みになる。うまく力が入らない。
それが飛来するまでの数秒に、どうにかできるはずもなく。槍は少女の胸を貫いた。

「ざまぁ……ないわ、ね……
 あんたの方がズタボロじゃない……」

半身を手放した対価に、少女に刺し傷が二つ。傷を数えるならば、少女の勝利に違いない。
ただし二つのうち一つは致命傷―――その意識を奪うに十分な位置で。
遺物を二つ抱えてバランスもぐちゃぐちゃになりながらも歩いて、地面に崩れた神崎の首をつかもうとして、笑って、

「全部、向こうで話してもら―――」

そのまま倒れる。
最期までたっていたのは少女だったが、最後まで意識を保っていたのは神崎だった。
まだその手が動くのならば、応援を呼ぶのは容易だろう。あるいは、黄昏がやってくるか。
未来を見る霊装は、もう今は動かない。

//すいません遅くなりました……
//こちらで〆でどうでしょうか。二人がラグナロクに、或いはアイアスに回収されるかはお任せします
//こちらが決めた方がよい場合はこちらで追加の文章を書きますね。
97 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)03:14:49 ID:svp [1/2回]
>>96
/締め了解です!こちらも後程締めの文章を投下しますが……
/まずはお疲れ様でした、ありがとうございました!
/一旦こちらで回収されるか決めてしまうので、問題あれば再度指摘頂ければ……!!
98清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/23(土)03:22:04 ID:ZnN [4/9回]
>>95

「あほかいな!? おしょゆ差しやあらへん。魚符ゆうて、由緒正しい証明証の形どす」

ベアトリクスの前に立ち塞がる霊装の纏い手は、きっと彼女とはあまりに対照的な人物だ。
自身が連なる伝統を喜んで受け入れ、生まれながらに苦労を知らず、戦いにおいては前線に立たず後方で指し手となる。
無論、身の上話などはしていないが――戦闘という極めて濃密なやり取りを通じて、生き様は染み出してくる。

「……斬りはったん。厄介やわぁ」

立体機動によって上へ離脱し、迎撃の一振り。展開されていたビットのうち半数の4つが墜とされ包囲網に穴が開く。
霊装はその『強さ』も脅威だが、何よりも危険なのは、アームズとは比べ物にならない臨機応変な判断力。

「──けど、まだ終わりやありまへん」

だが大刀契の手数はまだ残っている。ひゅん、と鋭い風切り音が聞こえるだろうか。
ブレードビット──大刀契の『標剣』に由来する思念誘導実体剣が、ベアトリクスに四方から襲いかかる。
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ。それぞれが四肢を狙って飛来し、そして真打ちの5本目。

「むかっ腹立っとるのはうちらの方どす。人間同士、不必要な戦いを挑みよってに……!」

これはベアトリクスの頭――の上を掠めて、ワイヤーを切断しようとするだろう。
ひとつひとつの対処はさほど困難ではないが、優先順位が問題となる。
99氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/23(土)03:49:42 ID:qPA [5/5回]
>>94

「……ですよね、ごめんなさい。馬鹿なこと、言いました」

その強い眼差しを、結花は直視できない。
目の前の少女は、結花となど比べ物にならないほど強い。
霊装の適性の問題ではない。もっと根本的な部分の強さが違い過ぎる。
彼女の高潔さに比べ、自分はなんと卑屈なのか。
それは、あまりにも残酷すぎる事実として、結花の胸へと突き刺さった。

「私も、待機しておくことにします。出番があるかも、知れませんから」

そういうと夏鈴へ背を向け、足早に去ろうとするだろう。
頭の中でぐるぐると、いろんなことが頭を回る。
西條夏鈴の心。蛇のような少女の個性……自分にはないものばかりが思いいたる。
それを手に入れるには、越えるためには、どうしたら──。


「強く、ならなきゃ」


//ちょっとリアルでなくしものをしてしまって返信できませんでした、申し訳ございません
//こんな感じで〆でどうでしょうか
100 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)04:21:56 ID:svp [2/2回]
>>99
/反応遅くなりました、すみません…!大丈夫です、〆ありがとうございます
/後程こちらも〆の文章を投下しますね!絡みありがとうございました!
101 : ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)04:24:14 ID:jLw [11/18回]
>>98
/遅れて申し訳ありません、只今返信いたしますので、暫くお待ち下さいませ……!
102ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)04:36:37 ID:jLw [12/18回]
>>98
「知るかボケ!!こんなもん醤油で上等だろ!!」

包囲するビットの内、幾つかを落とすことに成功……それならば良しと頷いて、口元ににぃと笑みを浮かべた。
彼女は意地汚いと笑うだろうか。口汚いと罵るだろうか、然しやはりその様は対照的か……完璧でなくてもいい、格好良くなくてもいい。
只々、食らいつく。生き残るために、生き残って、勝ち取るために……全力を尽くす。

「ちっ……まだ来るか、畜生!!」

現在、空中に舞い上がっているということは、その機動力では彼女の操る霊装の子機達にしたら格好の的ということになる。
幾つかのビットを落とすことが出来たとしても、それが失くなったわけではない。
舌打ちをしつつも……ならばと、先ずは両足を思い切り振り上げて、曲芸じみた動きで両足を狙う一撃を回避。

「見たか、後は……うぐっ!!」

腕に突き刺さった二本の標剣、両手を貫かれるよりも前に、片手を犠牲にして、それを防ごうという魂胆であった。
そして最後にやってくる真打ち……はっきり言って、防ぐ術は無い。故に――ワイヤーは、“食わせてやる”。

「いいぜ、その代わり……こっちだ」

ワイヤーが切れて、一瞬その重力に従ったベアトリクスの身体。
然し血塗れの片手を掲げ――ワイヤーを撃ち出す。
その先にいるのは、正しく“玉将”。清水谷織衣有する霊装の主砲へと向けて、ワイヤーを放ち、巻取り……同様の方法で接近を試みるのだ。

「“キング”、貰ったぁぁぁ!!!!」

/遅くなりましてすみません……
103 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)04:48:01 ID:jLw [13/18回]
>>96

「――獲ったぞ。間違いなく」

狙い通り。突き刺した槍を見ると、満足げに笑った。
喩えその身体が壊れてしまおうとも、今この瞬間を勝利することさえ出来れば何も問題はない……そういう思考の下での。
玉砕覚悟の一撃は、全くもって古臭い。或いは……阿呆のやり方であった。

「……ふっ、身体を張るしか、能がないのでな」

――彼女が倒れるのを、そこで見届けた。
神崎自身も限界だ……意識があったとしても、立つことなど出来なかっただろうが。
大量の痛み止めで誤魔化しながら出撃したのだ、仕方のないことだ。それよりも――人々は、無事だろうか。

そう思いながら、ゆっくりと瞼を閉じる。


「……待機しておいて正解でしたね」

――黒い霊装の女が、そこに立っていた。
天朱昴の身体を抱き上げながら、そこに倒れる神埼の姿を覗き込む。今此処で、蜻蛉切を回収しても良かったが……。
彼女の役割は教官や司令の代行……となれば、それなりには利用価値のあるポジションだ。
ならば、ここで殺すのは少しだけ勿体ない。そう考えて、見下ろし。

「これも全て、いずれ来る黄昏時のため――さぁ、帰還しましょう、昴」

アイアスの回収部隊がやってくるころには、その姿はすっかりと消え失せていることだろう。
今回もまた、これを以て……神埼千華は偶然にも命を拾うに至ったわけであった。

/こちらからの〆文です、痛み分けという形になってしまいましたが……!
/問題なければこちらからはこれで〆でお願いします、ありがとうございました!!
104 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)04:53:06 ID:jLw [14/18回]
>>99

「ううん、馬鹿なんかじゃないよ。氷夢井さんの気持ち、分かるもの……」

そうしたい気持ちは痛いほど分かるし、実際に彼女が実行したならば、夏鈴は彼女を責められない。
それでも足を留めた夏鈴との差は僅かなものであろうし、その僅かな差は正しさかどうかで測れないものだ。
だから、どちらが間違いだとか、馬鹿だとか、そういう話ではないのだと。
その点だけは、夏鈴は伝えておきたかった。

「あっ、うん。そうだね、私も……帰ってきたときの為に用意しとかないと。あ……氷夢井さん!」

立ち去ろうとする彼女の背を向けて、声をかける。
その背はどこか放っておけないものだった。何をすれば解決するかなど、分かったものではない。
少しだけの逡巡のための沈黙の後。小さく微笑みながら。

「一緒に、頑張ろう?」

そんな、小さな応援とも言えぬ一言を、残すのであった。

/それではこちらもこれで〆で……!!ありがとうございました……!!
105清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/23(土)04:59:49 ID:ZnN [5/9回]
>>102

「ああ、しんど。粗忽者の相手はかなわんわぁ」

アロンダイトの速度と真正面から取っ組み合えば、負ける。それを理解するからこそ、織衣は牽制に牽制を重ねる戦略を実行している。
人間はアームズとは違い、痛みと恐怖を知っている。疲労する。心が折れる。
だが──ベアトリクスはその限りでないことに、薄々勘付き始めていた。

「ぅ、片手は潰せんかったか……間に合わっ……!」

言うなれば、獣の本能と人間の戦術眼のハイブリッド。
ベアトリクスはワイヤーによる移動力を潰し優位を固定する目的を看破し、的確なダメージコントロールを行い、瞬発力でチャンスをモノにしに来た。
迎撃のために『日月護身剣』が唸りを上げるが――銃口から粒子が放出されるよりワンテンポ前に、内側まで入り込まれる!
106◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)05:16:27 ID:jLw [15/18回]
>>105

――『日月護身剣』。その輝きを見た瞬間に、アロンダイトを手放した。
その威力は先程見た通りであるのであれば、万が一にでも当たれば消滅する。そうでなくとも、相手の主砲を潰すことが出来たのならば。
負ける可能性はより低い方向に持っていくはずだと……そしてアロンダイトであれば、真正面から、対抗することが出来るだろうと。
投擲されたアロンダイトは、その銃口へと向かっていくことだろう。そして、ベアトリクス本体は――

「……よう、気分はどうだよ。マイ・フェア・レディ?」

――内側へと、潜り込んだ。
ようやく、真正面から彼女と対面することになる。
織衣の姿を焼き付けるように見つめて……まるで我儘なお嬢様を形にしたような。自分とは正反対の姿の彼女に対して。
こうして、相対することが出来たことに、優越感すら持ちながら。

「この距離なら醤油入れも使えねえな!」

握り固めた拳を、腹へと向けて――先ずは叩き込まんと振るうだろう。
アロンダイトは手法を潰すのに使ったために、ここからベアトリクスは徒手空拳にて戦わなければならないが。
幸いにして、それに対する適性も高い……そして、彼女が大人しく叩きのめされると、“思い込んでいる”。
どうせ相手は箱入りのお嬢様。どうしたって、こうなってしまったら反撃など無いと……思い込んでいるのは、明確な慢心であった。
107清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/23(土)05:43:34 ID:ZnN [6/9回]
>>106

巨剣が巨砲にめり込み、紫の銃身から鮮やかな火花が散る。
行き場を失ったエネルギーが爆発を起こし、『日月護身剣』のユニット自体が機体から脱落する。
その肌を焼く熱を間近で感じて呻きながら、織衣は間近に迫った敵と向き合った。

「よーいわんわ。……『らぐなろく』とか、あほらし」

全てを燃やし尽くさんばかりのベアトリクスの激情に対し、織衣は飽くまでも冷淡だった。
彼女にとって、ラグナロクとの戦いは端的に言って「無駄」の一語に尽きる。
アームズを滅ぼし無辜の人々を護る――その義務と全く関係のない、栄光もない、人間同士の内輪揉めだ。
口元を三日月のように歪め、嗤ってみせる。そんなことに意味があるのか、と。

その表情が、程なくして更に歪んだ。

「!! お"ぐっ……ご、ぼぉ……」

拳が腹に吸い込まれるようにヒットし、言葉にならない低い悲鳴が喉から漏れる。
血を吐き出す。消化器の中身が逆流する。痛みだけで意識が朦朧とし、何もかもが決壊しそうになる。

「……そや、なあ……この距離、なら……」

けれど──清水谷織衣は、ただの怠惰でか弱い箱入り娘なんかじゃない。

「──眼ぇ瞑っとってもええわ」

強かで、執念深く、誇り高く──常識知らずの、我儘放題なお嬢様だ。

足に全力を込めて、織衣は〝立ち上がる〟……それはすなわち、目の前の少女の顎めがけて『頭突き』を打ち込もうとすることにほかならない。
そしてタイミングを合わせて大刀契のウェポンコンテナからは、残り3本の温存されていた標剣が射出され、ベアトリクスを楔形に挟み撃たんと飛来する!
108◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)06:06:02 ID:jLw [16/18回]
>>107


「お前、今。オレ達のこと、あほらしいって言ったか?」

目が据わった。
ベアトリクスにとってラグナロクという組織は希望であった。
虐げられて、蔑視されて来た今までを引っ繰り返すことの出来る、そのために命を抱えている。それを阿呆だと言われたのだとしたら。
一撃などでは済まされない。もっともっと痛め付けて、頭を地面に擦り付けて、絶叫と紛う程にまで謝罪の言葉を連ねさせなければ。
嘗められることが。馬鹿にされることが、ベアトリクスは兎に角嫌いだった。病的なまでに。

「……二発目行くぞ……お前はぜってえ許さねえ……!!」

拳の一発は確かに彼女の腹にめり込んだ。消化器を圧迫し、血を吐き出した辺り内蔵を傷つけたかもしれない。
だが、まだ許せない。この女は、何もわからない、ぬくぬくと平和な国で育った箱入りのくせに自分のことを馬鹿にしたのだから。
それ相応の償いを受けてもらわなければならない。痛みと、苦しみで。

「ああ、何言ってんだ、お前――ッッッッッ!!!!????」

激情と、そして彼女自身を嘗めているという理由が重なってのこと。
油断していたに違いない。反撃など来ないと決めつけていたのは間違いない。なにせ一発深いのを入れて、お嬢様が立てるとは思わなかったのだ
それどころか、そのまま頭突きを打ち込むなどと――完全に、“嘗めていた”ベアトリクスには、予測できないことであった。

「て、めぇ――何をし……がっ、ふ……な、なん……クッ……!?」

体制を立て直し、思い切り拳をその頭に叩き付けようとして、くさび形の剣がベアトリクスの身体に突き刺さった。
今度は血を吐くのはベアトリクスの番だった。ビットでのレーザー以外に傷を受けなかったその身体が、段々と朱色に染まっていく。

「――何しやがんだぁぁぁぁぁ!!!!!!」

だが、それでもかろうじて動き出すことが出来た。敵を仕留めようと、握り固めた拳を勢い任せに振り抜いた。
当たれば、殴り飛ばす形になるだろう。霊装使いの腕力で放たれる一撃を全力で振るえば当然だ……だが。
殴り飛ばすということは、即ち、距離が離れるということになる。せっかく縮めた距離を、だ。
109清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/23(土)06:15:27 ID:ZnN [7/9回]
/すみません、眠気が限界なんで凍結お願いします
110 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)06:16:08 ID:jLw [17/18回]
>>109
/了解しました、朝方ですものね……!お付き合い頂きありがとうございました、一旦お疲れさまでした!!
111清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/23(土)20:12:27 ID:ZnN [8/9回]
>>108

どんな崇高な目的があれど、今まさに平和な暮らしを続けている人々の営みを壊すことは許されない。
背負ってきた苦しみがいかほどであろうと、他者に痛みを強いるのは無思慮で、社会はそれを罪と見なす。
自分が愚か者ではないと思うのなら、今ここで考え直して欲しい――――

「自覚ありまへんの? 人様の暮らし足蹴にしといて、随分とええご身分どすなあ。
 どない育ち方してはるのか知らんけど、あんたがたの行いはそれ以前の問題とちゃいます?」

──なんて、殊勝な物言いが出来れば話は早いのだが。

「帰ったら新聞でも見とおみ。うちは英雄ゆうてちやほやされて、あんさんはしょうもない与太者や。
 誰がどぉ考えても、〝こちら側〟におった方が得とちゃいます?」

物理的に刃の猛攻を浴びせながら、織衣は口も休めることがない。
霊装使いとしての『義務』と『利益』のために戦う彼女にしてみれば、その双方を欠く『らぐなろく』は決して相容れない存在だ。
そして何より――明らかに自分を軽んじ、甘く見ている者には、きついお灸を据えてやらねばならない。

「っ、うぐぅぅぅっ……!!」

手負いの獣さながらの獰猛さでベアトリクスが襲いかかる。空になったコンテナユニットを盾として使い捨ててその衝撃を受け止める。
尚も拳圧は凄まじく、織衣は半壊した霊装ごと鞠が跳ねるように吹き飛ばされた。

「これでようやっと、離れられましたわぁ──!!」

脳を撹拌されるような嘔吐感。だが織衣は不敵に笑う──今こそが千載一遇の好機。
すぐさまフレンドリーファイアを気にする必要がなくなったレーザーガンビットがベアトリクスを囲い、互いの間に張り巡らせるようにレーザーを照射した。
光の檻が、獅子を捕らえんと広げられる。
112イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[] 投稿日:19/11/23(土)20:58:46 ID:qMh [1/6回]
>>80
「破壊と再生は周囲に溢れている事象です」

迫りくる槍を見据えアゾットを正眼に構えるグラトニー
両足をしかと大地に踏みしめて、回避など考えもせず

「それに悲しみ苦しみを感じるのはノスタルジーでしょう、理解はします」

槍がグラトニーへと到達せんとした瞬間、アゾットが振り下ろされる

「ですがソレに愉悦を感じるような輩は理解しません」

破壊力が槍を地面に叩き付ける衝撃波となって周囲の地面も巻き込んでクレーターを形成するほどに陥没する
それほどの衝撃を生み出した反動でグラトニーの体は宙を飛ぶ
そして勢いをそのままにベルナへと突っ込んでいく!

「どっせい!」

アゾットを携えた右手ではなく徒手空拳の左手が振り下ろされる
しかしその威力、常人を超えた電柱を穿つ一撃!
113ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/23(土)21:29:27 ID:MWk [3/7回]
>>112

「そうよ、そう、誰も私を理解は出来ないの、してくれないの。
 だから私もう慣れてるのよ、拒絶、嫌悪、不快感、昔から知っているもの」

ゆらりと右手を頬へと当てて、長い爪は肌に食い込んで血が滲む。
掻き毟る様に指を上下させながら、浮かべる笑顔は変わらない。

「きひゃ、ひひゃはは。
 理解出来ない物を理解しようとしないのは賢いわ、賢いわね、とてもとても。
 迷いは動きを鈍らせるものだから、だから私も迷わないの」

深い吐息、だらりと垂らした両腕、身体に巻き付く金属板が鎧の様に。
グラトニーの左手がそれらと纏めてベルナを叩いた。
鎧代わりの金属が砕ける衝撃と、めきりごきりと鈍い音。

「ぐゅぎ、ぎぃっ」

点滅する視界、勢いそのままに大きく後方へと弾き出され、ベルナの身体は瓦礫の山へと叩きこまれる。
それでもなお浮かべる笑顔、血反吐を吐きながらげらげらと。

「ぎき、ひゃひゃはははひあっはははぁ!」

次の瞬間、依然としてグラトニーの背後に伸びっぱなしであった『蛇』が、大きくグラトニーへと横薙いだ。
114イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[] 投稿日:19/11/23(土)21:46:43 ID:qMh [2/6回]
>>113
「む!?」

綺麗に一撃が決まったからかベルナに注意していたグラトニーは蛇の動きに気付くのが遅れる
今までのようにアゾットから衝撃波を発する事も出来ず蛇の一撃を受ける形となった

バコンといい音を立てて吹っ飛ぶグラトニー

流石に自身より質量があるであろう蛇の一撃を素で受け止められるわけもなく
あっけなく瓦礫の山へと叩き込まれてしまった
115ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/23(土)21:59:12 ID:MWk [4/7回]
>>114

「ごひゅ、げほ、げぁ……あぁはぁはははははは……!
 楽しいわ、楽しい、とてもとても!痛いの、苦しいのって、私大好きよ!」

瓦礫を掻き分け、山を崩して。
口から溢れた血液で地面を赤く染め上げながら、ゆらゆらとベルナは立ち上がった。
細く長い舌が唇の血を舐め取る、鈍銀色の大蛇はすぐさま追撃に移る。

「あはぁ……だってだって、ほら。
 今が夢かどうかを確かめたいと思ったら……人って肌をつねるじゃない?
 痛いって、苦しいって、一番『生きている』ってことだと思うの」

連打、連打、連打。
グラトニーが叩きこまれた地点へと、幾度も続けて『槍』の一撃を加えていく。
116イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[] 投稿日:19/11/23(土)22:20:37 ID:qMh [3/6回]
>>115
「成程」

合点がいったとばかりの声と共に槍を吹き飛ばさんと発生した衝撃波が瓦礫の山を弾き飛ばす

「そういった性癖を否定はしませんが、TPOを弁えるべきでは?」

アゾットを掲げるようにして構えているグラトニーは額でも切ったのか左目や頬を自らの血で濡らしている
更には白かった筈のボディスーツは黒へと変色、表面の青く輝く幾何学模様はどす黒ささえ感じる赤へと

「投降を推奨します、そして暴れたいのならアイアスに属して暴れればよいと提言します」

アゾットも用いず自分よりも大きい瓦礫の塊を踏み跳ね上げたと思えばベルナへと蹴り飛ばすグラトニー
戦闘用人工生命体は本気を出してきた
117◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/23(土)22:32:54 ID:jLw [18/18回]
>>111

「テメェ――テメェに何が分かる!!!」

その言葉はベアトリクスの神経を逆撫でした。
人を足蹴にしているからどうなのか。今まで足蹴にされていた分、何故自分がそれをやってはいけないのか。
社会が自分を悪だと認定するのであったら、それを全部引っ繰り返してしまえばいい。誰もそんなことは言えないようにすればいい。

「あいつはオレたちのこと愛してくれるって言った!オレの理不尽を分かってくれたんだ!!」
「甘っちょろい生き方ばっかりしてたお前らみたいなのが、分かったような口を聞くんじゃねえ、クソほど腹が立つんだよォ!!」

そして感情の衝動はベアトリクスを動かし、握り締めた拳にもその力が反映されるのは、見た目にも明らかであっただろう。
コンテナユニットへと叩きつけた拳は、それを破壊しつつも彼女の身体を思い切り吹き飛ばした。
暴走状態へと向かい続けるアロンダイトの性質も相まっての一撃であったが、然しそれは同時に思考を乱雑化することにも繋がるものであり。

「あぁ――マジィ!!」

一撃で仕留められなかった、その上に距離が空いた……距離が開けば開くほど不利になるのはベアトリクスであり、有利なのは彼女だ。
遠距離のアドバンテージを与えないように、拳を再度握り直して接近をしようと踏み出そうとするが――レーザービットが目の前に見えた。
舌打ちと共に咄嗟に足を止めたのが命取り。その瞬間、周囲を光の檻が囲い込み、その中心に少女は立っていた。

「なんのつもりだお前、こんなもんでオレを止められると――くっ、畜生!!」

そのまま無理矢理突っ切ってやると、片手を光の檻へと伸ばせば、その指先が強烈な熱に焼かれ、すぐにその手を引いた。
押し通ろうとすれば身体はズタズタに焼かれるだろう。それが出来るほどにベアトリクスはできていない。命は惜しい。

「ふざけんな、ここで嬲り殺しにするつもりかよ!だったら一息にぶっ殺せよなぁ!!」

そうして叫ぼうとも、最早まな板の上で膨らむ河豚と何が変わろうか。
118ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/23(土)22:41:55 ID:MWk [5/7回]
>>116

「い、や、よ。
 投降なんてしないし、貴女達の味方なんかになるつもりも無いわ」

ぎゃらぎゃら。
蛇が巻き取られ、ベルナの右腕へと絡みつく。
隙間無く、金属がひしめく音と共に、徐々に徐々に重厚的に。

「私ね、こんな世界壊れるなら壊れちゃえば良いと思っているわ、滅茶苦茶にしたいの。
 出来ればアームズの味方をしてあげたい、でもそれは出来ないから。
 だってあの子達、私がいくらお友達になろうとしても、何も言わずに襲って来るばかりなのよ?」

蛇はやがて、ベルナの右肩を起点とする巨大な『腕』へと姿を変えた。
犇き蠢く鋼の巨腕は、大きな平手をグラトニーへと叩きつける。

「だから今は仕方が無いけどラグナロク、『終末の日』の味方なの、ひひひ」

衝撃にあてられようときっとその腕は、無理矢理にでも振り下ろされることになるだろう。
だが、巨大で鈍重故に動きは多少緩慢だ、躱す事は出来るだろうか。
119イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[] 投稿日:19/11/23(土)22:51:24 ID:qMh [4/6回]
>>118
「破壊は再生への第一歩です」

姿勢を低くしクラウチングスタートにも似た構えをとるグラトニー
何かが爆ぜるような音を響かせ足元の瓦礫を後方に蹴散らして低く低く弾丸の様に跳んだ
巨腕が振り下ろされるよりもずっと早く、
グラトニーはベルナへと到達し、ベルナを地面に叩き付けるために拳を振り下ろすだろう
今のグラトニーにはソレが出来るだけのスペックが解放されている

「それをお忘れなきよう」
120ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/23(土)23:31:01 ID:MWk [6/7回]
>>119

「えぇ、大丈夫よ、忘れて無いわ」

口から血を溢れさせながら。
打ち付けられ、痣だらけの身体でゆらゆらと佇みながら。
笑う、笑う、依然変わりなく。

「壊してグチャグチャにして滅茶苦茶にして……ぎひ、きひゃは、作り直すの。
 貴女達がそうして『普通』を作ったように、決めた様に。
 それで気に入らなければまた壊すから、あはぁはは……!」

グラトニーが拳を打ち付けようとした瞬間、ギャラギャラという音と共にベルナの『左肩』を経由し鈍銀色が現れる。
思えば当然の話……蛇に頭と尾がある様に、もう一方にも『端』はある訳で。
今の今までベルナの身体を覆い鎧の役目を果たしていたそれが、二人の間の地面へと突き刺さり壁の役目を果たす。
金属板は弾け飛び砕けて。

「可愛い可愛い、ゴルゴン、私、蛇って好きよ」

とん、とん、瓦礫を蹴り飛ばして後ろへと下がる。
消耗した鋼の蛇がゆっくりとベルナのローブへと絡みつき始めた。

//二日目も時間遅くなってきたので、そろそろこちらがひとまず撤退する形で〆ようかと思うのですが、宜しいでしょうか……!
121イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[] 投稿日:19/11/23(土)23:39:29 ID:qMh [5/6回]
>>120
「天災か何かでしょうか」

どうにも目の前の相手は理解できそうにないとグラトニー
追撃に出るかと考えもするが…そもそも今回の目的はラグナロクではない

「周囲のアームズは……はて?いつの間か大分スコアを稼いでしましたか?」

思い返し周囲を見回せば辺り一面瓦礫とアームズの山であった
二人の戦闘は周囲に甚大な被害をまき散らしていた
ある種、ベルナの目的は達成され、グラトニーの任務も最低限はこなされたと言える

帰ったら確実にグラトニーは怒られるだろうが

//了解ですー
122ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/23(土)23:54:17 ID:MWk [7/7回]
>>121

「私は人よ、人以外に見える?」

戦いの余波を受け崩れかけたビルを、蛇が横薙ぎ倒壊させて。
グラトニーとベルナの間を分かつ、大きな瓦礫の山を生み出した。
恍惚とした吐息と笑顔と共に、ゆらゆらと背を向ける。

「あはぁ……楽しかった、満足ね、満足、今日は満足よ。
 それじゃあね、私、帰るわ、ひひ、ひひゃはは……!」

立ち昇る砂煙に、姿は溶けて。
きっとすぐに見えなくなる。

//ではこちらはこれで〆で……お疲れ様でした!
123 : イベント戦 グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[] 投稿日:19/11/23(土)23:55:27 ID:qMh [6/6回]
>>122
//お疲れさまでしたー
124清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/23(土)23:59:21 ID:ZnN [9/9回]
>>117

緊急時にしか使用されないスーツの背部スラスターを吹かせて慣性に抗い、身体2つ分も後ずさりして着地する。
文字通りの身一つで戦場の大地に立つのは、織衣にとって初めての経験だった。それだけギリギリの戦いだったのだ。

「ほぇ? ……よう分からんよ。他所は他所、うちはうちやもん。
 なんや、『えげれす』では説教するんにあんさんのおつむん中まで調べなあかんの?」

吼え猛るベアトリクスに、織衣はきょとんとした顔で応じる。理解を示したつもりすらない、と。
感情も経験も関係なく、霊装という力で平和を脅かし社会を混乱させた咎をただ裁く。
そこにあるのは『善』とは全く異なる『正義』──或る意味では最も強固で、ひどく乾いた意志。

「思い込みで話すのをええ加減やめなはれ。あんさんを閻魔様に突き出した所で鐚一文にもなりまへんえ。
 ほな、このまま武装を解いて『あいあす』におこしやす。積もる話が幾らでもありますからなぁ」

アームズが跋扈する状況下での人間同士の戦いを無駄と断じる以上、織衣にはベアトリクスを殺す気はなかった。
武装解除と投降の勧告。もしそれが拒否されるなら、このままビットによる攻撃で無力化し捕獲する。まぁ、最悪腕や足は用意できるだろう。
『らぐなろく』が何を考えているのか。「あいつ」とは誰なのか。霊装アロンダイトのデータ──情報は幾らでも欲しい。

「……それとも、ここらでいっぺん痛い目お見やす?」

天性の誇りと驕りに起因する、余裕を持った振る舞い──とは言え彼女も万全な状態ではない。
目を凝らしてみれば、ビットの出力が不安定になっており、檻に僅かな隙間が生じる一瞬を発見できるかもしれない。
だがあまり長く待っていたり直接攻撃を行ったりすれば、織衣は容赦ない攻撃を仕掛けてくるだろう。
チャンスの神の前髪を掴めるかは、ベアトリクス次第だ。
125◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/24(日)00:46:18 ID:j0C [1/4回]
>>124

「お前ェ……お前に話すことなんて何一つだってねえ!!」

とは言え、この状況ではどうしようもない。
威勢よく吠えかけてはいるものの、既に全身を貫かれているという状況なのだ。
血を流しながら吠え続けているせいで、ただでさえ低下している体力を更に失っているという悪循環の中にすらいるのだから。
アロンダイトも、主砲を破壊するために放り投げてしまった。素手で突破するのは、殆ど無理に近い。

「やってみろよ……そんときゃお前も道連れにしてやるよ……!!」

(……いや、あいつが殺す気がないなら……そうか)

売り言葉に買い言葉で挑発をするのだが、思考は冷静に回す。
どうにも彼女は自分を殺す気はないらしい。今から勝機がないというのであれば、いっそのこと捕まってアイアスへと運ばれるのも悪くはない。
拘束の度合い次第ではあるが、そういう場所から抜け出すのは得意だ。敵の本拠地を突き止めて、情報を持ち帰れば……面目も保てるはず。

(どうにかしてデータも流せばあいつも褒めてくれるはず……しょうがねえ)

……レーザーの檻の中で、どっかりと腰を下ろした。
霊装アロンダイトの展開を解除すると、光の粒子と化してそれが消えて、黒いコート姿に身を包んだ、ベアトリクスの本来の衣装へと戻る。
血を流して、それから相手を睨みつけつつも。

「……好きにしやがれ」

と、低く言った。
思惑はどうあれ、少なくともこの場では投降の意思を見せるのであった。
何か企んでいることなど、彼女はお見通しだろうがさて、あとは清水谷織衣の判断次第である。
126清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/24(日)01:37:34 ID:SuF [1/2回]
>>125

(……露骨にも程があるで。まあ、しゃーないわ。そも出来る限り人殺しさせへんのは上の意向やし)

「あんさんの扱いを決めるのはうちやない。神妙にお沙汰をお待ちおしぃ。
 もしかしたらえげつなーい人体実験が待っとるかもなぁ。知らんけど」

ベアトリクスの武装解除を確認すると、自らは霊装を纏ったまま護送を試みるだろう。
四方八方から残った標剣と魚契で睨みを効かせ、ちょっとでも怪しい動きがあれば即座に攻撃出来る構えで。
127◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/24(日)01:52:25 ID:T1c [1/1回]
>>126
「勘違いすんなよ、オレは死にたくなかっただけだ。お前らに屈したわけじゃねーぞ」

反抗的な態度はそのままではあるが、それでも指示通りにベアトリクスは動き出すだろう。
兎に角、向こうの本拠地に入ってしまえばこちらのものだろうと考えているのは、やはり彼女らを侮っているからか。

(まっ、こいつらにオレを屈服させるなんて出来るわけねーねどな!)

とは言え……これにて護送されることになるだろう。このベアトリクスという捕虜の管理に関しては、基本的にアイアス側に移されることになるが。
その管理の一端を、彼女が担うことになるかもしれないし、そうはならないかもしれない。

/それではこちらからはこれで〆で……ありがどうございましたー!!
128 : 清水谷 織衣◆</b></b>ZoXUXoOXiM<b>[] 投稿日:19/11/24(日)01:54:44 ID:SuF [2/2回]
>>127
//二日間お疲れさまです!ありがとうございました!
//今後どういう付き合い方になるかは……考えます!
129スクリューヘッド◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/24(日)12:39:16 ID:ZSg [1/4回]
それは突如として現れる。


『……』

市街地の交差点、人間の往来も激しく、今日も変わらぬ雑踏、他愛のない会話が繰り返される。

『………』

午後12時1分
最初の異変に気づいたのはまだこの環境に慣れていない、幼い子供達だった。
口々に言うのは「揺れる」の3文字。

『…………』

午後12時3分
大人達も異変を感じ始める、ある者は子供から、ある者は強まった揺れを自身で感じ取った。

『……………』

午後12時4分
騒めき、蠢き、激震走る。
1人の男が叫ぶ、「割れている」と、それは瞬く間に地面に広がるヒビの事だというのは誰もが理解しうる事だろう。

『………………ッ!!!』

午後12時5分
一体のアームズがアスファルトを突き破り現れる。
それを合図とするかの様に、交差点全体を飲み込むかの様に陥没が起こる。
前兆を読み取った人間は、運良く交差点から出ていた人間は、生き延びた。
それ以外は、飲み込まれた。


日常の崩壊は突如として起こった。

130 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/24(日)20:41:21 ID:j0C [2/4回]

「今回出撃したのは、宮比神扇、蜻蛉切、アゾット、大刀契の適合者四人……目的であるアームズ撃破は完遂できたが……」
「ラグナロク側の襲撃も相まって、周辺への被害は大きく、また霊装使い達のダメージも……」

アイアス司令室。

今回の大規模フィーンド出現における緊急出動……更にラグナロクというテロ組織有する霊装使いによって。
人命被害は最小限に抑えられたが、民間や、アイアスに対する被害は大きなものになっていた。
アイアスの本来の目的はアームズの殲滅である。だが……ラグナロクが今後も同様の行動を取り続けるのであれば、それに対抗する術を考えなければならない。
最近まで、行動自体がはっきりしなかったために先延ばしにされていた案件であったが……本格的に動き出す必要があるようだ。

「ラグナロク側の、アロンダイトの適合者を捕らえることができた……これでなにか情報が引き出せればよいのですが……」

現状、対象は反抗的な態度で有益な情報は吐いていない。
これからどうなるかは分からないが、相手もまた少女。あまり強烈な尋問を仕掛けることも難しい状況ではある……誰かが情報を引き出せれば、それが一番なのだが。
現状はラグナロク側に対して決定打があるわけではない……

「……“アレ”を持ち込めるよう、上に掛け合うか……」

調査を続ける他に手段はないとは言え、このまま手を拱いて待っているわけにもいかない。
アームズの殲滅という目的をおろそかにする訳にはいかないが……同時にラグナロクへ、実行できる策を実行することを決められた。

その後、アイアス所属の霊装使いたちへと今回のラグナロクにて出現した霊装の一部の情報が知らされる。
それと同時に、ラグナロクに対するより一層の注意喚起もまた。新たな戦いの幕が、ゆっくりと上っていく。
131 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/24(日)20:41:31 ID:j0C [3/4回]

ラグナロク有する空中空母内。所属する霊装使いの少女達が一同に集められた。その目前に立つのは、一人の女……
黒く長い髪の女。病的なまでに白い肌に、仄暗い黒い瞳。顔の半分を覆っている火傷痕。
名を、アナスタシア・F・サフォーノフ……現状において、ラグナロクの動きを主導する人物であり、霊装使いでもあった。

「皆様、先ずはお疲れさまでした……皆様のお陰で、アイアスの大まかな戦力を解析することができました」

声は細く、ともすれば消え入りそうなものであるが、不思議と耳に残るものであった。
一人一人の前へと歩み、手を握るか、或いはその頭を撫でるか……そこには、凡そ慈愛にすら満ちているかのような様相をすら見せる。
小さな微笑みと共にその行動を行いながら、再度彼女達の前に立つと……表情変化こそ少なくも、その表情に明確に悲しみの色を見せる。

「しかし、ベアトリクスは残念でした……いいえ、時が来れば、必ず私達ラグナロクの下に取り戻します……ですが今は……」

一人、捕虜となった少女の名を挙げる。そして同時に、彼女を諦めていないことを彼女達に告げつつ。
女は心より、彼女達へと愛情を注いでいるようであった。その言葉の一つ一つに、偽りがあるわけではない。
だが、それに悲しんでいるばかりではいけないと……また彼女達へと、微笑みかけたのであれば。

「今は、黄昏の刻が近付いたことを、喜びましょう……さぁ、皆様」

無償の愛情を静かに、然し惜しみなく彼女達へと注ぐのであった。
何れ来る黄昏の刻のため。その思いは一人ひとり違おうが、その一人ひとりに、別なく心を注いでいる。

「……お食事にしましょうか」

食堂には手製の料理が並んでいることだろう。彼女達の空腹と疲労を満たして余りある……そして幾許かのお小遣いも。
今は彼女達を労うことこそが、アナスタシアという女にとっての真であった――次なる戦いに備えるべく。少しばかりの暇も与えて。
132智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/24(日)21:22:00 ID:ksh [1/1回]
「ベアがアイアスに捕まった……?
…………まずいですね、アロンダイトの性質が知られれば私達さらに人非人扱いされかねません」

携帯にて連絡を受け、焦りを見せる口調とは裏腹に無表情を貫く少女が1人。
特にアイアスと接敵する事もなく単独で対アームズの対処を行なっていたラグナロクの一員、智恵美・フレイザーだ。

作戦要項にないアームズへの対処を行っていた事には様々理由があるが結果として大規模戦闘には巻き込まれず、
かつ特に援護に向かう事もなく帰還していた為やや情報が遅れているのだ。

「……?
ええ、私は今お出かけ中ですが。
敵前逃亡?まあ、そうとも取れるかもしれませんね」

そんな彼女がいるのは九里峰市の電気街。
難しい顔をしながら店頭に並ぶ電子機器を物色している。

「……ですから言っているでしょう。
アームズを制御下に置く事にどれだけの理があるか。
アームズも霊装も技術発展の礎なのです、違いますか?」

聞く人間が聞けば大問題になりうる話を、特に気にすることもなく繰り返しながら市販のUSBケーブルを手に取る。
内容が理解出来ていなくとも、電話で静かながらヒートアップしながら商品を弄っている姿は悪目立ちするだろう。
133香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/24(日)21:30:28 ID:a0O [1/3回]
>>129
アームズ急襲の一報を受け、直ちに待機していた霊装使いが派遣が決まる。
それと時をほぼ同じくして。アイアス本部より一機の霊装が、本部の決定を待たずして飛び立つ。

12:10
突如として出現したアームズ急襲の震源地、グラウンドゼロ上空に霊装が姿を現す。
その姿は現代的に表すなら中型の飛行ドローン。違う点を表すなら、その中心部にあからさまに人間の姿があること。

「あれは……アームズ?いや、間違いない。そうに決まってる。私の滅ぼすべき宿敵……」

各種周辺情報や本部から届けられる通信を随時表示するバイザー越しに、本霊装の搭乗者、香坂ミナミは目標を見下ろしていた。
目前に存在するアームズは今までに確認したアームズのどれにも一致していない。
ラグナロク側の新型霊装の可能性も十二分に存在していた。だが少女は疑いを持たなかった。ある種の確信があった。
目前のソレが、自らの斃すべき敵であると。

「本部、アレはアームズ。間違いない。排除に移る」

バイザーに取り付けられた通信機越しに、短く、そして淡々と伝え、機械仕掛けの灰色の翼は急降下を始める。
それは獲物を定めた猛禽類が、それを捕らえんと足を伸ばすように。急激に、そして迅速に。

バイザーに映る赤枠がヤツの全身を囲み、徐々にその枠は狭まっていく。
そして収縮の終わりと同時に鳴り響く、偵察の終わりを告げるアラーム音。

「FIRE!」

翼に搭載されたミサイルポッドより、二つ一組のミサイルが放たれ、霊装を上回る速度で地上へと向かう。
目標はただ一つ。忌々しき自らの、人類の敵のみ。

//かなり間は空いておりますが、それでもよろしければ。
134スクリューヘッド◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/24(日)21:56:24 ID:ZSg [2/4回]
>>133
『…』

時を同じくして、陥没し巨大な窪みと化した交差点の中心に鎮座するアームズは少女を認識した。
間髪入れずに戦闘態勢に入る。
体の各所から火花が散り、関節が熱で紅に輝く。

『……!』

そこら中に散らばるアスファルトの塊を一つ掴みとる、バイザーに覆われたその眼はハッキリとミサイルを捉えて離さない。
塊を持った右腕が肩ごと高速回転を始め、その勢いで大質量の弾丸とも言えるアスファルトの塊を投げ飛ばす。
1発目を投げ終えると更に塊を掴み、ミサイルと彼女目掛け機関銃の如く塊を投げつけた。

//宜しくお願いします!
135香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/24(日)22:27:18 ID:a0O [2/3回]
>>134
投げ出されたアスファルト片は急激な加速により細かな破片を撒き散らしながら、ミサイルへと急接近。
ミサイルの目標への到達を待たずして一つ、また一つと届く事無く空中で爆風を上げる。

「ッ!速い!」

さらに対空砲火と言わんばかりの追撃の砲弾が迫る。
ヤツへの急降下を行っていた機体は急激な機首上げを止むなくされ、再び大空への離脱を行う。

「あんなに迅速に迎撃されるなんて……アレは一体?」

今まで交戦してきたアームズとは明らかに異なる挙動。それはまるで人間が意図的に操っているかのような。
さまざまな考えが頭を通過していく。やはりラグナロクの敵対霊装である可能性。あるいは襲撃の為に進化したアームズである可能性。
だが今は深く考えているような状況ではない。大空へと再び向かう中で少女は短く首を横に振る。
どちらにせよ、この交戦データはアイアス本部にも送られている。今すぐ自らが答えを出すような状況ではない。

「ならアプローチを変えてもう一押し……!」

アームズの前方上空より、旋回を終えた機体が再び迫り来る。
放たれるのは先ほどと同じく二つのミサイル。これだけでは同じように対空射撃により迎撃されるのは目に見えている。

だが次は違う。奴の頭上を越え、後方へと向かったと同時に機体は急旋回を行う。
一般的な航空機ではまず行えないような角度、および速度の急ターン。霊装だからこそ行える技だ。

「FOX2!FOX2!」

バイザーが再度ヤツを捕らえたと同時に、背面を狙ったミサイル二発。
この速度は、ヤツには対処できる物か。
136スクリューヘッド◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/24(日)22:53:16 ID:ZSg [3/4回]
>>135
『…』

異質なるアームズ、それが進化したアームズだという考えは正解と言っても過言ではない。
近くのアスファルト片をあらかた投げ終えると腕の回転も徐々に弱まる。
その両腕は赤熱化し火花を散らしている。

『……!』

そして発射されるもう2発のミサイルをその眼で捉えると、位置を変え再度迎撃、これがブラフであろう事など考えもしない、そもそもそんな知性を持ち合わせてはいない。

『……!?』

2つのミサイルは当然の様に迎撃されるだろう、それを確認すると、彼女の行方を追い後方に目を向ける。
ミサイルが目に入る、それもほぼ目前だ。
完全回避は叶わない願いだと言うのは客観的に見ても明らかだ。
そこでこのアームズがとった行動は地面への回避、両足を高速回転させ地面を抉り瞬く間に地下に潜る。
137香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/24(日)23:19:53 ID:a0O [3/3回]
>>136
奴の目前まで向かったミサイル群を確認し、決まったと思わない者はいないだろう。この少女もその一人だ。
目論見通り着弾する弾頭。着弾地点を中心に巻き起こる爆風。これを受けたならばタダでは済まない。そのはずだった。

「っ!?居ない!?」

噴煙が収まった後に少女が見たものは、初めから何も居なかったかのような静けさの中心地であった。
あの爆炎ならば残骸等が残されていてもおかしくはないはず。それなのにだ。

「……本部、見えた?奴はあの一瞬で離脱したようにも見えた。どう思う?」

空中に足を止めていた機体が高度を下げる。この一瞬の経緯を見定める為に。
機体のバイザーに映る映像が正しく本部へと届いているのであれば、確認の為にも現場検証は必要になる。
火力支援を受け持つこの機体に任されたもう一つの任務としては、おかしくはないものだろう。

ここでのミスは二つ。一つは奴が地下に逃げたという事実に気づけなかったという事。
元々地面より現れたアームズによって荒らされていた地面に、今更穴の一つや二つが増えていても見分けるのは簡単な事ではない。
それに、この少女は奴の登場シーンすら目の当たりにしていないのだから当然だろうか。

もう一つのミスは、不用意に高度を下げてしまった事。
今や機体の高度は先ほどまでとは打って変わり、平屋建て団地の上層階ほどしかない。
地面から不意の一撃を浴びせるには、これ以上うってつけの的はない。
138西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/24(日)23:29:53 ID:j0C [4/4回]
>>132

「充電器、充電器……」

電気街、ちょっとした買い物のために西條夏鈴はここへやってきていた。
新しいスマートフォンのケースと、ついでに充電器を買うのが目的だった。
ゆったりとしたベージュのコートと、黒いタイツを履いて、電車も使って徒歩でこうしてやってきたわけだが……。

(……あれ、この人、アイアスの人なのかな?)

充電器を探している横で、ふとその電話越しの会話が聞こえてくる。
アームズ、の話だけならば一般的に公表されている以上そういうことは十分有り得るが、霊装に関してはそうではない……情報は秘匿されているのだ。
もしもアイアスか、或いはそうでなくとも、霊装開発の関係者であるならば秘匿する義務が存在するはずだ。
どちらにせよ、このまま放っておくのは良くないだろう……と、すすす、とその隣に移動して。

「あの……アイアスの関係者の方ですか?」

西條夏鈴がアイアスに所属することになったのは、三ヶ月ほど前にもなる。
そのため、彼女のことも知らなかったのは、幸運か、それとも不運か……彼女とは違うのは、声を潜めて、耳元にそっと掛けていることだ。
電話と物色に意識を向けている場合は、唐突に感じるかも知れない。
139スクリューヘッド◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/24(日)23:40:18 ID:ZSg [4/4回]
>>137
『…!…!』

地面に潜った事で直撃は避けられた、しかし地面に着弾したミサイルは決定打とは言わずともそれなりのダメージをこのアームズに与えていたのも事実。
地中にて息を潜めるアームズ、その上半身は爆発によって一部が融解していた。

『…』

このアームズ、全身がドリルの様なものなので地中を泳ぐ様に進む事ができる。
この能力で地下に空洞を作りこの災害を引き起こしたのだ。

『……』

一度深くに潜り高度を下げた彼女彼女の真下にあたる地中まで移動すると、勢いをつけ上昇、地面から飛び出す様はさながらミサイルの様である。
耳が良ければ攻撃の前兆に気づく事が出来るのかも知れない。
全身に猛回転を加え霊装ごと彼女を貫こうとアームズは飛翔する。

//今日は眠気が限界なのでここまでで凍結をお願いします…!
140智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/25(月)00:01:51 ID:a9f [1/5回]
>>138

耳元で声をかけられ、無表情は相変わらずだが仰天する。
そして内容を頭の中で整理しまた仰天。

滝のように汗を流しながらも、
ポーカーフェイスである事は自覚しているのでさも何もなかったかのようにスマートフォンをポケットに仕舞いこめば。

「アイアス……?
アイアンでしたらあちらの売り場ですよ、では」

などと供述すると共に逃亡を図る。
しかし自分でも流石に無理があると感じたか、あるいは店内にある監視カメラの存在を思い出したか。
改めて向き直る。

「……何かの間違いでした。
確かに、まぁ関係者のようなものですか。
どちらかと言うと技術畑の人間でして」

観念し会話のテーブルにはつくが、相手が自分を知らないのをいいことに正体は明かさない。
嘘を吐く事に躊躇いはないが、相手がアイアスの一員である事も分かっていないようだ。
141香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/25(月)00:16:22 ID:xru [1/3回]
>>139
「……不自然な振動を検知?このタイミングで地震でも起こそうって?」

バイザーに飛び込むのは、周辺一帯に響く謎の波長を検知したというアラーム音。
始めこそは突然の予兆に頭を捻りそうになったが、その異変が少女の身に直接害を及ぼす物であると気づくには、少し間の間が生じてしまった。

「ッ!?まさか!?」

上空に浮かぶ少女の身にも伝わる程の異様な『揺れ』。その正体に気づいた時には、既に機体は前方へと動きつつあった。
だが急には動かせない。止まった車両の急発進が難しいのと同じように、空中の機体も急激に避ける事は出来なかった。

「ッ、ぬああぁぁぁぁッ!!」

暴力的な渦に巻き込まれるように弾き飛ばされる機体と搭乗者。
回転の衝撃をそのままダイレクトに受けるようにキリモミ回転を起こし、やがて墜落するように地面に叩きつけられる。

灰色の翼は深く抉られた痕が残り、損傷の断面からは絶え間なく火花が上がる。
中心部に居た少女の青いスーツも一部一部が赤く染まり、その赤は機体の翼にも付着する。

《機体に中度の損傷を確認。戦域の離脱を推奨》
「油断した……地面を這いずり回るヤツにやられるなんて、ツイてない……」

被害状況を伝える管理システムからのメッセージが響く中、少女はダメージの大きい腹部を押さえて座り込む。
状況から見て再び飛ぶことは難しくないだろうが、ここまで接近された状態で再び行えるかは別。
機体の警告を放置し、苦し紛れの手動照準によるミサイルが一発放たれる。
お世辞にも精度が高いとは言えず、誘導も付いていない。避ける事はそう難しくないはず。

//了解です。またそちらの都合の良いタイミングでどうぞ。
142◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/25(月)00:27:34 ID:9zA [1/1回]
>>140
(えーっと……どうしたのかな。ビックリしてる……のかな?)

話しかけた彼女に対して、無表情でいるのに一抹の不安がよぎる。
勿論、相手がラグナロクに所属するとは露とも思っておらず、ただ単に、怒らせてしまっただろうか、という意味なのだが。
流れている滝のような汗を見て、辛うじて驚いているのか、と思い至るわけであるのだが。

「あ、アイアン……?いえ、そうじゃなくて……」

流石にほぼ素人とは言え、そこまで苦しい誘導に引っかかることは無かった。
どうしようか、と思い始めたところで、夏鈴の方からアクションを起こす前に、向き直って会話に応じてくれたのは幸運だった。
相変わらずの無表情に、ちょっと居心地の悪さを感じたりしつつ。

「あ……技術屋さんだったんですね、成る程」
「私、アイアスの職員なんです。研修中なんですけどね」

それはたしかに、夏鈴が知らないわけだと勝手に納得する。
一般の職員ならともかく、技術屋となると研修員の夏鈴が直接顔を合わせることは少なくなる。知らなくてもおかしくはない……と。
勘違いに勘違いを重ねて、勝手に納得するのであった。

「でも、あんまり外で霊装の話とか、したら怒られちゃいますよ……?もうちょっと、聞こえないところでした方が……」

そしてこれが本題である。
情報漏洩の罪が如何程かは分かっていないのだが、こうも人の多い場所で堂々とするのは不味いだろうという警告。
彼女からしたら、知ったこっちゃないことだろうが。
143智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/25(月)00:41:52 ID:a9f [2/5回]
>>142

「アイアスの職員……?
研修中、ははあなるほど……」

無駄に回る頭によって夏鈴が自分のアイアス離反後にアイアスへ関わり始めた事や、自分をアイアス技術課だと勘違いしている事を把握する。

「……そこについてなんですが、貴女はおかしいとは思いませんか?」

情報漏洩を咎める発言を聞くや食い気味に話し始める。
表現こそ変わらないものの雰囲気は大きく変わり眼光も心なしか鋭く見えるだろうか。

「霊装……あれだけのものを純粋な科学技術によって再現する事は現状不可能です。
その存在をアイアス以外に共有することすらなく、そして兵器としてしか利用していないんです。
もしも、もしもケラウノスのような大出力をあれだけの小型で実現する事が出来たら?
シウ・コアトルのように意思ある機械を作り出す事が出来たら?」

暗に「世界はもっと良くなるのに」という悔しさを滲ませながら語っていく。
声色は鋭く冷たいものであるが内に秘められた熱量を窺い知る事は容易だろう。
144西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/25(月)01:07:39 ID:aM6 [1/5回]
>>143

「えっ、ちょ……ちょっと待って……!?」

突如、眼光が変わったと思ったら、捲し立てるように語り出した彼女に、先ずは驚愕した。
そして同時にあんなに無表情であったのに、こうも感情が判りやすいこともあるのか……なんてことに妙に感動しつつ。
取り敢えず、その左手を彼女の肩に於いて、人差し指を顔の前に立てて、静かにしてほしい……というジェスチャーを入れるのだが。

「えーっと……つまり、もっと公に霊装を研究したほうがいい、ってこと?」

霊装に関して、詳しいことを夏鈴は聞かされていないのだが、それでも職員としていると大まかなことは分かってくる。
そして外で堂々と霊装の話をしていたことに対する理由も。
そもそもの秘匿義務自体に疑問を持っているのだとしたら、それは納得だ。取り敢えず外での会話をやめさせるのは一旦諦めて。

「……確かに……そうなったとしたら、凄いとは思うけれど……」

霊装とは超常の存在だ。
それをもしも思うがままにできてならば、技術発展は凄まじいものになるだろうが……。

「でも……霊装は子供しか使えないし、悪用する人も増えるから、情報は隠すべきだ……って、聞いたけれど」

現状でもラグナロクという組織が出てきたように。
それ単体でも既存の軍隊を上回るような存在である霊装が広く知れ渡れば、悪用する存在も増えるだろう。そのために犠牲になるのは子供たちだ。
そして夏鈴が知ることではないが、霊装保有に関する国家間の軋轢というものも存在する。
数多の事情が絡み合って、霊装の秘匿義務につながっている。公表するにはリスクが多すぎるのでは、というのが夏鈴の意見なのであった。
145智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/25(月)01:24:52 ID:a9f [3/5回]
>>144
「そう、アイアスはそのあたりの頭が固い。
例えばインターネットとて戦時下において使われた技術が基になって今日に至るわけです。
しかし霊装に関しては様々なしがらみに縛られそういった技術の下野が行われない。
嘆かわしい、まったく嘆かわしい話なんですよ」

ややどころではなく早口、ハキハキと物を言うタイプで無ければ何を言っているのか分かりづらいくらいのものだ。
内容は「公に、そして大々的に研究していくべきだ」というものに終始する。

「子供にしか使えないというのなら子供を使えばいい。
危険性を承知でやらなければ、私達は大いなる発展の機会を喪う事になります。
それに、隠したままでも結局ラグナロクのような存在が生まれる。
禁酒法をご存知ですか?ああして禁じるからこそアングラのネットワークが広がるのです。
ならばいっそ公表し、その上で管理するべきだとは思いませんか?
私は思います、なのでそのようにラグナロクの一端として活動しているのです、当然対アームズという観点での霊装の兵器使用の必要性は理解していますがね」

さらに興奮した様子を見せつつ無表情から加速した早口でまくし立てていく。
だが熱くなり過ぎたこと、そして途中で重大な機密をゲロった事に気がつくと。

「……という設定のドラマを今度やるのです、では」

余りにも苦しげな言い訳と共に手にしたままだったケーブルを急ぎ雑に棚に戻して、
踵を返し逃げ出そうとする。
146曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/25(月)01:32:34 ID:bj0 [1/1回]

「ハァ……ハァ……モテる女の子、マジつら」

九里峰展望タワー。
普段は街のランドマークたる塔の周辺に、人類の敵たる怪物アームズは群がる。
展望台の上で、紅いライダースーツの少女は膝をつき、荒い息を吐く。

「病み上がりなんだし、もうちょい優しくしてくれても、いーじゃん、か!」

池へ住む魚に餌をばら撒くようにダイナマイトをばら撒けば、アームズが次々と爆ぜていく。
しかし、彼らの腹を満たすには、まだまだ足りない。優しさのかけらもなく、爆炎を超えて怪物は襲い来る。

「っ……くっ……!!」

食らいつこうとするアームズに飛びのくも、着地の衝撃に顔が歪む。
別の場所で戦う槍の少女と同じく、炎乃火もまた先日の一戦の傷が癒えきってない。
ダメージを考えれば、動けるところまで治ってるだけで上等と言えよう。

「……マジヤバじゃんか」

燃えるような本能に水を差すように、背筋に冷たい汗が流れる。

//お待たせしました、雨野さんへの待ちとなります
147西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/25(月)01:40:20 ID:aM6 [2/5回]
>>145
「……えっと」

捲し立てられたので、話を頭の中で整理しなければならない。
危険を承知でやれなければ発展はない。子供が必要なら使えばいい。今現在としてもラグナロクという組織がいるのだから。
ただ会い明日の上層部は頭が硬いので、ラグナロクの一員として活動している。

……ん?

「えっと、つまりそれって……」

彼女はつまり、アイアスの研究員などではなく、ラグナロクの一員……であることを自白したということでいいのだろうか。
アイアスは元より、ラグナロクもまた内でも機密であり、そしてそれを知っているということは少なくとも多少は事情を知っているということになる。
……それはつまり、とても不味いことなのではないだろうか。ラグナロクの一人が、今、目の前に、いる。

「……あー!!!ちょっと待ってぇ!!!」

気付いた瞬間に、逃げ出そうとする彼女の背中。今まで智恵美・フレイザーが出していた声よりもさらに大きく叫ぶ。
走り出そうとした、のだが取り敢えず一旦止まって、仕方ないので店員を呼び止めて、持っていたスマホケースと充電器を渡し。
再度彼女のことを追いかけるのであるが……さて。

「ま、待……えーっと、待てーっ!」

西條夏鈴は霊装使いとして訓練しているわけでもない、普通の女子高生である。
相手がラグナロクの関係者であるならば、見逃すわけにはいかない。走って追い掛けて、飛び付いてでも捕まえようと考えているのである。
普段は前線に出れない少女であるが……ここで捕まえれば、皆の役にも多少立てるだろうという考えでもあるのだが。
相手が霊装使いである可能性を、失念しているのだが。
148智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/25(月)01:51:19 ID:a9f [4/5回]
>>147

「なんですか一体。
そんな情熱的に求められてもサインなら差し上げませんよ」

滝のような汗を流しながら逃げるが、霊装装着時ならばともかく普段は運動不足が祟り速度が出ない。
仮にも街中、そして霊装に関してはアイアスによって本格的に捕捉・追跡されるリスクからあまり使いたくはない。
追う彼女は研修生と名乗っていた事からリスクとリターンを導き出した結果。

「────待ちました。
このままでは逃げられないようですので」

なんとか人気のない路地裏にまで誘導する事に成功する。
突き当たりでおとなしく手を上げるジェスチャーを取ると、しかし余裕に満ちた無表情で夏鈴を見やる。

「わざと言い忘れていましたが私も霊装使い、貴方を始末する事は造作もありません。
しかし私も元はアイアスにいた身、積極的にそうしたくはありません。
なので取引です、この場で私を見逃し連絡もしないのならば手出しはしないと約束しましょう」

嘘は言っていないが、自分の霊装がアイアスにいた頃に登録されているため追跡などを受けやすい事などから
自分でも使いたくはないという事情は明かさない。
あくまでも人道的な理由で躊躇っているとして取引を持ちかける。
149西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/25(月)02:11:40 ID:aM6 [3/5回]
>>148
「はぁッ、はぁ……お、追いついた!……あれ?」

街中の逃避行、に追い縋る少女。
追いかけるのに夢中になっていた、誘導されているなどとは露ほども思っておらず……そこはいつの間にか、人気無い路地裏。
とは言え、これで追い詰めたとばかり思っていたのだが……そこには両手を上げる彼女の姿、降参かと思ったのだが……。

「元アイアス……の、霊装使い!?」

次々と明かされていく事実。とは言え、元アイアスという事実自体はすぐに合点がいった。
それならばアイアスの上層部に対する、見てきたかのような不満にも納得がいく。
だが、技術屋と名乗っていたものだから、それを鵜呑みにしていた……少し考えれば、それも嘘かもしれない、というのは分かるはずなのに。
こうなれば、危険なのは……追い詰められたのは、夏鈴の方だ。

「取引……確かに、私は戦えない……けれど」

歯噛みする。非戦闘員である為に、彼女が霊装を起動すれば、確かに一溜まりもない。
襤褸布を引き裂くかのように自身を始末することは簡単だろう。ここに来て、自分の無力を痛感しながら……彼女を見つめる。
実際、迂闊に動いた結果とは言え、夏鈴には選択肢がない状況だ。だが……

「……一つだけ聞かせて」
「その科学の発展、って……アイアスの皆を裏切ってでも、やらなきゃいけないことなの?」

言外に取引に応じる、というものだった。
だが、それだけで終わらなかったし、それは聞いておきたかった。
科学の発展とは、アイアスを裏切り、ラグナロクという武装集団に所属してでもしなければならないことなのか……と。
150智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/25(月)02:28:53 ID:a9f [5/5回]
>>149

「……そういう観点で見た事はありませんでしたね、私は友達が少ないので。
まあ、仮に多かったとしてもやった事は変わりませんよ。
技術とは人を豊かにするためにあるのですから」

言ってから「負け惜しみみたいですね」と表情を変えないまま苦笑する。
しかしその言葉に嘘はなく、発展の為に自分を犠牲にすらしかねない危うさもまた感じ取れるだろうか。

「ただ一つ言っておくとすれば、ラグナロクの理念……霊装使いが主導する世界なんてものに興味はありませんよ。
技術とは多くの人間に恩恵を齎してこそなのですから。
ただ、安全の為であり研究の為に協力関係にあるだけです」

ニヒルな笑みと共にそう言い残すと、夏鈴の横をすり抜けるようにして去っていこうとする。

「ああ、そうだ。
私の名前は智恵美。
智恵美・フレイザー、何も言わないのもどうかと思いましてね。
おそらく資料なども探せば出てくるでしょう、ではれ

名乗るだけ名乗ると、そのまま足早に路地裏から駆け出していく。
背後を見やり追跡が無いことを確認しながらだからかまだ遠ざかりきらぬ背に言葉を残す事は容易だろう。

//こちらからはこれで〆になります、長時間のロールありがとうございました!
151 : 西條 夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/25(月)02:47:32 ID:aM6 [4/5回]
>>150

「人を豊かにするための技術を作るのに……誰かを傷つけたらダメじゃないの……?」

例えば彼女の言うインターネットの開発も、戦争の最中に生み出されたものではある。
科学の発展に犠牲は付き物であるかもしれないが。かと言って犠牲を許容していてはいけないと思うのは。
そもそも、霊装使いの戦いに対してすら否定的である、夏鈴だからこそだろうか……少なくとも、はいと頷くことはできなかった。
勿論、それは自己犠牲も含まれるだろう。自身を捧げる覚悟……否、狂気すらも、そこにはあるのだろうが。

「……じゃあ……」

ラグナロクという組織は、凶悪なテロ組織であるとばかり思っていたが。
その志だけを聞くのであれば、正しいことをしているように思える。多くの人間に恩恵を齎すための科学開発。
それに対して、今すぐ何かを言うことができなかったのは、彼女と比べて、まだ幼いからだろうか。

「……私は!私の名前は――西條夏鈴っていうの!!」

駆け出したその背中に対して、最後にそう声を掛けた。
その行動になにか意味があるわけではない……寧ろ、敵対組織に自身の名を伝えるだけの愚かな行為であるかもしれないが。
そうすることで、また何かに繋がることもあるかも知れない。そう思って、叫び、その背中を見送ったのだった。

/それではこちらもこれで〆で!こちらこそ、ありがとうございましたー!!
152雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/25(月)14:09:10 ID:VtX [1/1回]
>>146

「はあぁ!!」

急上昇、炎の竜巻を纏い、両の扇で炎乃火正面のアームズを裂き蹴散らして。
両の手を交差し浮遊するのは、深紅の着物を纏った少女、雨野悠花。

「君、所属部署は!?怪我してるなら無理せず下がって、ここは私が引き受けるから!」

轟々と炎を纏った扇は、熱された鋼鉄の色。
傍に寄って来たアームズを、扇の一閃が再び切り裂いた。
動きの拍子、ちらりと見えたのは『アイアス』の紋章。

「ほら、早く撤退!あとついでに増援を呼んでくれると助かるんだけど――」

//こちらも遅れてすいません、どうぞよろしくお願いします!
153スクリューヘッド◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/25(月)20:06:20 ID:S16 [1/4回]
>>141
『…!…!』

彼女と同じく飛翔し落下、地面に叩きつけられるのはこちらも同じだ。
ただすぐさま立ち上がる事ができたのは痛みを感じないアームズであるからか、少女を捉えた紅眼はそのままにぎこちなく歩みを進める。

『……』

一部装甲、関節の融解や破損、それは急激な回転によって硬い地面を掘り進み受けた衝撃や摩擦熱によるダメージだろう。
このアームズにとっても先程の攻撃は必殺技と言っても差し支えないもので、それなりのリスクを要する。
つまり彼女を仕留めきれなかった時点で窮地に立たされたも同然である。

『…ッ!』

だが退却の2文字はなくただ進むのみ、前方から迫りくるミサイルも万全の状態なら容易に避ける事ができた筈だが先程の反動によるダメージがそれを許さない。
半身を逸らし最小限の動きで避けようと試みるもそれは失敗に終わる。
右半身への直撃、舞い上がった爆風が晴れるとそこには上半身の右半分が消し飛んだアームズの姿。

『…………』

だが尚も歩みは止まらず、人外ゆえの所業。
歩みは走りに変わり、残った左腕は各所が回転を始める。
鋭利なドリルと化した腕で彼女を貫かんと振り上げる。
154 : スクリューヘッド◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/25(月)20:06:39 ID:S16 [2/4回]
//今日も宜しくお願いします!
155香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/25(月)21:06:11 ID:xru [2/3回]
>>153
「クソッ……バケモノめ……憎たらしい……」

ミサイルを叩きつけようが奴は動じない。大してこちらは腰を地面に降ろしたまま動けず。
受けても尚歩み続けるその姿はまさに怪物。自分たち人間とは明確に異なる生命体なのだと思い知らされる。

「がぁぁぁぁぁッ!!!」

振り上げられた奴の左腕が、中心部の左肩を打ち貫く。
突き立てられると同時に周囲の肉骨を巻き込み、ブチブチと耳障りな音を上げ砕き、鮮血が霧となって二人の周囲を舞う。
その刃はやがて肉体を貫通し、少女の背負う霊装をも巻き上げてさらに勢いを増す。

だが、脆く柔らかい肉体に比べればまだ霊装を破壊するには時間がかかる。
そして奴の本体は目前にある。これ以上に絶好のタイミングは他にあるだろうか。

「ようやく……ようやく捕まえた……私の宿敵……!!!」

回転鋸の駆動音に消えそうなほど小さく、されど明確に聞こえる声。
今まさに脳内にダイレクトに叩き込まれる地獄のような激痛に意識を手放しそうになったとしても。
こればかりは譲る訳にはいかない。目前の敵を打ち倒せずして何がアイアスか。

残された右手が伸ばすのは、自らの脚部に搭載されている一本のレーザーブレード。
自衛用であるが故出力は大きくなく、そのエネルギーの供給元である霊装本体は低出力の状態。
それでも目前の奴に突き立てるぐらいの力はある。いや、やらねばならない。

「私から、私の前から、この世界から消えてなくなれッ!!!」

光の刃をその身体に突き立てんと、真っすぐに振り下ろす。
奴のドリルが霊装を貫き通し、機能停止に陥らせるのが先か、もしくは少女の魂胆に気づき、得物を突き立てる先を変えるのが先か。
またあるいは……。

//遅くなり申し訳ありません。
156スクリューヘッド◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/25(月)21:40:23 ID:S16 [3/4回]
>>155

舞い上がった血霧は体表に触れると熱によって水分が蒸発し、アームズの体を赤く染めていく。

『!』

骨肉を抉り霊装にまでその凶刃が及んだその時である。
回転が徐々に弱まり、遂には動きを止めたのだ。
機能の停止、この期に及んで限界が来てしまった。
中途半端に霊装に食い込んだ腕は抜くこともできず、またその両足も朽ち果てる寸前にまで摩耗している。

『…』

残された最後の抵抗は頭部に残された角による刺突攻撃
彼女の眉間の中心を狙い残された力を振り絞りゆっくりと迫る。

『…!…』

だが眼前まで迫ったその時だった。
振り下ろされたブレードは首を捉えたたのだ。
もはや抵抗手段は残されておらず、ただただ首を撥ねられる。
死闘の決着は一旦、人類の勝利に終わった。



157◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/25(月)21:57:30 ID:aM6 [5/5回]

『ちっくしょー、これ外せぇー!!』

管制室内。

モニターには、独房の中に捕らえられている一人の捕虜の姿を映し出している。
武装組織ラグナロク所属、霊装『アロンダイト』の使い手、ベアトリクスを名乗る少女であった。
手錠や足枷の類は使われていなかった。霊装使いをまともに拘束したところで、霊装を起動してしまえばそれで終わりの為、意味はないからだ。

「……首輪はしっかりと効いているようだな。それは結構なことだが……」

完成室内には一人、神埼千華のみが居た。
霊装『蜻蛉切』の適合者でありながら、ラグナロクとの交戦により幾度も重傷を負い、現在は出撃不可能と判断されている彼女は。
左腕と左足は切断された状態にあり、全身に火傷を負いつつも一命をとりとめ、今こうして車椅子の上ではあるが、アイアス内での業務に勤しんでいた。
本来ならば絶対安静状態ではあるが……そこはそれ、「動かなければ落ち着かない」と無理を承知で動き回っているのだった。

「霊装の波動を見出し起動を阻止するシステム……事前準備が必要な上、身体に密着していなければ効果を発揮しないが……」
「智恵美のやつが見たらどう思うかな」

『というか腹減ったぞ、飯よこせ!!あんなもんじゃ足りるわけねーだろ!!』

かつてアイアスを離反した研究者が残したデータを利用して作り上げられた霊装妨害装置。
最も、戦闘中に使えるような代物ではないが。それでも拘束するに当たっての効果はてきめんだったと言っていいだろう……。
少々の感傷に耽りながらも、モニターを見つめ。

『うわぁ!なんか今変な虫がいただろ、ちゃんと掃除しろよバカヤロー!!』

「……うるさいな……」

独房では騒ぎ続けるラグナロクの霊装使い、管制室には車椅子に乗ったアイアスの霊装使いが存在する。
そのどちらかに接触する人間は、果たして存在するか……。
158香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/25(月)22:29:46 ID:xru [3/3回]
>>156
「これが……報いだ……」

奴の首が落ちる。人間型であったが故に思わず首を切り落とした訳だが、果たしてこの化け物が本当にこれで終わるのかどうかは分からない。
だがひとまずは終わり。ひと際大きな呼吸を一つ。

奴の動かないであろう身体に倒れ掛かるような形で、少女も霊装と共に地面へと再び身を置く。
先ほどまでは一時的に興奮で薄れていた痛みが返って来る。あの身と骨を抉り出した傷が残す物はあまりにも大きい。

「本部……私と、コイツの回収を……ラグナロクの連中が来る前に……」
《機体の損傷が深刻な状態に到達。直ちに撤退せよ》
《繰り返す、機体の損傷が深刻な状態に……》

途切れ途切れに耳に入る耳障りな警告音と、本部からの慌ただしい通信が耳から流れていくのを感じる。
現場の人間としては応答すべきなのだろうが、答える事の出来るほどの体力はすでに残されていなかった。
この腕がどうなるかは分からないが、今は気にする事ではない。
奴が現れた深いクレーターの中心にて、黒煙と血に塗れた二機は静かに眠る。

「一つずつ……一つずつ……着実に、地獄に送り返して……や……る……」

先にこの場に残る事になる残骸を手に入れるのは、どちらになるか。

//キリもいいのでこの辺りで締めですかね。
159 : スクリューヘッド◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/25(月)22:55:33 ID:S16 [4/4回]
>>158
死闘は終わりを告げた、今回はアームズの敗北だ。
しかし、その度に脅威は力を増して少女達の前に立ち塞がるものだ。

『………』

吹き飛んだ右上半身、そして頭部はクレーターから姿を消した。
隙を見て地中深くに潜り込んだからだ。

『…ニクタラシイ…シュクテキ…ムクイ…』

肉体が大破する度に姿を変え進化する、今の所唯一の特性を持つこのアームズは現在アイアス内でスクリューヘッドのコードネームで呼ばれている。
その名も今日限りであろう。

『…』

束の間の平和は少女達の手によって守られたのだ。
しかしアームズも次の段階へ進もうとしている。

//ロールありがとうございました!
160曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/25(月)23:23:51 ID:AJZ [1/1回]
>>152

「っ!?」

爆薬によるものではない熱気が頬を撫でる。
瞳に映るのは、アイアスの象徴的なマーク。
しかしその口ぶりからすると、こちらをラグナロクとは認識していない様子。
 
「遅いし……!」

小声で空中に浮く少女へ毒づく。
今の炎乃火にアームズの大群とアイアスの霊装使い、その両方を相手取るほどの体力は残されていないどころか、片方だけでも厳しいだろう。

(……しょーがないか)

命あっての火種、もとい物種だ。
彼女の方へと視線を改めて向け直して。
 
「逃げていいってのはうれしーけどー、これだけワラワラいるんだし、数減らさなきゃ引くに引けないし、援軍とか期待するだけムダじゃなくなくなくない?」
「よーするに、ウチらでコイツら、片付けちゃうしかないって☆」

不敵に笑い、両手にダイナマイトを発生させ彼女へと襲い来るアームズへと投げつける。
選んだのは、一時の呉越同舟……但し、炎乃火の戦闘スタイル上、否応なしに建物や場合によっては助けようとした彼女をも巻き込む。
それが炎乃火がアイアスの人間でないことを気づかせ得るかもしれないし、共闘が決裂しうるきっかけになるかもしれない。
161雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/26(火)11:29:20 ID:4eE [1/7回]
>>160

「……怪我人庇いながら戦うのって難しいんだけどなぁ……まぁ良いや、分かった!」

両の扇を二回転、舞い散る火の粉がアームズに触れれば、そこを起点に炎が噴きあがる。

「ただし、無理はしないこと、死にそうだったらすぐ逃げること!
 無茶したら無理矢理にでも撤退させるから――わ、ちょちょ、熱ッ!」

更に追撃、扇を横薙ぎにしてアームズを斬りつけよう、とした瞬間の爆発。
慌てて扇を熱波からの防御に回し、少し後方へと退避して。
むすっと眉を顰め炎乃火の方を睨んだ。

「……爆破系の霊装?危ないなもう、もうちょっと反応遅れたら巻き込まれてたよ?
 一声、せめてかけてよね!」
162ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/26(火)20:08:13 ID:4eE [2/7回]

『昨日のテレビ見た?』
『あの芸能人が結婚したって、おめでとう』
『あそこのお店のスイーツが美味しいって』
『仕事怠い』
『学校面倒臭い』

喧噪が鼓膜を打つ、『普通』が町に溢れている。
瓦礫が広がろうとも、事前の避難勧告があったおかげか死傷者の数は最小限に留まった様で、確かな戦いの傷跡を残したまま、それでも『普通』が町に戻っていく。
厚手の黒いコートを着込み、深い猫背、長い髪を引き摺る様にして歩いて、路傍の石を爪先で蹴り飛ばした。
砕けて小さくなっていく様が、どうにも心地良くて小さく息を吐く。
小さく削れた石を、追いかけてはまた蹴ってを繰り返し、やがて吸い込まれる様に路地へ。
追いかけて、追いかけて、蹴って、追いかけて、蹴って……。

『……アァ?』

路地を少し進んだところ。
小突いた石が、曲がり角から姿を現した不良の足にぶつかり止まる。
額に青筋を浮かべた不良が、少女の首根っこを掴んで引き寄せた。
その瞬間。

『てめぇガキコラ、どこ見て歩いテ、ン……げぎッ!?』

不気味な程に口角を吊り上げた少女が、男の首に正面から顔を滑り込ませて。
その喉に歯を立てた。

『ぎ、ぎげ、かがか……ッ!』
「~♪」

水気をたっぷりと含んだ肉が、引きちぎられる様な、噛み千切られる様な。
異音が路地に響いている。
163曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/26(火)20:18:19 ID:ZQO [1/2回]
>>161

(……ちょっち、ニブくない?それともお人好し?)

爆破に巻き込まれそうになってもなお、言葉の上では此方を疑う様子はない。
この調子でいるなら背中からドカンもありかも、等という発想が頭をよぎるが、どうするのであれアームズを排除してからの話だ。

「てへぺろ。メンゴメンゴ☆」
「心配なんていらないいらない!一人じゃ手間取るってだけだし、庇われる気なんてないし☆」
「じゃ、やるから気ーつけてね♪」

友達同士が会話の途中に悪ふざけで頬をつつくかのように、ごく自然にダイナマイトを襲い来るアームズへ放っていく。
彼女の要望通り声こそかけたが、彼女を巻き込みうるといったことには変わりない。
それをためらいなく行ってのける辺り、炎乃火の異常性というべきだろうか。
しかし、目の前の怪物を爆破させることに夢中になっているせいか、はたまた共闘に気が緩んだか、背後から迫る怪物に炎乃火は気がついていない。
彼女の言うところの、「怪我人を庇う」必要が出るかもしれない。
164雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/26(火)20:33:54 ID:4eE [3/7回]
>>163

「(爆発系霊装って、共闘には不向きでしょ絶対……あぁもう、仕方ないなぁ)」

扇を平行に、やや隙間を空けて並べると、その間に浮かぶ火球。
炎乃火の後方に陣取って放つと、アームズの群れの中心に突き刺さり、膨れ上がる。
肥大化する火球がアームズを焼き、焦がし、落として。

「……いつもそんな感じとかじゃないだろうね。
 あと……後ろ!」

身体を捻り右回転、扇の一閃が真っ直ぐに炎を放ち、炎乃火の背後のそれを両断。

「そういう戦法なら、猶更周囲に気を配らないと!」
165智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/26(火)20:52:22 ID:MOm [1/3回]
>>162

その様子を路地の外から見つける者がいる。
一瞬目を疑うように見開き、そして納得や諦観が綯い交ぜになったため息を得意の無表情から吐くとあまり気乗りのしない足取りで近寄っていく。

「ベルナ、見える所では流石に不味いです。
いやその肉の味の話ではなくてですね」

身内の凶行を咎めるも、グロ耐性があってなおあまり見ていて気持ちのいいものではないので目を背ける。
倫理的にどうなのかとも思うがそう言って止まるようなタマがラグナロクにどれだけいることか。
常識人ポジションは辛いなと心の中で30秒ぶりのため息をついた。
166 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/26(火)21:17:21 ID:euW [1/1回]
>>157
/絡み待ち中です……!
167ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/26(火)21:26:07 ID:4eE [4/7回]
>>165

「……あ、ひえみ……」

最早声を挙げる事すら無く、痙攣を繰り返すのみの男の喉に食らいついたまま、くぐもった声で知った名前を呟いた。
男の身体をどんと押し退ければ、それは仰向けにゆっくりと倒れ。
振り返る途中、口に含んでいた『何か』を地面へと吐き捨てた。

「あはぁ……そうね、確かに不味いわ、不味い、美味しくないわね。
 人肉食趣味は無いし……貴女もやらない方が良いわよ、ひひ……あーぁ、鉄臭い」

手の甲で口元を拭えば、鮮やかに赤いラインが頬へ向けて伸びる、まるで口が裂けているかのように。
肩を揺らしてけらけら笑うのも、いつもの事。

「奇遇ね、奇遇、こんなところで会うなんてあまり無いわ。
 今日は何をしているの?お散歩?お仕事?お買い物?」
168曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/26(火)21:32:14 ID:ZQO [2/2回]
>>164

「パッと見より派手じゃん、うらやま」
 
彼女の見立て通り、炎乃火の持つ力は本人のスタンスも相まって共闘には欠片も向かない。
敵も味方も区別なく爆発させるために付いたあだ名は、「ラグナロクの火薬庫」。
ラグナロク側もそれを理解して、特別アームズが多く、かつ不必要な破壊を押さえられるこの場所へ彼女を送ったのだ。

「そこはノーコメ♪細かいことはなしなし……っ!」

背後でアームズが焼ききれる音に、視線を向けると小さく舌打ち。
 
「……ちぇ、ひとつ借りか」

その時、巨大な影が二人を覆う。
上を見上げたならば、戦艦や鯨を思わせる巨体の怪物が空を泳ぐ姿が目に映るだろう。
並みのアームズを引き連れる様子から、かのアームズが所謂元締めであることが察せるだろうか。

「ちょ、でか!?あんなの反則じゃん!?」

ダイナマイトを投げつけるも、びくともしない。恐らく、彼女単独で先程までと同じような攻撃を繰り返しても同じ結果に終わるだろう。
巨大な怪物を仕留めるには、後方に陣取る彼女との何らかの連携が必要になるだろうか。

//巨大アームズには遠慮なく確定など仕掛けてもらって大丈夫ですので……!
169智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/26(火)21:45:08 ID:MOm [2/3回]
>>167

「ならやらないほうが良いのでは?」という言葉をぐっと飲み込む。
そういう道理が通る人間が集まっていればもっと自分の目的達成は楽なのにと思わざるを得ないが強請った所で世界は変わらない、無情なのだ。

「……お買い物ではありますが広義のお仕事ですかね。
電子技術による私の霊装の代替……まぁつまりはこの前捕まえた大型アームズを制御できるアテが出来たので、必要な資材を買い込みに」

ミストルテインには寄生による制御を行う能力がある事はラグナロクでも周知の事実だ。
そしてそれによってアームズのいくつかを鹵獲し、アイアスに負けずとも劣らぬ技術を確立して来たのもまた事実。
だが、それにはミストルテインのランサービットを挿しっぱなしでなければならないという欠点が存在する。
アームズを鹵獲している間は二個のうち一個を使ったままというのは雪見だいふくじみたレートを解消しようというのが今回の狙いだ。

「大型アームズ……ミドガルズオルムが使い物になれば
それを陽動としてベアの救出作戦なんかを立てたいんですよね」

そういった事情もあり、やや根を詰めているのも事実。
電気屋の紙袋のほかにぶら下がるドラッグストアのビニ袋にはパンやら携行食、エナジードリンクが多々入っているのが見えるだろうか。
170雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/26(火)21:50:59 ID:4eE [5/7回]
>>168

「呑気と軽口やめ!こっちがどんな思いで戦ってると――何!?」

雲にしては流石に日光を遮り過ぎている。
不意に場に影を落とした存在を視線で捉え、微かな舌打ちと共に視線を細めた。

「……あんなサイズと戦った事無いって……次から次へと厄介事!あぁもう厄日!!」

両の扇を幾度も回転させる、融鉄色に変色していくそれを手にふわりと。

「近付いて斬る……いや、あれは斬れそうにないか……間近で全開の火炎放射が最適解かな……。
 へいそこの!そこの……ええっと」

思考が呟きとなり、上空のアームズへの対処が一人では難しいと判断。
炎乃火を指差し名を呼ぼうかと……思ったのだが、名前が出ない。
そういえば聞いていなかった、となれば。

「……へい!私の名前は雨野悠花、君の名前は!?
 上の奴、先に倒した方が絶対に良いよね、まだ飛べる!?」
171メイデンドール◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/26(火)22:02:33 ID:ZAD [1/1回]
アームズを襲うアームズ、そんな噂が流れ始めたのはつい最近のこと、大規模襲撃や交差点の陥落など物騒な噂が続く中でこの噂はどちらの陣営にとっても興味深いものな筈だ。

『……』

もしこの場に誰か現れたとしたら噂は噂で無くなってしまう。
金属が砕かれ、折られ、削られ、曲げられ、様々な異音が響く海岸、アームズだったもの辺り一面に散らばっている。
その中心で狂った様にアームズを破壊しているのは同じくアームズなのである。

『…チガウ…』

戦闘による進化、即ち己の強化という目的あっての行動だ、だが結果は見ての通りだ。
肉体に変化はなくただただ同族を破壊したという事実が残るのみ。
このアームズは確かな答えを求め拳を、武脚を振るう。

//絡み待ちです。


172ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/26(火)22:31:48 ID:4eE [6/7回]
>>169

智恵美の考えも露知らず、口元を手の甲で擦り続けている。
広がるだけの赤色、不満げに手をひらひらと。

「きひひ、技術屋さんのお仕事ね。
 アームズの制御……あはぁ、良いわね楽しそう。
 私ね、貴女って好きよ」

肩を揺らせば髪も揺れる。
地面に転がる男の遺体を、ずるずると引き摺って傍のゴミ箱へ。
更に蓋をしてカモフラージュ、カモフラージュになっているかどうかは分からないが。

「制御出来れば、彼らとお友達になったのと同じ?
 私はお友達になりたいわ、全部滅茶苦茶にしてほしい……でも向こうは私を敵視しているのよね、悲しいわ。
 だから、私は貴女を応援してる、貴女って好き、あは、ひひ」

智恵美の元へと歩み寄り、しゃがんで袋をじっと見る、それはもう楽しそうに。
ラグナロクの中にあってもベルナは特に異端に分類されていた。
組織の目的も理念も思想も、知っているのか知らないのか、ただ笑い転げるのみ故に。

「それから蛇も好きよ、だからミドガルズオルム……あの子も好き、お気に入り。
 ……ねぇ、見に行って良い?私退屈なの、怪我も治りきってないからあまり動き回れないし、蛇さんと過ごしたいわ」
173智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[sage] 投稿日:19/11/26(火)22:48:12 ID:MOm [3/3回]
>>172

「……私は私の仕事をしているだけです」

好意を示されてもあくまで冷静に。
正直言って得体が知れないのは皆同じだが、その中でもベルナは特に"ヤバい"。
それがわかっているから距離を置いていたのだが、流石に今回のような事があると声をかけざるを得ないのだ。

「お友達とは1番遠い存在です、元々持っていた自我の何もかもを奪い操り人形に仕立て上げているのですから。
最も、人形遊びが好きなら話は別ですがね。
ちなみに私は嫌いではありませんよ」

要らない補足を伝えつつ、先程からこちらに好意的なのを上手く躱していく。
身内とはいえ何をされるのかわかったものではないのがあまりにも大きい。

「……まあ、退屈だからあんな事をしていたのでしょうが……
今ベルナが行くのは危険ですよ、ベルナではなくミドガルズオルムにとって」

ベルナの霊装がゴルゴンという蛇をモチーフとしている以上、そういった嗜好を持つのだろうとは思っていたがそれは今回関係ない。
ただ、少しでも制御が離れて暴れた際に巻き添えになってしまったら……間違いなく反撃でミドガルズオルムがオジャンなのは目に見えている。
私まで被害に遭うわけにはいかない、何としても阻止する構えだ。
174ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/26(火)23:34:05 ID:4eE [7/7回]
>>173

「あは、ひひひ、真面目ね、真面目。
 貴女みたいな人は出世するわ、きっとね、きっと、きひひひ」

のらりくらり躱されても、それが楽しいとでも言う様に笑う。
相手から滲むほんの僅かな『嫌悪』も、慣れている故にけらけらと。
恐れられ慣れている故に、嫌悪され慣れている故に、拒絶され慣れている故に、げらげらと笑いに変える。

「流石に今はお人形遊びは卒業しているわ……お話は出来ないのね、残念。
 意外かもしれないけれど、私も昔は好きだったのよ、お人形遊び。
 千切って毟って刺して、とても楽しかったわ、でも……そうしてたら遊び相手がいなくなっちゃって、ひひ、ひひゃひ」

智恵美の言葉に少し残念そうに肩を落とす、元々が猫背故に大差は無いように見えるが。
笑みも、心なしかしょんぼりしているかのよう。

「……私、大人しくしているわ、静かにしてる、それでもダメ?」

縮こまって食い下がってみせながら、とはいえ再度の拒絶があれば、きっと今度は大人しく引き下がる。

//すいません、今日はこの辺りで凍結でお願いします……!
//或いは、〆る形にしてしまっても大丈夫ですので!
175智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/27(水)04:12:52 ID:lZ4 [1/1回]
>>174

「それはまた随分のコストのかかる遊び方で……
気持ちはわかりますがね、カナリアが最も美しく囀るのは事切れるその瞬間とは言いますし」

常識人ぶってはいるものの、やはり同類という事なのか。
妙なところでシンパシーを感じ話題に華を咲かせる。

「うーん……危険性という面もそうなんですが、今はまだ完成していないのですよ。
技術畑の人間としては試験でもないのに完成していないものを見せるのは少々気恥ずかしく……化粧をしている最中のようなものでして」

これもまた嘘ではない、というよりこちらの理由も話すのがやや気恥ずかしいだけで本当のところは大きかったりするのだ。
楽しみにしていたのも見て取れたし、今はしおらしく縮こまるベルナに対しこちらも頭を下げる事で申し訳ないという気持ちを伝える。

「そうですね……ミドガルズオルムが完成した暁には1番にお見せするという事でどうでしょう。
それに、もしかしたらベルナのゴルゴンとリンクして制御を行う事も出来るかもしれませんからね……
そうと決まれば張り切って作業して来ましょうか」

無表情は変わらないがばっちりと決めたガッツポーズと鼻息荒く次への展望を語る事でやる気をアピールして見せ、
そのまま小走りでセーフハウスへ向かい駆けていく。

(……ラグナロクは好き勝手出来ますが人間関係が難しい。
アイアスのお偉方にミストルテイン刺して掌握したほうがよかったかもしれませんね)

帰路の最中、そんな後に立たない後悔を過ぎらせるのであった。

//遅くなりまして申し訳ありません、こちらからは〆になります!
お手すきのタイミングで〆でいただければと思います!
176 : ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/27(水)11:54:27 ID:MIG [1/1回]
>>175

「そうね、そう!
 飼ってた犬が死んじゃった時もね、悲しかったけど、なんだかとても綺麗で可愛いって思ったのよ」

恍惚と息を溢し、吊り上がった口角、頬に当てた爪が肌を切り付けた。
頭を下げる智恵美に対し、仕方がないと首を横に振る。

「……分かったわ、じゃあ今日は諦める、お散歩して過ごすわ。
 きひ、それじゃあ約束よ、約束、完成したら必ず見せてね?
 あたし、楽しみに待っているわ」

走り出す彼女へゆらゆらと手を振って。
肩を揺らし愉快そうに笑いながら、ベルナの姿は路地の奥へと消えていく。
そこには、不穏な気配のゴミ箱のみが残された。

//では〆です、お疲れ様でした、お付き合いありがとうございました!
177アナスタシア◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/27(水)15:45:45 ID:Azh [1/1回]
>>171
アームズ出現からアイアスの出動要請が入るまでのタイムラグの間のこと。アナスタシア・F・サフォーノフは、単独でとあるアームズへの接触を試みようとしていた。
智恵美・ブレイザー有するミドガルズオルムの真似事では無いが、アームズを狩るアームズ……という存在に興味を抱いたのだ。
何らかの形で利用できるものか。はたまた既存のアームズと変わらない、ただ少しだけ特殊なだけの個体なのか……それを調べるために。
霊装タスラムを起動、長距離砲撃形態の固有武装であるリヴォルバーカノンを構えるのは、海岸線から少し離れた、小高い山の木々の中。

「試してみましょう……アームズ研究の、少しのお手伝いになるかもしれません」

戦闘データの録画を開始。それと同時に、カノンが砲声をあげる。遠距離からの狙撃に対して、手の届く範囲での暴威を奮っていたアームズはそれにどう反応するか。

/まだよろしければ…
178香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/27(水)19:46:53 ID:OlM [1/3回]
>>157
「やぁ。精が出るね、千華」

アイアス本部管制室内。
先日の大規模な戦闘における戦果の一つである、ラグナロク構成員が映し出されるモニターの下へ、新たな人員が足を踏み入れる。
左肩から指先に至るまでを隙間なく包帯で巻かれた腕を垂らす少女こそ、霊装『イカロスの翼』の搭乗員、香坂ミナミ。

「随分と酷くやられてる。私もヒトの事は言えないけど」

左の手足を失った彼女ほどではないが、こちらも先日の出撃において深手を負っている。
この組織に入ってから生傷は絶えない。酷い有様で過ごすのは珍しい事ではないが、それでも見ていて気分の良いモノではない。

「……彼女がラグナロクの?今の私たちよりよっぽど元気で調子良さそう。どっちが捕まってるか分からなくなるね」
「あの装置がちゃんと動いてて本当に良かったよ」

少女も数年前よりアイアスに所属する身。これまで幾度となく交戦してきたアイアスとラグナロク。
幾度もぶつかり合えば、自然にその構成員の名前…まではいかないが顔ぐらいは頭に入って来るもの。この少女も、モニター越しの彼女の顔に覚えがあった。
モニターの彼女を眺める視線が鋭くなる。目つきがよろしくないのは元々だが。

「彼女はどうする?上の人たちもこのまま飼い殺しにするつもりはないんだよね?」
「先に言っとくけど、私は尋問とかそういうのは出来ないからね。アームズについて何か知ってるなら、話は別なんだけど」

少女は昔からアームズの事になると一段と感情的になりやすくなる。悪い癖だと周りからも言われるが、一向に治る気配は無い。
ここ最近はアームズの活発化による襲撃数の増加によって、暴力的になる期間も随分と長くなっている。
この怪我をしているにも関わらず、落ち着きなく基地内を歩いているのが何よりの証拠であって。

//かなり前ですがそれでもよろしければ。
179 : 香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/27(水)19:49:32 ID:OlM [2/3回]
>>178
//他の方へのを見落としておりました……こちらの事はお気になさらず
180メイデンドール◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/27(水)20:28:16 ID:qfF [1/4回]
>>177
自分が狙撃されているとはいざ知らず、尚もアームズを破壊し続ける。
しかし砲撃に気付かないほど鈍感でもなく…

『…ン…?』

一筋の光が走るのを見逃さず、大型アームズの残骸であろう鉄板を構え防御の姿勢を取る。
だがしかしその威力を完全に殺し切ることは不可能だった様で、吹き飛ばされ砂埃が舞い上がる。

『コレダ…!』

答えはどうやら見つかった様だ。
煤と砂に塗れた体で立ち上がるとその砲手を見据えて
飛翔、その両の手には小型ミサイルが握られている。

『クラエ』

ミサイルの推進力で増したスピードをそのままにして
アナスタシアに向かって突撃、ミサイルを投げつける。

//遅れましたが宜しくお願いします!
181グラトニー◆</b></b>uCPgWeKbj.<b>[] 投稿日:19/11/27(水)20:46:09 ID:N3C [1/1回]
-某所・海上-

「…豆腐の角に頭をぶつけて死んだふり」
『へ?』

海上スレスレを水飛沫をまき散らし飛行する少女一人
アームズ反応を感知してのスクランブルであったが反応は直ぐに消失
手掛かりもなく、しばらく周囲を見回る事となってから早1時間

「霊装バンブーランスに貫かれた戦闘機の着ぐるみで死んだふり…」
『えーっと』

相変わらず無駄に喋るグラトニーは巡回しつつ
ブツブツと死んだふりアイディアを捻り出していた
新人オペレーターは今日も胃がキリキリしている
182◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/27(水)21:06:36 ID:KIk [1/6回]
>>178

「うん? ……香坂か……」

かけられる声に、自然とそちらへと意識が吸い寄せられていく。
そこにいたのは一人の霊装使いの少女……香坂ミナミであった。
お互い酷い手傷を負うことがあるのは、霊装使いをそれなりにやっていれば多く見るだろうが……なかなか慣れないのはお互い様であろうか。
だからこそ、自嘲するように笑いながら、自ら虚空に繋がる左腕の断面へと目を落として。

「酷くヤられているからこそ、だな。どうにもじっとしているのは性に合わない」
「それよりもお前こそ。まあ、お互い今更な話かもしれんが……無理はしないほうがいいな」

そして、視線は彼女の包帯を巻かれた左腕へと向けられる。
千華が言っても説得力はないかも知れないし、何より彼女がアームズを憎んでいて、だからこそ捨て身であっても敵を仕留めようとする。
そういう感情面も分かった上で……それでも、忠告じみた言葉を口走りつつ。

「ああ、ラグナロク所属の霊装使い、ベアトリクス……随分元気だ」
「これで《アロンダイト》を振り回してくれたら、よっぽど骨が折れただろうよ」

そしてモニターへと視線をやる。
相変わらず騒ぎ立てている少女であったが、霊装を起動する様子は見られなかった。ただ、檻をスプーンで叩いているだけ。
実際の戦闘で使えるものではないが、やはり拘束できるというのは革新的なものになってくれている。
以前ならば、霊装使いを数人動員しなければ霊装使い一人を拘束するに足らなかったのだから。

「何らかの情報を引きずり出した後……霊装を摘出するか、それとも味方に引き込めれば楽なのだが」
「残念ながら、アームズに関することは……いや、これは……」

少し、考えるような素振りを見せる。彼女はアームズに対して非常に攻撃的であり、そして感情的だ。
それは彼女の言動を見ても明らかであり、最近はほぼ悪化の一途を辿っている。
ならばそれを告げるかどうか、迷った。これ以上彼女が無茶をして、落命にまで至ったのであれば……と。

「……捕虜と、研修員の言動を照らし合わせたところ……元アイアスの霊装、アームズの研究者がラグナロクにいる可能性が浮上した……」

/お気になさらず……!ただ、次回以降の返信はメイデンドールさんを優先することになってしまいそうですが、それでもよろしければ!
183◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/27(水)21:18:18 ID:KIk [2/6回]
>>180

「……当たりましたが……不思議、ですね」

砲弾は確かに当たった。並のアームズであれば一撃で吹き飛ばし、消滅させるまでの威力を誇るタスラムの血弾であったのだが。
それが何故か。当たったというのに敵を消し飛ばすことができていなかったのだ……その疑問は、残骸によって疑わしくも答えを出すことができた。
大型のアームズの一部を盾としてその威力を減衰させて、その攻撃を受け切ったのであろう。
確かに、身体の構造として対衝撃構造を備える個体は幾つも発見されているが……こうして、知能的に防ぐ個体は、少なくともアナスタシアは初めて見る。

「随分と妙な個体です。知能面が進化している、のだとしたら……あれは確かに……」

飛び上がるアームズ、その両手には小型の砲弾のようなものが握られている。
今の今まで装備していなかったものだ。そしてそれを伴って、急速にその間を縮めようとしている。
リヴォルヴァーカノンを構え、引き金を引く。一発が、ミサイルを迎撃したが……二発目の対応には、間に合わない。

炸裂するミサイル。舞い上がる爆炎と土埃。きぃん、と響き渡る耳鳴りの音――然し、そこに死体は存在しなかった。

あるのは先程まで霊装だった残骸。リヴォルバー・カノンは完全に放棄されている。
そしてその気配は、かのアームズの背後にて急速に膨れ上がることだろう。
漆黒の軽装。ほとんどが黒いインナースーツに包まれ、身体のラインを惜しみなく晒し……両手に握る銃の内、散弾銃を背後に突きつける。

「一つ、質問ですが――言葉は分かりますか?貴方は、一体何者でしょう……?」

アナスタシアの予想は……これは、進化することに特化したアームズだ。
先のミサイルも、話した言葉も、進化の過程によるものであったとしたら……意思疎通ができたとしても、おかしくはないはずだと。

/こちらこそ遅くなりましたが、お願いします……!
184メイデンドール◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/27(水)21:47:51 ID:qfF [2/4回]
>>183

『…シンダ…イヤ…』

ミサイルは直撃したかに思えた、がしかしこれで終いでは不思議に思うほど余りに呆気ない、そんな疑問も土煙と共に晴れるのだが。

『!』

例えるなら背中に氷を当てられたかの様なそんな気配、今までなら躊躇無く攻撃を仕掛けていたのだろうが芽生えた知性がそれを阻む。

『シツモン…コトバ…ワタシ…ナニモノ……ソウカ…』

何かピンと来たような仕草、他人との会話は初めてだが人間の会話を学習しある程度の言葉を操り理解することは可能な様だ。

『ワタシ…カ…ダレダロウナ…ナンダロウ…ナ…
ワカラナイ……』

答えは分からないと言ったものだった。
そもそも記憶する能力を得たのが前形態からでありそれ以前の記憶は無いのだ。
だが意思疎通は可能な様だ。
185◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/27(水)21:55:32 ID:KIk [3/6回]
>>184

(喋れる……意思の疎通が出来る……ということは……)

あまり表情が大きく変わることのないアナスタシアであったが、それでも表情の変化は、静かながら抑えられなかった。
アームズが人語を解している。こんな事があり得るのか……そう思いながらも、散弾銃を突きつける右手を下げはしなかった。
だが、少なくともこうして……自身に迫る脅威を理解し、質問に答えるだけの知能はある、ということ。

「自分が何者なのか、分かりませんか……では……」

記憶喪失なのか、それとも存在していないのか。
現状では判断のつかないものであったが……情報は得られそうにないならば。
次に聞くのは、理由だ。

「何故、私を襲ったのです……いえ……何故。私達人間を……貴女達は襲うのですか……?」

これもまた、アームズという存在の核心に迫るものであった。
今まで謎とされてきたアームズの意思が、ここにて明かされるかも知れない……そうなれば自然と銃を握る手に力が籠もる。

「貴女は、私の敵なのでしょうか?」

……最重要の問いかけだ。
少なくとも、アナスタシアにとっては……彼女がもしも、こちらに敵意を示さず、そして恭順の姿勢を見せるのであれば……。
186香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[sage] 投稿日:19/11/27(水)22:34:37 ID:OlM [3/3回]
>>182
「まあ、それはお互い様って所かな。私もだいたいは千華と同じ」
「私は飛べるからいいけど、前線に出ずっぱりなキミがこのザマなのは、何かと問題なんじゃないかな」

モニターへと向けていた視線を彼女の下へと戻す。
左手足の損失。一般的に考えても、自分たちの感覚からしても、間違いなくそれは重症だ。
今後彼女は戦線に戻れるのだろうか。無理だとして、どんな手を使っても帰ってきそうだな、なんて事を考えて。

「私の腕、まだ元に戻るか分からないんだって。どちらにせよしばらくの間は包帯と仲良くする事になりそう」
「だって肩に穴空いたんだよ?久々だよ、こんなメにあったのは」

彼女に釣られ、こちらも自嘲と共に小さな笑みを浮かべる。
実際、まだ左腕の感覚も無ければ、自らの力でピクリとも動く気配もない。
同じ境遇を誰かに笑い飛ばしてもらわなければやってられないというのは、多分あると思う。

「ベアトリクス……いい名前。何となくわかってたけど、やっぱり国内の子じゃないんだね」

画面を見ずとも檻の中の彼女の声は嫌という程、この管制室内に響いている。
彼女とは直接交戦した経験こそは無いが、他の戦闘員との交戦記録を何度か見た覚えがある。
その記録と寸分変わりない暴れっぷりを直接拝めるとは。この技術には感謝しなければならない。

「……そう。いやいい。連中、何か持ってるんじゃないかなって思っただけ。期待しすぎたかな」

少しばかりの沈黙の後、小さな溜息と共に中央のテーブルの端に腰を乗せる。
少女にあるのは明らかな焦り。今の傷を作り出した交戦からなる焦燥感が、未だ平時に置いても抜け切れていない感覚。
苛立ちが細かな足の揺すり、という形で表れていた。

「研究者が、ラグナロクに……!?」

突然の告白に勢いよく立ち上がり、彼女に詰め寄る。が、すぐに彼女の状態を思い出し、労わる様に距離を置く。
脳内に何人ものメンバーの顔が並ぶ。思い当たる箇所がないという訳ではないが、今すぐに誰かと判別がつく訳でもない。

「……目星は付いてる?分かってるなら、早めに手を打った方がいいよね」
「必要なら私も行くよ。行って、きっちり始末を付けなきゃ、だし」

//不安定で申し訳ないです。よろしくお願いします。
187メイデンドール◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/27(水)22:35:14 ID:qfF [3/4回]
>>185

『オマエラ…ト…タタカエバ……ツヨク…ナル…ツヨクナルノハ……タノシイ…ホカノヤツラハ…ドウカナ』

それは明確に感情の存在を示す言葉だった。
自身が強化される事に喜びを見出す事がこのアームズの、いや彼女の戦う理由なのだ。

『テキ……ソレハイマニワカル…』

言葉ではなく拳で示す、上半身が瞬時に180度回転し、猛回転を加えた右の拳でアナスタシアの腹に拳を叩き込もうと試みる。

//遅れてしまいましたすいません!今から安定しますので!



188◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/27(水)22:58:24 ID:KIk [4/6回]
>>187

「感情の機能まで……」

まるで本当に、人間を模しているかのよう。
楽しいという感情……それがアームズに備えられているなど考えたこともなかった。
最も、この個体に限定したものかもしれない。だがどちらにせよ……目の前に在る実例は、アームズの根本を揺るがすようなもの。

「今に……と、うッ!!」

目の前の事実に、少しばかり驚きすぎていたが故に……回転を加えて。
思い切り叩きつけられようとする拳に、アナスタシアは反応が遅れた。
腹部にめり込んだ拳。防御性能の低い霊装であるために、多少の軽減はあれど、その威力はほとんど直接伝わり……。

「……ぐぅ、ぉッ……ぁあ!!」

内臓を大きく歪められ、吐き出しそうになる。こみ上げてくる胃液を押し留めて、丸まりそうになる体を律して。
右手に握る散弾銃の引き金を引いた。炸裂音とともに弾倉が回転し、次弾をハンマーが叩き、合計二発、連射されるだろう。
点というよりは面の攻撃に近い、狙いを定めずとも効果を期待できる近距離にて最も威力を発揮する弾丸だ。
ただ、回避したり、或いは逃走する余地は大いにあるのは……その拳の感触が証明するはずだ。
189メイデンドール◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/27(水)23:18:21 ID:qfF [4/4回]
>>188
『イタイ…カ?ワタシタチニ…ワカラナイ…カンカク』

痛みという感覚は無い、故に非常に興味深い反応だ。
もっと自分達との違いを知りたくなる。
そんな考えを持つ様になったのも進化した証拠と言えよう。

『シリタイナァ……!』

あえて散弾銃の攻撃を受ける。
体の各部を猛回転させ勢いを殺し、自身が致命傷を負わない程度にだが。

『……ワカラナイ』

両腕でガードした顔面以外の体の前面は散弾がめり込み、装甲の剥がれや変形が目立つ、しかし動じる事もせずに、今度は腰に携えた小型ミサイルを一本もぎ取り振りかぶる。

『ワタシヲ…コワセ……ツヨクナリタイ』

そのまま彼女に向かって振り下ろす。
手はおろか下手をすれば腕が丸々一本消し飛んでもおかしくは無い攻撃だ。
手掴みでミサイルを叩きつけようと言うのだから。
これもアームズ故に為せる技だ。
190◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/27(水)23:32:07 ID:KIk [5/6回]
>>186

「そうだな……私もそろそろ落ち着けと言うことかもしれないが」
「然しそれでも、今は教官と指揮官の真似事をしていられるが……流石に、やんちゃをしすぎたな」

実際のところ、戦線には戻れない可能性のほうが高い。
一応、義手や義足で補うことも可能だろう。緊急時にはクローニングで複製した手足を繋いで出撃することも出来るだろうが。
どちらにせよ短時間であり、蜻蛉切の特性上、弱体化していることは否めない。自嘲気味に、そうして笑ったが。
それでも尚、彼女の言う通り。前線に出ることは諦めていないのは、分かりやすいくらいに透けて見えるだろう。

「……アームズを相手に、お前がそこまでの重傷を負うこと自体珍しい……撃破できたことは幸運ではあったが……」
「ともあれ、無事で良かった。……お前に死なれては、共に無茶をする相手が居なくなる」

彼女とて、歴戦の使い手であることは把握している。
ただの小型や中型程度ならば危なげなく倒せるだろう……余程得意な個体であったのか。撃破できたことは不幸中の幸いか。
そして望み通りに、彼女の笑いに併せて小さく笑みを浮かべながら。

「そうだな。あまり多くは語らない……いや、元気ではあるが……どうにも元々はイギリス人だったようだ」
「その割には妙な訛りを持っているんだが……地域性によるものか……」

今も元気に暴れたり騒いでいる彼女の出身は、確かに彼女の言う通り、海外だった。
英語の発音はどこか覚束ないというか、特異な訛りを持っているようではあったが……それに名字にも付いても語らない、或いは持たないのか。

「……まあ、少し落ち着け。お前は今、怪我をしているんだ……少しくらい休んでもバチは当たらん」

彼女の苛立ちは分からないではない。
千華がそうであるように、彼女もアームズに家族を奪われている間柄だ……彼らへの憎しみは一入だ。
だが、手や足を吹き飛ばした高名か……彼女のそれよりも、千華は少しだけ冷静になることができていた。

「ああ、そうだ。西條という研修員が接触し、ベアトリクスもそれを匂わせるようなことを呟いていた」
「その人間の名は……智恵美・フレイザー。霊装使い且つ、アームズと霊装研究のタカ派だ」

詰め寄られたところで身動ぎ一つしなかったのは、千華にとってはいつも通りの対応だった。それに、その反応も分からないではない。
アイアスに所属して長い彼女からしても、覚えがあるだろう。
霊装とアームズに対する研究の急進派として、アイアスと方針が合わないと離脱した者だ……仮に彼女が、ラグナロクに所属しているのであれば。

/こちらもあまり安定せず申し訳ない、こちらこそお願いします……!
191◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/27(水)23:42:01 ID:KIk [6/6回]
>>189

「……痛い、というよりは――苦しい、が近い、ですね……ッ」

人間に深い興味を示している……相手は人間を理解しようとしているのだろうか。
或いは人間になろうとしているのか?果たしてその進化の行き着く先が、どこを目指しているのか分からないが。
放たれた散弾を、自ら受けるさまは、少なくともまだ掛け離れているように見えた。

「自ら受けるとは……威力が足りていないわけではないようですが……」

痛みを感じないのは、やはり既存のアームズと同様か。
片手に握り締める散弾銃を、人差し指を軸に回転しながら腰元へと持っていき、代わりにもう片手の拳銃を突きつける。
通常の拳銃弾……とは言え霊装によるものだが……を装填されたそれを、構え、狙いを定めて。

「――そういうことでしたら、遠慮なく、そうさせていただこうかと」

たん、と大きくバックステップを踏んだ。それと同時に、彼女が握り締めるミサイルへと狙いを定めて、引き金を引く。
振りかぶった瞬間を狙って、振り下ろされる前にそのミサイルを銃弾によって強制的に起爆しようという算段だった。
成功すれば、腕どころか、先の爆発力を見るに上半身くらいは吹き飛ばせるか……と考えてのことだが。

同時に、熱波と破片がアナスタシアを襲う。

成功すればそれによる負傷も抑えられるが、失敗すれば……アナスタシアが粉砕される側に回る、かもしれない。
192メイデンドール◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/28(木)00:06:01 ID:ubP [1/2回]
>>191
『クルシイ…ソレモキニナルナ…』

新たな情報を得た。
人間は殴られるとクルシイという感情を抱くらしい。
イタイとクルシイは同時に成り立つのか、どう違うのか
気になる事は山積みだ。

『…ハヤイナ…!』

銃弾がミサイルに食い込む、この瞬間初めて気づく、この武器はこうやって使うんじゃ無いんだと、距離をとって使うものなのだと。
すぐさま爆発に巻き込まれ、煙によって姿が見えなくなる。

『…カラダガ…オモウヨウニウゴカナイ
…コレカ…!?…コレガ…クルシイ…!
コレガ…イタイ…!?』

煙が晴れて現れるのは右腕が消失し、右半身も黒く変色し今にも崩れ落ちそうな彼女の姿だ。
機能を停止した右半身、その違和感を痛みや苦しみだと錯覚し喜ぶ、がひとつ気付く。

『イヤ…ヤッパリ……チガウカナ…』

先程アナスタシアが苦しいと言った時と違って自分は元気に喋る事ができている。
ただの機能停止なのだろうと理解するのに時間は掛からなかった。
193香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/28(木)00:20:54 ID:hku [1/2回]
>>190
「やんちゃで済めばいいんだけどね。慌てちゃダメってのは私も千華も分かってるでしょ?」
「そういうのは動ける私とかに任せて、椅子に座ってふんぞり返ってればいいさ」

落ち着く、というフレーズに強く反応が出る。
それは冗談めいて彼女に言いつけている事もあるが、一番は自分に言い聞かせている面の方が大きいのだろう。
だがそれが実現できているかどうかは……これに続く言動を見れば分かるだろう。

「……見たんだね。この前の」
「アレはアームズ……うん、そう、アームズ。間違いなくアームズ。だって私が始末したんだから」

あの戦闘記録は霊装からの映像を通じて彼女にも伝わっている事だろう。
アームズとは一概に呼びにくい、既存のアームズを越えた生命体。同じ内訳に入れても良いか判断にも悩むような代物。
だがあの場では間違いなく倒した。倒したはず。あの回転鋸のアームズはもうこの世界には存在しない。

「あのタイプのが増えたら、アイアスの皆も苦労する事になるかも。あの適応力は今までのとは桁違い」
「……でも、私なら大丈夫。もうこんなヘマは犯さないから。確実に奴らを潰すから」

少女はアームズの事になると性格が変わる。それ以外何も見ていないというか、使命感に駆られているというか。
今もそう。根拠のない自信を振りかざし、自らを使命を背負ったレジスタンスの戦士のように目の敵にしている。
その執着は、ある意味病的と言ってもいい。近頃はその性質が顕著になりつつある。

「智恵美・フレイザー……いたね。そんな人。うん、覚えてる」

自らの側頭部を指先で小突く度に、脳内で覚えのある人物の顔と名前が転がり続け、やがてその名と顔が一致する。
前に世話になった記憶のある人物だ。霊装も診てもらった経験もある。技術も確かだった彼女が向こう側についていたとは。

「……ねぇ千華。ちょっと、私もベアトリクスとサシで話してもいい?」
「智恵美さんの事とか、色々と気になってる事あるからさ、聞いてみたいんだ。訛りってのも興味あるし」
「別に今すぐじゃなくてもいいケド。慌てる程じゃないと思うし、多分」

少し考えて、少女は彼女に対し一つの提案をする。モニターを通さず、直接ベアトリクスと至近距離で話がしたいという事。
今までの言動と精神状態を見て、この面会を許可するか。その決定権を握るのは、この場では彼女となる。
194◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/28(木)00:31:40 ID:zmg [1/5回]
>>192

「……ふぅ……」

少々焦った――然し、多少の怪我はしたもののどうにか捌き切ることができた。
だが、アームズを相手にしていたと言うよりは……人間、それも霊装使いと言ったほうがいいかもしれない。
武器の使い方を、どうにも間違っているように思えたが、少なくともその動きは人間のそれに近い。無機質なアームズのものではなく……。
……銃を構え直す。煙が晴れた先にいるのは……既に、朽ち掛けた彼女の姿。

「……痛い、苦しいとは人間の防衛機能、危険信号です……言葉にするのは、少々難しいですが……」

このまま撃ち殺してしまえば、それで終わりに出来る……だが、その前に、アナスタシアは口を開いた。
彼女に対して……例えるならば、小さな子供を見ているような感覚に襲われたのだ。善も悪も分からない、まだ無邪気な子供を。
無論、健在であればこんなことはしない……そうしているのは。一重に、彼女が瀕死の状態であるからだ。

「……呼吸ができなければ苦しい。撃たれれば、切られれば痛い……口にすれば簡単ですが」
「そうですね、もしも貴女が生まれ変わって……それを知ることができたのであれば……」

リボルバーのハンマーを下ろす。回転式弾倉が次の弾丸を送る。
引き金に指をかけて、照準を頭部に合わせるだろう。そして――彼女へと向けて、柔らかく微笑み。

「貴女も、愛して、差し上げますね」

銃声が鳴り響くだろう。

/申し訳ありません、本日はこれが最後の返レスになりそうです……!!
195◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/28(木)00:46:40 ID:zmg [2/5回]
>>193

「そうか……いや、お前のことを信頼していないわけではないが……」

彼女の言動は、他人に諭すように語りながらも……彼女自身がそれと反する行動をとっているのは火を見るよりも明らかだった。
彼女の背を追い立てる義務感、焦燥感、復讐心。それは分からないものではないが……然し、同時に危うくもある。
……何か含みのある、件のアームズの話を少しばかり疑問に思いつつも……

「お前がそうまで言うのであれば、相当強力な個体であったのだろうな。あれで終わりならばそれでいい」
「だが……次からは、あまり無茶をしてくれるなよ。無理だと思ったならば……退いてもらう」

アームズに対する苛烈さは、ときに彼女から冷静を奪う。
今もそうだろう。もう一度同じ個体が現れたら、今度も同じように倒せるかどうかは分からない……然し、冷静な判断を要求したとて。
彼女には出来ないだろうことは間違いない。だからこそ、“退いてもらう”と、千華は彼女へ強く言った。あくまで命令には従ってもらう、と。

「覚えていたか……そういうことだ。それも併せて、吐かせたいところだが……」
「そう、だな。私が行ったところで、口を開くことはあるまい。ああいう娘は……苦手だ」

実際、彼女をベアトリクスに会わせてどうなるかは分からない。
アームズに対しては凄まじい苛烈さを見せる彼女であるが、それ以外では、彼女は普通の少女だ。
その点で言うのならば、千華よりも話を聞き出すのには優れていることだろう。特に、ああいう生意気で頑なな少女からは……と考えて

「……いいだろう。面会を許可する。今からでも会うことは出来るが……どうする?」

面会の許可を彼女へと出した。後は彼女次第だ、必要であれば今すぐにでも彼女と会うことは可能だが……。

/香坂さんへの返信も本日はこちらで最後になりそうです、申し訳ないです……
196香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/28(木)02:09:09 ID:hku [2/2回]
>>195
「大丈夫。分かってる。引き際が分からないほど半端じゃないって」
「何かあったら、千華が引っ叩いてでも止めに来てくれればいいよ」

少女はこれまで決して少なくない数の命令違反を犯した経験がある。その大半はアームズとの戦闘によるものだ。
口では問題ないように言いつつも、実際にその現場に出くわした場合、約束の通りになる可能性を彼女は知っている事だろう。
少女自身もそれを理解している。だからこそ、自らを理解しており、そして信頼している彼女に最後の手綱を握らせる。

「……勢いで言ったけどさ、別に私もそういうの得意じゃないし。それにやったこともないし」
「そっちでダメなんだったら、ちゃんと本職の人に任せた方がいい気もするんだけどね」

口元を緩めた苦笑いと共に言い訳めいた言葉。
尋問経験のない少女に何ができるかは分からないが、彼女が信じるのであれば、きっと大丈夫なのだろう。

「じゃあ、せっかくだしお願いしようか。彼女が疲れて喋らなくなる前に聞いときたい」
「ここは……うん、十三番独房か。じゃあちょっと行って来るよ。そんなに時間は使わせないから」

ベアトリクスを映し出すモニターの右上に映し出される番号を確認し、少女は自らの足でゆっくりと歩き始める。

「あっと、そうだそうだ。ちょっと今のうちに確認しときたいんだけど」
「彼女の霊装が封じられてるのは良いんだけど、あの部屋で私の方は霊装出せるかな?」

……が、管制室の扉に手を掛けた直後、思い出したように振り返り、彼女に問いかける。
この質問の意義をどう取るかは、彼女の信頼次第といった所か。


ベアトリクスの拘束されている独房前。久々に聞こえる足音は徐々に大きくなり、やがて止まる。
扉の封鎖が解かれ、ゆっくりと重い金属の擦れる音と共に開かれる、外界へと繋がる扉。
その先に姿を現すのは、恐らく初対面であろう、少々目つきの悪い少女、香坂ミナミ。

//明日はこちらに来るのは遅くなるかと思われます。申し訳ないです。
197曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/28(木)03:15:36 ID:whL [1/2回]
>>170

「メンゴメンゴ、マジメンゴっ☆」

注意されても、まるで気にする様子はなく、笑いながら舌をペロリと出す。
そこにはアイアスの霊装使いなら少なからず持つであろう人々を守る使命感といったものは存在しない……実際、アイアスの霊装使いではないが。

「アタシの名前?あー……炎乃火って呼んで、ハルハル?」
「いけなくはないけどー……ちょっち、ヤダ」

問いかけに少し考えたのち、下の名前だけを名乗っておく。
姿や能力でバレないならば、名前でバレることもないだろうと言う見込み。
彼女はまだ知らないだろうが、炎乃火の飛行は爆発の反動を利用したものだ。
耐熱・耐爆性能を持つ霊装で抑えられてはいるものの、多少のダメージは避けられない。傷がまだ癒えていない身としては、普段以上に障る。
 
「まー、でもあれ吹っ飛ばせる当てあるなら、喜んで♪」

あの巨体が木っ端微塵になれば、さぞかし爽快だろう……そんなイメージに、口元を歪めながら答える。
そんな話をしてる間にも、再び巨影から生まれたのであろう小型アームズが押し寄せてくる。大物を片付けるべきという判断は正解だろう。
炎乃火はそれにダイナマイトを投げ、手が届くところまで迫ればニトログリセリン付きの拳で殴り別のアームズへと飛ばす。
長期戦になればなるほど、アームズはその数を増やしていきかねない。一気に決める策が彼女にはあるだろうか。

//お返しが遅くなり大変申し訳ありません、本日中には締められるよう善処したいと思います……!
198雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/28(木)11:56:36 ID:15I [1/3回]
>>197

「っとにもう、私がやるしか無いって……!?」

爆発を睨みつけ、上空の巨影を睨みつけ。
身体を腰から捻って扇を振るい、ふわりと浮遊する。

「せめて後ろは任せるからね!」

薄い期待をその場に残し、歯を食い縛ると。
身体を軸に扇を回転させながら、上空へと飛び出した。
螺旋が立ち昇る、炎が竜巻の様に、炎乃火が生み出す爆炎と爆風の中を突っ切る様にして。

「ぐぅぅぅうううううッッッッ!!!」

巨影の目前、螺旋が散った中心にあるのは、着物と肌を所々焼き焦がした悠花の姿。
両の扇を平行に、生み出される火球は先程の物よりも数倍は大きい。

「(これで倒せなかったら、私にはもうどうしようも無いからね!!!)」

放たれたのは、火球を起点とした大規模火炎放射。
巨影の腹を中心に、只管に燃え広がり続ける。
199◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/28(木)18:57:45 ID:zmg [3/5回]
>>196

「はは、あまり無茶をさせてくれるなよ――いつものことだとは言え」

アームズと対面した彼女は、驚くほどに不安定だ。
それは彼女自身も理解しているのだろう。だからこそ自身がリミッターの役目を課せられることに、今更躊躇のあるものでもなかった。
最も、仮に戦闘になったとしたら……一方的に止められるか、と問われれば、少々難しくはあるだろうが。少なくとも、“容赦はしない”だろうが。

「霊装使いの尋問は困難を極める……単純に、相手が未成年の少女であることを考えると、無理をすることが出来ない」
「本職と言えど簡単に行くものではないさ。だったら、出来る限り試してみるものだ」

強硬手段……非合法スレスレの手段は、少なくとも霊装つかいの少女たちにはとれない。
そんなことをすれば、今度はアイアスが世界の霊装運用機関から袋叩きにされるだろう……となれば、素人である少女とは言え。
感性や年齢の近い少女を使うのは、それなりの選択肢ではあるだろう。あくまでそれなり、無いよりマシ程度であるが。

「そちらに着いたのを確認したら、鍵を開ける……ああ、あの首輪の条件はな」
「霊装の波動ごとに数値を調整し、その上で皮膚に直接接触することだ。お前のイカロスが阻害されることはないだろう」

生身の相手に霊装を使うとは思えない。相手が無力な霊装使いであることは彼女も分かっているだろう。
そして、仮に嘘をついたとしても起動しようと思えば簡単に出来る、隠す意味は余り無いと考えて、彼女へと答える。
まさか今から彼女を止めに飛び出さなければならないということも無い、と考えたかった。


「……まっさか霊装を封じ込められるたぁ思わなかったナ……」

独房の中、ベッドの上にベアトリクスは寝転んでいた。
騒ぎ立てるのにも疲れた上に飽きて、今はおとなしくこうして寝転がっているわけだ……本来であれば、こうして捕らえられたところで。
監視の霊装使いを叩きのめし、アイアスのデータをできるだけ掻っ攫って退場、ベアトリクス様は英雄扱い……という算段だったのだ。
決して、霊装使い、清水谷織衣の《大刀契》に負けたということではないとは、ベアト自身の主張である。

「おっ……うわ、開いた!?なんだぁ、なんのよっ……」

足音には気付かなかったが、その向こう側の気配の正体は分かっていた。
そこに立っているのは、初対面の少女だった。背の低いベアトからすれば見上げる形になる上、少し悪い目つきは少しだけ恐怖心を生みつつ。

「……なんだお前!やんのかお前!やってやるぞお前ー!!」

そしてだからこその反発心がベアトの中に生まれたのだ。ベッドから飛び降りて、彼女へと向かって吠え出すのであった。

/了解しました、都合の良いタイミングで返して頂ければ……!
200曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/28(木)19:18:53 ID:whL [2/2回]
>>198

巨獣は猛烈な炎を受け、大口を開けて苦悶の咆哮を上げる。
その様子を見上げ、閃き、破顔して。

「せめて後ろなんて、そんなケチなことはなしなしっ☆」

足元で発生させた爆発にアームズを駄賃がわりに巻き込み、立っていたタワーの展望台の天井に穴をぶち開けながら宙へ身を躍らせる。
脚部の傷は痛むが、それ以上に高揚感のほうが勝る。

「肩借りるよ、ハルハル」
「とっておき、決めてくるから後ろはよろしくちゃん♪」

彼女より少し上空でそう言うと、浮遊する彼女を踏み台にするような形で再加速しようとする。
回避、或いは何らかの防御手段がなければ、先程と同じように炎乃火の足元から発生する爆発は悠花を襲う事となる。
それが成功したならば、肌を焼きながら炎を突っ切り、怪物への口元へと炎乃火は迫り、バスケットボール大の爆弾……彼女の言うところのとっておきを放り込み、だめ押しを仕掛けるだろう。
人間がそうであるように、外からの攻撃には強くとも、内側からはそうではないと言う見込みの一撃。
成功するかは、悠花の協力、ないし犠牲によるだろう。

//ちょっと確定ぎみですがあれでしたら踏み台拒否していただいて大丈夫ですので……!
201メイデンドール◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/11/28(木)20:08:28 ID:ubP [2/2回]
>>194

『ソレガ…イタイ…クルシイ……ニンゲンダケガ…カンジラレルノカ…?』

自分はそもそもそんなものを感じる事ができない存在なのだとしたら、それは残念だ。
だが彼女に秘められた能力は偶然にも生まれ変わりと言っても過言ではないものだ。

『ウマレカワレバ…イイノカ……ジャア…ソウスル』

彼女は破壊されればそれまで肉体に蓄積された戦闘データや血肉、会話などで得た情報を元に姿を変えて再生し、新たな能力を得る。
ならば人間とここまで接触した今、それがどう転ぼうがおかしくは無い。

『アイ…?』

銃声が響き頭部に弾がめり込む。
今にも砕けそうな頭部に銃弾を中心にヒビが入り始める。
最後に疑問を残したまま彼女の意識は飛んだ。
だがまだ終わってはいない。
腰回りに装備されたミサイルが一気に起爆したのだ。
それは彼女が自身の体を回収されまいと仕掛けた最後の攻撃。

//遅れてしまい申し訳ないです…キリもいいのでこちらからは〆というで!

202雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/28(木)20:16:27 ID:15I [2/3回]
>>200

「ほら、もう、やると思った!!」

眼下からの声に、半ば諦めた様に叫びながら、咄嗟に重ねた扇が爆風を防いだ。
重力に任せ落下しながら、爆発と炎上による苦悶を繰り返す巨影を睨み。
その間も、接近するアームズを扇で蹴散らして。

「まったく……」

展望台に衝突する直前、くるりと身を翻して着地する。
疲れた様に肩を落として上空の炎乃火へ向けて声をかけた。

「……大分数も減ったし、もう大丈夫かな!?
 あとはお互い、一人で撤退なり出来ると思うけど!」

おそらくこの場のアームズを生み出していた元凶を断ち、残りのアームズもその数を減らしている。
不意に腰に手を当てて、悪戯っぽく、或いは嫌味っぽく。

「ねぇ、『ラグナロク』の炎乃火ちゃん!」

諦観やら何やら……色々混じりの笑みと共に。
203 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/28(木)22:12:20 ID:zmg [4/5回]
>>201

「それが出来るとするならば」

生まれ変わりなどありえない……それは人間だろうと、アームズだろうと。
弾丸を一発、とは言ったが、潰すならば念入りに潰すべきだろう――引き金を引けば弾倉が回転し、次弾を装填して狙いを定める。
然しそれを撃ち放つ前に、彼女の有するミサイルが起爆する。
撤退しなければ、自分が破壊される……そうなる前に、離脱する――


「――こうなると、サンプルの回収は期待できないでしょうね……」

爆心地のごとく、一部が吹き飛んだ森林を空から見下ろして呟いた。
サンプルが回収できなかったのは非常に残念だが、映像記録としてはある程度の収穫は得た……アームズの研究に対して。
それなりには役に立つかも知れない。少なくとも、貴重な一例が存在するという証拠だけは手に入れたのだ。
アームズそれ自体を支配し、戦力にすること。それもより、現実的になる。

アイアスに補足されるわけにもいかない。
アナスタシアはそのまま、彼方へと飛び去っていった。

/それではこちらもこれで……!ありがとうございましたー!
204 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/28(木)22:23:07 ID:zmg [5/5回]
>>181

「すみません、私、少しだけ代わってもいいですか?オペレーターの練習したくて……」

管制室内、グラトニーを担当する新人のオペレーターへと向けて、西條夏鈴が語り掛ける。
彼女と比べると、夏鈴は全くの素人である。専門の教育を受けたわけでもなく、したがってその経験値は彼女よりも低いものになる。
将来的に霊装使いをサポートできるようになるため、少しずつでも経験を積めるよう頼み込み、先日許可が出たばかりであった。
彼女に頼んで、横で補助をしてもらえるよう頼み。それが通ったのであれば。

「グラトニーちゃん、聞こえるかな?私、新人の西條夏鈴っていうの、よろしくね」
「早速だけど……周りにアームズの気配は無い?痕跡とか……空中でなくても、例えば……」
「水中とか?」

と、問いかけてみるのだが……さて、出自からして問題児なグラトニーと、最初の会話は成立するだろうか。

/まだいらっしゃれば……!
205曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/28(木)22:34:10 ID:vdK [1/1回]
>>202

「おっ、とっと……」

怪我と反動により、よろけながら悠花のそばに着地する。
神の力を宿した炎と、世界を変えた爆薬の前には、巨体も一たまりもなく。
体内からいくつもの破片に爆ぜ、燃え尽き、朽ちて落ちていく。

「あはははは!見てよハルハル!マジキレイ、マジウケる!あはははは……」

爆ぜていくアームズを眺めながら、ぴょんぴょんと狂喜しながら笑う。
常人には彼女の心は理解しがたいかもしれないが、彼女の表情を見れば、どこか本能的なものが満たされたようにも見えるだろうか。
残る怪物の影はまばら、彼女の言う通り撤退も殲滅もそこまで難しい話ではないだろう。

「────あれ、バレちゃってた?いつからとか、聞いてもいい?」

笑顔のまま唇をぺろりと舐めて、誤魔化す素振りもなくそう問いかける。
206雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/28(木)23:41:26 ID:15I [3/3回]
>>205

「もう隠す気も無し、かぁ。
 最初は仲間だと思ってたんだけどね」

溜息と苦笑、傍に降りて来た炎乃火から、わざとらしくスタスタと距離を取り、展望台の端へと立つ。

「途中から少しずつね、明らかに『守る側の戦い方』じゃないから……。
 まぁでも、一緒に戦わないとこの場を切り抜けられないと思ったし……死人を出すのも、人と戦うのも好きじゃ無いんだ、例え敵でもさ。
 甘いってよく言われるけど」

振り返ると同時、融鉄色に染まった扇を炎乃火へと向けた。
笑顔は変わらずとも、既に視線は鋭い。

「さてどうしようか、状況が落ち着いた以上は私達戦わないといけない立場でしょ、裏切り者だとも思われたくないし。
 ……今ならまだ見逃せる、君がラグナロクだっていうことは……まだ私の想像の範疇を出てないから」
207曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/29(金)00:33:58 ID:M1g [1/1回]
>>206

「違う、ってもどーせ聞く耳持たないでしょ?」
「ふーん、なるほど。そこは考えてなかったなー、次があったら気ぃ付けよ☆彡」

離れていく悠花を、面白がるようににやにやと見据える。
視線の温度差は、二人が相容れない存在であることをこれほどかというほどに示す。

「へー、ハルハルやっさしー。けどさー、退屈じゃない、それ?」
「そゆこと。じゃ、やろっか♪」

そう笑って、指の間にダイナマイトを握る。
一時とはいえ背中を預けた相手であっても、吹き飛ばせるなら炎乃火に戸惑う理由はない……普段ならば。

「……って言いたいとこだけど、今日はいいや。疲れたし」

先述したとおり、炎乃火は以前の戦いでの傷が癒えきっていない。ここまでのアームズとの戦闘のダメージもある。
何より、彼女の抱えている抑えがたい欲求は、先ほどの一戦でかなり満たされた……いわば満腹状態だ。
悠花を派手に爆発させるのは、今度のお楽しみにしようというわけだ。
言い終えると、その場にダイナマイトを落とす。爆ぜたそれらからは、もくもくと濃い煙が立ち上る。煙幕だ。

「またあったら派手にやろーよ、ハルハル。ぱっと見だけど、やる才能もやられる才能もありそうだし♪」
「いやー、楽しかった。それじゃ後片付け、よろしく?」

誉め言葉なのかそうでないのか良く分からない言葉を残して、煙幕が晴れたなら、そこに炎乃火の姿は見つからないだろう。

//こんな感じで〆でどうでしょうか
208雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/11/29(金)17:49:55 ID:FjG [1/1回]
>>207

「あはは、こっちは面白くて戦ってる訳じゃないんだよね。
 この衣装も気恥ずかしいし……っと」

炎乃火が取り出すダイナマイトに合わせ、扇を眼前へと静かに構えて。
軽口を叩きながらも、後れを取る事にだけはなってはいけないと。
しかし、爆発は起こらず。

「けほ、けほ……」

袖で口元を抑えて小さく咳き込む。
煙幕の奥から響く声に、また呆れた様に溜息を吐いて。

「……人と戦いたくないって……そんなにおかしい考えかなぁ」

展望台の端、ゆっくりと振り返り、アームズの残党を見据えた。
床を蹴る、身体は空中へ。

//遅れて申し訳ありません、ではこちらもこれで〆で……お疲れ様でした!楽しかったです!
209香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/29(金)19:35:15 ID:Lz5 [1/1回]
>>199
「ああ、そうだったか。どうも最近の機械には疎くってね」
「それじゃ行って来るよ。何かあったらヨロシク」

車いすに座る彼女へ右手で手を振り、そのまま足はベアトリクスが収容された独房へ。



「やあ、ちょっと驚かせちゃったかな」

少女は質素なパイプ椅子を一つ抱えてやって来る。
そのまま彼女が見据える中、堂々と椅子を広げて座り込む。
警戒されている事に関しては目に見えているが、彼女の反応に番犬の面影を感じつつ。

「大丈夫だよ。別に私はキミを取って食おうだなんて考えてないから」
「キミも座って一息ついたらどう?そんなペースじゃ帰るまで持たないんじゃないかな。ねぇ、ベアトリクス」

外界への扉に背を向け、直接正面から対峙する形で彼女へと話を進める。
隙を突いて逃げ出そうと試みても、この少女を越えない限りは自由を得る事は出来ない。
相変わらず人相のあまり良くない目つきは変わらないが、出来る限り柔和な態度を心掛けているつもりなのだ。

「私たちも別にキミに対して手荒な事をするつもりなんてないよ。キミだって早く帰りたいよね?」
「あれだったら私が直接上の人に話をして、キミが安全に帰れるようにするよ。ココの人はみんな優しい人達ばかりだから」

「……まあ、その為にはちょっとキミの知っている事を教えてほしいんだけどね」

本来の目的は情報の入手。自らの知り得る拙い交渉術をフル稼働し、少しでもその気になってくれるように。
餌として元の陣営への帰還を目の前にぶら下げて話に乗る様に気を引く。
最も、この少女の言葉を信頼できる保証はない。所詮少女はアイアスの戦闘員に過ぎないのだから。

「ベアトリクス。キミは智恵美・フレイザーって人を知ってるんじゃないかな。キミの所、ラグナロクに居るって聞いてるんだけど」
「少しでも知ってる事があればそれでいいんだよ。それでキミはまた自室のベットで横になる事が出来るんだ」

//昨日は来れずじまいで申し訳ないです。
210智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/29(金)21:39:13 ID:UrN [1/1回]
人の集う繁華街、不夜の様相を見せるそのコンクリートジャングルの上空に漂う陰がある。
中型のアームズだ。
剣状の触腕を持つ蛸のようなそれは避難勧告が出された街を見下ろすように浮遊し、
時折口腔から放つレーザーによりアスファルトを捲り上がらせ人々をパニックに陥れていた。

──過去形だ。
今は南の空、海の方へと飛び去っていく姿を民衆に見送られている。
そんな中ビルの屋上からそのアームズを操る者がいた。
智恵美・フレイザー、アームズを狩る者にしてアームズを操る者。
霊装を装着し、子機であるランサービットを手繰るような動作とともにアームズが海中に沈む。

「思わぬ収穫でしたね……
街への被害も少ない、我ながら上出来です」

完全に不意の遭遇にして嬉しい誤算であるのだが、
それを他の者はどう見るだろうか、アームズを操る姿など。
211◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/29(金)23:23:58 ID:ROK [1/1回]
>>209

ベアトリクスは必要以上に攻撃的で、反抗的であるように見えるだろう。
頭の中では従順であったほうが良いことは分かっているのだが、どうしても身体……或いは本能がそう対応させてしまう。
警戒心の強さは状況以上に、そういう生き方が染み付いているのだ。とは言え、この状況……きっちりと扉に背を向けられているとなれば。

「……うるせえな、言われなくても分かってるよ!」

少なくとも、そう簡単に突破できそうにないか。
ベッドの上に苛立ち気味にどっかりと腰を下ろすと、その上で胡座をかく。
現在の服装は、囚人服代わりの、アイアスの作業服であるのだが、それを加味したとしても粗野な動きが目立つものであった。

「ホントか!?……いや、そんな訳無いだろ。お前はアイアスの一人なんだろ、オレを逃したら……」

彼女の言葉を素直に信用することは無かった。それくらいは、彼女も想定内ではあるだろうが。
アイアスとラグナロクという敵対する組織であり、そして自身が霊装使いである以上、そう容易く自分を解放することは出来ないはず。
霊装使い一人が個人で軍にすら相当する……扱いは慎重にならなければいけないはずだと。

「……は?なんであの霊装とアームズ大好きなヘンタイの話になるんだよ」

しかし出てきた名前が想定外だったようで、首を傾げながら逆にそう問いかける。
勿論、知らないわけではない。彼女のことは、断片的にであるがラグナロク内で聞いてはいるのだが……。

「あ、いや、待て待て、だからその手には乗らねえぞ。オレだって馬鹿じゃねーからよ!」
「それに硬いベッドなんてぜんっぜん辛くねえ。コンクリよりは柔らけーもんな!」

思わず口を割りそうになっていたのだが、そこですんでのところで止めるのであった。
そして見破ったとばかりに、得意気に鼻を鳴らしながらそう高らかと宣言するのだが……。

/いえ、こちらこそ遅くなってすみません……!
/お好きなタイミングで返して頂ければ!
212曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/30(土)00:41:27 ID:mfy [1/2回]

「うーん……もう少し手、長かったかな……それに、身長ももうちょっと……」

アイアス基地内、更衣室。
一糸まとわぬ姿の少女が、鏡の前で自分の姿を見て首を傾げている。
ひざ下まで伸びたウェーブのかかった黒髪と黒と紅のオッドアイが、異様な雰囲気を醸し出している。
だがそれ以上に異様であるのは、そのつぶやきに呼応するかのように身体が伸び縮みしているしていることだろう。
その正体は、「原初の人類」の力を持つ霊装の適合者、氷夢井結花。

「あっ、ふふふ……違うなぁ。ひゃ……ひゃはははは、あ゛っ、げほ、けほっ!」

先日出会った、どこか奇妙な少女。彼女はなにか、結花にないものを持っていた。
それが一体何か、強くなるために、突き止めなければならない。
そのためにまず形から真似てみよう、というわけだ。
だが、奇妙な少女……ベルナ・アルベルタの正体が、アイアスの敵対組織であるラグナロクの一員であることを、結花は知らない。
それを知るものがその姿を目にしたなら、確実にひと悶着起きるだろう。

>>208
//絡みありがとうございました、此方こそ楽しませていただきました……!
//上の絡み待ちでベルナちゃんの姿をお借りしています、あれなようならばおっしゃって下さい
213氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/11/30(土)00:41:56 ID:mfy [2/2回]
//名前ミス
214香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/30(土)01:24:11 ID:kOF [1/3回]
>>211
「キミはなかなかやんちゃなんだねぇ。前に見た時からそうだったけど、向こうでもそうだったのかな?」

敵対陣営の捕虜として敵地の真ん中にいるという状況においても堂々としていられる肝っ玉は、自分も見習うべきなかもしれない。
少なくとも、このような経験をした事のない少女には、この度胸は出せそうにもないなと感じて。

「まあ、キミを勝手に逃がしでもしたら間違いなく怒られるだろうね。私の首が飛ぶかも。怖いね」

冗談のように口元を緩ませて、わざわざ大げさに両手を広げてまでしてのアピール。
今この光景をモニター越しに見ているであろう神埼が見たらどう思うだろうか。そんなレベルの大袈裟な動き。

「でもね、キミが話してくれる中身によっては、それが実現するかもしれないんだ」
「キミが持つ情報はそれだけの価値を持ってる。その事は、ココの上の人たちも知ってるはず」

これはあくまでも交渉。彼女に商品を出させるためには、こちらもその商品に見合ったモノを差し出さなければならない。
ここでの商品は智恵美・フレイザーの情報。見合ったモノは彼女の身の安全。例えそれが現実には叶わない空想のものであったとしても。

「私の力じゃ今すぐキミをここから連れ出す事は出来ない。そればかりは残念だけど事実なんだ」
「でも、少しだけならキミの環境をよくする事出来るよ。ちょっと待ってて」

合図と共に一時的に開かれる扉の向こうへと消える少女。
それから少しして、再び開いた外界から帰ってきた少女の手元にあったのは、一枚の毛布であった。
少なくとも今、この独房のベットに添えられているモノと比べれば、質は格段に高いモノであるだろう。

「今の私に出来るのはこれぐらい。でもキミがいいモノをくれるなら、扱いはもっと良くなるだろうね」
「ベッドだけじゃない。部屋も、食事も、自由も。与えられるモノは何でもあげられると思う」
「何もなければずっとこのまま。ずっと固いベットに寝て、狭い部屋に押し込まれて、霊装を摘出される時を待つだけ」

再び持ち込んだパイプ椅子に腰かけ、持ち込んだ毛布を彼女へと差し出す。
この毛布はなんて事のないただの毛布。仕掛けと言ったモノも仕込まれていない、タダの防寒具。
信用できるかどうかも分からないし、彼女が必要としているかもわからないが、今すぐ警戒を解せそうな代物はこの程度しか思い浮かばず。

「……それに、もしあの人が、智恵美・フレイザーがアームズを使って何かを企もうとしているのなら、何としても止めないといけない」
「アームズだけは、この世界から全て消し去らないと」

//返信が不安定で申し訳ないです。
215智恵美・フレイザー ◆</b></b>spolBVVIXw<b>[] 投稿日:19/11/30(土)01:30:07 ID:iwA [1/1回]
//自分の情報に関してはバンバン挙げてくださればこっちがそれに合わせていくのでそのつもりでやっていただいて大丈夫です!
216◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/30(土)02:19:44 ID:QLY [1/3回]
>>214

「あったりまえだろ、育ちが違うんだよ、育ちが!お前らみてーにぬくぬく生きてないんだよな!」

褒められた、と思って少しだけ得意気である。実際、経歴だけを考えればベアトリクスはそれなり以上の人間ではあった。
チャヴと呼ばれる英国の下層階級から、英国秘密情報部を経て武装組織ラグナロク……という経験は、確かにその中に生きている。
大半は本人の性格が由来ではあるが。

「……」

そこで黙って、じっと彼女の大袈裟な動きと、それに伴う語りを見つめていた。
警戒心の籠もった瞳であった。交渉、とは言え、退路をほとんど断たれた状態であるベアトリクスからすれば選択肢は限られている。
モニターに映し出される交渉を、神埼は黙って見つめていた。今は静観を決め込んでいるのみ、だったが……。

「ちょっと待てってお前……オレはまだ喋るって決めたわけじゃ……うわっ」
「……あったかい」

情報を対価に渡されようとしているのは環境の改善。そして手渡されたのは、サンプル、或いは呼び水にでもするつもりだろうか。
上等な毛布だった。差し出されたからにはそれを受け取ったが、その瞬間にふわふわとした手触りと、厚みから来る暖かさが伝わってくる。
思わずその瞳を輝かせている。勿論それを見たことがないわけではない……が、冷たい独房の時間は、過去の下層階級としての人生を思い出させて。
思わずそれを、両手で抱き締めてしまう程度の……そんな動きは見せた。

「……別にオレは、あいつが何やって、それで何人死んだってどーでもいいけど」

実際のところ、ベアトリクスはラグナロクという組織に固執しているわけではない。
ただ、あそこは自分が“明確に必要とされている”居場所だった。
智恵美・フレイザーの手で何人の人間が死のうとどうでも良いことだった。それを奪われることの方が問題であった。

「なんでそんなにアームズが憎いんだ?お前だって、適性があるから仕事でやってるだけだろ」

未だに情報を提供するわけではなく、返したのは質問であった。
彼女のその、アームズ殲滅の志はどこか鬼気迫るものを感じた。少なくとも、多少は彼女に興味が向いている証拠だった。

/こちらもなかなか合わせられず、申し訳ないです……楽しいので、私は大丈夫ですよ!
217 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/30(土)02:19:56 ID:QLY [2/3回]
>>215
/お気遣いありがとうございます、了解しました……!
218香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/30(土)02:28:21 ID:kOF [2/3回]
>>216
//申し訳ないですが今日はこの辺りにさせて頂きたく
//返信に関しては明日には書きますので

>>215
//こちら側の展開に巻き込んで申し訳ないです、交錯する際はよろしくです
219 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/11/30(土)02:32:44 ID:QLY [3/3回]
>>218
/了解しました、それではまた……お疲れさまでした!
220香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/11/30(土)21:46:46 ID:kOF [3/3回]
>>216
「ぬくぬく……ぬくぬくかぁ……」

彼女の生い立ちまでを現状で知る事は出来ないが、だからと言って、そのような言い方をされると少々思う所はある。
確かに彼女の辿った経歴と比べれば、少女の経歴なんぞ大した事のないモノかもしれない。
だが、アームズを斃す、という決意だけは誰にも負けるつもりはない。何となくその決意を詰られたような感覚を覚えて。
元々険しい表情が無意識に厳しいモノへと変わっていく。

「仕事で……?キミはこれをそんな生半可な気持ちでやっているのか?」

一度点いてしまった炎は簡単には戻らない。それがアームズに関する物事であれば尚更。
急に立ち上がる少女。倒されるパイプ椅子。近づいていく足音。
抵抗する事も無ければ、少女の伸ばした右手は彼女の作業服の胸倉を掴み、こちらへと引く事になる。

「アームズに、奴らに全てを奪われた者の気持ちがわかるか?今までの平穏な日常を、愛する家族が一晩にして消えた気持ちを!」
「お前には分かるまい!この世界から頼る事の出来る相手を無くした者の気持ちがッ!!!」

それは独白だった。ただ目前の相手に自分が戦う理由を伝えるためだけの。
同意なんて求めない。同情も必要ない。ただ自分は、自分自身の為だけに戦うのだという意思表示。

「私は……私はこの世から奴らを一片も残さずに駆逐する。奴らを滅ぼすまで、私は前に進み続ける」
「これはタダの復讐。それが義務であり、仕事であり、私が生きる理由」

「私に知ったような口で軽々しく言う権利なんて、お前……キミにはない」

浅い呼吸と共に乱暴に投げつける言葉の数々。語り終えた頃には、息も上がっている頃合いだろう。
221◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/01(日)00:36:43 ID:oTh [1/3回]
>>220

がたん、と倒れる音が鳴り響く鉄パイプ。動き出した相手に、一歩遅れてベアトリクスも動き出そうとしたが。
その既の差で、先に胸倉をつかまれることになる。ぶち、という音と共にボタンが弾けて、傷跡の残る白い肌が覗いた。

「なんだお前、やんのかよ!!」

不利な体勢ではあったが、噛み付くのを止めなかった。
相手がなにか憤っているのは分かった。だが、決意を詰られたような気持ちになったのはその通りだろう。
実際に彼女のことを、ベアトリクスは下に見ている、というべきか……「どうせ恵まれてる相手だ」と、負のプライドのようなものを持っていた。
彼女の独白は、恐らくは彼女自身が、ということなのだろう。

「……分っかンねえな。家族なんて居たこと無かったからな」

家族を失ったというのは悲劇なのかもしれない。家族というものが大事なのは、この世界の一般的な感覚らしいが。
ベアトリクスには、家族と言える相手が居なかった。周りにいる大人は全て敵という世界に生きていた。
だから同意も同情もできない。ただ思ったことをするりと言う以外には。

『落ち着け、香坂。あまり感情的になるな、中断せざるを得なくなるぞ』

独房内に放送を通して神埼の警告が響いた。
胸ぐらを掴まれたまま、面白く無さそうに、ベアトリクスが目を逸らす。

「下らねえ。斃しきれるかも分かんねえ相手と延々殺し合うつもりかよ」
「それが“普通”なのか?……あ、オレ“なんか”には、なにか言う資格なんて無いんだったな」

ただ、どんな形であろうとも見下されたのは腹が立った。売り言葉に買い言葉とでも言うべきか、煽るようにそう言って。

「いいさ、教えてやるよ。智恵美のやつはな、霊装とアームズが大好きなんだよ」
「だからアイアスの連中をよく馬鹿にしてたな。ほしゅだ、のろまだ、なんてな。あとは……ああそーだ」
「ミズガルズなんとかいう、お友達を作ってたな。知らねーけど。アームズなのか、あれ」

それから、こくこくと語り出した。
軽んじられたことから、頭に血が上った後、何もかもがどうでも良くなってしまった……自暴自棄の気もあった。。
ベアトリクスの悪癖でもあったが、ともあれ。そうして、断片的に智恵美の情報を語りだす。

/遅くなりまして申し訳ありません、返信させて頂きます……
222 : 曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/01(日)01:06:24 ID:1Qb [1/1回]
>>213

「わっ!」

アームズを操作する背中にゆっくりと近づき、肩を叩いて大声を出す。
ちょっとした悪戯やからかいは、炎乃火なりの仲間内へのコミュニケーションだ。
それが成功するにしろしないにしろ、にやっと笑って。
 
「またよくわかんない実験してんだ、マメ~、マジエラじゃん」
「へぇ~、あれが噂のやつなの、ちーちゃん?」

年齢やアイアスからの裏切り者ということ等一切気にすることなく、勝手につけたあだ名で呼ぶ。
彼女にとってその行いは親しく映るか、それとも馴れ馴れしく映るか。

//まだよろしければ
223 : 曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/01(日)01:12:02 ID:CTe [1/1回]
//安価ミス>>210
224香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/01(日)02:05:35 ID:4yJ [1/2回]
>>221
「……いいさ、これは私の問題。キミには問題ないし、何かを言われる筋合いもない」

熱くなってしまった直後に部屋に鳴り響く、聞きなれた同僚の声。少しだけ落ち着きを取り戻したように彼女の胸倉から手を離す。
これは良くある話だった。アームズに関すると簡単に激昂する少女を制止する誰か――よくその役に廻るのは神埼だが――アイアスでは少なからず見られる光景。

「……なかなか良く言われてるみたいだね、私たちも。一部否定できない所もあるけど」

何の心変わりがあったかは定かではないが、彼女が話す気になってくれたのなら好都合。
自ら倒したパイプ椅子はそのままに、立ったまま彼女からの情報に耳を通す。

「ミズガルズ……ねぇ、聞いた事ある?後で確認しておいた方がいいかもね」

気になるフレーズが耳に入る。少なくとも少女には耳慣れない言葉だった。
自らの声は独房の外の神埼へ向けて。チームをまとめる立場にいる事の多い彼女ならば、何か知っている可能性があるかと期待して。

「まあ、今日の所はありがとう。それだけでも話してくれれば今は十分だよ。また話す気になったらいつでも呼んでね」
「キミの事は上の人に取り合ってみるよ。キミだけ損をするのは割に合わないだろうから」

一通りの言葉を聞き終えた後、ひとまずは満足したように右手を腰に据えたまま、廊下への扉へと向かう。
まだ聞き出したい事もあったが、これ以上続けると、本格的に神崎の世話になってしまう可能性が高い。あまり彼女の手を煩わせる訳にもいかない。
本格的にベアトリクスに手を出してしまう前に、少女は扉に手を掛ける。

「……大切な人を誰かに奪われたなら、そいつにも同じ目に遭わせようとするのは、人間の行為として"普通"じゃないかな」

扉を開ける直前、ふと思い出したように足を止めて、独房の彼女へと振り向きながら彼女の問いに答える。
すぐに顔を戻す事になるのだが、その際に見せた少女の表情は、何かに憑りつかれたような、まさしく悪鬼に等しいモノだった。



「ねぇ千華、彼女さ、私の提案を信じてくれるかな。知ってる事話したら帰すってヤツ」

独房から管制室から戻るなり、帰りを待ち受けているであろう彼女に問いかける。
先ほどの事なんぞ何もなかったかのように、いつもと変わらない表情を浮かべながら。

//こちらこそ毎度遅くて申し訳ないです。そして今日の分はここまでになります。
225◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/01(日)02:36:09 ID:oTh [2/3回]
>>224

『ミズガルズ……“世界蛇”か?北欧にヨルムンガンドの霊装があるとは聞いたことがあるが……』

北欧神話における巨大な蛇。ミッドガルドの蛇。神埼が聞いたことがあるのはそのくらいだ。
果たしてそれが霊装に関するものなのか、その名を借りているだけなのか――分からないが、気になる言葉ではあった。
そちら側にデータを要求する必要があるかも知れない……海外との交渉は慎重且つ困難なものであるため、神埼にとっては頭が痛くなる話ではあるが。

「あ、そ。どーでもいいよ。さっさと出てってくれよ」

そうして投げやりに、会話が終わるのだと察したのであれば、差し出された毛布をごそごそと広げ、それに包まり始める。
結果的に、断片とは言え仲間を売ることになってしまった。こうなればラグナロクには、もう帰れないかもしれない……とは思いつつも。
あまり重要には思っていなかった。今はただ毛布の暖かさに温まって、惰眠を貪ってから考えることにした。

「知らねえよ、“普通”なんて。……少なくとも、お前みたいな“普通”は見たことねえ」

普通など分からない。なんなら嫌いと言ってもいいくらいだった。それを聞くたびに、自分だけは例外だと取り除かれた気分になるからだ。
ただ一つ言えるのは、彼女のような普通はベアトリクスは知らない。一つの感情に満たされて、何も見えなくなっているのは果たして……。
どちらにせよ、ベアトリクスは……普通を語れるような人間ではなかった。


『……信じないだろうな』

問いかけに対する、神埼の答えは端的なものであった。

『ベアトリクスは“敵視と軽蔑”をされるイギリスの最下層出身だ』
『両親には捨てられ、情報部に拾われて暗部の霊装使いとして生きた……というのはどうにか探り出したデータだが』

経歴から察するには、荒んだ人生を送ったことだろう。
ならば単純明快な話で、成功体験がなければ信じることも期待することも最初からしないだろう。

/了解しました、明日も宜しくお願いします……!
226香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/01(日)22:47:27 ID:4yJ [2/2回]
>>225
「ふーん……よくそこまで情報集めたね。というよりはよく"向こう"から何も言われなかったっていうか」

彼女――ベアトリクスが随分と深刻な環境に身を置いていた事を把握する。ならばあの反応も納得がいく、と自らの中で勝手に推理して。
だが同情を重ねるつもりは無い。彼女がどのような目に遭ってきたとしても、それはアームズとの戦争には関係ない。
それでも何処か自分と等しいモノを感じてしまったのは確か。これは心の何処かで、彼女に対する意識、という形で残されていく。

「千華はどうかな。彼女に対する処遇について」
「私はさっきあそこであんな事言っちゃったけど、どちらにせよ難しいと思うんだよね。そのまま帰すの」
「まあ、後は連中との交渉材料として使うか、あるいは……」

言葉の続きは喉元まで出かかっていたが、押し込めるように口を噤む。
そんな事を考えるのは自分の仕事ではない。もっと上の人間がやる事だ。自分はただ、目前の敵に集中すればいい。そう言い聞かせて。

「ま、とにかくさ、ここから先は千華に任せるよ。たぶん私じゃこれ以上の事は出来ないだろうし。ヘタすれば殴り掛かっちゃうかもだし」
「何かあったらまた言ってくれれば手伝いに行くからさ。もう無いとは思うけど、彼女と話すのもやってあげるし」

強引に話を切り上げるように、管制室の扉に手を掛ける。
話は出来ても細かい事務処理や作業はどうも得意ではない。やはり少女は戦線に立つ方が性に合うタイプなのだから。
――要はさっさと先ほどの尋問での粗相の件で文句を言われる前に、逃げ出そうとしているのだが。

「これから忙しくなるよ。智恵美さんを探さないといけないし、アームズ共も倒さなきゃいけない。利用してるって話が本当なら……」
「必要だったなら、私は北欧まででも行くつもりだから」

少女の操る霊装ならば、適度の休憩を挟めば北欧までの単独飛行も可能だろう。霊装はそれほどまでの力を持つ物だ。
だからこそ軽率に運用してはいけないし、監視するために各国にアイアスに準ずる組織が存在している。
しかし少女は以前より問題を引き起こしてきた人員。必要となれば、実行に移しかねない危うさを持つ。

「じゃ、後はよろしくね。私は疲れたからひと眠りしてくるよ」

彼女へ向けて右手を振り、管制室を後にする少女。
先ほどの宣言とは異なり、少女の向かう先は自室ではなく、霊装着用者の為のトレーニング室。
多分この行動も、付き合いの長い彼女なら容易に見抜かれてしまうだろうが、またそれは別の話。

/あまりにも長く拘束してしまいましたので、いったんこちらで締めさせていただこうかと。
//長きにわたるお付き合いの程、ありがとうございました。
227 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/01(日)23:23:32 ID:oTh [3/3回]
>>226

「何、情報一つで衝突を回避できるなら、奴らもそうするだろうよ。勿論、我々もな」

ラグナロクの霊装使いに関して、情報を提供する代わりにそれ以上追求しない、管理責任も求めない――とは、基本的な取引だ。
恐ろしい話ではあるだろうが、これに関してはアイアスも……海外で同じことをした霊装使いが居るならば、同様のことを行うことだろう。
問題の先送りと言われてしまえばそれまでであるが……霊装使いとは火薬庫だ。穏便に済ませられるならば、それが一番良い。

「少なくとも、そのまま帰すわけにはいかないな。最悪の場合は……」

彼女がこのまま非協力的な立場に在り続けるのであれば、先ず霊装アロンダイトの摘出が必要だろう。
その後はラグナロク関係の事件が解決するまで軟禁されるか、それとも場合によっては英国に引き渡されるか……あまり明るい未来は無いのは確かだ。
とは言え、慣れたものではあるが。

「ああ、分かった。協力は有り難く思う……だがな。命令以上のことをやってもらっては困るぞ」
「こうして司令役の真似事をするので今は手一杯なんだ――分かるな」

彼女の粗相の件に関しては、ある程度予想はついていた。そのうえで彼女を行かせたのだから、責任は自分にある。
だからそれ以上は求めないが、仮に……それ以上のこと。例えば彼女の言うように、北欧まで飛ぶなどということが実際に起きたとしたら。
やはり霊装を用いてでも、激突することになるだろう。霊装の扱いは極々慎重でなければならない。
組織内での、ちょっとした暴走の範囲には収まらないのだから。

「ああ、分かった。ゆっくり休め――ふぅ」

彼女の言葉を皮切りに、会話をそこで区切って通信を切った。
彼女のやるようなことは大体分かる。模範生の行動よりも、問題児の行動のほうが頭の中に入りやすいものだ――恐らくは。
カチカチと、監視カメラの映像を切り替えて。


「……また、必要のない嘘をつくものだ」

/それでは、こちらもこれで〆で……こちらこそ、お付き合い頂きありがとうございました!
/またよろしくお願いします……!
228◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/02(月)21:08:50 ID:tIs [1/2回]
>>212

「お疲れさまです~」

アイアス基地内更衣室、学園での授業を終えてアイアスとしての勤務に入るべく西條夏鈴は更衣室へ寄ってきた。
中に誰かが居ることを確認すると、軽く会釈をして自身のロッカーに鍵を開ける……。
ブレザーを脱いでハンガーに掛け、ボタンを一つ二つと外しながら考え事をしていた。

(……あれ、新人の方かな?)

胸元から桃色の下着が覗いたところで、疑問を持った。
面識のない相手であった。ただ、何処かで見覚えのあるような……無いような、という感覚だったため、少し頭に引っ掛かる。
とは言え、会話をしたことはないということは分かっているため。そちら側へと顔を向けて。

「あの、新しく入った人ですか?アイアスの……」

先ずは軽く、彼女へと問いかけてみるのであった。
見たところ歳はそう変わらないように見える、そこまで畏まらないほうがいいだろう……という気持ちで。
完全に、彼女が面識のある相手だとは思っていなかった。
229 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/02(月)21:30:25 ID:tIs [2/2回]

アナスタシア・F・サフォーノフは、久里峰市近海の海岸より、『天使の遺骸』を見上げていた。
長い手足と高い身長を喪服で包んで、そこに花束を落とした。
九年前――未だ対アームズ戦闘に於いて未熟な技術の中、何人かの霊装使いと無数の自衛官が人類のために戦い、命を落とした。
表向きには霊装使いは存在していないことになっている――それ故、ここで戦った少女達のことを覚えているのは、今は極少数だろう。

(九年前に現れた大型アームズ、『ガブリエル』……そして今、作られようとしている『ミドガルズオルム』)

九年前の当時、アナスタシアは十一歳だった。
小さく、低かった視線も今では大きすぎるほどの高くなってしまった――顔の火傷が、じくじくと痛むようにすら錯覚する。

「この二つと……あと、一つ。これさえあれば、仮説を立証することが出来る……そうすれば……」

ラグナロクは――決して、志なく破壊をばら撒く殺戮集団ではない。
少なくとも、アナスタシアはそう思いながらここまでやってきた。ならばそれを証明するために、目的を達しなければならない。
……全ては新たな世界のために。冷えた風が吹き付けると、くしゃみを一つ、小さくではあるが、思わずしてしまった。

/平行になりますが、絡み街です……!
230氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/03(火)00:13:48 ID:YUu [1/1回]
>>228

「ん゛っ!?!?」

突然入ってきた彼女に仰天し、慌てて笑い声の練習を取りやめる。
まさか人が来るとは思っていなかったため、服を気にせずに全裸で謎の少女の模倣の練習をしていた。
一応能力自体は知られている。しかし、ここで変身を解いた場合、どうなるか。
練習と思って納得してくれるか、それとも能力を悪用した変質者だと思われるかの2択が発生する。
結花の見立てでは、前者3、後者7の割合。

(ななな、なんでこんな時に限って……!)

彼女はばっちりこっちに気が付き、問いかけてきた。心臓がどきりと跳ねる。
結花の姿をさらすか、否か。彼女の決断は────

「……だったら、なぁに?私に用?」

あの少女のような独特な笑みを浮かべ、口角を釣り上げて、彼女の言いそうなことを必死に考えて。
────選ばれたのは、1度会っただけの奇妙な彼女のふりをして、やり過ごそうとすること。
外見に関しては、「原初の人類」の力により、恐らく本人を横にしても遜色のないレベルで変化している。
ただ、立ち振舞いは結花自身が模倣しなければならない。バレるとしたら、そこだろう。

//お待たせしました
231◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/03(火)22:02:00 ID:jh3 [1/2回]
>>230

「……いえ……何かあったのかなと……思って……?」

いまのところ、夏鈴は彼女の正体に気付いていない。
それも当然の話というべきか、たとえその存在を知っていたとしても、誰かを姿形どころか声や体形を含んでまで模倣されれば。
少なくとも最初から疑ってかかりはしないだろう。目の前にいる誰かは、不審な見知らぬ誰かなのだ。
なにせ全裸でニヤつきつつ、ときに笑い声まで挙げているのだから。

「……あの……風邪……引いちゃいますよ?」

笑顔を作りつつも、困り顔がそこに混じってくる。
夏鈴とて着替えの真っ最中であったが、それにしたって彼女は……そもそも何故全裸になっているのかが分からなかったが。
この冬も真っ只中の季節。早く制服なりに着替えないと、暖房は効いているとは言え……よろしくないと思い。

/申し訳ありません、入れ替わりで落ちてしまいました……お返しします!
232氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/03(火)23:10:16 ID:UlE [1/1回]
>>231

「……別に?なぁーんもないわ、あは」

大有りである。なりすましを決めたことで、引き返し不能点をぶっちぎってしまったのだから。
何がなんでも、演技をやり通さなければ変態扱いをきっと免れ得ないだろう。
笑みが若干ひきつっているのが見てとれるだろうか。

(着たくても、着れないって……!)

名誉のために記しておくが、全裸で練習をしていたのは決してそういう性癖であるとかではない。
「原初の人類」は、少なくとも現時点では服飾まで擬態できない。
体格差のある相手……特に自分より大きめの相手に変身した場合、結花の本来の身体に合わせた服だとサイズが合わず、最悪破けたりする。
任務時はきっちりその辺を支度しているが、自主練習の時はそうはいかない。
それにそもそも、変身したまま外を出歩くことを想定していなかったのだ。
自分自身の服はあるが、どう見積もってもサイズが合わない。
絶体絶命のピンチ、再び。

「……ひひ、心配するなんて、優しい娘、優しい娘、貴女」

数秒の沈黙、その間に脳内の奇妙な彼女を必死に思いだし、パニック状態ショート寸前の演技力に身を任せる。
ペタペタと素足で音を立て、夏鈴へと歩み寄って。

「……でも、私はこれがイイのよ」

━━━━━━極限状態は、しばしば人を狂わせる。
233◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/03(火)23:45:28 ID:jh3 [2/2回]
>>232
一糸まとわぬ姿で近付いてくる姿に、流石に夏鈴も面食らったのだ。
例えばそういう趣味の人の存在くらいは何となく知っているが、実際に目の前にいると思うと如何ともし難いのであった。
それも背丈もすっかり高いものであるため、狼狽えざるを得ないのである……が。

「……ダメですよ!ここはお家じゃなくてアイアスの基地なんです」

強靭な意志でそれを跳ね除けた。ぷすっと軽く膨れながら、腰に手を当てて、軽いお説教モードですらあった。
夏鈴とて、伊達にアイアス基地で働いているわけではない。
霊装使いは皆癖も我も強い相手ばかりであるために、どこかで律する相手が必要になってくるのだ――つまり、それが自分だと。
常識で正す人間がいないのであれば、自分がそうならなければと、常に思いながら生きているのである。難儀な話である。

「制服が合ってないんですか?じゃあ私の上着貸してあげますから、ちょっと小さいですけど羽織っててください」
「そしたら私、替えの制服もらってきてあげますから……はい、これ肩に羽織って。マフラーも。動いちゃダメですよ!」

そして彼女の制服に無理矢理自身の、先程まで身に着けていた上着をかけて、首元にもマフラーを掛ける。
そして手早く腰のスカートのチャックを上げて、ワイシャツのボタンだけを止めて一旦更衣室から出ていこうとする。
止めようとすれば止められるだろうが、そのまま行かせた場合は……不審に思った職員を連れ立ってくるだろう。
234氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/04(水)00:16:38 ID:7N3 [1/2回]
>>233

やってしまった。多分あの少女本人でさえこんな趣味はないだろう。
こうなれば、この姿ではそういう人間として押し通すしかない……そう考えていたところに、上着がかぶせられる。

「……ひひっ、びっくりするくらい優しくて、いい娘ね。本当」

それはやけくそか、それとも結花としての本心か。
強い自分を持つ彼女に比べ、誰かの姿を借りなければならない結花は……などと考えに沈み込むうちに、彼女は更衣室を出ていく。

「……や、や、や、やっちゃった……!」

扉が閉まると、ビヨンとばねが戻るように、一瞬で結花本来の姿に変化する。
いったん休憩を挟むと、一気に羞恥心がこみ上げてくる。

(変態と思われないようにしたはずなのに、もっとひどい事態になってる……!。
 ……いや、あれはあの娘の姿を借りているのだから私自身が変態だとは思われてはいないはず、でもあれの正体は私で本当のあの娘は流石にあんなじゃないだろうし)

頭が茹で上がりそうになり、ふらふらと更衣室を歩き回る。
その時、扉が開いた。

「…………あっ」

職員と夏鈴の二人の目には、露出を好む奇妙な少女に着せたはずのマフラーと上着を身に纏い、しかも下半身は裸のままの結花の姿が映るだろう。
235◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/04(水)00:27:38 ID:y5k [1/3回]
>>234

『どういうことだ……変態の新入りなど知らんぞ私は』

「ヘンタイかどうかは分からないですけど、でもなんだか……変な人が……」

夏鈴が話をした人間は、霊装使いの中でも指揮者側に位置する人間である……神埼千華という少女であった。
一部の人間には鬼教官などと揶揄されることもある彼女であるが、勿論怒鳴ることが仕事なのではなく……実質的な司令官として機能している。
そんな彼女がたまたま通りかかったことで、夏鈴は替えの制服をもらうと、車椅子を押して更衣室までやってきたのだが。

「お待たせしましたー……あれ」

そして扉を開けた瞬間に、首を傾げた。
そこにいるのは先程の背の高い少女と同じ格好をした、顔見知りの姿である。
確かにそこには自身の上着とマフラーを身に着けている氷夢井がいる。不気味な少女は跡形もなく消えて……傍らにいる神埼と言えば。
全てを察して、その手が震えているのが分かるだろうか。

「あれ、でもさっきは氷夢井さんじゃなくて……あれ、どういうこと……!?」

まさか、本当に露出趣味があるのは彼女の方であったのか……そう思って、混乱している横で。

『氷夢井貴様……どういうことか説明してみろ』

と、低い声で彼女に命じるのであった。
頼む、でもなければ、要求する、でも無い。命じる、である。
236氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/04(水)00:49:34 ID:7N3 [2/2回]
>>235

「……………………ぁ………………あぁ……………………」

アイアスの霊装使いにあるまじき悲痛な声を上げ、ぺたんとへたり込む。
何もかもおしまいだ。夏鈴だけでなく、よりにもよってその上司である千華までついてきた。
恥の上塗りのそのまた上塗りと表現してもまだ足りない。
この後待つのは最低でもお説教、下手したら始末書、謹慎……想像するときりがない。

「…………こ、こ、こ、これはちが、ごごご誤解で…………!」

すっかり羞恥でゆであがった頭を必死に回し、何とか弁解しようと試みる。
だが、千華の絶対零度にも等しい威圧に、びくりと縮こまって。

「………………レンシュウ、シテマシタ…………」

蚊の鳴く声をさらに絞ったかのようなか細さの声量で、辛うじて答えを返すのみだった。
237◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/04(水)19:59:52 ID:y5k [2/3回]
>>236

『貴様――貴様の霊装は、数ある霊装の中でも特殊性と秘匿必要性が非常に高いことは話したな……?』

本気のブチギレである。下手をすれば額の血管がはち切れるような。
片手と片足を失い、車椅子であったことは幸運だったかも知れない。五体満足だったなら、拳が飛んでいたことは想像に難くない。
然し夏鈴としては気が気でなく、あっちやこっちと視線が神埼と結花の方へと右往左往を続けている。

『容姿自在、アリバイ作り、影武者、身代わり、姿を借りて悪行を行えば相手の地位は思う儘』
『各国のありとあらゆる個人・組織が喉から手が出るほど欲しがるような……それを貴様、今、何に使っていた?』

大問題であるのは未だに神埼が彼女を露出趣味であると、しかも欲求を満たすために霊装を使っていたと断定している部分である。
練習していました、などという言い訳は一切通用しない――勝手に霊装を使っていた自体は、間違いないことだし。
車椅子の手すりがぴしっ、と音を立てた。罅が入ったのだ。神埼の握力によって。

『――破廉恥が。貴様、今すぐそれを返還しろォッ!!!!!!』

「ちょ、ちょっと神埼さん、落ち着いてください!!悪気があったわけじゃないと思いますからぁ!!」

今すぐにでも蜻蛉切を起動しそうなほどに激情している神埼を、夏鈴が静止する。
暴力沙汰は夏鈴としては最も避けたいところである……ので、止めに入るのだが。

「氷夢井さんも、ちょっと魔が差しただけだと思いますから!ね!氷夢井さんもほら!!」

夏鈴の方もそっちの趣味があることを疑っていないのであった。
238香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/04(水)21:06:55 ID:qQO [1/2回]
日も傾き始めてきた夕暮れ時。久里峰学園近辺は帰宅途中の生徒たちが疎らに歩く中、一人ランニングに励む生徒の姿があった。
学園指定の物とは異なる、薄みのかかった青のジャージに身を包み、学園より続く道をただひたすらに黙々と走る。
蹴り出した地面より返って来る、確かな感触を確かめるように。

「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ…………」

アイアスのトレーニング施設は非常に充実しており、何も外に出ずとも霊装適応者に必要な訓練は問題なく行える。
しかし、この少女は時折自らの意思で街中へと赴き、ランニングに勤しむ事があった。
今の所は直接文句は言われてないので大丈夫だろう。たぶん。

どれほど走っただろうか。少女が足を止めて周囲を見渡した頃、そこに広がっていたのは見覚えのある公園だった。
久里峰学園よりそれなりに離れた、少し先に海岸の見える、人の少ない静かな場所。
このランニングに勤しむ少女、香坂ミナミの思い入れのある場所の一つ。

「ふぅ……ここまで来ちゃってたか……私も好きだよねぇ」

歩きながら呼吸を整え、海の見える方向にあるフェンスに両肘を乗せる。
空には薄闇が広がり、地平線の向こうではオレンジに染まった太陽が徐々に向こう側へと消えていく。
昼と夜の境界がくっきりと見えるこの光景は、特に大きな建造物がないこの場所だからこそ見える物。

左腕の袖をまくると何重にも巻かれた包帯が外気に触れる。
以前に受けてしまった傷によるモノだが、経過は順調。感覚も着実に戻りつつある。
左手を何度かグーパーと手のひらを開け閉めし、感触を確かめるように最後には握りしめる。

……何を思ったか、締めに包帯に包まれた腕を突き出して、何処かで見た事のあるポーズをしていたりするのだが。

「炎〇黒龍波ッ!…………なんちゃって」
239氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/04(水)21:34:55 ID:lqF [1/2回]
>>237

「いえっ、本当に、そのっ、練習でっ……!」

必死の弁解は、怒声に呆気なくかき消される。
使用許可を取るのを忘れてしまったのは事実とはいえ、その他については完全に誤解だ。
━━━━━ああ、きっと彼女は理解できないだろう。強くなりたいという結花の心を。

「……う……!」
 
夏鈴も、結花のことを完全に変態だと思っている。もうどう言っても、取り返しはつかないだろう。
━━━━━ああ、きっと彼女は理解できないだろう。その偏見は暴力に等しいということに。
俯いたままふるふると震えながら、立ち上がり、ロッカーから自身の服と荷物を取り出す。
黙ったまま下着と制服のスカートを着て、ファスナーを閉じたなら。
 
「…………っ!」

脱兎のような速度で、更衣室から駆け出そうとする。
もうアイアスにはいられない。結花を受け入れてくれる人はいない。そんな考えに基づく、衝動的な行動。
戦闘力こそないが、神埼が口にした通り、結花の霊装はあらゆる人間の姿に変身できる。
止めることは容易いが、一度逃がしてしまえば追跡は困難を極めるだろう。

240◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/04(水)22:06:54 ID:y5k [3/3回]
>>239

『貴様――これ以上罪を重ねるつもりか。なれば――!!』

完全に頭は凝り固まっている状態で、謝罪もなく逃走されたと見たのであれば。
神埼千華は礼節や、或いは筋が通っていることを求める人間である。
一言でも謝罪があればよかったと言えば結果論か。少なくとも彼女の精神状態では、出来なかったのだろうが……。

霊装使いの脱走は非常に重たい事態だ。なんとしても止められなければならない。

既にアイアスからの脱走者は何人か発生しているため、それに関してのナイーブにもなっている。それに彼女の特性もある。
事態は急を要するとして、指揮官としての権限もあり……蜻蛉切をすら起動して、彼女を追い立てようとしたところで。

「待ってください、ちょっと待って下さい……私が話してきますから!!」

『待て、西條!!貴様らァ!!』

一度、夏鈴は神埼を引き止めた後、その背中を追い掛けていく。
西條夏鈴は健脚ではない。あくまで一般人であるため、特筆した身体能力の高さはない。

「待ってー、氷夢井さん!!」

捕まえられるのであれば、飛び付いてでも止めようとするだろうが――彼女の能力や選択次第であるが、振り切ることも可能ではあるだろう。
241ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/04(水)22:14:36 ID:Mug [1/2回]
>>238
「みーちゃった、みーちゃったぁ」

格好をつけて戯れてみた少女の背後から、けらけらと嘲るような嗤い声が黄昏に響く
少女の背後、仄暗い広場には誰もおらず。ただ不安や恐怖を煽る宵闇だけが変わらず広がっていた
もしも振り返ったのであれば、邂逅は視線を太陽へと戻したその時であろう

「アハ……運動してちゃ駄目だよ、怪我してる時はさ」

沈む夕陽を背に、朧にゆらめきながら空に浮かぶ影はまるで亡霊のよう
霊装に身を包んだ少女が、真っ赤に輝く相貌をミナミへと向けながら近づき
そっとその靴先をフェンスへ触れさせ、舞い降りる天使の如き所作で降り立った

「……この靴可愛いでしょ、一生懸命〝想像(ツク)った〟んだ」

ミナミの眼前にある靴から先を見上げれば近未来的な服装が視界へ飛び込むだろう
ぴっちりとしたコンプレッションウェア、シースルー袖のマウンテンパーカー、そして透明なその下、右腕を覆う霊装が目に入る
特に目を引く蛍光色の髪は、黄金色の光を反射して形容し難い美しさを孕んでいた
242香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/04(水)22:56:15 ID:qQO [2/2回]
>>241
「うひぃ!!?」

どうせ誰も居ないだろうと踏んでいた途端に聞こえる背後からの声。
スロー再生の如く恐る恐るその方へと振り返れども、そこには声の主らしき人物は居らず。少女は首を傾げる。

「あっれ、誰か居たと思ったんだけど……まあ結果的に見られなかったしセーフ……ってえぇッ!?」

結果的に守り通す事の出来た秘密に安堵したのも束の間、一息ついて視線の下のフェンスの先に戻した――その時だった。
目前には、見覚えがあり、それでいて見た事もない新型の霊装。彼女は間違いなく、そこにいた。

「……いい格好だね。イケてると思う。うん」

今少女の目前に存在する諸問題として、一番の問題は目前の彼女及び霊装が、どちらに属しているかという事に尽きる。
少女と同じアイアスであれば問題はない。何しろアイアスの構成員は多い。自身の知らない霊装があったとしてもおかしい事は無い。ままある話だ。
しかし、これがラグナロクであれば話は別。奴らの目的を見極め、場合によっては交戦してでも止める義務がある(名目上)。
わざわざ接触してきたのであれば、アイアス側の人間である可能性は十二分にある。できればそう信じたい。

「それで?キミは何をしに来たの?私にご挨拶にでも来てくれた?」
「嬉しいけどダメだよ。あんまりむやみに外で出しちゃダメだって、千華……じゃなかった、教官に言われなかった?」
(作った……?霊装って、個人の意思で形変えられるんだったっけ……?)

彼女の言葉に一部一部引っ掛かりを覚えつつ、少女は青色のジャージのまま、目前の彼女に問いかける。
243ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/04(水)23:31:01 ID:Mug [2/2回]
>>242
「へっへー……そうでしょ?、ありがとっ」
「んー……実を言って、特に目的があるわけじゃないんだけど」

靴を褒められれば顔色をぱっと明るくして微笑む。血色の良い頬に白い歯がよく映える
軽い足取りでフェンスに腰掛けると、ゆらゆらと両脚がご機嫌そうに揺れていた
少女がミナミへと近づいたのは打算や計略の類でも、何か頼みたい事があった訳でもないらしい
動機としては『ただ面白そうだから』というのがしっくりくると説明。そして彼女の態度からもそれが嘘ではないことは読み取れるだろう

「千華ちゃんって……神崎千華?」
「はぇぇ……神ちゃんが教官ねぇー……出世したもんだなぁ」

けれど千華の名前を聞いて、その目の色が僅かに変貌を遂げた
小さいけれど明らかな変化は、なにか大きな事を思い出したようにも見える
どうやら教官である千華の事は知っている。けれど近況までは把握していないようで
その様子は思考がだだ漏れとなっている独り言からも、確かにみて取れるだろう

「別にアタシ怒られないよ、今は〝もう〟アイアスじゃないし」

だからといってアイアス関係者かと言えば、それは否になる
期待に沿わぬ答えと共に、首元に掛けられたガスマスクが瞳の赤を反射して妖しげな光を放っていた
244氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/04(水)23:31:09 ID:lqF [2/2回]
>>240

「はぁっ……はぁっ……!」

通りすがりの職員を避け、姿をアトランダムに変えつつ、上着の前を閉めながら廊下を全速力で走る。
その表情はどこまで変えても、怯えたまま。
「原初の人類」の力で変化出来るのは、人間の範疇……言い換えれば、人間の限界値ならば出せてしまう。
今の彼女は一刻も早く立ち去るべく、オリンピック選手並みの走力を発揮していた。
追いかけてくるであろう夏鈴との距離は、何もなければ広がる一方だ。

「っ…………!!」

それでも、音を追い越すことはできず、後ろから声が聞こえてくる。
彼女はきっと、優しさから追いかけてきたのだろう。けれど、捕まったならばどうなるか。
白眼視されながら「誰かの代わり」を演じ続けるか、霊装を没収され凡庸な生活に逆戻りさせられるか。
━━━━そんなのは、絶対にいやだ。
後ろを少しだけ振り向き、視線が交わると同時に、首に巻き付けられていたマフラーを投げつける。
目眩ましになるかは定かではない。
だが、このままならば彼女は脱走者リストに名を刻むこととなるだろう。
245香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/05(木)00:05:44 ID:2mT [1/3回]
>>243
「千華を知ってる……?」
「なんだ、だったら先に言ってよね。てっきり私はキミがラグナロクの連中かと思っちゃって……」

元はと言えば少女自身が先に出したのだが、少女も良く知る名前が反芻される事を知り、急速に緊張が解けていく。
神埼の名を知っているのであれば、ほぼ間違いなくアイアス側の人間と捉えて問題ないだろう。
肩の力を抜き、はぁ、と大きなため息が一つ。

「……ッ!?何を言ってる?」

だが安堵する時間は急激に終わる。
彼女の言葉を信じるなら、この人物はアイアスに居た、という事になる。
この少女も神崎程長くは無いが、それなりに前からアイアスに属している身。どこかで接点があってもおかしくはないかもしれない。それ以前の話かもしれないが。
それに一番の問題は、目前の彼女は今はもうアイアスの人間では"ない"事なのだから。

「キミは、いや、アナタは一体……?」

まだ霊装は出さない。正しく言えば、今すぐには出せない。
少女の霊装は、少々大型の霊装になる。この場においても装着は可能になるが、自らのメインとなる上空まで飛び立つには時間を要する。
後出し、かつ地上という点では明確に不利となる。迂闊に霊装を出すよりは生身で避ける方がまだ望みはある。
まずは慎重に、彼女の行動を伺わねばならない。少女は動けずにいた。

「まずは名前を聞きたいか、な。多分先輩、いや"元"先輩なんだろうし」
246ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/05(木)00:18:37 ID:ZoV [1/3回]
>>245
「勿論、アタシは知ってる。向こうは知ってるか分かんないけど」

フェンスに腰掛けぶらぶらと、笑みを絶やさぬままでそう呟く
懐かしむような表情からは、やはり現在のアイアスに携わる人間では無いことを匂わせていた

「なにもぉ……別にフリーランスの霊装使いだって珍しくないでしょ?」

剣呑になる空気を嫌ってか僅かに眉尻を下げて、苦笑の面持ちのまま続けて
依然として殺意や敵意を感じさせない振る舞いは、本当に興味からミナミへ近づいて来たのだという裏付けにもなるが
その名を聞けば、きっと彼女の正体は明らかとなるだろう

「――ギャラルホルン、元アイアス特別エージェント」

もしもミナミがアイアスに長く勤めている霊装使いと親しいのであれば、一度は聞いた事があるはずだ
裏切り者のギャラルホルンには気を付けろ、と
247香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/05(木)00:55:40 ID:2mT [2/3回]
>>246
「ギャラル…………ッ!?」

彼女から語られるその名に、少女は確かに覚えがあった。
それはいつの日だったか、とある"事件"により少女がアイアスに引き取られてからそう間もない頃。
当時少女を指導する役目に就いていた人物により語られた言葉。『つい最近裏切り者が脱走した』。その対象の名が――

「ギャラルホルン…………!アナタが……」

その後捜索もあったらしいが、結局足取りは掴めず仕舞い。この少女が前線に立ったのもそれよりも後の話になるので接点もあまりない。
そこからは自身の目的である"復讐"に精を出していた事もあり、記憶の片隅へと追いやられていたが、定期的にその名は上がっていた。
曰くつきのエージェント。その本人が今目の前に。

「噂には聞いてる。アナタは本当に優秀だったし、いつもパートナーを組んで大きな戦果を上げてきた」
「でもある日、そのパートナーを殺害。霊装を強奪し何処へと姿を隠した……。それがギャラルホルンだって」

恐らく、いやほぼ間違いなく、今の彼女はアイアスの敵だろう。
だが確認したい事がある。この事件の真相はもちろんだが、少女にとってそれよりも大事な事も。

「アナタは……何を企んでいる?ラグナロクに就く魅力が?さっき言ったようにフリーランスとでも?」
「それとも…………」

少女の目的はアームズを殲滅する事。自分から全てを奪った奴らを根絶やしにする事。
もし、彼女がアームズに関して何らかの企みを考えているのであれば、少女は今すぐにでも飛び掛かる事になりかねない。
少女は、そういう人間だ。

「…………アームズか?」
248ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/05(木)01:12:29 ID:ZoV [2/3回]
>>247
「へぇ、意外……!」
「名前だけじゃなくて。そこまで把握してくれてるんだ」

ミナミの反応を見れば、目を丸くして両手の指を合わせてみせる
ギャラルホルンがアイアスを脱退して3年になるが、まだ自分の名が知れ渡っているらしく
それを聴くと、別段良い知らせな訳でも無いのに無性に嬉しくなってしまうのだ
お調子者で目立ちたがりな彼女にとって、これ以上の光栄はないだろう

「んじゃ隠しても意味無いか……そ、アタシはラグナロクの到来を報せるもの」

依然足をぶらつかせながらの自己紹介は、どうにもラグナロクの尖兵には見えぬ不用意なもの
というよりかは元アイアスであるが故の余裕なのだろう。彼女らの交戦規定を知っているから
話題がヘイムダル殺しへと推移すれば僅かに不快そうに笑みを潜めたが、すぐに平静を取り戻して

「……あぁ、アームズ……確かにアタシはアームズを使うけど……別に仲間って訳じゃない」
「わぉ、すっごい目の色してる……アームズにしてやられたって感じ?」

食ってかかるミナミの形相に冷笑を向けながら、ようやくフェンスから降り立つのであった
そう、ギャラルホルンと切っても切り離せないのが彼女の操るアームズの軍勢だ
その光景から誤解されやすいが、ギャラルホルンはアームズたちと協定を結んでいる訳でも、飼い慣らしている訳でもない
ただ遠くから無理やり連れて来て、銃声で惑わしているだけなのだから
249香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/05(木)02:05:15 ID:2mT [3/3回]
>>248
「ラグナロクが来てるのはもう知ってるけど。今更って感じじゃないかな」
「わざわざ私たちに、とっくに攻撃に来てる奴らを事を伝えに来たの?まさか、そんなハズはないよね」

実の所を言えば、この少女にはラグナロクの存在は大きな問題ではない。
奴らは、こちらの行動を妨害する敵としては間違いないが、アイアス本部程深刻に捉えていない。
少女にはそれ以上の目的がある。アイアスが設立した本来の目的を。

「アームズを使ってるって?なんでそんな事をする必要が?奴らは敵なんだよ、人類の脅威なんだよ」
「そんな連中居ない方がいいに決まってるじゃない。奴らは滅ぼさなきゃならない」

少女は彼女の戦いを目の当たりにした事がない。だからこそアームズを使う、と評した時点で、共存していると同意なのだ。
そしてそれは、少女にとって決して許される事のない行為であって。

「やっぱりそうなんじゃん。アナタは……アンタは敵なんだ」

即座に少女の背中に霊装が、『イカロスの翼』が展開する。自らの二倍ほどもある長さの鋼鉄の翼が広がる。
その形状の通り、このユニットは低空からの地上攻撃の為の物。決してこのような近接距離、ましてや地上にて展開に向いてはいない。
だがそうまでしても、戦う理由がある。奴らを斃さなければならない理由がある。

「私は奴らを許さない……お前も……奴らに加わる奴は……死ねッ!!!」

少女は交戦規定違反の常習者だった。民間人の避難が済んでいない中でも爆撃を加える事も決して少なくはなかった。
だからこそ撃った。彼女へと両翼より飛び立つ二対のミサイルを。
自らもタダでは済まないだろうし、この公園も被害を受ける事は分かっている。それでも頭より先に身体が動いてしまう。
この破壊が何を生むのか。それはまだ分からない。
250ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/05(木)12:20:28 ID:ZoV [3/3回]
>>249
「ばか、比喩だよ……尖兵って意味」
「ねえ聞いてる?目ぇヤバいよ、イっちゃって……」

ラグナロクの斥候、つまり先触れとして現れる彼女と遭遇しても取り乱した様子を見せないミナミ
けれどアームズに触れただけでみるみる豹変し、ふつふつと湧き出すタールの如きドス黒い復讐の意思を見せる
その様子に焦りを見せるのはギャラルホルンの方だ。諫めるように両手を差し出して落ち着かせようと

「…………わーでっか……」

しかし彼女の努力を遮り、打ち切るように展開された霊装の規模に思わず息を呑む
かなり大型、アイアスに8年勤めたうえで自分の世代には大凡見たことのないサイズだ
目を丸くして感心するのも束の間。両翼から射出された二発のミサイルが、その終端に炎を灯して襲い来る

「わわわわっ!!、馬鹿馬鹿何やってんのッ!!」

交戦規定を守らない問題児というのは時々存在する。それはラグナロクでもアイアスにおいてもそうだ
けれど彼女の場合は、仮にもアイアスであるにも関わらずいきなり街の中でミサイルをぶっ放した。それも二発
流石のギャラルホルンもこれには驚き、右手をかざして霊装を発動させる他なかったようだ

霊装発現、バイフロスト
放たれたミサイルの信管が作動する瞬間、それは光となって消滅。否、そのまま空に吸い込まれるように光の柱となって昇ってゆく
そしてギャラルホルンの背後の上空へと転移し、光から再構築された直後に起爆し轟音と爆風を辺りへと巻き散らすのであった
霊装の発動に従い光り輝いていた腕甲が、徐々に輝きを失ってゆく

「ひゅー、あっぶな……」
「アンタさ、アタシよりラグナロクっぽいよ」

降り掛かった埃を払えば、少し引きつった笑みを浮かべるギャラルホルン
これは皮肉にもアイアスのよる攻撃からラグナロクが街を救った事になるが
元アイアスに勤めていた者として甘さが残っていたということか、それともあるいは……

目的の為ならば手段を選ばない人間は居るが、ここまで直情的なのも珍しい
少しからかうつもりがとんだ大物を引き当てたものだと、ギャラルホルンは再び飛び立った

「いいよ、アンタの気が済むまで遊んであげる……」
「来な」

口元にガスマスクを装着して両手を広げ、海面スレスレを後退飛行しながら
彼女の背後にある太陽が水平線に姿を隠すと共に、その相貌がギラリと輝いた
251◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/05(木)22:12:10 ID:GtW [1/1回]
>>244

西條夏鈴の身体能力は一般人の女学生の域を出ない。
これが霊装使いであるならば、超人的な力を発揮できることもあっただろうが、残念ながら夏鈴にそこまでの能力はなかった。
それでもなんとか見失わず追い縋っていたのは力を振り絞っていたからだろう。

「あっ……わぷっ」

然しそれも、マフラーによって視界を遮られることによって止まることを余儀なくされる。
視界が開いた先には、彼女の姿はなく、夏鈴はそこに立ち竦むのみであった。

「……氷夢井さん」




『いいか、草の根を分けてでも探し出せッ!アイアスの認証類は全て凍結!僅かな波動も見逃すな!!』

その頃、神埼は無論のことこの件に関する対応に追われていた。
これでもしも彼女を完全に逃した場合……恐らく、霊装使いであり、あくまで教官である神埼には大きく責任を追求されることはないだろう。
霊装の管理義務違反として、責任を求められるのは現アイアス司令だ。よくて首を刎ねられることになるだろう――指揮系統の挿げ替えはそれだけの混乱を招く。
ラグナロクとの衝突が激化している現状で、それは避けたい――が。

『今度は何だ……香坂が交戦規定違反――霊装バイフロストの反応だと!?』
『この状況で、一体何故。どうなって――』

次に彼女の下へと舞い込んでくるのは、香坂ミナミによる交戦規定違反と、それに付随する霊装バイフロストの反応だ。
嘗てアイアスに所属していた霊装使いによって、所有者を殺害され、簒奪されたと思われていたそれと一致する、霊装の反応が今起こった。
それを決して“見逃すわけにはいかない”。これはアイアスの役割としてのみならず、神埼千華という人間にとってもだ。

『――手と足を用意しろ……』
『オペレーター以外は全て捜索に回せ……“蜻蛉切”を使うッ!出るのは……“私”だ……!!』
252 : 氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/05(木)23:00:49 ID:YXg [1/1回]
>>251

「はぁっ……はぁっ……」

夏鈴を振り切り、認証が凍結されるまでに辛うじて基地内を抜け出した結花は、基地の入り口が存在するビルから少し離れた路地裏でへたり込む。
火照った身体が、冷たい冬の空気にさらされ、急速に冷えていく。

「……どうしよう……!」

頭が冷えると、いかに自分が軽率な行動をしたかが身に染みる。
過去いた脱走者の話は結花も聞いたことがあったが、まさか自身がそれになってしまうとは考えたこともなかった。
アイアス基地どころか、恐らく家にも戻れない。
結花の持つ霊装は他と比較して出力自体は低いが、それでも固有の波動の発生を完全に防ぐことはできない。
使用する場所は慎重に選ぶ必要があるだろう。

「う……うぅっ……!」

風の冷たさ、そして先行きの暗さに、結花はただ、縮こまるしかできなかった。

//ありがとうございました、では此方も〆で!
253香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/06(金)22:22:33 ID:Q7n [1/1回]
>>250
放たれたミサイルは彼女の霊装により一時的に消失。直後再構築され、夜空にて季節外れの花火を上げる。
市街地中心部からそれなりに離れているとはいえ、居住者が居ないという訳ではない。この爆発は少なからず民間人の注目を集める事にはなるだろうか。

「逃げる気?私から逃げられるとでも思ってる?」

彼女がフェンスより飛び立つのに続き、少女もフェンスを蹴り出す形で滑空を開始する。
この霊装『イカロスの翼』は航空戦における機動力に重きを置いた代物。飛行中の速度及び安定性には右に出る者はない、と言われている程。
ならばその速度を持ってすれば、背面飛行の彼女の頭上を瞬時に通過することは容易。

「これは遊びなんかじゃない……この戦争を終わらせるための戦いだ!」

通り過ぎたと同時に背後にて急旋回、少々距離は空いたが背後を取ったことになるだろうか。
そのまま前方へと急接近、再度の通過と同時にミサイルが二対放たれる。

「ラグナロクなんて今は関係ない!今は奴らを手中に収めるお前を止めるのみ!」

話に応じる様子はない。アームズを操るという言葉一つで、彼女は少女における重大な敵であると確信する。
少女を落ち着かせるには、無理やりにでも行動不能にまで陥らせるか、標的を打ち倒すか。道は限られている。
254ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/06(金)23:03:56 ID:CkA [1/1回]
>>253
「はァ!?、アンタが街をぶっ壊さないように離れてあげてんの!」

上空を燕の如く飛び回るミナミは、殺意を剥き出しに何処迄もギャラルホルンを追う
無論追いつかれるのは瞬きの間、すぐさま追撃のミサイルが放たれ、迫り来るだろう

されど対するギャラルホルンは特に慌てることも無く、依然として海面スレスレを漂うように飛んでいた
高い機動力を持つミサイルからは霊装使いと云えど逃れるのは困難。かといってバイフロストを展開できる程悠長な暇もない
霊装の外見も打たれ強そうには見えない。しかし打つ手無しかと問われれば、彼女は変わらぬ笑みと共にそれを否定するだろう

バイフロストは能力こそ強力だが、補助兵装が無ければとても戦場に繰り出せる代物ではない
そしてそこにギャラルホルンが『気を付けろ』と言われている理由があるのだ
普通、霊装というものは一人につき一つまでしか適合しないと言われているが

彼女には〝二つ目〟の切り札があった

「まったく……アームズがそんなに憎いワケ?」
「なら、幾らでも湧いて出る化け物共と遊んでな!」

頭を掻き鳴らし、金床を打つような高周波音が二度鳴り響き、ギャラルホルンに迫っていたミサイルが爆ぜる
もうもうと立ち昇る黒煙の中から飛び出した少女が右手に携えていたのは、青く焼け付いた大型の拳銃だ

霊装発現『ギャラルホルン』及び『バイフロスト』

右手に構えた拳銃を空へと向けて引き金を引く。すると黄金の腕甲から眩い光が拳銃へと伝って流れ
光り輝く銃弾が空へ向かって撃ち上げられると、雷鳴と共に空が淀み、灰色の雲が天を埋め尽くして渦巻く
ギャラルホルンの少し背後へ二つの光の柱が降り注いだのは、その直後の事だった
255ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/06(金)23:36:01 ID:BCf [1/1回]

偶に、自分が生きているのか死んでいるのかが分からなくなる。
太陽の輝きも、地面の感触も、喉を通り肺へと吸い込まれていく冷たい空気も、何も感じられなくなる瞬間がある。

鋭い痛みと共に情報が視界に飛び込んできた。
怠さが支配する身体をベッドの上でどうにか引き摺り起こして、己の手首を愛おしそうに見つめる。
ふつりふつりと新鮮な傷口から赤色が零れて、反対の手にはいつもの様に握られている小ぶりのナイフ。

「痛い、痛い、痛い……」

嬉しそうに楽しそうに、鼻歌の様に口ずさみながらナイフを懐に納め、薄暗い部屋を扉へ向けて歩いた。
途中の床に転がっていたコートを羽織り、ノブに手をかけて押し開けて、見慣れた廊下に足を踏み出す。

ラグナロクの隠し拠点の一つでもある四階建ての廃ホテル『華洋』は、数年前にアームズとの戦いの舞台となった区画、廃墟群の中にひっそりと佇んでいる。
戦いの傷が生々しく残る崩れた壁から、明け方のひやりとした風が吹き込み肌を刺した。
小さな身震いと共に階段を降りて屋外に出ると、深呼吸と同時に伸びをする。

「……痛いって、素敵」

手首を陽光に向けて翳し、口角を上げる。
ふつふつ、ひたひたと、一滴二滴ずつ零れる血は少しずつ地面に染みを増やしていった。
256香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/07(土)00:27:04 ID:6Rb [1/2回]
>>254
「……私の人生をぶっ壊したのは、何処の誰だと思ってるッ!?」

少女は執拗と言っていい程に彼女の姿を追い続ける。
背中を、前方を、頭上を威嚇し続けるかのように何度も何度も飛ぶ。時折回避行動を交えながら。

「ッ!?」

聞きなじみの深い爆音の直後に鳴り響く、頭を内側から何度も揺さぶるかのような金属音。
突然の事に体勢を崩し、空中にて歪な軌道を描きながらも、何とか体制を持ち直した少女の目の前にあったのは。

「なにあれ……天の光……?」

雲の隙間から地上へと差し込む光の柱としか言いようのない物。雨上がりに時折見られる光をいくつも押し固めたような幻想的な光景。
だが今の少女には、その光景ですら忌々しい何かを彷彿とさせて。
まるで空から何かが降って来るのではないかとすら考えてしまって。

「まさかあの柱から?やらせはしないッ!!!」

彼女の背後に光る柱へと、両翼のミサイルポッドより弾頭が一つずつ放たれていく。
もはや本能的な反射的反応に近い物があった。何かが来る、そう思わせるような何かが。
257ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/07(土)00:43:17 ID:l1C [1/2回]
>>256
「えぇー……少なくともアタシじゃないよぅ」

クスクスと蔑むような笑みを見せながら、ギャラルホルンは飛来するミサイルへ拳銃を放つ
しかし今度はどちらも外した。狙いが彼女自身でなく、その背後にあるバイフロストの光そのものであったからだ
降り注ぐ光が海面に落ちて、その直後にミサイルが着弾する。轟音と海鳴り。立ち上がる白い水柱の中から〝それ〟は現れた

「さぁて、今回のスペシャルゲストはぁ……?」
「じゃーんっ!ショッティーでーす!」

飛び跳ねた彼女の背後から現れた灰色の異物。ぎしぎしとせせら笑うかのようなノイズを立てながら
無骨な水平二連ショットガンの衣装を持つ化け物が水面を歪ませその表面を歩行していた
外見としては銃床から筋骨隆々の腕と脚を生やしたかのような、非常に身の詰まったシルエット
本来トリガーのあるべき場所には、無気味な剥き出しの歯が幾つも不規則に立ち並んでいた

「それじゃ熱々のお二人さん、あの子の欲求不満に付き合ってあげてね?」
「ごゆっくりどうぞー♪」

軽くスカートの裾を摘み上げるような動き。実際にはすらりとした足が覗くパーカーの端に触れているのだが
へらへらと笑いながら後衛へと回った彼女に従うかの如く、ショットガン型アームズは一直線に街の方へと移動を始めた
そしてそのルート上に位置するミナミに対しては、二つの銃身から無数のエネルギー弾を放出し応戦するだろう
258氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/07(土)01:12:37 ID:WEc [1/3回]
>>255

「ハァ……ハァ……」

薄汚れた制服を身につけ、疲れきった表情の少女が一人、廃墟の敷地内へ足を踏み込む。
その正体は、先日アイアスを脱走した霊装使い……氷夢井結花。

「……ここなら……やす、める……?」

アイアスに追跡されながらのここ数日間の脱走生活は、元より強くない彼女の心身を疲弊させ切るには十分すぎた。
その事情を正確に知ることはできずとも、身なりやいくつもの擦り傷から、ただ事ではないというのは見てとれるだろうか。
アームズの襲来により発生した廃棄区画ならば、僅かなりとも気を抜くことが出来るかもしれないと期待してこの場所へ足を運んだ、が。
 
「えっ……?!」

聞き覚えのある声に振り向くと、腕から血を垂れ流す少女が佇んでいる。
その顔を見まがうはずもない。彼女の姿に化けて迂闊な行動を取ったことが、結花がこうなった発端と言えるのだから。
さて、結花は知らず知らずのうちに元敵対組織であるラグナロクの拠点に足を踏み入れてしまったこととなる。姿を変えているため、彼女から結花は少なくとも外見では見知らぬ少女に見えるだろう。
そんな結花に、奇妙な彼女はどう振る舞うか。
 
259香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/07(土)01:30:38 ID:6Rb [2/2回]
>>257
「やはり……やはりは奴はアームズを使役する……ッ!」

目前で繰り広げられるのは、人類がアームズを召喚し使役するという、いささか現実とは思えない光景。
つい最近、とある人物がアームズを操る研究をしている、という噂を聞いたばかりであった以上、彼女がアームズを呼び出す様は、いつも以上に脅威に思えてしまう。
こんな事があってはいけに。あっていいはずがない。アレは人類の敵だというのに。

「待てッ!お前のような極悪人を逃がす訳には!」

アームズは街の方角へと移動していく。アイアスの人間としては奴らの侵攻を阻止する事が第一の使命と言えるだろう。
だが少女にはそんな事はどうだっていい。新たなアームズが現れたのなら、それをこの世界から一片も残さず駆逐しなければならない。それが少女の自らに課した使命。

「ッ、この程度でッ、私を撃ち落とせるとでも思っているのか!甘いんだよォ!!!」

追いかける少女に対して放たれる無数のエネルギー弾の軍勢へと、少女は不幸速度を落とす事なく突入していく。
一瞬の判断を途切れる事無く何度もこなし、上下左右、時には自らの翼に当て、弾き落とす事で雨の中をただひたすらに駆け抜ける。
目的地は敵目標の前、少女の付けるバイザー内に敵全体がちょうど収まる程の距離。

「――ターゲッティングシステム、マルチロックモードに」
『確認。システム処理優先度をターゲッティングシステムに再設定。全処理能力94.36%を移行します』

霊装より響き渡る合成音声と共に、視野内に広がるロックオンカーソルがショットガン型アームズ全体に次々に追加されていく。
同時に機械翼の各所より、無数のミサイル射出口が姿を現す。総数を数えるのも億劫になってきそうなほどに。
バイザーの射撃管制システムと同期するそれらのミサイルポッドは、射出の時を、指揮官の合図を待つ。

『ターゲットロックオン完了。射撃準備完了。オールグリーン』
「今こそ奴を、全てを吹き飛ばせッ!!!」

「FIRE!!!」

奴らのエネルギー弾に匹敵するほどの物量を誇るミサイル群が、一斉に霊装より放たれていく。
射出に伴う大量の煙が少女と霊装を包み、その中より小型ミサイルが飛び交う。
少女こそアイアスの誇る一人火力支援チーム、『イカロスの翼』。
260不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/07(土)10:26:51 ID:S1W [1/1回]
「――――かったりぃな」

久里峰学園屋上。今日は休日故に、こんな日に学校に来る生徒といえば補習などの対象の生徒くらいだろう。
そして彼女もその一人……なのだが、補習の時間はとっくに過ぎているのにサボタージュしていた。
学校までは来たのだ、ただそこで途端に面倒になりこうして屋上にて無為な時間を過ごす。それが彼女という人物であり。

「やっと謹慎が明けたってのに、やってられねぇよなぁ…」

彼女は先日、別の霊装使いと些細なことで喧嘩をし、そのまま戦闘へと突入。元々彼女から因縁をつけて行ったというのもあり彼女は謹慎処分を受けていた。
外部のアームズの情報なども流れてこずにただ暇な日々を過ごすのはなんとも退屈なもので。
ここ数日の騒ぎも特に耳に入ってはおらずこうして呑気に一人で屋上でくつろいでしまっていた。
261ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/07(土)11:09:27 ID:j6c [1/2回]
>>258

翳していた手を降ろし、ぎょろりと視線が動いた。

「あはぁ……珍しいわね、珍しいわ、こんなところで迷子?」

両腕をだらりと垂らして深い猫背、長い髪を引き摺りながら。
肩を揺らして笑う姿はいつものこと。
小さな赤い染みを地面に生み出しながら、氷夢井の方へとゆらゆら歩き出す。

「ひひ、ははは……素敵ね、素敵、貴女良い匂いがするわ。
 血の匂い、汗の匂い、泥の匂い……あはぁは、私そういう匂いが好きよ」

氷夢井の眼前まで辿り着けば、彼女の肌に付いた傷に触れ、傷口を逆撫でようとするだろう。

「……『何から逃げて来た』の?」
262 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/07(土)15:32:33 ID:EHF [1/2回]

――久里峰市都市部より僅かに離れた海辺の街に、大型アームズが出現する。
それと同時に未知の霊装反応も、共にそこに出現。アイアス内部には警報とともに、出動要請が発されることだろう。

……天空に吠えるのは、灰色の龍の姿であった。全長は五メートル程に達する程度、何者かを中心に、そこで渦巻き続ける。
アームズとしての体色に、強固な外骨格には明確に人工物であろう、無数の電極のようなものが突き立てられている、どこか痛ましい姿であった。
それが咆哮を発するとともに、幾つかのエネルギー体が出現、空へと収束し、拡散――周囲一体に破壊を撒き散らす。
それは強力な熱エネルギーを以て、周囲の建造物や生物を焼き尽くし、倒壊した建物によってさらなる被害をばら撒いていく。

その中心に立つのは霊装使いであった。
黒い外装を持った霊装、その手には巨大なリヴォルヴァー・カノンを持つ。
顔貌は黒いバイザーに覆われ見れないが、黒く長い髪が空に靡いている。
着膨れしているようにすら見える、重厚な装甲と加速器の塊のような姿。そして何よりそれは、その黒い龍を従えているかのようにすら見える。

「さぁ、『ミドガルズオルム』――ギャラルホルンの真似事ではありませんが、少し遊びましょうか」

――ラグナロクの研究成果の一部分。その実験こそが、今回の主な目的であった。
それ故に、主要部に対する攻撃は行わず、人口が比較的少ないこの街を選んだ……目的は、アイアスの霊装使いとの本格的な戦闘。
そのためにも、ミドガルズオルムは咆哮を続ける――そしてそのたびに、幾つもの人命が奪われていく。

/ボスとの対戦をメインとした小イベントです!
/スローペースで進めていくつもりですので、平行で参加していただいても構いません!
/途中離脱も途中参加も自由に考えていますので、よろしくおねがいします……!
263氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/07(土)15:35:34 ID:WEc [2/3回]
>>261

「ひっ……」

紅の滴をを垂れ流しながら歩み寄ってくる少女の姿に、そういう少女であると知っていても、以前の時のように本能的に身がすくむ。
いくら姿を変えても、内面は誤魔化せない。
近寄られるのを拒むこともできず、傷を這う指に顔が歪む。

「…………!?」

すべてを察したかのような問いかけに、目を見開く。
張り詰めきった限界寸前の状態に、不意にかけられた言葉。
それが優しさによるものか、興味本位によるものかは分からない。
だが、堪えていたものが溢れ出すには、十分すぎた。

「う……うぅっ……うぁあああああああ!うあああああああああん……!」

その場に座り込み、声をあげて止めどなく涙を流す。
事情を聞き出すなら、宥める必要があるだろう。
264ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/07(土)16:29:46 ID:j6c [2/2回]
>>263

「ふふ、あは、ひひははは!」

泣き叫ぶ彼女の姿に、ベルナは上気した表情でいよいよ楽しそうに肩を震わせた。
氷夢井の頬へと指を這わせて、歯を剥き出しにしてけらけらと。
両の瞳を蛇の様に鋭く、興奮した様な吐息と共に、ゆっくりと首を傾げる。

「はぁ、あはは……可愛いわね、可愛い、泣いて叫んでとても可愛いわ。
 私貴女みたいな人好きよ、滅茶苦茶にしてあげたくなるの、とてもとても」

傷口に指先を突き刺してみたい、潤んだ瞳を圧し潰してみたい、首を絞め、柔肌を噛み千切り、その最中もきっと泣き叫び続けるのであろう彼女をずっと見ていたい。
庇護欲と支配欲を血と泥で穢し壊し滅茶苦茶に織り交ぜた、そんな欲求が脳を駆け巡る。
或いは介在しているのかもしれない一片の優しさすら……ベルナのそれは、非常に濃い狂気で塗り潰されていた。

「……駄目よ、駄目、泣いちゃ駄目、そんなに泣かれて叫ばれたら私、欲求を抑えられなくなっちゃうわ。
 だからね、泣き止んでほしいの、ひひ、ひひゃは。
 ねぇ、『死にたくはないでしょう』?」
265氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/07(土)22:49:19 ID:WEc [3/3回]
>>264

「…………!」

それはまるで、伝説上の怪物……ゴルゴーンに睨まれ石ににされたかのように声が詰まる。
全て、本気だ。
彼女が何者なのかを知るわけでも、また確信に足るロジックがあるわけでもない。
ただ原始的な本能のまま、先程までの泣きようが嘘のように黙りこむ。
わずかな震えは、寒さだけのせいではないだろう。

「……信じて、もらえないかも、しれないんですけど」

何はともあれ、ある程度落ち着きを取り戻したなら、結花は語り出すだろう。

「アイアス、って組織、知ってますか」

//すみません、遅くなりました……!
266◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/07(土)23:23:11 ID:EHF [2/2回]
>>260

「またサボりですか、不破さん?」

膨れ面の少女の顔が彼女のことを上から覗き込む。
西條夏鈴は補修を受けるようなことはない程度には成績優秀だ。だとすれば、休日に学校に来る理由はない……はずだが。
今回こうしてやってきたのは、正しく不破雷火という少女の為である――――のだが。

「それにまた他の子と喧嘩したとか。神埼さんもカンカンでしたよ」

霊装使いである限り、学費に関してはアイアスが全額負担になっている。
だが、それも素行不良とそれによる成績不振があるのであれば話は別である。
謹慎処分を受けたのであれば、せめて勉学の方くらいは――――と思っての、西條夏鈴が行う、いつものおせっかいであった。

「もう……せめて補修は出ないと。留年しちゃいますよ」

ビニール袋には、一応応援のために飲み物やおやつ程度の差し入れを詰めてきたのだが、無用になりそうだろうか。

/平行ですが、よろしければ……!
267ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/07(土)23:47:28 ID:l1C [2/2回]
>>259
「おぉーー……ヤバ、すっごい火力」
「やっぱ雑魚アームズの二体程度じゃ足止めにもなんないにぇ」

都市へと向かうアームズ目掛けて、死のカーテンが白い幕を貼ろうとするのを見て
着弾までの僅かな間に、こぼれた感想は実に短いものであった

連続した爆発音が収まってようやく、木っ端微塵に砕け散って蒸散するアームズのかけらを眺めながら侮蔑するように呟く
確かに火力は大したものだが、だからといってなす術がない訳でもない

「うーん、それじゃあ次は……〝コンちゃん〟出しちゃおっかな……?」

大きめのアームズでもぶつけてみるかと微笑み、拳銃を天へと向けたその時

『――おいギャラ子、いつまで遊んでんだ?』
『ミーティングすっぽかしてないで早く帰って来いよ』

通信機を通して聞こえる声が、アームズを召喚しようとしたギャラルホルンの動きを止めた

「はァん!?殺すゾ!!、じゃなくて……」
「わっかりましたよぉ……行きゃいいんでしょぉ?」

ギャラ子と呼ばれると露骨に機嫌を悪くするも、すぐに調子を取り直し
拳銃をホルスターに仕舞うと、右手を天高く掲げて再び光の柱を呼ぶ

「ちぇー……折角久々にシャバに出たっていうのにさぁ……?」
「アンタはどう?暴れ回って少しはスッキリした?」

ミサイルを放ち終えたミナミの後ろ姿を眺めながら、少しつまらなさそうに長髪を翻す
もう少し戦っていたかったが、本部からの要請を無視し続けるわけにもいかず
彼女の力も見れたところで、撤退しようというのだろう
268◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)00:10:09 ID:XQM [1/8回]
>>259
>>267

「いざや、抜槍ッ!!止まれ、そこの霊装使い!!」

イカロスの翼より放たれる、無数の弾幕攻撃の後。急速に接近する霊装の反応を捉えることが出来るだろうか。
放たれたのは、一本の長槍である。長大極まりないその槍は極槍・蜻蛉切――――それを追い掛けるように、やってくるのは一人の霊装使いだ。
両手と両足に具足を纏い、薄いインナーを纏った、軽量の近接戦闘用霊装……鎮痛剤と生体義肢によって成立する、制限時間付きの霊装使い。
その正体である神埼は、先ずは香坂ミナミへと向けて吠えるだろう。

「香坂ッ!奴は一体何者だ!!一体今度は、どういう理由だ!?」

そして、投擲した槍が着弾するにしろ、外れるにしろ……その槍は、神埼の手に戻ることになるだろう。
香坂ミナミは、これまで交戦規定違反など両手では足りぬくらいに起こしている……だから説教は後回しにするだろう。
彼女に求めるものは、先ずは情報提供だ――――そして槍の切っ先を、彼女へと向けて。

「そして貴様……何故お前は、霊装を二つ、持っている……いや」

霊装は一人に一つ、今までにその例外はない――――。
霊装のデータ自体貴重で、アイアスの把握していない分にあるのかも知れないが、それでもそれは大層貴重な例であることに変わりはない筈。
ならば目の前に居る人間は、何故霊装を二つ持っている。それも、見知っている二つのものを……。

「――――否。何故、此処に!《バイフロスト》と!!《ギャラルホルン》の、二つが存在するんだッ!!!」

そして最も知りたい部分は、その一点だ。
どちらもアイアスから失われ、長らくその行方が分からなかったものだ――――当時から霊装使いとして活動する神埼にとっても。
“あの事件”は強烈に、鮮烈に印象付けられている。なにせ、高く聳え立つ、そして憧憬すら抱いた者によって引き起こされた事件だったのだから。

「答えろッ、どういうことだ!お前は――――“何者”だ!?」

彼女――――《ギャラルホルン》は、既に撤退の体勢に入っていることだろう。
だが、仮に此処で逃がすことになったとしてもその問いだけは投げかけなければ気が済まなかった。
蜻蛉切を構え直し、その切っ先を相手に向けて。

/すみません、少しだけ乱入させてください……!
269不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/08(日)00:35:28 ID:aWR [1/5回]
>>266

「…………西條、お前かよ…」

よりにもよって会いたくない奴に会ってしまったとしかめっ面。
別に嫌いとかそういうわけではない、ただ彼女のそのおせっかいは雷火にとっては鬱陶しい以外の何者でもなく。いわゆる雷火にとっての天敵である。

「何をやろうと私の勝手だろうがよ?気にいらねぇこと言ってたからぶっ飛ばした、それだけだ」

アイアスにて今まで暮らしてきた雷火にとって、彼女の居場所はそこにしかない。だというのにこんなにも自分勝手な行動を繰り返していては彼女が心配するのも無理はない。
下手をすれば暮らしていけないかもしれないというのに無茶を繰り返す雷火の姿はどう写っているのだろうか。

「留年したらその時だよ、てか今の成績じゃあ絶対無理だろ」
「私はアームズの糞共をぶちのめせればそれで良い、学校やらなんやらなんてはなっから興味はねぇんだよ」

アームズのことを語る雷火の口振りにはどこか恨みが篭ったようなもので。
それだけ言えば寝返りを打つように真上の彼女の顔を避けて顔を横に向けてそのまま睡眠を再開しようとするだろう。

//気付くのに遅れてしまい申し訳ありません…!
270◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)00:58:54 ID:XQM [2/8回]
>>269

「それでも、暴力はダメです!それに皆、同じ組織の仲間なんですから……」

アイアスの霊装使いは我が強い者が多い。
そうでなくとも年頃の少女達が集まっているとするならば、気の合わない者も出てくるだろう。
それは仕方のないことだ。人間として仕方がない――――だが、それに暴力が伴うのは、仕方ないで済ませられる範疇を超えている。
ともすれば自分も殴られるかも知れない、というのは当然頭に置きながら、然し話せば分かってくれるだろうというポジティブも持ち合わせつつ。

「その時じゃないですよ、もしも戦えなくなったら……そうでなくとも、もしもアームズが居なくなっちゃったらどうするんですか?」

実際のところ、ある程度の補助は出るだろう――――それこそ霊装使いは、唯一アームズに対抗できる戦力だ。
手厚くその後まで援助をされている、給金は勿論、就職先だって斡旋される……のかもしれないが。
それはしっかり勤め上げていたらの話である。

「そんなんじゃ、霊装も没収されちゃいますよ……ちょっと、寝ないでください!」

/お気になさらずー!
271不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/08(日)01:20:00 ID:aWR [2/5回]
>>270

「仲間なんて薄気味悪りぃ、私は一人で戦う。仲間なんて必要ねぇんだよ」

そもそも雷火はアイアスの中でも浮いた存在になっている。更に彼女のその気性の荒さもあって揉め事も多い、そうなれば当然周囲から浮くのは当たり前だろう。
そんな中でこうしてわざわざ自分から関わってくる彼女はアイアスの中では珍しい部類の人間だ。

「そん時は適当に暮らすさ、稼ぐ方法なんて手段を選ばなきゃ幾らでもあるからな。それこそ学校なんて通う意味もねぇよ」
「まぁその時までに私が生きてる保証なんてねぇけどよ」

霊装使いは霊装使いだからこそ価値がある。アームズへの対抗手段という唯一の取り柄がなくなってしまったらそこに使い道はほぼ無いだろう。あるとするのならば、それこそ軍事的なものへの転用か。
今でこそそんなことは無いものの、霊装使いはアームズがあってこそ成り立つというのは些か皮肉なものだろう。

「…………うるせぇなぁ…こんなんじゃ眠れやしねぇ…」
「そもそも霊装が使えねぇお前には関係ないことだろ、なんでそこまでしてアイアスにいるんだよ。さっさと記憶でも消してもらって、普通に学生してる方が少なくとも何倍もマシだろうよ。なんでわざわざ危険な方に来てるんだよ?」
272◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)01:43:58 ID:XQM [3/8回]
>>271

「一人で出来ることにも、限度はありますよ。いつか自分だけで倒せない敵が来る日だって……」

彼女達霊装使いは、確かに特別で強力な力がある……それでも、一人で出来ることには限度がある。
それは夏鈴が常日頃から……アイアスに来るようになってから、毎日のように実感している。
非戦闘員である夏鈴には、アームズに対抗する手段はない。かと言って、正式な職員たちのように専門的に出来ることもない。
誰かを手伝うことで、ようやく力になれる……今だって、そういう状況だ。

「そんな悲しいこと、言っちゃダメですよ。皆、戦うだけが人生じゃないんです」

皆少女達である……そんな彼女達が大きな力を持ち、アームズと戦うからこそ勘違いすることもあるだろう。
実際には、それだけが彼女達の一生ではない。必ず何処かで前線を離脱する時が来る……それは彼女の言う通り、死によるものかもしれないが。
それを前提に考えるのは、あまりに虚しく悲しいものだ。

「……わ、私は……確かに、そうですけど」

そう聞かれることは、少なくはあれど何度かある。
記憶を消して、学生になったほうが遥かにマシだろう。アームズとの戦いの一端を担うことは、決して幸福であるとは言えないが。

「私は、誰かが戦って傷つくのが嫌で……」
「でも、それを知らないでいるのは、もっと嫌なことだから……です」

戦うのは嫌だ。だが、誰かが戦えない自分の代わりに戦って、傷ついていることを忘れるのはもっと嫌だ。
そのためにこうして、アイアスの一人……一般職員として此処に居て、あれこれと霊装使いにお節介をして回っているのだった。
それで鬱陶しいと思われることはあるかもしれないが、それは夏鈴にとっては、気にするほどのことでもなかった。
273不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/08(日)02:17:59 ID:aWR [3/5回]
>>272

「……それでも必要ねぇ、足手まといはごめんなんだよ」

誰かと協力して……だなんてできるはずもない。彼女も知っているだろう、不破雷火の霊装は放っておけば破壊の限りを尽くす。下手をすれば周囲の仲間ごと巻き込みかねないほどの破壊力、理性を失いかねないそれはあまりに危険だ。
だからこそこうして他人から距離を置くのはそういうことを気にしてのことか、それかただ単に他人が嫌いなだけなのか……

「違うね、私にはそれが全てだ。アームズを1匹残らず根絶やす、私はただそのためだけにこの力を使う。それ以外に私は何もねぇ」

雷火のアームズに対しての憎しみ、両親を事故で……アームズによる襲撃によって失くした雷火にとってみればアームズは憎むべき怨敵なのだろう。
自分から大事なものを奪っていったアームズを倒す、ただそれだけのために今の今まで生きてきた彼女にとってその後のことなどどうでもいいことなのかもしれない。

「……馬鹿としか言いようがねぇな、お前が知ろうと知らなかろうと何も状況は変わらねぇ。戦わなければ全て奪われる、奪われたくなけりゃあ……戦うしかねぇ、今のこの世界はそんな世界なんだよ」

戦って、傷付いて、それでも戦うことをやめはしない。
その理由は様々だろう。使命感、正義感、復讐心……そのいずれにしても、霊装使いとして成った以上は戦わなければならない。アームズと対峙するという宿命を背負って――――

「お前はよくやってる、今日だって私なんかの為にわざわざ学校に来て……呆れるぜまったく」
「だがそれじゃあお前はどうしようもねぇよ、誰かの力になりたいじゃねぇ…そんなことじゃ一生お前はそのままだ」

ふと立ち上がり彼女をジッと睨んで言い放つ。その言葉にはまるで威圧するかのような重みを含んでいて。

//すいません…そろそろ眠気が……
//凍結か〆かどちらでもこちらは構いませんので…申し訳ありません…!
274 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)02:20:19 ID:XQM [4/8回]
>>273
/了解しました、そろそろこちらも凍結をお願いしようかと思っていたところでして……!
/それでは一旦凍結で、ありがとうございました!
275◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)13:16:31 ID:XQM [5/8回]
>>273

彼女は非常に強情だ――――というのは少々、自身の視点に寄ってしまう感想なのだが、何方にせよ。
今の夏鈴には、そう言い切られてしまうと次に何を言えば良いのか、どう説得すればいいのか……分からなくなってしまう。
ただやはり、戦いしかないことも、他人と触れ合うことを切り捨てることも……寂しいことだと思うのは、やはり主観と感想でしかないのかと思う。

「た、確かに……何も変わらないかもしれませんけど……」

事実だ。自分が知っていようと、覚えていようと、おそらく今此処に居る彼女達は何一つとして変わらなかっただろう。
当たり前に霊装使いとしてアームズと戦って、勝って、負けて、傷ついてを繰り返していく。
彼女の言葉は直接的で重たいものであった。だからこそ、言い訳のしようがなく、その心に突き刺さっていく。

「で、でも……私は役に立たないけど……ちょっとでもいいから誰かのために立ちたくて……」

然し言葉は段々と小さくなっていく。
きっちりと伸ばされていた背はだんだんと丸まっていって、表情にもわずかに影が差しているように見えるかもしれない。
睨み付けられることには慣れているが。そうして否定され続けるのはあまり経験がなかった。

「……じゃあ、どうすればいいんですか?」

八つ当たり気味に、彼女へと小さな声で問う。
このままじゃダメだというのならば、どうすればよいのだろう……他に手段があるのか。そういうならば、あるだろう。
まるで子供じみた批難すらも含めているものだった。
276ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/08(日)13:17:13 ID:YUp [1/2回]
>>265

「ふふ、良い子、可愛い子、怯えて震えて……私が怖い?」

肩を震わせ、長い爪は傷口に触れそうで触れない。
笑みの拍子に垣間見える、細く長い蛇の様な舌。

「アイアス……知っているわよ、とても良くね。
 でも……ひひ、ひひひ、不思議なお話。
 あの人達はとっても優しい、良い人達だって聞いたのだけれど」

噂で聞いただけだとでも言う様に、とぼけた口調で。
氷夢井の頬を依然として擦りながら言葉を返す。
視力が無い薄紅の瞳が、その真意を覗こうとじっと見つめ続けている。

「あは……虐められた?」

//遅れました、大変申し訳ございません……!
277香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/08(日)13:17:45 ID:wmA [1/2回]
>>267>>268
遠方からの高火力を発揮できる本霊装であるが、多分に漏れず難点は存在する。
例えば、このマルチロックモード使用中は、霊装を操作するためのリソースを姿勢制御以外のほとんどを使用する事になる。
つまり、使用中はほぼ固定砲台としてその場に立ち続けることしか出来ない。だからこそ火力支援として運用されているのだが。

まあとにかく、この状態で横槍を入れられようものなら、抵抗できる間もなく受け入れるしかないという事であり。

「次はお前を……うわッ!?」

飛来する槍を無抵抗のまま受け、空中にて大きく態勢を崩していく。
墜落こそはしなかったが、着水寸前まで高度を落としようやく止まる。まだ全システムが復旧するには時間を要するらしい。

「ッ、千華ッ!なんでこんな時に邪魔するの!アイツはアームズを操る諸悪の根源だってのに!」

抵抗も出来ず、水面近くで駆け付けた彼女、神埼へ叫ぶことしか出来ない状況。
例の如くいつも通り交戦規定違反を犯している少女であるが、いつもとは暴走の状態が異なるのがわかるだろうか。
ただアームズを殲滅する事しか考えられない普段とは異なり、若干の焦りを抱えている事に。

「忘れたの!?アイツが3年前に、私が入ってきた時に相方を殺してアイアスから逃げたって、あの……」

撤退を目論むギャラルホルンへ追撃のミサイルを撃ち込まんと両翼のポッドを向けるが、途端に霊装に生じる小規模な爆発。
完全に復旧できていない状態での無理な稼働、そして先ほど叩き落とされる事になった衝撃でシステムに支障が生じた模様。
辛うじて保っていた高度も限界に達し、フラフラと失速する形で海面へと着水する事になる。

「クソッ、どうしてこんな時に限って……」
278不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/08(日)13:42:16 ID:aWR [4/5回]
>>275

彼女のその感想は間違ってはいないだろう。一度決めたら強情…でなければ謹慎沙汰にもなっていない、それくらい不破雷火という人間は人一倍我が強い。
今だってそうだ、戦うと決めた以上それを曲げるつもりは毛頭ない。誰かと馴れ合うなんてしない、ただアームズを駆逐するためだけに。

「そうだよ、何もかわらねぇ。お前はただ無駄なことをしてるだけだ、死ぬ奴は死ぬし生きる奴は生き残る。なら私は少しでも生き残って奴らを殺す、死ぬその時まで殺して殺して殺し続ける……!」

彼女のその献身さは確かに立派なものだろう。だがそれでも雷火はその献身を否定する。
ただ一人で戦おうとする雷火にとって彼女のその姿は力のないもの誤魔化しに見えるのかもしれない。誰かの役に立ちたいと、ただそれを逃げ道にしていると。
戦う力のみを求めてきた雷火にとって西條夏鈴という人間のその原動力は分からないし理解できない。

「――――戦えよ、戦いが嫌だっていうなら戦って戦いを無くさせろ、しょせん人間なんてのは力がなきゃ何もできねぇんだよ」
「求めるモンは自分で勝ち取る、お前が私に勝てたんなら勉強でもなんでも、少しは耳を傾けてやるよ。……ま、そんなもんは無理な話だろうがな」

これは一種の皮肉なのだろう。どうせ無理だと分かっていながら、そんな暴論じみたものを並べるのだった。
279氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/08(日)17:27:00 ID:ecp [1/1回]
>>276

「それは、その……」

彼女の疑問に口ごもる。
まさか「練習として貴女に全裸で化けていたら咎められました」と全て正直に話すわけにもいかない。
霊装のことも、どこまで信じてもらえるか……最も実際は、彼女もまた霊装使いであるのだが、結花はその事を知らない。

「虐められた、って訳じゃないです。いい人や、優しい人も一杯いた、と思います。ただ……」

アイアスでの日々を思い出しながら、返事をしていく。
思い直してみれば、あの日の行動は迂闊だったし、酷く誤解を招きうる落ち度もあった。

 
「あそこにいても、誰も私自身のことを、ちゃんと見てくれない、わかってもらえない、って思って」

しかし、これだけはあの瞬間確かなものに感じ、結花を走らせた。
外見ではない、結花そのものを見ているであろう彼女相手だからこその吐露。
例えそれが怪物の眼差しであっても、結花には他に代えがたい、欲しいものだ。

//お気になさらず
//次のお返しが日付が変わるごろになりそうです、こちらもなかなか時間を会わせられず申し訳ないです
280ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/08(日)17:51:02 ID:fUE [1/1回]
>>268
飛来する長槍は破壊的エネルギーを秘めて、天高く羽ばたくイカロスを叩き落しなお余りある力を示しながらギャラルホルンを掠めた
上体を軽く逸らしてそれを躱す。しかし飛散した自らの髪と霊装の一部を横目に見て、感嘆替わりに目を見開くのだ
恐ろしく正確かつ高密度の攻撃。これ程の霊装使いは一人しか知らない

「……お、カンちゃんおひさ~」
「前より美人さんになった?」

帰還してゆく槍を追いかけるよう振り返りざまに笑顔を浮かべ、ギャラルホルンは千華を呼ぶ
がぱ、と口元を覆うガスマスクが取り払われる。その顔はアイアスに長く籍を置く千華であれば覚えがあるだろうか
それは元アイアス特別エージェント……〝初瀬琴音〟の面影を持っていた
けれど、〝それ〟は自分を初瀬琴音であるとはついに認める事はなかった

「え、アタシ?、アタシは……ギャラルホルン」
「ラグナロクの到来を告げる者」

霊装の外観は全く異なる上に、風になびく髪もまた刺激的なエメラルドグリーンへと変貌を遂げており
琴音の旧来の知り合いであっても、一目には彼女だと見抜けない程の変わりようである
しかし外見的な相違だけでは無く、ギャラルホルンという存在は徹底して過去の初瀬琴音とは異なる存在であるということ
忠実で義理堅かった彼女ではないということをその身に纏う空気からひしひしと伝えていた

「その子ちゃんと教育しといてよ、ラグナロクがアイアスから街を守るなんて……皮肉にも程があるからさ」
「さもないとアイアスは崩れるよ、〝あの日〟みたいにさ」

ひらひらと手を振りながら後ろ歩きに空を蹴って。その体が光の柱に飲み込まれた時
天へと登った奔流が消え去り、渦巻く雲が夜空の端々へと散った後。そこは既に夜の空であった

//乱入ありがとうございます!そしてこれにて締めとさせていただきます
//お二人ともありがとうございました!
281◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)17:59:57 ID:rQE [1/2回]
>>278
無駄な事。
思い返してみればそうかもしれない。自分が動き回って、果たして物事が良い方向に進んだことがあっただろうか。
追い掛けても無意味で、話しても無意味だとするのであれば、彼女のように暴力に行き着くか?それはいけないことだと思う。

「戦って、勝つって……!」

霊装使いである彼女に、勝てる筈がない。仮にその差を無しに生身で戦ったとしても、同様の結果に終わるだろうが。
戦う力は夏鈴には無い。適性が低い為に選択肢は幅められるし、その上適合する霊装が無いとするなら、どうしようもない。
皆が傷つくのは嫌だが、それが不可能なら、せめて一緒に戦いたいという想いすらも無駄と断じられるのであれば。

「分かり、ました……もし私が勝てたら、言うこと聞いてもらいますから」

……何か方法を探すしかない。
彼女に勝つ方法を。しかしどうなって?口に出したまでは良いが、何も思いついてはいなかった。
ただ、持っていたビニール袋を彼女の側に置いた。

「……それ、差し上げますね。それじゃあ、私行きますから」

結局、この場は諦めるしかなかった。
彼女に背を向けて、屋上から立ち去ろうと足を踏み出すことだろう。向かう先はアイアスではたる、が……いつもよりも、重たいものだった。

/遅くなりましてすみません!こちらからはこれで締めれるようにしておきますが、如何でしょうか?
282 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)18:26:06 ID:rQE [2/2回]
>>277
>>280
香坂ミナミを止めつつ、その射線上にはギャラルホルンも捉えている。
無論、殺す気は無かれども、一切の手を抜くことはなく、この一撃で仕留めるつもりであった。蜻蛉切の貫通力を以てすれば、それも不可能ではない。
だが、齎された結果は……僅かにかすめるのみ。

「落ち着けッ、香坂!罰はある程度軽くしてやる、だが貴様の翼は市井の人々に向けられるものか!!」

先ずは彼女への制止だ。彼女の事情に関わらず、彼女のミサイルは平然とばら撒いても良いものではない。
それは確かに凄まじき矛だ、だがその切っ先にあるものを切り裂く過程で、罪なき人々を殺めるべきではない。
彼女の様子が違うのは神埼も分かっている……その為に激怒はしない、だが。

「……つまり、ここに居る何者かはッ!《バイフロスト》と《ギャラルホルン》を握り締める何者かは!!!」

香坂の説明に呼応し、疑念が確信へと育っていく。
そして答え合わせとばかりに……敵の顔貌を覆っていた、マスクが開かれた。

「――――"初瀬"さん!!」

慟哭、憤怒、嫌悪、疑念、そして――――僅かばかりの郷愁と共に、神埼は彼女へと向けて思わず叫んでしまった。
彼女がそう名乗らなかったとしても、その顔を忘れることが果たしてあろうか。それは幾つかの懐かしくも愛しい想い出と、最悪の悪夢を伴ってやっめくる。
彼女の雰囲気、立ち居振る舞いは、決して神埼の知る初瀬琴音のものではない。だが、それでも、ここに彼女の顔を持ち、ギャラルホルンを片手に握り締めるのであれば、どうしようもなく。

「何故ッ!!!何故――――貴女は、私達を裏切ったんだ、初瀬さん!!!!」

夜に降りる光の柱に、彼女の姿は消えていく。
それが晴れた時には……何処までも続いていく、呑まれるような夜の空が続いていく。叫びは答えを反響せず、その闇を打ち響くのみ。
それから――――水面へと、蜻蛉切が降りて行く。漂うイカロスの翼へと向かって。

「――――すまない、香坂。……一度、帰ろう」

無論、彼女の違反は咎められるべきものではある。その間に割り込んだことも決して間違っていたとは思えない。
だがそれを引き継いで、彼女を仕留めることができなかったのは神埼の落ち度であった。それ故の謝罪を口にしながら。
彼女が受け入れるのであれば、彼女の首から肩、足へと手を入れて、抱えてアイアスへと連れて行こうと試みるだろうが。

/乱入の許可ありがとうございました、ギャラルホルンさんも香坂さんもお疲れ様でした……!!
/ここから締めるかどうかは香坂さんにお任せします…!
283 : 不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/08(日)19:07:00 ID:aWR [5/5回]
>>281

彼女が自分に勝つことなど不可能だ。そんな無理難題を押し付ければ諦めもつくだろうと踏んだのだが……

「分かったならさっさとどっか――――……お前、今何つった…?」

了承したというのだろうか。こんな無謀なことを、勝ち目のない勝負に。
自分に勝つ気でいる?あり得ない、そもそも霊装すら持っていない彼女に負けるビジョンが見えない。そしてそれは生身でも同じこと。
百選やって百戦勝てる、それが西條夏鈴に対する不破雷火の評価だった。だからこんなことを受けるのが信じられず、初めて呆気にとられたような顔を彼女へと晒しただろう。

「…っ……勝手にしろ」

屋上から立ち去っていく彼女の背中が見えなくなるまで目で追う。
胸の中に言いようのないモヤモヤが広がり、そしてそれを誤魔化すために渡されたビニール袋の中身を一気に食べればそのまま雷火も屋上から姿を消した。

//凍結に応じていただきありがとうございました!こちらはこれにて〆となります、ロールありがとうございました!
284ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/08(日)19:44:04 ID:YUp [2/2回]
>>279

「本当の自分を、見てほしい?認めてほしい?
 あはぁ、贅沢ね、贅沢……ねぇ、それじゃあ本当の貴女って、なぁに?」

薄紅の瞳が見開かれて、揺れた。
羽織ったコートの袖の内側から、小さな機械音と共に現れた銀色の機械蛇。
それが氷夢井の肩へ、するすると纏わりつこうとしていた。

「本当の自分……素敵な響きね、ぞくぞくするわ。
 ひひ、ははは、例えばね……本当の私はね、滅茶苦茶にしたいのよ、何もかも」

ベルナ・アルベルタという少女は、成程確かに、怪物と呼んでも差し支えないかもしれない。
その精神性は、人のそれを明らかに大きく逸脱しているのだから。

「昔からね、お人形で遊ぶよりも、お人形を壊す方が好きだったの。
 音楽も好きだったのよ、皆が整然と音を鳴らしている時に、綺麗な旋律を私の音で滅茶苦茶にしてあげるのが楽しくて。
 小学生の頃には大好きな男の子がいて……でも、笑顔より苦しむ表情の方が素敵に思えたわ。
 あは、ひひはは、怪我をした時、痛い時、苦しい時はとても心地よかった、生きているって思えるの。
 それから……そう、アームズに壊された街や壊れた人を見つめていると、興奮で胸が張り裂けそうだったわ。
 ねぇ、ねぇ、ねぇ、貴女はどう?」

ラグナロクに於いても特に異端に分類され。
組織に属していながらあくまで個人主義、己の意志によってのみ動く。
故に、蛇の霊装すらも容易く見せて、そして問いかけた。

「貴女は自分を見てほしいというけれど、貴女は誰かを見ていたかしら。
 本当の自分を見てほしいなら、本当の私も見てくれなくちゃ、認めてくれなくちゃ。
 ねぇ、ねぇ、ねぇ……それが『平等』というものでしょう?」

//こちらも時間合わせられず申し訳無いです……キャラがキャラなので色々と問題あるかもしれません、気になる点等ございましたら都度お伝えください……!
285香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/08(日)22:22:32 ID:wmA [2/2回]
>>280>>282
この霊装が放つミサイルは基本的に全て誘導制御された状態にて操作されている。
だがその矛先が全て敵にぶつかるとは限らない。逸れたミサイルが市街地に着弾し、決して少なくない被害を与える可能性は十分にある。
それを少女が気にする事は無い。ミサイルを放つ際の少女は、大抵の場合アームズを仕留める事で頭がいっぱいなのだから。
自らの行いが、戦闘によって家族を失ってしまうという過去の自分と同じ不幸な人間を生み出すかもしれないというのに。

「ああ、クッソ……アイツに逃げられる……!」

霊装の駆動系を損傷し、自らも左腕の傷が完全には癒えていないこの状態では彼女を見送る以外に他はない。
海面で揺られながら光の中へ消えていく彼女を睨みつけるその目は、憎悪や嫌悪感、さまざまなモノを含んでいた。

「……遅かったじゃないか千華。私を墜としてくれなきゃもっとよかったんだけど、ちょっと高望みしすぎたかな?」

海面に叩き落とされた際に頭を冷やす事が出来たのか、神埼が降りる頃には、アームズと向き合う際の少女の面影はすでに無く。
すっかりと大人しくなった普段通りの香坂ミナミが、優雅には見えない漂流生活を過ごしているのが見えるだろう。

「知り合いみたいだったね。あの人、初瀬……だっけ。ここから逃げ出す前からこんな感じだった?」

どうせこのままでは板切れのように海面に浮かぶくらいしか出来ることは無い。泳ごうにも背中の霊装が邪魔で仕方ない。
抵抗しようにも出来ないまま、彼女に抱え込まれ、いわゆるお姫様抱っこの形で持ち上げられる事になるだろうか。

「非常時だってのは分かってるんだけどね、流石にこれはちょっと恥ずかしくはないかな」

言葉では冗談のように言いながらも、少女の視線は先ほどギャラルホルン、いや初瀬琴音が消えた柱の方向へ。
その先は闇夜の中に時折見える、山岳に立つ鉄塔の誘導灯が赤く光るのみ。彼女の姿は何一つとして存在していない。
今回は逃がしてしまったが、次こそは必ず止めなければならない。彼女の、奴らの企みを。

「……うん、続きは帰ってからゆっくり話そっか」

「ところで……さっきの罰は軽くするって話、本当にやってくれるんだよね……?」

//ではこちらはコレで〆ということで。
286名無しさん@おーぷん[] 投稿日:19/12/08(日)22:32:15 ID:Dgo [1/1回]
みなさんちょっとロールを辞めてもらっていいですか?
みなさんの中に荒らし、つまり、エリナがいる可能性があります
僕の指示に従ってエリナを排除してください

指示1
全員個人で普段使いのメールアドレスを公開
やましいことがなければ、はっきり言って簡単にできるはずです

指示ニ
ロールまとめ、商業利用しようとしている意見を匂わす人はエリナなので排除するべき

指示3
夜23時、朝4時くらいに書き込みする人はエリナの可能性があります
エリナが書き込みしない時間帯でロールしないとエリナと区別つかないのでそうしてくれ

指示3
他人に迷惑をかけたやつは謝罪するまでロールをゆるすなよ
287 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)23:09:40 ID:XQM [6/8回]
!aku286

★アク禁:>>286
288 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)23:44:31 ID:XQM [7/8回]
>>285

「……すまない」

ギャラルホルンの存在自体に心を乱されて、冷静な判断が出来なかったのは間違いない。
対峙するならば、火力支援役である香坂ミナミが居たほうが間違いはなかった……こればかりは取り乱したし、焦り過ぎた面もあっただろう。
珍しく、消極的に彼女への謝罪を繰り返し。

「……いや。“初瀬さん”はああじゃなかった。変なところもあったけれど……良い人だった、誰かを傷付けるために……アームズを操るなんて」

その言葉の節々に幼さが垣間見えるのは、過去を遡っている証だった。
お調子者ではあったが、少なくとも義に欠けるような人間ではなかった。ましてや市井の人々を、霊装の力で陥れるなど。
そんなことがあれば、真っ先に怒りに駆られるような、あの人はそういう人間だった筈だ――――何故、味方同士での殺し合いに至ったのか。
その後に何があったのか、神埼にも分からない。

「非常時だと言っているじゃないか。甘んじて受け入れるが良い」
「語るべきことは山ほどある――――私が撃墜したようなものでもあるからな」

彼女自身、冗談で言っているのは分かっている――――それ故に、神埼自身も冗談でそれを返した。
実際、こうして抱えて帰ったほうが、彼女の回復を待つよりかは早いだろう。少女を抱えるのに、俵のようにというわけにもいくまい。
……そして、香坂ミナミにとっての一先ずの懸念事項に対しては。

「……」

無言を答えとすることだろう。無論神埼なりの冗談である。
実際には、彼女の説明次第で罰はある程度軽減されることだろう――――ある程度は。

/それではこちらも〆で!!ありがとうございました……!!
289◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/08(日)23:55:35 ID:XQM [8/8回]

「ふっ……ふっ……はぁー……はぁ……!」

海岸の堤防沿いは、老若男女を問わずジョギングや犬の散歩等のコースに設定されやすい。
今回の場合もそうであった――――学校指定のジャージを着て、バタバタと堤防沿いのコースをジョギングしているのであった。
靴は特に運動用というわけでもないスニーカー、走るフォームもお世辞にも良いとは言えない、その持ち主は西條夏鈴その人であった。
先日の一件で、霊装使い相手に「勝ったら言うことを聞いてもらう」という言葉を吐いてしまったわけだが――――

「はぁ……全然ダメだなぁ……!!」

既に息も絶え絶えに、その速度を緩めて立ち止まる。
体を鍛えるつもりでやっている、のであるが元々ただの女学生であった夏鈴である……運動部という訳でもなく、体力面を見るならば。
一朝一夕で体が作れるはずもない。事実こうして少しのジョギングでもバテてしまっている、これでは霊装使いには到底……といったところだろう。
そもそも、霊装を持っていない時点で、彼女達と喧嘩して勝てる道理は無いのだが……。

「……何もしないよりは、マシだと思うんだけど……」

とは言え、こんな調子だと一体どれほどかかるのやら……とも。
立ち尽くしながら、取り出したタオルで汗を拭いて……その横を何処かの運動部が、走り去っていった。

/絡み待ちです!
290氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/09(月)14:12:23 ID:z8k [1/1回]
>>284

「霊装っ……!?」

腕を這う蛇の冷たさに、目を見開く。
アイアスの後方支援を行う部署の一員として、また彼女の能力・任務性質上アイアスの霊装使いの顔はほぼ一通り知っている。
彼女の顔はその中にはない……となれば、導き出される結論は一つ。

「……ラグナロク」

アイアスにいたころは、霊装使いやアームズと直接やり合うことはなかった。
そして結花に、それらへ対峙できる戦闘能力はない。
生殺与奪を握られているという事実に、彼女が語るまるで理解ができないことに、恐怖を通り越して現実味が感じられなくなっていく。

「……は……あはは、は」

ストレスを緩和するための生理的反応か、ひきつった不器用な笑顔を見せる。
━━━━━何もかもが出来すぎている話にしか思えない。これは夢。悪夢。
 
「……誰かを見ていたか、なんて。ずっとずっとずっと、見てたに決まってたじゃないですか」

ひきつった表情のまま呟くと、ゆっくりと結花の身体が変化していく。
髪の長さが、顔立ちが、体つきが、本来の結花のものへと回帰していき、それが結花もまた霊装使いであることを示す。
眼鏡と服、結う必要のある髪型の部分で差はあるが、最初に会ったときと同じ、彼女本来の姿。
━━━━━これが夢なら、願いを言ってみるくらい、いいよね。

「アイアスじゃずっと誰かを見て、誰かになって、誰かの代わり……私自身のことなんて、誰も見てくれなかった」
「覚えてないかもしれないですけど、初めて会ったあの時から、貴女が羨ましかったんです」
「私にないものを一杯持ってて、私が考えもしなかったことを一杯考えてて。それに、私自身のことを見てくれた」
「『平等』なんかじゃないです……本当の私を見てもらいたいのと同じくらい、貴女のことももっと知りたい。貴女みたいに強くなりたい」

ラグナロクの一員である彼女にこんなお願いをしたら、後戻りはもうできないだろう。
けれど、不思議に後悔のようなものは感じられなくて。

「頑張って、貴女のことを知ります。理解していきます」
「私から貴女にあげられるものは、何もないと思います。けど、聞かせてください」
「━━━━『不平等』でも、いいですか」


//いえいえ、すごく楽しませていただいております……!
//こちらこそ問題点があったらおっしゃってください
291ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/09(月)17:39:05 ID:Sel [1/1回]
>>290

「きひ、ひゃは、きゃははははははははは!」

見開かれぎょろぎょろと揺れる薄紅色の端から、頬へと向けて微かに血が伝った。
頬に触れていた手は氷夢井の首まで降り、彼女に抵抗が無いのならばそのまま静かに喉元を撫でる。

「あはぁ、あははは、裏切り者さん、私がラグナロクだってもう分かっているでしょう?
 本当の自分を見てほしい、見てくれないならもう知らない……ひひひ、素敵ね素敵、素敵な我儘……私ね、貴女みたいな人が大好きよ。
 この前会った時よりも、今の貴女の方がとても魅力的。
 喉を潰してあげたいわ、目玉を刳り貫いてあげたいわね」

紅潮した顔と嬉しそうに漏れる吐息、しかし瞳からは血の涙を流し、その言葉は殺意に満ち溢れ、且つ全てが真意の音色を宿す。
心の底から楽しそうに嬉しそうに、今にも躍り出しそうな程に。

「嬉しいわ、嬉しい……きっと気に入ると思うわ、ラグナロクってとても楽しいのよ!
 大好きな人も沢山いるの、だからね、貴女みたいな人が増えることも嬉しいわ!」

銀の蛇が袖の内へと隠れ、薄紅の瞳がゆっくりと閉じる。
すんすんと鼻を鳴らし、肩を揺らして笑った。

「ふふふ……それじゃあまずは、お風呂にでも入る?」
292 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/09(月)21:44:19 ID:dyN [1/1回]
>>289
/これで絡み待ち中です!
293氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/10(火)03:40:47 ID:jxi [1/2回]
>>291

理性的に、常識的に考えるなら、結花はまた一時のパニックに任せて「やってしまった」ことになるのだろう。
彼女の言うとおり、今の結花は我儘な理由での裏切り者に他ならない。思春期のコンプレックスからテロ組織の一員になるなど、正気の沙汰ではない。
教官であった神埼が今の結花を見たなら、歯を剥いて首を斬り飛ばしに来るだろう。

「……そう言ってくれるのは、嬉しいんですけど……ちょっと、恥ずかしいです」
「目を潰すのは、出来ればやめてもらえませんか……貴女のことが、見れなくなっちゃいますから」

しかし、奇妙なほどに清々しさと満足を感じていた。彼女の言うことは、痛め付けたいという欲望も含めて真実だと言うことはわかっているのにも関わらず、震えることもなく安らぎすら覚えている。
彼女の奇妙さに慣れたのだろうか。
それとも、結花の方がそれに当てられて、狂ってしまったのだろうか。
不安定な状態から解放されたからだろうか。
失ったものより、ずっと求めていた得たものが大きいと感じたからだろうか。
結花自身、よく分からなかった。

「貴女がそう言うなら、きっと凄い人が一杯なんでしょうね……」
「あ……入れてもらえるなら、そうしたい、です」

鼻をならしたのを見て、自分の身なりを見返すと、ひどい有り様だ。
思い返せば、最初の数日間こそ銭湯やネットカフェなどでシャワーを使っていたが、追跡が激しくなるにつれてそんな余裕はなくなっていった。
結花とて女子、出来ることならば清潔でありたい。彼女の提案は、有り難いことだ。
彼女が先導すれば、その少し後ろを付いていくだろう。

「そう言えば、名前、言ってなかったですよね。氷夢井結花……氷の夢に井戸の井、結ぶ花の結花です。その……良ければ、貴女の名前、聞いてもいいですか?」
294ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/10(火)10:57:54 ID:0Fi [1/1回]
>>293

「ひひ、ひひひ」

両腕を垂らし、深い猫背、手首の小さな傷はほんの少しずつ塞がり始めている。
けらけら楽しそうに笑いながら、先導し向かうのは廃ホテルの一室で。

「ベルナ、ベルナ・アルベルタ……ひひ、ゴルゴンよ。
 私の服は合うかしら、きひぁは、変身出来るならサイズは大丈夫かしら?」

ラグナロクの隠し拠点として、生活に必要な最低限の設備は整えられていた、扉を開けた先には簡易的な風呂場がある。
どうしても吹き込んでくる風や、大胆に崩れた壁にさえ目を瞑れば、ここで生きていく事には苦労はしない筈。

「アナスタシアに連絡しなくちゃ……お友達が増えたわよ、って」

//この辺りで〆る形でどうでしょうか!
295不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/10(火)13:27:07 ID:YOg [1/5回]
街外れの廃工場、そこでアームズの出現反応が出た為に今回は雷火が現場へと出向いていた。
謹慎明けとは言ってもただのアームズ相手に苦戦することは特になく、ただいつものように廃工場はめちゃくちゃな破壊痕が残ったが無事殲滅は完了した。

「…………」

ふとちらつくのは以前の夏鈴との会話。
どうやら彼女は自分に勝つつもりでいるらしい、自分の霊装も持っていない彼女がだ。

「……クソがッ」

ガンッ、と鈍い音が響き渡る。雷火が隣の柱を思い切り殴ったらしく柱はへしゃげてぐねりと曲がっていた。
雷火の霊装はとにかく破壊力の塊である。霊装装着時の今ならば尚更、装着していなくてもある程度の恩恵は得られる。そんな自分に勝つつもりである彼女の姿が雷火には酷く苛立たしく写っていた。
霊装も使えない者が自分に勝とうとするなど無駄な努力、無駄な時間だ。だからこそ余計に苛々は募るばかりで。

//絡み待ちです!
296トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/10(火)18:32:40 ID:e2v [1/5回]
>>295

「そんなに怒ってどうしたのかなァ?」

ケラケラと笑いながら現れた少女はいつの間にか瓦礫の上に座り彼女を見下ろしている。
菱形の瞳や纏う雰囲気にはどこか違和感を覚える事だろう。
もしも彼女にアームズの反応を感知する手段があるのならば目の前の彼女からは微弱ながらも反応が見られるだろう。

「全く酷い有様だねコリャ……
…いつもこんな感じなの君?」

瓦礫から飛び降りるとアームズの破片をいくつか掴み取り、呆れたように言葉を放つ。
297不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/10(火)19:10:06 ID:YOg [2/5回]
>>296

「あァ…?」

他に誰かアイアス所属の霊装使いが向かったという報告はない、ならばラグナロクか?
しかしそんな考えは感じる違和感によって否定される。この違和感、そして感覚はまさに――――

「ッ――!!」

いつの間にかその手には巨大な槌が握られており、そして声の主へと有無を言わさずそれを投擲。
違和感もあったが、何よりも今はタイミングが悪かった。今の雷火のその機嫌の悪さはまさに折り紙付きで。
実際、アイアス所属の霊装使いに目の前の女は見たことがない。もしもラグナロクなのであれば間違っていないし、たとえ違ったとしてもこんなところに来る時点でろくな奴ではない。
ようは、ただの当てずっぽうでの先制攻撃だ。
298トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/10(火)20:22:45 ID:e2v [2/5回]
>>297

「んー…?、うわァ!?」

まさか言葉も無しに攻撃を仕掛けてくるとは予想がつかなかった、ギリギリの所で飛び上がり避ける。
その跳躍は軽く2メートルを超えもはや人間業とは呼べないものだった。

「…は?あり得んわー…ボクがただの人間だったら死んでたよ、今ので」

アイアスとは人を守る存在では無いのか、それとも自分を瞬時にアームズだと見抜いたのか、どちらにしろいきなり攻撃とは予想外の事で、ケラケラとした笑いも消え失せる。
299不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/10(火)20:46:55 ID:YOg [3/5回]
>>298

「ならただの人間じゃあねぇみたいだな、これなら私の判断は正解だったってわけだ」

その口振りから女の正体を見破っているわけではないということが分かるだろう。ただそれでも躊躇なく攻撃を仕掛けてくるあたり変な期待は見込めないだろう。
投擲した大槌は背後の壁へと大きな音を立ててめり込んで。

「どうせ敵なんだろ?あぁそうだ、そうに決まってる。ラグナロクの連中か、それとも別の何かかは知らねぇが――――」

「今の私は機嫌が悪いんだ、だからさァ……さっさと死ね」

刹那、動き出せば女との距離を詰めて問答無用とばかりに拳を振りかぶりこの顔面へと素手での一撃を加えようとするだろう。
300トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/10(火)21:15:24 ID:e2v [3/5回]
>>299

「はは、それもそうか、やっぱり君たちみたいな霊装使いは一味違う…ボクからすれば異常だよォ…!」

今まで無作為に襲っていた一般の人間とは明らかに違う少女達、このアームズから見ればそれは異常にも見える。

「もっと君たちの事知りたいなァ…だったらこれが1番だよねェ…!?」

顔面へ彼女の拳が迫る、その刹那、炸裂音が走る。
少女は指鉄砲の構えを取り彼女に向けて発砲したのだ。


301不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/10(火)21:37:49 ID:YOg [4/5回]
>>300

「気持ち悪りぃなぁ…見た目は人間だが人間にはとても見えねぇ……てめぇみたいなのはぶっ飛ばすに限るッ!!」

明らかに異常、少なくとも普通の人間ではないことは明らかだ。それに友好的にも見えない。
難しいことを考えるのは自分の仕事じゃない。目の前にそれが現れた以上、自分がするべきことはただ一つだ。

「ッ……!」

それでも戦闘の勘についてはピカイチだ。
少女のその指鉄砲の指の形。ただ遊びでそんなことをしているとは思えない、ならば何かの能力か。
とにかくこのままではまずいと直感したのか即座に身体を逸らしてその射線上から逃れたのならそのすぐ後にさきほどまで身体があったそこに銃弾が走る。
それを見たならすぐさま後ろへと飛び退いて距離を取って。

「…………てめぇ、一体なんだ?霊装使いじゃあねぇだろ、答えろ」
302トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/10(火)21:55:01 ID:e2v [4/5回]
>>301

「気持ち悪いだなんて心外だなァ…へぇ、これを躱すんだ…中々やるね」

一連の判断とそれからなる動きには流石と言った所か、彼女が如何に戦い慣れているのかが見て取れる。

「ボクがなんだって?今更それを聞くのォ?
う~ん……ヒントはコレだよ~…分かるか…なッ!」

と言って拾い上げるのは彼女が先程撃破したアームズの破片、それを数秒見せつけると騙し討ちと言わんばかりにいきなり投げつける。
それと同時に先程の指鉄砲を3発、眉間、鳩尾、腹部を狙い発砲する。
303不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/10(火)22:19:07 ID:YOg [5/5回]
>>302

「……あぁそうか、お前"アームズ"か」

投げられたアームズの破片。しかしその騙し打ちにまるで反応する様子はなく、むしろ静かに少女を見つめて。

「――――殺す」

地面を思い切り踏み抜けばコンクリートの大小様々な破片が雷火の周囲に飛び散る。霊装を装備していて、更に雷火の霊装の特色はその破壊力。常人でならあり得ないだろうその力を駆使したコンクリートの破片の壁は弾丸を防いでみせた。

「来い……ミョルニルッッ!!!」

雷槌ミョルニル、この武器にはとある特性がある。
それは投擲したとしても持ち主の手元に必ず戻ってくるというものだ。そしてさきほど投擲したミョルニルと雷火のその直線上に少女の姿はあり。
もしも少女がそれに気付かなければ背後からさきほどの大槌が襲い掛かってくることだろう。

//すいません…今日はこれ以上のロールが厳しそうで…凍結をお願いしてもよろしいでしょうか…?
304 : アナスタシア◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/10(火)22:20:43 ID:wN1 [1/3回]

「――――アームズが霊装と成り得なかった無名の武器であるとするのであれば」

ラグナロクが有する空中要塞は、最先端の霊装技術によって存在を隠蔽されている。
勿論、ラグナロク内にも天才的な技術者を有するが、それとは違う何者かによる技術提供と資金提供によって、それは成立している。
とは言え限界は存在する……例えば補給のためにも、研究のためにも、降りることもあり、現在がその状態だった。
天使の遺骸近く――――そこで光学迷彩による偽装を施し停泊させ、要塞下部の格納ハッチ兼研究施設内にて、アナスタシアは研究の最中にあった。

「大型のアームズを、此方が“霊装である”と認識することが出来るのであれば……その力を霊装と同様に纏えるのではないか」

……ラグナロクには個人的な思想が目立つ人間が多い。
ギャラルホルンにしてもそうだ。彼女は彼女なりに動いている部分がとても大きい――――そしてアナスタシアも同様に、独自に動いている。
必要なのは“世界を変える力”。そのためにはより強力な力が必要になってくる――――

「立証のためには、適合者が必要ですね。適性があって、それでいて何の霊装にも適合していない……」

その役目は誰に任せるべきか。
ベルナ・アルベルタか、ギャラルホルンか、それとも自分自身か――――情報を持つ人間が居るならばそれが一番良いが。

/絡み待ちです……!
305 : ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/10(火)22:22:13 ID:wN1 [2/3回]
「――――アームズが霊装と成り得なかった無名の武器であるとするのであれば」

ラグナロクが有する空中要塞は、最先端の霊装技術によって存在を隠蔽されている。
勿論、ラグナロク内にも天才的な技術者を有するが、それとは違う何者かによる技術提供と資金提供によって、それは成立している。
とは言え限界は存在する……例えば補給のためにも、研究のためにも、降りることもあり、現在がその状態だった。
天使の遺骸近く――――そこで光学迷彩による偽装を施し停泊させ、要塞下部の格納ハッチ兼研究施設内にて、アナスタシアは研究の最中にあった。

「大型のアームズを、此方が“霊装である”と認識することが出来るのであれば……その力を霊装と同様に纏えるのではないか」

……ラグナロクには個人的な思想が目立つ人間が多い。
ギャラルホルンにしてもそうだ。彼女は彼女なりに動いている部分がとても大きい――――そしてアナスタシアも同様に、独自に動いている。
必要なのは“世界を変える力”。そのためにはより強力な力が必要になってくる――――

「立証のためには、適合者が必要ですね。適性があって、それでいて何の霊装にも適合していない……」

その役目は誰に任せるべきか。
ベルナ・アルベルタか、ギャラルホルンか、それとも自分自身か――――情報を持つ人間が居るならばそれが一番良いが。

/>>289>>304と併せて絡み待ちです……!
306 : ベアトリクス◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/10(火)22:27:15 ID:wN1 [3/3回]

「つまんねえ……」

ラグナロク構成員であったベアトリクスは、未だにアイアスの独房内に囚われたままの時間を過ごしていた。
監視は継続されていながら、大きな動きが起こるでもなく。生かさず殺さずとずっと捕らえられたまま。
霊装を封じる首輪も外されることはなく、結局ベッドの上で毛布に包まっているままであった。

「殺すなら早く殺しちまえよってんだ、なんだったらこっちから仕掛けてやろうか……?」

ベッドの上には大皿が一つ、中にはナポリタンが一人前入っている。
それを、グーで握り締めたフォークで行儀悪く啜っている――――時折ベアトリクスは、自殺でもするかのように破滅を求める。
持っているフォークを、もしも世話をする職員に突き刺しでもすれば。運良く殺せでもすれば。
状況は、どうあれ動くだろう……なんて思いながら、その先端をパスタへと突き刺した。

/こっちでしたすみません!!
307トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/10(火)22:46:03 ID:e2v [5/5回]
>>303

「怖いねェ…まるで害虫扱いだ」

彼女がこんな騙し討ちで倒せない事など想定内だ。
先程見せた戦闘のセンスやアームズを大した傷を負う事なく殲滅する能力の高さ、一筋縄ではいかない事など分かりきっている。


「でも甘いなァ、そんな借り物の力でボクに勝てると思ってんの?」


跳躍し宙返り、それと同時に人差し指にメッシュを巻き付け、引く。
炸裂音と閃光が走り少女は姿を消す、否、姿を変える。
全身に銃器を装備した金属質の肉体、顔全体を覆った
バイザー、その姿は正にアームズ。

「ここからさ、君達とボクらの戦いは…!!!」

計10本の手指を雷火に向ける。
予想は出来るだろう、先程の指鉄砲と同じ攻撃だ。
炸裂音が響く、だが今回のそれは大雨の様に連続したもの、そう、彼女の両腕は進化したのだ。拳銃から機関銃へと。

//了解です
308 : 氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/10(火)23:02:20 ID:jxi [2/2回]
>>294

「ベルナさん……素敵な名前、ですね」
「大丈夫です、私が合わせますから」

彼女のサイズの目測はとっくの昔に立てている……何故かと聞かれれば、先日のやらかし故に口をつぐまざるを得ないのだが。
どんな服を渡しても、ぴったりと着こなして見せるだろう。
住み処も、ここ数日のことを考えると贅沢は言えない。

「今度、ラグナロクの皆さんに挨拶、しなきゃ……」
「……これから、よろしくお願いします、ベルナさん」

彼女が望む自分になれるか、それともアイアスへのそれと同じ失望を繰り返すか。
それはまだ分からない……が、ベルナへ向けられる視線には、確かな期待が宿っていた。

//そうですね、こちらも〆で
//転機に付き合っていただきありがとうございました、うちの子使ってなにかやりたい展開とかありましたらお気軽におっしゃっていただければ
 
309香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/11(水)01:42:58 ID:Zte [1/2回]
>>289
「よっ、ほっ、ほっ、と。キミ大丈夫?相当しんどそうじゃない?」

次々に彼女を追い抜いていく運動部の列の最後尾から、恐らく彼女からしても聞き覚えのあるであろう声が聞こえて来るだろう。
学校指定の物とは異なるデザインのジャージに身を包み、彼女のすぐ隣で足踏みを続けるのが、その声の主。

「っておや、誰かと思ったら基地で見た顔じゃないの。えっと、夏鈴…だっけ?」

彼女もこの少女の顔に見覚えがあるだろうか。彼女のような新人霊装持ちの教官に、指導中問わず時折声を掛けに来る乱入者の一人。
この少女こそ、アイアスの交戦規定違反の常習犯、香坂ミナミである。
先日の戦闘の後に自らの犯した交戦規定違反の罰を受けこってり絞られてからの復帰である。

「随分と熱心だね。なんだかんだ言って身体鍛えとかないとやってられないからね、この仕事」

この少女も、霊装を操り前線に赴く過程上、同年代に比べるとよく鍛えられていると言っていい。
それにこの霊装の場合は過酷な空中機動に適応しなければならない以上、必要となる筋力はさらに多くなると言っていい。
どちらにせよ、この程度は霊装乗りには出来て当然なのかもしれないが。

//時間が時間ですので返信は明日以降になりますがよろしければ
310不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/11(水)16:52:36 ID:GW7 [1/3回]
>>307

「まるで?害虫そのものだろうが、存在そのものが害そのもの……ッ!」
「借り物って言うならやってみるか?すぐにその借り物とやらでぶっ壊してやるよッ!!」

避けられればミョルニルは雷火の手中へと戻る。
大槌を携えるその姿こそが本来の姿、対する相手はさきほどまでの人間のような姿とは違う、全身に銃器を纏ったアームズの姿へと。

「ちぃッ…!」

あれほどの数の攻撃は流石に避けるのは難しい。周囲に遮蔽物もなし、ならば。
地面を思い切りミョルニルで撃ち抜けば轟音と共に砂埃が雷火の姿を隠す。そしてその砂埃へと降り注ぐ銃弾は生身に当たるときのような感触や音は聞こえてこない。代わりに聞こえるのは何か弾かれるようなそんな音。
瞬間、煙の中から飛び出してきたのは人一人分の大きさはあるだろうコンクリート。よく見れば銃弾を浴びたような跡がありこれで銃弾を防いだということが一目で分かるだろう。
それが少女目掛けて放たれ、そして少女の元まで飛ぶ途中半ばでそのコンクリートは砕け、その奥から姿を見せたのはミョルニル。
コンクリートで視界を阻みながらの不意を突く攻撃。煙が晴れてきた頃雷火の姿が見えたならその身体にはところどころから血が流れているのがわかる。
いくらコンクリートとはいえど当然弾丸が貫通もする、完璧にダメージを防ぐことは出来ないのは当たり前、それでも咄嗟の判断にしては十分か。
311西條夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/11(水)21:32:17 ID:kd4 [1/2回]
>>309

「あ、あなたは……えっと、香坂さん」

疲れ果てている最中に、聞こえてくるのは、覚えのある声だ――――確か彼女の名前は。
命令違反の常習犯。よく教官に怒られているのに、よく教官に絡みに来る……それも時間を問わずにやってくるような霊装使いの一人。
先日も、詳しいことは知らないが、何かしらをして絞られたとは聞いたが――――まさかこんなところで出会うとは何たる偶然だろう。

「あ……はい、西條夏鈴です。新人の……」

入って三ヶ月の新入りで、現状霊装使いではない自分が、まさか覚えられいるとは思っていなかったため、多少面食らいつつも。
彼女に関しては、古参の霊装使いであると聞いている。疲れてはいるが、少し方を強張らせながらも、あがった息は誤魔化せない。
顔を紅潮させながら、胸は大きく上下して。

「あはは……そうですね。私も、守られてばかりじゃいられませんから」

霊装使いの仕事は正しくこれ以上無いほどに体が資本だ。
彼女のように最前線で戦うのであれば、相当に鍛え込まれているだろう――――彼女の場合は、その中でも特別そうなのだろうが。
それにしたって、鍛えるとは一朝一夕で出来るものではない。

「強くならないといけませんから……戦えなくても……なにかしておかないとっ」

西條夏鈴は未だに適合する霊装の存在しない候補者だ。
通常、霊装への適性値が高ければ高いほど選択肢は広がる。低ければその逆を行くために、適合する霊装はまだ見つかっていないが……。
……同じ霊装使いに対して、勝つと豪語した為、鍛えているとは言えなかった。
とは言え、これではどう考えても間に合わないのは分かっていることなのだが。荒い息には、多少の溜息が混じる。

/遅くなりましてすみません、是非お願いします……!!
312トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/11(水)22:35:03 ID:rJ3 [1/3回]
>>310

「フフッ…小癪だねェ~、でもそんな小細工がいつまで保つかなァ~?」

手応えという手応えは無いが銃弾を撃ち続けるのは牽制の為、そして何かを盾にしているであろう彼女も撃ち続ければ限界が来るだろうという算段のもと行なわれている。

「…!、盾を捨てるのォ?大胆に出たねェ!」

銃撃痕のあるコンクリートの盾、自身に向かってくるそれを攻撃だと判断する。
腰に携えた二丁の拳銃を抜くとコンクリートへ向ける。

「え」

その刹那崩壊するコンクリートは自身の攻撃によるものではなく、その正体を確認できた頃には、彼女はミョルニルによる攻撃で吹き飛び壁に激突した後だった。

「い、痛いィ…」

ヨロヨロと壁に手をつきながら立ち上がる。





313 : トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/11(水)22:35:22 ID:rJ3 [2/3回]
//遅れましたがお返しさせていただきます
314不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/11(水)23:16:20 ID:GW7 [2/3回]
>>312

「肉を切らせて骨を断つってな…見事命中…!」

隙を生じぬ二段構え、コンクリートとミョルニルの速度はミョルニルの方が当然上。コンクリートの速度を事前に認識していたのならそこから飛び出してくるミョルニルに反応は困難だろう。
ミョルニルは命中すればすぐさま雷火の元へと舞い戻りその手へと収まる。
そして壁へと激突したその姿を見ればすかさず追撃へと入る。

「第一段階…解放…ッ!!」

刹那、ミョルニルに巻き付けられていた一部の鎖が砕け散る。ミョルニルはさきほどまでとは違い雷を纏い始めその出力は明らかに上昇している。
そうして少女との距離を縮めれば追撃の一撃の為にミョルニルを振るって。
315香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/11(水)23:16:35 ID:Zte [2/2回]
>>311
「お、そういえばちゃんと名前言ってなかったよね。結構千華が言ってるだろうから知ってるかもしんないけど」
「そそ、私が香坂ミナミ。私のほうが結構先輩になるかな?」

「いい心がけだね、関心関心。私たちまでとは言わないけど、前に出るつもりならやっといて損はないよ?」

霊装乗り、特にアイアスに属する者は日々学園での部活や基地内の施設で心身共に高め合っているという。
やり方は各々の赴き次第であり、人によっては部活生に交じって走り込み等の自己鍛錬に励む者もいる。この少女もそう。

「まあその、そこまで焦る事は無いと思うんだけどね。こういうのって人によってペースとか趣味とか違うしね」
「私はこういうのが好きだからやってるんだけどさ」

彼女とは異なり、直前まで走り込みを続けていたにも拘らず、息の上がった様子もなく普段と変わらない様子で語り掛けている。
基礎体力の差も、霊装候補の有無の差を生み出しているのかもしれない。実際上位の人間はよく鍛えられた体力お化けである割合が多いと言われている。
入りたての頃はひたすら神埼に負けじと鍛えようとしてたなー、なんて事を思い出しつつ。

「いいんだけどさ、なんで急にやる気になったのかな。最近まであんまりこの辺走ってなかったよね?基地のトレーニング施設飽きちゃった?」
「霊装も早めに適正見つけとかないと、後になって専用訓練始めるの結構しんどいからねー」

立ち話も長くなってきたので一度足を止め、屈伸などのストレッチを息継ぎと共に続けている。
千華にちょっかいを掛けに行く際に彼女を含む候補生の事も見ていたが、なかなか彼女に関しては苦労しているような姿を見た覚えがある。
彼女が、自身の事を気にしているのが本当であれば、随分と真面目なんだな、という印象を受ける事になるだろうか。

「……どうしたの?悩み事?」
316トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/11(水)23:35:31 ID:rJ3 [3/3回]
>>314

(フ…フフ…な~んちゃって、アームズは痛みなんて感じませ~んよォ~だ)

雷火が迫る、だがこのアームズは痛がるフリをしたまま
動こうとはしない、ギリギリまで彼女を引きつけ、ミョルニルを振り上げようとしたその時だった。

「何を解放するってェ…!?」

手には二丁の拳銃が握られている。
それは単発式だが威力は先程の比にはならないほど高いという特徴を持つ。

「死ねよォ!!」

彼女がミョルニルを振り上げたと同時に引き金を引く。
狙いは腹部と右腕だ。
317西條夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/11(水)23:46:32 ID:kd4 [2/2回]
>>315

「はい、神埼さんが言っているのを聞きました……イカロスの霊装使いの……ですよね?」

霊装使いに関する情報は制限されているが、それでも職員にはある程度解放されている。
イカロスの翼の霊装使い、香坂ミナミ……神埼自身の口から、色々と彼女に関しては苦労しているという部分も聞いている。
そして、それ以上に信頼しているのか――――少なくとも、ただ苦労しているという訳ではないものも感じ取ることが出来る程度には知っている為。
彼女に関しては何となく、悪い人ではないだろうという印象があった。

「そうですね……まだ始めたばかりですから、皆とすぐ同じに、なんてなれないのは……分かってます」

西條夏鈴はかなり普通の女学生に近い。
アイアスに所属したのも三ヶ月ほど前の話で、訓練も未だに数えるほどしか受けていない――――のは、アイアス職員としての業務ばかりだからだ。
つまるところ、霊装候補者としてあまり期待されていない……彼女のように鍛え上げられた身体も無ければ、天性の才能があるというわけでもない。
例えば神埼千華などは、彼女の知る通り……始めたばかりで既に体力面だけは無尽蔵にあるほどだったのだが、残念ながら夏鈴にそれはなく。

「それは……トレーニング施設は、私なんかが使って良いのかな……って思っちゃって」
「まだまだ体力もついていませんから、まずは基本的なことからやっていかないと、って」

トレーニング施設は基本的に誰でも使用していい――――が、それでも基本的には霊装使いが使う場所である。
一部職員が使用していることもあるが、西條に関してはほとんど素人も同然である。
先ず基礎体力を付ける部分から出来ていない、適合する霊装を見つけてもいない自分が、前線に出る彼女達の邪魔をしてはいけないだろうという遠慮。
それがこうして、外を走ってまずトレーニング、ということになる。

「……あ、えっと……分かっちゃいましたか?」

彼女の問いかけに、バツが悪そうにそう言った。
態度や表情に出ていたのだろう――――いらぬ心配をかけたことに、少し反省しながらも、問われたからには答えないわけにはいかない。
神埼千華が苦労をするのは当然のことで、本来西條夏鈴は候補生として招かれるような人物ではない……それは適性値を見れば明らかだ。
霊装はそれ一つ一つが非常に貴重な一品だ。あれもこれもと手に入れて、試すことが出来ないわけでもあり。

「勝負に勝ったら言うことを聞いてもらう、って約束しちゃったんですけど……その人、とっても強い人で」
「おかしいですよね、霊装も持ってないのに……でも、出来ることをやりたいなって思って」

霊装を持っていたとしても、勝てるかどうかは分からないどころか、分が悪いような相手だ。
ちょっと鍛えた程度ではどうにもならないことは分かっているが、それでも諦めたくないと現在に至る……というのが、あらすじであった。
318不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[sage] 投稿日:19/12/11(水)23:46:38 ID:GW7 [3/3回]
>>316

「拳銃ッ…!?」

さきほどまでのような指鉄砲ではない、さきほどまでのは演技か。だがもはやここまで来れば動きは変えられない、あの銃弾は避けられない。

「ッ…関係、ねぇんだよッ!!!」

腹部と右腕、その両方に銃弾が着弾し、血飛沫が舞う。だがそれでも――――振りかぶった手は緩めない。
被弾覚悟の特攻。アドレナリンのおかげか痛みは感じない、この一撃に賭ける。
血を流したまま、そしてミョルニルは少女を仕留めんと思い切り振り切られる。ただそれでも、銃撃による傷はやはり効いているのかその勢いは幾分か弱く、直撃したとしても致命傷にはなり得ない可能性は十分にあり得る。
319香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/12(木)03:07:20 ID:ZT9 [1/3回]
>>317
「まあ、積み重ねってのもあるよね。私も最初はしょっちゅう地面とか壁にぶつかってたもんね」

少女は彼女を霊装候補生として見ている。彼女の事を見ているのは訓練中にちょっかいを掛けに来る時程度で、置かれている現状を知らない。
つまり彼女がアイアスの職員として主に働いているという事実には目を向けていない。
だからこそ、自らの過去の経験を語り、あくまでも霊装所有者の先輩として、緊張を和らげようとしている。

「別に問題ないと思うけどね。むしろ私からすれば一緒にやってくれる人がいるだけでも大歓迎ーって感じで」
「ほら、あのトレーニング部屋って殺風景じゃん?ずっとアソコ居るのしんどくなってくるんだよね」

これだってそうだ。少女は霊装乗りであるが故に気兼ねなく施設を利用する事が出来ている。特に疑いもなく。
少女は誰でも使いやすいような空気にしようとしているが、その時点で認識に差異が生じている。

「……へぇ、それはまた随分強気に出たね」

胸の前で腕を組んで唸る。言い合いの延長線上で摸擬戦を、という話を聞かない訳ではないが、目の前の彼女がそういうタイプであるとは思わなかったから。
余程彼女にも譲れない物があったのだろう。決してその行為が悪い事だとは言わない。

「いいんじゃないかな。目標を高く持つのは良い事だよ。ちゃんと乗り越えなきゃいけないってのはあるけどね」
「私は応援するよ。キミの挑戦。どうせなら勝ってぎゃふんと言わせて、言う事聞いてもらおうじゃん」

だから少女は背中を押す。この少女も勝負事に関しては比較的寛容な方だ。特にチャレンジ精神豊かな者に対しては。
いーじゃんいーじゃんと首を縦に振っているのが何よりの証拠。

「じゃあ勝つために何から始めよっか?私で良かったら付き合うよ。セコンドとかにも付いてあげよっか?」
320トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/12(木)19:07:48 ID:cbA [1/4回]
>>318
「うっそ…ッ!?」

銃弾は確かに命中した、命中したのだがしかし、目の前の彼女は振りかぶった武器を落とすこともなく体勢を崩す事もなく、自身にそれを振るうのだ。

「ぐゥあァアアアアッ!!!」

自身の体を横から押しつぶされる様な感覚が襲う、痛みこそ無いが感じた事のない衝撃、バイザーは半分が割れ半身の銃器は滅茶苦茶に破壊される。
そのまま吹き飛んだ体は壁にめり込み、力なく倒れる。

「あァ…くそォ…なんだァ……気分が悪いィ…こんなの初めてだよォ…なんなんだァ…」

そのままヨロヨロと立ち上がるも半身は損傷が激しく、動きもままならない様だ。

321 : トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/12(木)19:23:13 ID:cbA [2/4回]
>>318
//すみません昨日は寝落ちしてしまいました…返信を置かせていただきます
322西條夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/12(木)21:24:20 ID:yzG [1/3回]
>>319

「積み重ね、ですか……」
「それでしたら、香坂さんが居るときは顔を出してみますね。やっぱり、ちょっと緊張しちゃうので……」

どことなく遠くを見ているかのよう――――彼女の言う、積み重ね以前の問題であることは自身でも分かっている。
彼女は決して悪気があっていっているわけではなく、寧ろ此方に気を使ってくれている……それでも、どことない焦燥感に駆り立てられる。
とある少女との約束がなくとも、適合する霊装がなく、今は戦いに向かう少女達を見送るしか出来ない現状を、厭でも考えなければいけないのだから。
とは言え、彼女の気遣いを無下にする気があるわけでもない。言葉通りに、彼女が居るときならば少しは解れるだろうと思って。

「あはは……戦うの、あんまり好きじゃないんです。だけど、今回は勝たなきゃ話を聞いてくれないって」
「だから、一度お話してもらうためにも……なんですけど……」

確かに、強気に出たのは間違いない。霊装使い相手に、しかも相当の手練を相手にだ。
彼女の言葉に、少しだけ不安ではあった。親しみやすさからついそんなことを話したわけだが、もしも教官の耳に入ったのであれば。
こってりと叱責を食らうことになるだろう。話をする約束も有耶無耶になるかも、なんて心配に思ったのだが。

「……あ、ありがとうございます!!とっても嬉しいです、セコンドは大丈夫ですけど……」

感謝と共に頭を下げた。
彼女は思っていたよりも強く肯定してくれた――――応援の申し出も、夏鈴一人ではいまいち何をすればいいか分からないところを。
付き合ってもらうのであれば本当に助かるところだ。一部申し出は遠慮することになるが……。

「えーっと……私、霊装も持ってませんし……何をすればいいか分からなくて……」
「香坂さんは、どうやって強く……どうしたら強くなれますか?香坂さんみたいに!」

/昨日は寝てしまっていました、申し訳ありません……!!
323不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/12(木)22:03:30 ID:qC2 [1/2回]
>>320

「は、ははッ…オラ、どうしたよ…?そういやぁなんか言ってたよなぁ…借り物の力で、なんだって?」

腹部と右腕の被弾した出血は止まらない。だがそれでも被弾していない左腕でズルズルもミョルニルを引きずり、足元がややおぼつかないもののゆっくりと彼女の元へと足取りを進めて。
その目は未だ衰えず、しっかりと彼女を睨みつけるように。

「私はっ…まだ戦えるぜ…?害虫がわざわざ人間様の姿で人間様の言葉を話しやがって…今すぐてめぇの存在ごと…!」

だがそれでもダメージが決して小さいわけではない。
戦えるとは言っているもののお互いに満身創痍、そんな状態だろう。

//返信置いておきます…!
324香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/12(木)22:15:55 ID:ZT9 [2/3回]
>>322
「なんか変わった約束してるんだねぇ……まあ、これでやる気になるんだったらいいんじゃない?」
「キミみたいに前に出てくれるのが増えると上の人らも千華も喜ぶだろうしね」

日に日にアームズやラグナロクによる襲撃は増えている。対抗するためにも霊装は居れば居るほど良い。
戦闘による消耗だけでなく、外部への人員の流出も少女らの知る範疇の外側で起きている現状では、尚更。

「あーそう、何使って争うかは知らないけどさ、出来るだけ上の人らにはバレないようにね。千華は特にね」
「私は何も言わないし漏らすつもりもないから安心して。その時は私が立会人にでもなってあげよう」

勿論の事だが、アイアス人員同士による私的な決闘行為は禁じられている。霊装を使ったのなら持ってのほか。
裏技として霊装乗りによる摸擬戦という形式を持ち出せば可能ではあるが、今回の場合は彼女が当てはまらないのでアウト。
完全な違法行為であるソレを実行するには、やはり周囲の目を盗んで行う以外に他は無いのが現状である。

「そうだね……じゃあちょっと私のでも見てみ……って、ココ街中だからマズいか……」
「ちょっとこれはまた今度基地に戻ってからって事で……」

手っ取り早いのはイメージを持ってもらう事だろうか。その為にこの場で自らの霊装を見せようとする……。
が、現在の居場所は学園周辺。さらに少女の霊装自体も比較的大型とくれば、この場で展開する訳には行かない訳で。
少しばかり翼の影が見えかけたが慌てて消失。この少女も、平時では普通に理性的なのである。

「んじゃ、代わりと言っては何だけどさ、ちょっと走り込み付き合ってよ。隣で話に付き合ってくれればいいからさ」

一言言い残し、彼女と合流するまでの続きとして走り込みの続きを始める事になる。
そのペースと言えば、同じように周辺を走る運動部並みの速度で走り抜けていく事になるだろうか。それも息を乱す気配もなく。
付いて来いとは言うが、そのペースについていけるかは彼女の根性次第。声を掛ければ歩調を合わせるぐらいはするだろうが。

//こちらも返信が極端に遅かったので申し訳ないです。
325西條夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/12(木)22:45:17 ID:yzG [2/3回]
>>324

「はい、私も一刻も早く……皆と一緒に戦いたいですし!」

彼女達の詳細な事情――――例えば人材流出だとか、その辺りの話を夏鈴は勿論知っているわけではないが。
他の霊装使い達が出撃している間、お留守番をしていることのもどかしさは人並み以上に感じていた――――送り出すだけでなく。
自身に力があれば、戦うことが出来る。今回がその切っ掛けになれば……と考えるのだが。

「何を使って……あ、そうだ、私なんにも考えてなかった……あ、はい、神埼さんには……」
「何から何まで、気を使っていただいて申し訳ないです……香坂さんも怒られちゃうかもしれないのに」

勿論、神埼千華やその他のお堅い人々に知れたのであれば、滅茶苦茶に怒られることだろう。
霊装を使えば罪はさらに重なる。そしてそれを知っていて黙っていたのならば、香坂ミナミとて例外ではない――――
無論、彼女は覚悟の上なのだろうが。経験値は夏鈴などと比べ物にならないし……新人時代の神埼を知っている彼女であれば。
神埼自身が昔に決闘じみたことをやったことがあるのは、知るところだろう。

「さ、流石にここで展開したら訓練どころじゃ……!」
「はい、そんなことで良ければ!あ、でも……ちょ、待っ……」

流石にこんなところで霊装を展開したらば、決闘の前に怒られてしまう。
朝早いとは言え、先程の学生たちのような人目もあるから、それに関しては自制を効かせてくれたのにほっとするのであった。
評判よりも、随分良い人だなと思いながら――――彼女の提案には、一も二もなく頷くのであるが。
……既に体力切れで立ち竦んでいた夏鈴である。走り出したとすれば、すぐに置き去りになってしまいそうになるのだが。

「……んもう!しっかりしなさい、西條夏鈴!!」

自分で自分に気合を入れてから、彼女へと向かって走り出し、横へと並ぶ。
残された体力を振り絞っての疾走である――――ただの女学生である夏鈴にはあまりにもキツいペースであったのだが。
そこはそれ、持ち前の根性……想いだけは一人前であるため。とにかく必死についていこうとするだろう。

「……はぁ、香坂ッ、さんは……なんで、戦おうと、思ったんっ……ですか……!!」

そして話に付き合う、という提案も律儀に熟そうとして、夏鈴から彼女へと向けて問うのであった。

/そこはお気になさらず……!
/ただ、本日体調があまり優れないのでいつもより早く落ちるかもしません、申し訳ないです……!
326トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/12(木)22:46:53 ID:cbA [3/4回]
>>323

「へっ…言うじゃない……のさ…」

無事な武器は一丁の拳銃のみ、先程と同じ単発式だが威力はピカイチ、指鉄砲も弾切れとなった今彼女に残された最も殺傷能力の高い武器がコレだ。

「今、にも……死にそうな傷…負ってる癖にさァ……
逃げた方が良いんじゃないかなァ…?、ボクの方が速く君を殺せるよォ~?」

手に握った銃をチラつかせる、雷火のミョルニルに威力は数段劣るものの、銃が故の攻撃スピードの速さ、お互い満身創痍の肉体でありながらも、このアームズは自身が圧倒的有利な状況にあると確信していた。

「さァどうする…?、君はそんな体でボクに挑んで惨めに死ぬか、それとも害虫如きに深傷を負ってここから撤退するか……決めるのは君だ」

そんな状況である故に、屈辱を与えたい、そんな思いが脳裏に過ぎる。
327不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/12(木)23:01:35 ID:qC2 [2/2回]
>>326

「――――撤退?馬鹿なこと言うんじゃねぇぞ、私はまだ……戦えるって言ってんだろッ!!」
「……フェイズ・スキップ…第三段階(サードトリガー)…強制解放ッ…!!」

瞬間、鎖が一度に弾け飛ぶ…それでも未だミョルニルに鎖は巻きついているが第二段階を飛ばし強制的に第三段階まで一気に工程を飛ばしたのだ。
さきほどまでミョルニルが纏っていた雷が今度は雷火ごと包み込む。
"雷の加護"。雷を身に纏い身体の限界値を強制的に引き上げるが、ただそれにはかなりの負荷を伴う。更に強制的な二段階目を飛ばした解放ともなれば二重の負荷が雷火の身体を襲うことになる。

「さァ…撃てよ…撃ったと同時にぶち殺してやるよ…さァ…さァさァさァッ!!!」

アドレナリンによる気分の高揚、しかしもはや身体は限界、だがそれでも一歩引くどころかむしろ逆に踏み出して見せる。
……だが、流石にこんな状態ではまともに戦えるとは言えないだろう。いけるとするのならたった一撃、だがそれですら放てるかどうかも分からない。
だがそれでもその光景はまさに不退転の決意を彼女に見せつけて。
328トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/12(木)23:24:41 ID:cbA [4/4回]
>>327

「どこにそんな余力が…君本当に人間?」

思わず口にしてしまうのは彼女の異様なタフさに恐れを抱いたからだ。
普通の人間なら腹に弾丸を打ち込まれた時点で死んでもおかしくは無いはず、しかし彼女はそれどころかさらに力を増していくではないか。

「あァ…なんなんだよォ…どうなってんだよォ…おかしいだろォ!?、チッ…!出番だ!来いよォ!」

叫びと共に昆虫型の雑魚アームズが3匹現れる。
先に折れたのは彼女の方だった。
雑魚アームズをおとりに逃げようという作戦だ。

「化け物めッ…」

出口目掛けて全力疾走。
329香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/12(木)23:35:41 ID:ZT9 [3/3回]
>>325
「私はもう怒られ慣れてるから大丈夫だよ。それに千華はさ、キミらの前で立ってる時はいっつもあんな感じだけどさ、根は真面目で優しいんだ」
「私とか上の人らよりよっぽどみんなの事思ってるし考えてるからさ、そんなに縮こまらなくていいと思うんだよね」

別に気が利くだとか、覚悟があるだとかそんな大層な思いでやってる訳ではない。
ただ純粋に面白そうなことをやってるな、ぐらいの認識でしかないし、彼女に付き合うのも霊装乗りの先輩としていい所を見せようとしただけ。
……それに神崎も以前似たような事をしていたのを知っており、何しろ目撃しているから。それほど大事にはならないだろうと。

「……ん、ちょっとペース上げ過ぎたかな。ゴメンゴメン。ちょっと合わせよっか」

始めは自分のペースで走っていたが、背後より聞こえる息も絶え絶えな彼女の声を聴いてしまい、やんわりとペースを落とす。
少女にとっては流している程度の負荷になるだろうが、彼女には十分なぐらいの速度になるだろうか。

「……まあ、いろいろあってね。この話全部やっちゃうと授業に間に合わなくなりそうだし、巻きでいいかな?」

彼女の言葉を受けてより、ペースこそは彼女に合わせるが視線を合わせないように前を向き続けるようになる。
意図的に彼女から視線を逸らそうとしているのだ。あまり言いたくない事を話すように。

「私はあの日、奴らの……アームズの襲撃ですべてを失った。居場所も、家族も、将来の夢も」
「私から全てが無くなった時、唯一残されたのが復讐だけ。幸い適正はあったから、毎日訓練して……」
「まあ、そんな感じかな。色々省いちゃったけど」

先ほどまでの少女とは違い、声のトーンも一段と落とした上で淡々と語っていく。
その時の視線は、自らの進行方向を見ているのではなく、どこかその先の遠くを見ているかのようでもあり。
330 : 西條夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/12(木)23:49:38 ID:yzG [3/3回]
>>329
/すみません、次の返信は明日になりそうです……
/明日は今日より早く返せると思いますので……申し訳ないです
331不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/13(金)20:19:03 ID:SbP [1/1回]
>>328

「邪魔だァッ!!!」

ミョルニルを薙ぎ払えば3匹のアームズは即座に払われる。
逃亡する少女へと狙いを定め距離を詰めようと一歩踏み出し……

「ぁ…?」

ゆらりとその身体が揺らめきそのまま地面へと倒れる。既に攻撃を一度加えられるかどうかさえ限界だったのだ、その上でさきほどのアームズを処理するのに身体を動かしそこで限界が来たのだろう。
出力の急激な低下により霊装は強制的に解けて、ただ逃亡する少女を眺めることしかできず。

「くそがッ…待てよッ…!殺す、絶対殺――――」

……その後、雷火は後から駆けつけたアイアスメンバーに回収されアイアス下の病院へと運び込まれ治療を施されることで霊装のオーバーロードによる後遺症には回避できた。
後日、アイアス内で人型の人語を介すアームズが存在するということが知れ渡ることだろう。

//昨晩は寝落ち申し訳ありませんでした…!こちらはこれで〆となります、長期間のロールありがとうございました…!
332西條夏鈴◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/13(金)21:27:33 ID:lc8 [1/4回]
>>329

「そうなんだとは、思うんですけど……やっぱり、緊張しちゃうと言うか……厳格な人ですから」

神埼に対しては、それでもやはり上の立場にいる人を相手にするのは緊張する――――仕方のないことではあるのだろうが。
ただ、彼女とのやり取りを見ていると、厳しいだけのない人であることは分かっている……なんだかんだと彼女と仲がいいところからも見て取れる。

「す、すみません……」

ぜぇはぁと息を吐きながらも追いかけている自分に、気を遣わせてしまったことは申し訳なく思う
だが、ペースを合わせてくれたのは助かった。これでなんとか倒れることはなさそうだ……なんて、既に体力を使い切りながらも考える。

「はい、手短でも大丈夫ですから……」

勿論、一から十まで全て聞き出すというつもりはなかった。
ただ、彼女の霊装使いとしてのルーツを知りたく思い――――そして、語られた言葉は、謂わば復讐譚であった。
彼女の語りは淡々としているものだった。香坂ミナミという少女の、アームズに対しての憎悪は計り知れないものであった……だからこそ。
西條夏鈴という少女はお節介で有名だった。これは明確に意図して、彼女に対して……お節介なことを考えながら、発するものであった。

「それじゃあ、今の香坂さんは……どうですか?」
「アイアスとして、霊装使いとして戦って……それでも、やっぱり……復讐だけ、なんでしょうか?」

彼女の、千華へとちょっかいを掛けていたり、今だって自分に対して先輩として正面から相談に乗ってくれている。
今の彼女には、それでも復讐しか無いのか。それとも、それ以外に戦う意味を持っているのか。
不躾なことも、これで怒られてしまうことも承知の上での問い掛けであった――――

/すみません、予定よりも遅れてしまいました……
333ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/13(金)22:50:32 ID:dJV [1/3回]
「はぁぁあぁ~~……」

曇天の空模様はまるで心を写す鏡のよう。眼下に海の見える夜の公園での一幕
ラグナロクの霊装使い、ギャラルホルンは星一つない夜空の下で大きく溜息を吐いた

「折角のシャバだったのになぁ……うぅ~……」

久し振りに表に出て霊装使いと遊んでいたというのに、ラグナロク本部から突然の呼び出し
というよりかはギャラルホルンが自由を求めて抜け出したのであるが、ともあれ消化不良に終わり
またとないチャンスを逃したと浮かない表情、パーカーのフードを目深にかぶってブランコに腰掛ける

「もっと遊びたかったなぁ」
「……まいっか、アイアスなんて腐る程いるし」

うだうだと悩んでいるような表情が、ふと真顔に戻ったのは唐突なこと
まるで感情すらも戯れであるかのように、飽きれば切り捨てられるのみ
さっきまで遊んでいた玩具を、子供が放り投げるかのように
334 : トリガー◆</b></b>.9XmFDyFBnIH<b>[] 投稿日:19/12/13(金)22:59:30 ID:mym [1/1回]
>>331
雷火から逃亡し数時間が経った頃、行くあてもなく街の路地裏に身を潜める。
特に直接攻撃を受けた左半身の損傷は激しく、しばらく戦闘は不可能だろう。
傷口を見れば誰だって彼女が人間ではないと分かるだろう、なので薬局から盗み出した包帯で傷をくまなく覆う。

「……これでボクも追われる身となった訳だァ…」


「クソが」

//ロールありがとうございました!
335神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/13(金)23:10:31 ID:lc8 [2/4回]
>>333

海の見える夜の公園、そこにやってきたのはちょっとした気分転換のつもりだった。
付添の職員も今は払って、そこに居るのは一人だけ――――車椅子に乗った少女であった。
隻腕と隻脚を隠すようにゆったりとした服装と、カーディガンに身を包み、冷たい風に吹かれながら彼女へと語りかけた少女の名は神埼千華。

「腐るほど居る――――か。アイアスを有象無象だと思わなければ、出てこない言葉だな」

彼女の独り言に、吐き捨てるようにそう言った。
神埼の知る、その人物が語るにはあまりにも惨い言葉であった。この状況で話し掛けるのは不用心かとも思ったが。
その言葉は、あまりにも聞くに耐えないものであった。

「何となく、此処に来たならば会えるとは思っていたが……ここで会ったが、とでも言おうか」
336ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/13(金)23:22:56 ID:dJV [2/3回]
>>335
「千華ちゃんおっす~」

静寂の帳が静かに切り裂かれても尚、暫しブランコに揺られながら佇んでいた
明朗な挨拶を交わせばフードの中から相貌が覗く。闇の中でもギラつく血の赤、かつての彼女のものではなかった
車椅子に腰掛けた状態の千華を見れば何か思うところがあるのか、ゆるりと立ち上がって

「またまたぁ…………今日は闘る気で来たわけじゃないでしょ?」

丸腰の相手に対して霊装を展開したまま、へらっと口元を緩めて歩み寄った
ギャラルホルンはいつも霊装を纏っている。特別強力な訳でこそないが、それにしたって常識を外れている
エネルギーの効率だとか、回復力だとかを無視しているとしか思えない所業だ

「……まぁ、アタシも此処でなら会えると思ってたんだぁ」
「別に誰ってわけでもないケド……誰かにね」

ブランコの前にある手すりに腰掛けると、先程よりかは千華に近付いた状態
けれど二人の距離は依然として遠く、何かを測るかのように

人馴れした犬猫のように、尻尾を振りながら不用意に近付いたりはしない
けれど警戒しているような素振りもない。まるで気遣うかのような……不思議な空気を孕んでいた
337神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/13(金)23:32:02 ID:lc8 [3/4回]
>>336

「さて、どうか――――殺せる距離だ」

低く、そして強く彼女を突き刺すように、歩み寄る彼女へとそう言った。
相手は霊装を展開しているが、敵意を持っているようには見えなかった――――ただし千華の方は張り巡らされた警戒心と敵意。
或いは怒りが滲むようであった。その言葉自身も、半分以上は“本気”の意思を孕んでいるのだから。

「それは、また誰かを玩具にするためか。嘗ての相方のように」

千華はそこから動かなかった。車椅子は動かせる状態ではあるが……動く気は起きなかった。
落ち着いた瞳で彼女を見据えていた――――そこにある空気が、千華は気に入らなかった。
そこにある空気は敵同士が相対しているようなものではないのだから。もっと張り詰めたものをこそ、千華は望んでいたというのに。

「……何故私達を裏切った」

それは、今よりもずっとずっと前から抱いていた悲願であった。
問い質す。何故こんなことをしたのか、何故あんなことになってしまったのか――――その全てが千華は知りたかった。
338ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/13(金)23:45:19 ID:dJV [3/3回]
>>337
「んん……難しい事聞くよね」

困ったような表情。両手を軽く広げて、力無く垂らせばぱちんと太腿にぶつかった
何故裏切ったかと言われても、ギャラルホルンの持ち合わせる答えにはきっと彼女を納得させうるものは無いだろう

「何て答えればいいのかな……うーん……」
「お前の知っている私ではない、的な……?」

一見してふざけているようにも聞こえるが。面持ちは茶化すようなものではない
むしろ真剣そのものであり、聞かれたことにそのまま答えようとしているようで
けれど口下手なのも災いしてか、あまり具体的なことは言えずにいる

「もっと言えば、アタシ……別に〝寧々さん〟も〝琴音ちゃん〟も殺してないし」

彼女の口から出た〝寧々〟という名は、ギャラルホルンの師であり相棒でもある〝ヘイムダル〟の本名であった
琴音はもちろん初瀬琴音……ギャラルホルンの事だ。だが何故彼女自身がその名を口にするのか

まるで他人事のような口ぶりだが、若干の怒りにも似たものが滲み出ているのが見て取れる
そしてそれは詰め寄られた事に対してではなく、過去に起こったある出来事に向けられていた
まるでギャラルホルンこそが、アイアスに裏切られたとでも言いたげな――
339神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/13(金)23:57:31 ID:lc8 [4/4回]
>>338

「……何を言っている……?」

巫山戯ているのか、誤魔化されているのか、茶化されているのか。
神埼からすれば、そうとしか思えなかった。神埼にとっては記録に残されていること、記憶に残っていること、それが真実だ。
彼女は確かに、初瀬琴音と同じ顔をして、同じ声で喋り、同じ霊装を使う相手なのだから。

「初瀬さ……初瀬琴音、お前は確かに三年前のあの日、寧々さんを殺害して霊装を奪った」

彼女がそこに怒りを滲ませるのは、全くの筋違いの筈だ。
殺害されたヘイムダルは確実に被害者のはずであり、初瀬琴音は加害者であり、そしてそれを当時から知っているのが神埼だ。
何故彼女が、そこに怒りを抱くか――――

「――――私はお前に芝居をしろとは言っていない。それとも、狂言で誤魔化すつもりか?」

少なくとも、神埼にはあまりにも情報が少なすぎる。
感情を逆撫でされた気分であった。今は対話をしているからこそ、暴力に訴えることはないが、そうしたいくらいには。
340ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/14(土)00:09:47 ID:J3f [1/3回]
>>339
「――〝私〟は殺してない」
「〝みんな〟を殺したのはお前らだ、私から奪ったのは……」

ギャラルホルンの証言を千華が否定した。その次の瞬間である
飄々とした彼女がまるで火薬庫に火でも点いたかのような勢いで悪感情を噴出させたのは

顔と顔を近づけ、鼻同士が触れ合わんとする程の距離に達して
腰の拳銃こそ抜かなかったものの、ギャラルホルンは相当立腹していたようだった
怒り、怨み、後悔、そして猛烈な哀しみ。すべてがごちゃまぜになった暗い色は、瞳と同じ血の赤だった

「…………ごめんごめん、つい熱くなっちゃった」
「ちょっと散歩……しよっか」

ふいと顔を逸らして目元を指で拭う。それから振り返る頃には普段と何一つ違わぬヘラヘラとした笑み
千華の後ろ側へ回り込むと車椅子のハンドルを手に取り、優しく押して歩き出そうとする
きっと表情を見られないためだろうか、千華が振り返ろうとすると、氷のように冷たい指先がそっと前を向かせるように遮るだろう
341神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/14(土)00:24:13 ID:VI5 [1/9回]
>>340

「それがどういうことかと……聞いているのだろうが……!!」

煙に巻かれた気分に、腹立たしいのは千華の方も同じであった。
何のつもりなのか、或いは本当にそうだと思いこんでいるのか――――だからこうまで感情を表出させることが出来るのか。
或いは何らかの事実があるというのだろうか。だが、“みんな”という部分はが引っ掛かる、そこだけは宙に浮いているようだ。
神埼千華は、断じて彼女を殺してなど居ない――――にらみ合う至近距離にて、その瞳は震えているようであった。

「……何を言っている、そんなことの前に質問に答えろ……っ!!」

唐突な彼女の提案に、思わず振り向いて抗議するが……彼女の指先が確かに冷たく触れて、素直に神埼は前を向いていた。
何も不思議なことではなく、そういう感覚が体に染み付いていたのだ。彼女がまるで別人であろうとも、その指先の感覚を身体が覚えている。
押し出せば確かに音もなく、よく調整されたタイヤが回って、車椅子は動き出すだろう。

「……お前と散歩などと。呑気な時間を、過ごせると思っているのか……」

送られていく景色を流し見ながら、背後の彼女へとそう言った。
妙な気分であったことに、間違いはなかった。
342ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/14(土)00:39:54 ID:J3f [2/3回]
>>341
「……ずっとこうしてみたかった」

ゆったりとした歩調が踏む海沿いの石畳。街頭のオレンジに照らされながら二人は進むだろう
千華の言葉には沈黙のみが帰り、ギャラルホルンはただ車椅子を押して波止場へと歩むだけだった
しかし暫く歩いたところで、ふと口をついて出た言葉。それは先ほどとは打って変わって気弱で、泣き言にも似ていた

「誰かと触れ合ってみたかった」

ハンドルを握っていた手の片割れが、ふと千華の髪に触れた
特に抵抗もしなければ、そのまま髪越しに耳の辺りを一度だけ撫でるだろう
手の感触は変わらず冷たく、まるで鉄か何かのようにとてもよく冷えていた

「そして出来ることなら、私の一番大切なあの子と」
「でもそれは叶わなかった」

石畳を通るたびに、車輪とサスペンションが心地良い揺れを生む
まるで子守唄か何かのように紡がれる独り言は、誰にも遮られることなく続けられて
埠頭へと達したその時に、ようやく車椅子は止まる

「私は全力で守ろうとしたけど、私の小さな身体じゃ何も守れやしなかった」
「指の間を砂が通り抜けていくような感覚……今でも忘れない」

「そして残ったのは……この身体と、霊装だけ」
「この意味が分かる?分かんないよね……」

ギャラルホルンの声は、今にも消え入りそうな程に小さい
343神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/14(土)00:56:06 ID:VI5 [2/9回]
>>342

質問に対する問い掛けは帰らず、言葉は沈黙を打つかのようであった。
それから無音の中に、僅かに波の音が響く、そんな時間が続いた――――海面は暗く、然しそこには満月が揺れている。
ふとした拍子に言葉が流れてきた。それは先程の怒りを含んだものとは違う、もっともっと……弱々しい。

「……何を言う。触れ合うのであれば、三年前に何度も……」

それは事実だ。千華の中では。だからこそおかしな事であった。
だからこそ、彼女の指先が髪に触れた時に千華は何もしなかった。耳を撫でた瞬間に、僅かに身を震わせながらもだ。
今更な話であった。誰かと触れ合うことなど……特別なことではなかったはずだ。

「それは誰だ……誰のことだ。何を、何から守ろうとしていた」

当てはめられるパーツは多くはない。
一体彼女にとって誰が一番大切だったのか、予想を付けることは出来る。だが、そうなると彼女の発言に矛盾する。
然しそれは遮るに届かず、整理されていく頭の中の思考を加速させるのみであり――――

「……ならば」

一つだけ仮説が完成する。
例えば彼女が、初瀬琴音ではなく、初瀬琴音に思いを寄せる何者かであると仮定したらどうだろう。
当時の霊装使いも誰とも触れ合わず、然し彼女とともに居た何者か。
それならば、彼女の身体と霊装のみが残り、心が残らなかったのであれば。

「それならば――――初瀬さんの中に居る、お前は何だ?」

そのように論は結ばれる。
――――それは、一体、何者だ。初瀬琴音の中に潜む、何者かとは。
344?[] 投稿日:19/12/14(土)01:01:41 ID:Vmw [1/1回]
>>286
お前エリナやろ
345ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/14(土)01:12:27 ID:J3f [3/3回]
>>343
霊装とは、栄誉ある武器たちが依代である少女達と織り成して完成されるもの
一方アームズは名もなき武器達が、ひとり彷徨うように具現化した形のようなものだろうか
では依代を無くした霊装が、ひとり形を形成すればどうなる?

「何度も言ってるし、何度だって言うよ」
「――アタシはギャラルホルン、ラグナロクの到来を告げる者」

答えは、これだ
数多ある結果のうちの一つとして、霊装ギャラルホルンは一つの存在として完成した

人間としての命を持っていない。ゆえに、霊装以外の形態がない
しかし霊装であるがゆえに、親密な他の霊装とはある種の共存関係を築いている
主人を殺した者達への復讐という共通の目的のもとに

「……全部教えてって言ったよね、だから……千華ちゃんだけに教えてあげるね」

ギャラルホルンの顔が背後より近付く。吐息が耳に掛かり、肩に顎が乗せられる
それから小さく、舌と歯の間を風が通り抜けるような囁き声で。真実は語られた

「…………寧々さんと琴音ちゃんは、アイアスに殺された」
「琴音ちゃんの遺体は、本部の北東に埋まってる」


「アタシが埋めたの」

轟音と共に頭上から七色の光が降り注ぐ
いつの間にか空には雲が渦巻き、不気味なほどに大きな月が顔を覗かせていて

振り返れば、そこにギャラルホルンの姿はもう無かった
346神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/14(土)01:18:48 ID:VI5 [3/9回]
!aku344
★アク禁:>>344
347 : 神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/14(土)01:32:08 ID:VI5 [4/9回]
>>345

「ならば、お前は――――」

霊装が形になったものだとでも言うか。
彼らはあくまでも武器だ。アームズとて例外ではない。そんなことはありえない。武器とは携えるものの心を反映する鏡の如くもの。
だがもしも――――もしも例外が起こったとするならば、超常を携える神話と歴史の遺宝足る霊装に意思があるとしたならば。
説明はつくだろう。だが、そんな前例は――――

「……有り得ない」

ならば人外である以上、二つの霊装を扱えるか。
そもそも霊装であるのだから、人間と同じメカニズムで動いていない。ならば何らかの理由で二つを携えていてもおかしくはない。
……熱を帯びていく思考の最中に、肩に感じる重みは現実ではあるが、実感がなかった。

「貴様――――お前は、決して言ってはならないことを言った!!!」
「仮に、お前に、どんな事情があろうとも……!!それだけはッ!!」

霊装、蜻蛉切を起動する――――切断された手足は補うように、細く編まれたフレームのようなもので補われる。
生体義肢を接続するよりも遥かに劣る補助であり、槍を握るにはあまりにも脆弱だが、そんなことは関係なかった。
アイアスは、アームズと対抗するべく作られた人類の盾だ――――それ以上でもそれ以下でもない。それだけは、変えられるものではない。
それは、そこで戦う者達への侮辱であり、侮蔑だ。握り締めた蜻蛉切の切っ先を、突きつけんとそれを向けたときには。

「――――認められるか、そんなことがッ!!」

そして、月に吠える。
本当なものか。本当なわけがない。確かめる価値すら、そこには無いはずだと言うのに。
――――冷たい指先の感覚は、まるで突き刺さるように少女の身体を貫いた。

/それでは、私からはこれで〆させていただきます!ありがとうございました……!!
348香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/14(土)12:22:18 ID:zqH [1/1回]
>>332
「みんなの前に立ってるからあんな態度してるってトコあるけどね。結構今の立場気にしてるっぽいし」

神崎が少女の良き理解者の一人でもあるように、少女も神崎を知る人間の一人である。
自身がアイアスに入った当初から隣に並んでいる彼女の事も、この年月があれば十分な程に知る事が出来ている。
以前の彼女の姿を見たらどう思うんだろうか、だなんて考えたりして。

「……私さ、あれからアイアスに入ってさ、千華とかいろんな人に会ってさ、大分前の生活を取り戻せてきたと思ってるんだよね」
「これは間違いなく良い事でさ。家族が見てくれてたら絶対に喜んでくれてるんだ」

少女が言葉を紡ぐ度、足並みは狭く、小さくなっていく。

「でもさ、そこには私は居ないんだよ。本来居るはずだった人は居ない。帰ってこないんだよ」
「一度失った物は二度と帰って来る事は無い。誰だって知ってる、世界の常識」

ついに少女の足が止まる。すぐ隣を朝練の運動部員が怪訝な視線をして通り抜けたとしても、遠くを見続けていた。
ほぼ確実に周囲の邪魔になっているだろうが関係は無い。ついに周囲の目すらも気にしなくなっていて。

「時々、本当の自分ってのが分からなくなるんだよね。こうやって何でもない話を続けてる自分と、霊装に乗って戦ってる時の自分がさ」
「毎日学校に行って皆といつものように生活を過ごしてるのに、何か本当の自分じゃないような……なんかそんな感じがして」

少女の心には大きな穴が開いている。恐らく、もう埋まる事の無い大きな穴が。
何を持っても、何を入れたとしても代わりになる事は無い。少女の人格の重要な箇所を占めていたはずだった場所。

「あのさ、夏鈴はさ、どっちが本当の私だと思う?」

一度として彼女の、西條の顔を見る事無く問い掛けにさらに問いを重ねる。
語る少女の腕は固く握りしめられた拳が震えていた。アームズへの憎悪と内に秘めた自らへの恐怖をも押さえつけるために。

/前日中に返信出来ず申し訳ないです
349神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/14(土)19:09:49 ID:VI5 [5/9回]
>>348
手に入れたものと失ったものの間で揺れ動く感情。
きっと彼女の復讐心は焦げ付いたように彼女の心に張り付いているのだろう。どれだけその上に、幸福が堆積していようとも。
土台は変わらない、家族を失ったことに対する絶望を由来とした復讐心――――それが今の彼女を作った原動力であり、全てであったのだろう。
彼女に合わせて、その足をゆっくりと止めた。同じく、夏鈴も今は邪魔になることを知りながらも、共に立ち並ぶ以外の選択を取れなかった。

「……私、香坂さんの気持ちを軽々しく決めることは出来ません」

家族を失った絶望を少女は知らない。だから復讐に駆られる心を否定することなど出来ないし、そんな権利はきっと何処にもない。
どう思うか、という問い掛けは、あくまでも西條夏鈴という個人に対して、意見を求めただけだろう。それでも、その二面の何方が本物かなど。
……敢えて言うなら、そのどちらもなのだろう。復讐に生きる彼女も、新たに手に入れた幸福を尊ぶ彼女のことも。

「それでも、私は……香坂さんには、新しい幸せに生きてほしいって、思います」

言えるとするならば、西條夏鈴という個人の願いだった。

「あ、えっと、香坂さんに戦うのを辞めてほしいんじゃなくて……ただ、香坂さんの隣には、誰かがいます、私だっていつか……!!」

戦うこと自体を、復讐心を持つこと自体を止めろとは言わない。
だが、その隣に立っているもの達。彼女の周りに居る人たち。彼女がたった今持っている幸福を自覚しながらでも。
もしも――――次にまた、失うことがないように。失ってから気付くよりも前に、今ある幸福にもう少し目を向けていいんじゃないか、と。

「……す、すみません!!偉そうなこと言いました……今日はもう行きます。付き合って頂いてありがとうございました!」

――――そう言ってから、頭を下げて、彼女へと礼を言った。
この後は少しだけ用がある。始業の時間にはまだ少し早いかもしれないが、そろそろ学校へと向かわなければならなかった。
そう言って、運動部の練習コースから小走りで外れて……そこで一歩だけ、立ち止まって。

「あの……また、付き合ってくれたら、嬉しいです」

遠慮がちにそう言って、今度こそ、彼女の目の前から姿を消すだろう。
文字通りに、消えたかのように。

/お気になさらず、こちらはこれで〆でお願いします!それではイベントの方もよろしくおねがいします……!!
350 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/14(土)19:45:45 ID:VI5 [6/9回]

「――――我々はラグナロク。黄昏の先に、新たな秩序を打ち立てるもの」

「我々ラグナロクは、貴方達アイアスへと向けて、所有する霊装全ての引き渡しを求めます」

「本日正午までに答えを頂けなかった場合――――このアームズと、そして同士である霊装使いを、街へ解き放ちます」

――――――――某日、アイアス施設内に、電子的侵入が行われた。

それらは施設内にあるあらゆるモニター、スピーカーを大胆にも乗っ取って行われたものであった。
映し出される映像は、顔貌をバイザーで覆われた霊装使いの姿。
その名は、武装組織ラグナロク。霊装の力を用いて、新たな世界を作らんと企てるテロリスト集団――――それが今、明確にアイアスへと宣戦布告をしたのだ。

「そんなことが、許されてなるものか!!!」

無論、アイアス上層部の結論は“却下”。
霊装とはそれ一つ一つが軍に匹敵する力を持った、神秘の結晶――――ならば、それを武装組織に渡すなど許されるものではない。
霊装使い達に、命じられたのは“スクランブル”。緊急出動、即座に行動を開始し、ラグナロク、及びアームズ達を殲滅せよとの司令であった。

アイアスとは、如何なる場合にも人々を守る盾でなければならない――――少女達は、また新たな戦場へとその身を躍らせる。
351◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/14(土)19:54:42 ID:VI5 [7/9回]

久里峰学園前。そこに居るのは、正しくアイアス内部のジャックされた液晶に映し出されていた、黒い霊装使いであった。
顔貌はバイザーによって覆われている。その身体は重厚な装甲によって包まれており、長大な砲を片手に携える。
そして何より――――その背には、無数のアームズ達が並んでいた。

「――――結構。彼女等は我々と戦う、という選択をしたようですね」

無論、先の声明をアイアス達がまともに受け取ると思うほど、ラグナロクの人間も阿呆ではなかった。
これは正式な宣戦布告であると同時に、呼び水でもあった。譲り渡すことをしないのであれば、そのまま奪い取ってしまえばいい。
どちらにせよ、霊装使いに対抗するには、霊装使いの力が必要になる。どうしたって、戦場には霊装を送り出さなければならないのだから。
そこを狙い撃ち、撃破する――――それに、彼女達がアイアスである限りは。

「では、行きなさい。あなた達――――良く暴れて、あの子達を私の下へと連れ出してくだされば」

霊装使いが片手を掲げると同時に、ずらりと並んでいたアームズ達が一息に進行を開始した。
まるで行軍かと見紛うかの如く、灰色の体を持ったアームズ達が足並みを揃えて前進し、銃口と化した両腕の照準を、学園へと合わせる。
やがてそれが校門前に立ち上がると――――煌々と輝くエネルギーの塊が、その腕から、今正しく放たれようとして――――
352比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/14(土)20:18:33 ID:zEW [1/3回]
>>351

 「おっと…ッ!
 ……随分と手荒な真似してくれる。」

 激しい轟音と共に舞う硝煙。ーーーそして場にそぐわない脳天気な声。
やがて、黒煙は晴れて一人の女性のシュルエットが浮き上がる。 その姿は見る者を安堵させる様な自信過剰な笑顔を好戦的に笑う。

 橙色の装甲を纏い、無機質な白金の篭手を構え、赤い外套を靡かせれば。周囲を伺えば未だに危害は無い事に胸を撫で下ろす。どうやら、己の“赤い外套”が砲弾を防ぎ間に合った様だ。

 然し、未だに脅威が去ってないにも関わらず、表情を一切崩さず事も有ろうに、無謀か勇敢か得意気に右掌を前に突き出し構えればーーー「にこり」と自信満々に微笑む。

 「しっかし、主犯格自らいきなりお出ましとは随分と幸先がいいな~!
 ……恨むなよ。」

 呑気な宣言とは裏腹に、鋭い“左腕の突き”が虚空に穿たれ───僅か数秒後に激しい耳鳴りと共に空気が乱れ揺れる。

      〝突風〟

 その鋭い拳圧の突きは、圧縮した空気の塊を飛ばす。その風は正に『透明な砲弾』と呼んで差し支えない程に、異常を気してお返しと言わんばかりに一直線に飛来する。
353ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/14(土)20:56:45 ID:CsG [1/3回]

煩わしくて仕方がない。
視界に飛び込んでくる整然と立ち並ぶ街が、鼓膜を叩く会話の喧噪が。
人波が打ち鳴らす靴音が、車の駆動音が、スピーカーから流れる軽快な音楽が。
五月蠅くて、煩わしくて仕方がない。

「私ね、全て滅茶苦茶になってしまえば良いって、そう思うの」

駅前、大通り、人混みの真ん中で。
ただぼんやりと立ち尽くしていた長黒髪の少女が、誰に話しかける訳でも無く唐突に呟いた。

次の瞬間、少女の身体を起点として現れた白銀色の金属蛇が渦を巻くように、周囲の人々を切り裂いていく。
逃げ惑う悲鳴を追い打つ様に大蛇はのたうち、コンクリートの道路を、ビルの壁を散々に打ち砕く。
その中心で両手で顔を覆う少女、ベルナ・アルベルタは楽しそうに肩を揺らし続けていた。

「あはははははは……!」
354雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/14(土)20:57:32 ID:CsG [2/3回]
>>351
>>352

「……私、目立たない様に援護に回った方が良い?」

黒煙を掻き分ける深紅の着物は、所々が煤けている。
袖で口元を抑えて小さく咳払いをして、右手の扇を一扇ぎ。

「元気一杯自信満々は良い事だけど、気を付けてね。
 態々学校狙って来るんだ……大胆不敵に堂々と、相当に『襲い慣れてる』人だと思うから。
 ……あーあ、なんでアームズだけで来てくれないのかなぁ……」

諦観混じりに苦笑い、両手の扇を二度振るう。
熱波が炎を纏い、茜が放つ衝撃に絡みついて炎の螺旋を描いた。

「私、人と戦う為にアイアスに入ったんじゃないんだけど。
 でも……こうなったら、容赦も油断もしないから」
355◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/14(土)21:21:05 ID:VI5 [8/9回]
>>352
>>354

――――放たれる砲弾と、それに纏われた炎がアームズ達を撃ち貫いて、焼き尽くしていく。
そしてアナスタシアは、怨むでもなく……僅かに立ち位置をズラせば、その直撃を回避して、その熱量から黒く厚い装甲が身を守った。
大きく削られたアームズ達の生き残り達が、一斉に銃口をそちらへと向けている。
そして、アナスタシアが握り締めるリヴォルバー・カノンが、ゆっくりと持ち上げられていき。

「――――ようやく来て、頂けましたか」

その口元に僅かな笑みを浮かべながら、二人の霊装使いを。黒い霊装を持った女――――アナスタシアは、小さな微笑みとともに。
何処か演技がかった口振りでそういったのならば、それと同時にアームズ達が一斉に、二人へと向けて収束したレーザーを解放する。
強力な熱量を持つ光線ではあるが――――しかしながら、霊装使いであれば回避できないものではないだろう。
それは勿論、アナスタシアも想定済みであった。この程度で勝てるとは思っていない。

「霊装使いが二人……対して此方は一人となれば、少々不公平だとは思いませんか?」

霊装使いを相手にするのであれば、小型のアームズ達をいくら掻き集めたところで幾許の数にもならないだろう。
最初から数的有利を崩せるとは思っておらず、だからこそやはり分かりきっているというのに、わざとらしくそういった。


「ですので――――此方も、もう一つ、面白いものを用意させていただきました」


――――彼女らの通信端末に、緊急の連絡が入るだろう。

「――――学園頭上に大型アームズ反応を確認!これは……注意してください、なんて出力だ……!!」
空を裂くかのように、雲の向こう側からそれは現れた。
灰色の身体を持った、巨大な蛇の姿であった。間違いなくその姿はアームズでありながら、灰色の体躯に、幾つかの……明確に人工物であると思われる。
杭のようなものが幾つも打ち込まれた、何処か痛ましい姿だった。そして――――五メートルを優に超える巨体が、悠然と空を泳いでいる。

「これで、互角以上……だと、良いのですが」

その姿を見上げたならば、そしてまた二人へと視線を戻し――――今度は、心からの穏やかな笑みを、二人へと向けた。
356比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/14(土)21:46:08 ID:zEW [2/3回]
>>354>>355

 「お、悠花~っ!! …んーっ、怪我は、、、無さそうだなっ! …
 おしっ!ならさっさと他の奴等も片付けようぜっ!世の為、人の為っーーーー待て!!」

 僅か後方に悠花の影を視界に捉えたのなら、提言に耳を傾け悠花に指示を出そうとした矢先ーー。
“無傷”の彼女の姿に思わず冷や汗が垂れる。流石にあれで幕引きは呆気ないと踏んでいたが……。 嫌な予感が過ぎる。こういう時の予感は嫌に当たってしまう。

 「…はっ……まさかヨルムンガンドとか言うんじゃねーだろな?」
 「(……なんにせよ、アレは“ヤバい”……!! ーーーなら、起動される前に先に先手を打つ !)」

 「よしッ、悠花ッ!! 主犯格の奴の退路を退路を焔で絶ってくれ!
 あたしが全力で叩くッッ!」

 大雑把な指示を出し、脚は地に着くか着かないかの紙一重で“駆ける”と云うよりも“跳躍”と云う間隔で最短かつ最高速度で、まさに飢えた獣の如く飛び掛り肉薄する。
 その勢いを殺さずに“正確”かつ“激しい”上段、中段、下段。それらに向けた右拳の正拳突きを、三度。ーーーその一瞬を以てアナスタシアに繰り出して見せるだろう。
但し、その動きは比較的単純な物。接近は直線的なものであるし、突き自体も少しでも武術に心得が覚えが在るのなら避ける事は可能だ
357 : 雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/14(土)22:10:10 ID:CsG [3/3回]
>>355
>>356

熱波の螺旋をいとも容易くいなされ、苦笑はいよいよ色濃くなる。

「……二対一なのに、そう堂々とされたら困るんだけどさ?」

放たれる熱線を、ひらひらと着物をはためかせながらステップを踏んで躱し。
続く通信に舌打ち、茜の指示に頷いて、アナスタシアの右前方から回り込む様に駆ける。
地面に扇を突き刺し切り裂きながらひた走る、扇が通過した箇所からは轟々と炎が立ち昇った。

「(あのデカブツは、本格的に暴れ出す前に……ッ!)」

聳える炎の壁、一度足を止めると二枚の扇を平行に並べた。

「先手で焼き尽くす!!」

生まれ出るのは、小さな火球。
徐々に徐々に巨大化を。
358◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/14(土)22:44:52 ID:VI5 [9/9回]
>>356
>>357

「何事も、冷静で居ることが肝要なのですよ――――」

バイザーの光が揺れる――――その右手に握る長大なリヴォルバー・カノンの照準を合わせる。
アナスタシアは、正しく手練である。戦闘経験ならばそこらの霊装使いには遅れを取らない自信があった――――例え向こう側が、能力として優れていたとしても。
近接攻撃を行おうというのであれば……あのガントレットの使い手は速い。最速で最短で真っ直ぐに此方へと肉薄してくるのが見える。
バックステップから後方へ飛び退り、当てる――――照準は大きくブレるだろうが、その程度であれば正確に当てることが出来るだろう。

「……退路を塞ぎましたか。成程……」

然し扇の霊装使いの炎によって、後方へと至るべく道が塞がれる。
そして放たれる正拳突き――――三度のそれの内、一撃目の拳が装甲を貫いた。
内部は張りぼてではなく、しっかりと詰められた鉄壁の装甲である。それを正面から貫くことが出来る霊装はそうは存在しない――――希少価値がある。
そして二撃目――――再度同様に、その分厚い装甲を抜いた瞬間。それが“引き止められる”。

「ですが、私もまだまだ」

装甲を貫いて、内部の破壊にまで至ろうとしたその拳を、アナスタシアの右手が掴んで引き止めたのだ――――
力の差は恐らく歴然だろう。近接戦闘特化型と遠距離攻撃型のパワーの差はアナスタシアも理解している、通用するのはこの一回のみ。
そしてこの一回を、取り返しのつかないほどに――――有効に転がすのが、役目。

「――――Мидгарс Орм Старт!」

天に掲げるように、“詠み上げる”。
空を泳ぐ大蛇が、ゆっくりと鎌首を起こし――――そして“咆哮する”。
これを以て、彼女達が恐れていたものが実現することになる。その名――――ミドガルズオルム。唄い上げた通り、目を覚ます。
周囲の空気が震えると同時――――起こるのは、膨大な量の“落雷”だ。正しく天変地異の如く、幾つもの雷の筋が、二人へと雨の如く降りしきろうとするだろう。

「さぁ、ここを一区切りとしましょう――――まだ、これからです」

しかし、まだ霊装使いにとっては対応できる範囲であるはずだ。だからこそ、アナスタシアはその間隙を突く。
黒い霊装の装甲が一息にパージされる。勢いよく射出されたそれらは、更にそれ自体が武器にすらなるはずだ――――内部から現れたのは。
先ほどとは打って変わった、軽装の霊装であった。両手に握るのは、今度は重砲と比べれば、酷くちっぽけに見える拳銃が二丁。
359比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/14(土)23:27:55 ID:zEW [3/3回]
>>358>>357

 「……早い所、降参した方が身の為だ!
 これ以上は命を賭す事になるぞッ!」

 それは、警告に近い命令口調で咎める様に目を細めれば、装甲に当てた確かな心地悪い感触に顔を顰める。
更には捕まれた右手を強引に無理矢理引き離そうとしした瞬間にーーー“光を見た”。

 「大丈夫か悠花ッ!?ーーしまっ!?」

 思わず後方を振り返り確認したのが大きな過ちだった。
弾き飛ぶ装甲が視界に捉えた時にはもう遅く。気付いた時には後方へ弾け飛ぶ様に身体を揺らし地面が四肢に触れていた。

 「いっ~~!
 …はは、悪ィ油断した!!」
 「ーーだが、まだ闘えるッ!」

 先程、悠花に“気を付けて”と言われたばかりのこれには思わず自嘲気味に笑い。気を取り直し膝の埃を払いながら立ち上がり己を奮い立たせる様に自信満々に笑う。そして、大きく拳を振り上げる様に天に掲げればーーー地面に振り下ろす。

 「装甲が消失した今こそが最大の攻め手だぜッ!
 一気に決めるぞッ! 悠花!」

 岩盤が弾け飛ぶ様に飛散し、礫が飛来すれば砂煙が舞い姿を隠す。轟雷の音を利用し足音を掻き消し、悟らぬ様に接近しアナスタシアの影を踏み締める。

 一度、左上に“目配せ”した後に、右脚で僅かに地面を“摺る”。ーーー瞬の間で二度の『陽動』を熟(こな)す。
 是れ等の敷いた布石は全ては、〝本命〟の為にーー。
 
 「真ッッ直ぐッッッに───」

 翡翠色の瞳が見据えた本名は〝下顎〟。
 懐に入り込む様に、身を屈めればその一打は的確に目掛け風を切る音と共に重く速い掌底が襲い掛かる。

 その叫びに呼応する様に、白銀のガントレットが光り輝いて。

 「───吹き飛ばすッッッ!!」
360漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/15(日)03:58:05 ID:id5 [1/3回]
>>353

「あーあ、こんなことで懐かしさなんて、感じたくなかったんだけどなぁ」

逃げ惑う人混みのなか、独りその流れに逆らって災害の中心地へ歩みを進める影がひとつ。
人手不足は6年経っても相変わらず、とため息をついて。

「ま、愚痴を吐いても始まらないか━━━━機霊装、起動申請」

外から見れば、用途が分からないであろうパーツが取り付けられたガントレットへ、これまた謎めいたパーツがいくらか取り付けられた電球……「機霊装・エジソンバルブ」をセットする。
機械音声で承認が告げられると、空中へ霊装由来の装甲が展開され、瞬く間にアンダースーツ上へ装着される。
そして手の中に、「それ」を形成したならば。

「ねえ君。霊装使う相手、間違ってるんじゃない?」

暴れる彼女を止めるべく投げつけたのは、手のひらサイズの電球。
無事に彼女の周辺まで届いたならば、強烈な光を撒き散らして破裂するだろう。閃光弾と言えば分かりやすいだろうか。
これで視界を一時的に潰せれば上々、そうならなかったとしても防御に手をとらせ攻めを一旦やめさせる程度にはなるだろうか。
光が止んだ後、声のした方角に目を向けられたなら、電球の衣装の入った装甲を着けた、しかし霊装使いにしては年齢のいった女の姿が目に映ることだろう。

//よろしくお願いします
361雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/15(日)11:16:14 ID:hdq [1/6回]
>>358
>>359

「人の心配してないで、集中して!このくらいでやられる程軟じゃないからさ!」

生成していた火球を打ち消し、即座に回避行動へと移行。
日本最古の『踊り子』の力が宿る霊装はしなやかに、深紅の残影と踊る様にステップを踏みながら雷撃を躱していく。

「(でも……これじゃ、のんびりチャージしてる余裕が無い!
  隙を作らないと……少しでも!)」

苦々しく歯噛みをして、上空を睨んだ刹那、両手の扇を振るい炎の閃撃を二つ放つ。
巨大で分厚い装甲を断ち斬るには至らないだろうが、砲撃の手が少しでも緩めば儲けもの。
その間に僅かでも、『火球』のチャージは進められるのだ。
362ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/15(日)11:16:31 ID:hdq [2/6回]
>>360

散々にのたうつ銀の大蛇は、通りに次々と破壊をもたらし続けていた。
ビル壁を打ち壊し、人を道へと叩きつけ、車を切り裂き、道路を散々に砕く。
轟音が響く、悲鳴が響く。

「大好き、大好き、大好き、大好き……あはぁ、ひひひはははははは……!!」

それが好きで好きでたまらない、昔からずっと、『平穏の中にある何かを壊す』という行いだけが自分を満たしてくれた。
恍惚に沈んでいた少女の眼差しは油断に染まりきっており……故に、眼の前に飛んできた電球を無警戒に視線で追いかける。

「わっ……!」

強烈な発光に思わず目元を両手で覆う。
銀の蛇が少女を守る様にとぐろを巻いて、乱入者との間に境界を築いた。
徐々に復活した視力、薄紅の瞳を見開いて、黒の瞳は細められたままじっと漆原を見つめる。

「……きひひ、間違ってないわ、だってほら……おかげで貴女が来てくれた。
 あはぁひひゃは、素敵ね、素敵、きらきらしていて眩しくて……滅茶苦茶にし甲斐がありそうで……」
363漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/15(日)14:12:41 ID:id5 [2/3回]
>>362

「だとしても初手から随分張り切ってるじゃないか。わざわざその辺のものを壊さなくても、未登録の霊装の波動が観測されたら飛んでくよ」
「そりゃどうも。昔から気に入ってるんだよ、これ。けどおニューだから、滅茶苦茶にされたくはないなあ」

壊れた街をバックに嗤う少女を見て、アメリカであれば猟奇的事件を引き起こし時折紙面を騒がせていた類の人間かと嘆息する。
霊装を手に入れてこうなったのか、元からこうだったのかは樹には判断しかねるが、このまま霊装を持たせておいていい人種ではない。

「あー……大人として、一応聞いておくよ。霊装を解いて、大人しく捕まってくれる気は?」

こめかみを人差し指でとんとんと叩きながら、諦め気味ながら確認の問い。
敵であれ味方であれ、年端もいかぬ少女が戦っていること自体彼女にとっては嘆くべきことだ。
これでやめてくれれば一番いい……やめるような人種じゃないからこそ、このような行動に出ているのだろうが。
364ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/15(日)14:44:16 ID:hdq [3/6回]
>>363

頬に当てていた掌をゆらりと離し、両腕を体の前で垂らす。
深い猫背、長い黒髪を引き摺って笑う。

「ひひ……嫌ぁよ、私ね、この世界が嫌いだから……この世界の味方をする貴女達も嫌いなの。
 あはぁ、ひひ、でも……素敵に泣いて叫んでくれたら、貴女のことは大好きになってあげる」

返答は、行動と共に示された。
とぐろを巻いた銀の蛇が長い身体を横薙いで、漆原の胴を叩こうとしている。
ぎょろぎょろと、薄紅の瞳は揺れている。

「滅茶苦茶に、ぐちゃぐちゃに、壊れてしまえば大好きよ。
 痛いのも苦しいのも、みんなみんなだぁい好き!あはぁ、はははぁははははは!!」
365◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/15(日)16:23:35 ID:D10 [1/5回]
>>359
>>361

「命を?まさか、我々が命を賭すほどの熱量など持っていないとでも――――?」

落雷は未だ敵を仕留めきれるほどの威力を発揮することはなかった――――然しミドガルズオルムがその程度で打ち止めであるならば。
アナスタシアはこれを札として仰々しく切ることなどはしないだろう。
それは正しく天変地異の具現化であり、凡百のアームズと比べたならばその出自からして遥かに異なるものなのだ……最も、今回に於いて。
ミドガルズオルムを導入したのは、決して“ただ戦わせるだけではないのだが”。

「――――勝機だと――――思いましたか」

巻き上げられた砂煙によってガントレットの霊装使いの姿が消える。
接近を許すことになるが、鈍重な装甲を脱ぎ捨てた現状であれば関係はない――――寧ろ、向こうから近付いてくるのであれば好都合。
気掛かりなのは扇の霊装使いの炎。何かを企んでいたことは分かるが、それ以上にミドガルズオルムが気を取られていることが問題だ。

「それは、残念です」

――――目の前に飛び込んでくる白銀。目配せは恐らく陽動、あれならば真っ直ぐに来るはずだ。
右足の動きは何か――――いや、あの身体捌きならば意味は薄いはず。そうして僅かな間、思考に陥らせること自体が目的ならば。
悪くない、センスと経験の蓄積によるものだろう……が、通じない……というよりは、通じさせないと言うべきか。

「――――貴女はまるで転落するように、敗北してしまうのですから」

放たれた掌底に対して、横合いから殴りつけるものがあるだろう。
それはアナスタシアの右手だ――――反射的に放たれたそれが、拳の一撃を逸らして着撃を回避したのだ、そして……左手に握るリボルバーが。
その額へと突きつけられ、正しく――――引き金が引かれた。

『ぉぉぉぉぉオオオオ――――……!!』

静かに、そして大きく大蛇の咆哮が響き渡った。
放たれた炎の二撃がミドガルズオルムに直撃する――――然しそれは僅かに傷をつけるのみで、大蛇の身体を大きく揺らすことはない。
然しながら、彼女の思い通りにはなっただろう。大蛇の意識は彼女へと向けられ、そして――――大口を開けたのであれば。

巨大な身体を翻して、彼女へと喰い殺そうと突撃するのだ。
非常に単純極まりなく、巨体もあり鈍重ではあるが、その巨大さ自体が武器となり、相当な重量、質量と、毒牙。
そして何より、重要なのは……その進行方向に、学園がある、ということだ。
366漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/15(日)16:44:26 ID:id5 [3/3回]
>>364

「だろうね」

驚いたようすもなく、ただため息を一つついて。
虚空から様々なパーツが形成され、両手に取りつくように2機の発明王ゆかりの品……トースターが組上がり、赤熱する。

「くぅっ……!」

胸を切り裂こうとする鋼鉄の蛇を防ごうとするも、馬力が足りず後ろへと弾き飛ばされ、組み上げてから十数秒足らずのトースターはジャンクとなる。
直接触れた部分は赤く焼けているだろうが、本人へダメージを与えるには程遠いだろう。

「帰ってきて最初っから貧乏くじなんて、司令官も悪どい……!」

語り合うのを早々に諦めぼやく。彼女に必要だろうと思われる福祉や医療の領域は、樹の専門外だ。
体勢を建て直すと、稲光とともに背中に機械が組み上がり、腕に長い電極が装着される。
その正体はエジソン・ダイナモ……改良型の直流発電機。

「おあいにく様。そういうの、こっちは苦手なんだよねっ!」

コイルを交差させれば、高圧電流が放電され、いくつか枝分かれしながらベルナやその周辺へ降り注ぐ。
「エジソンバルブ」では、単純な物理的戦闘力は恐らく彼女に劣る。間合いの外から仕掛けていきたいところだが、どう出るか。
367ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/15(日)17:54:46 ID:hdq [4/6回]
>>366

「丸焼きにするには、それじゃあ火力が足りないと思うわ。
 ひひ、せめてもっと大きな火種じゃないと……あはぁ、ひゃひゃ」

金属の表面を僅かに熱しても、鈍銀の蛇はのたうつことを止めない。
弾き飛ばされた漆原を追いかけて、暴れる、暴れる。
恍惚に頬を赤らめて、両腕を力無く垂らしたままの少女は電流の雨の中、避雷針の如き蛇がずるずると前進するのに合わせて前へと進む。
その最中、帯電する銀色を擦り抜けた電流の一筋が、その背を僅かに打った。

「かっ、ぁ、は……ッ!!」

電撃に身を焼かれ、苦悶の声をあげ膝を折って。
打たれた肌が黒焦げてもなお、浮かべる笑顔は変わらない。

「痛い、痛い、苦しい、苦しい……生きてる、生きてる、生きてる……!」

地面に座り込んだベルナを守る様に、銀の蛇は身体を大きく持ち上げると、漆原へと幾度も振り下ろそうとしていた。
368比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/15(日)18:35:35 ID:uIi [1/2回]
>>361>>365

 「ーーーーぁッ!!」

 最早、口に出すのも憚られる程に気が削がれ。翡翠色の瞳が大きく見開かれる。ーーその瞬間、時が止まった様に空気が凍る感覚が脳裏を訪れる。

    『赤』が舞う。

 「(……ぁ……っ…“気を急ぎ過ぎ”たか。……或いは、“見余った” ……か。)」

 紙一重で咄嗟の機転による追従する様に“赤い外套”が致命傷を避ける様に伸び、銃弾を弾き逸らす───が。その銃弾は茜の腹部を穿いて。
“腹部”に異常な程な違和感に一切の表情を変えず。逆流した口内を侵攻する血液が嫌に気持ち悪い。

 だが、迷う暇も無く膝を折り曲げ、地を蹴りながらも口に付着した血飛沫をアナスタシアのバイザー目掛けて唾を吐き出す様に血液を飛ばせば、場を整える様に後方へ退避する。


 「……だ、誰が“敗北”するって……?
 まだ、あたしは全然余裕だってのッ!」

 その直後、全身の御髪が逆立つ様な巨躯なる大蛇の咆哮が茜の耳を擽るも、その叫びは一切心に響く事無く、後ろを振り返らずただ一点ーーアナスタシアの姿を捉える。

 その翡翠色の瞳は濁る事無く。
 闘志は尽きる事無く。
 その笑みは恐れを知らず大胆不敵に。
 
 「……あたしが“足止め”をして無いとお前は悠花を含め大勢の人を悲しめるだろ?」
 「だけど、あたしの拳は人を護る為の拳だ。決して人を傷付ける様な代物じゃない。──けど。
……あたしが迷ってる内に、大勢の人が悲しむならーーあたしも〝躊躇わない〟」


 何処から現れた異色の粒子が茜の武装の右腕の篭手を覆う様に、形を形成していく。ーーそれは層が重なる様に何層も何層も纏い巨躯なる形へと肥大化していく。
 それは己の体躯程ある〝黄金色の巨腕〟
 
 「ごめん、一つだけ
 …頼みがある。ーー死なないでくれ」


 刹那、「たんっ」と。音と砂埃だけを残した。

一寸でも瞳を逸らせば、踏み込みすら見せずに、茜の脚部にブーストが唸り重心移動だけで推進しと肉薄する距離まで到達する─── 摩擦により焼き焦げた地面の跡を残す。


 ────その瞬間、何かが〝ぷっつり〟とキレた感覚がした。

 ほんの一瞬、翡翠色の瞳から鋭い眼光を覗かせ、眉間には皺が刻まれている。
言葉にも出すのも憚らるドス黒い激情が濁流し、脳裏を塗り押し潰される。ーー時間にしても一秒も満たない間隔だが、その“一秒”でも脳の神経を蝕まれたのならば、その拳はーー。

 “護る”為では無く“殺意”を込めた一撃の拳が、尋常では無い速度と共にアナスタシアの頭蓋を目掛けたのだが───僅かな心が乱れがその巨腕はアナスタシアの“右腹部”に振るわれる。
369雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/15(日)19:26:09 ID:hdq [5/6回]
>>365
>>368

耳を劈く咆哮に、両足を地面に確りと着けて、学園の正門前に仁王立つ。
深く息を吐き、眼前に構えた扇は融鉄色に染まっていた。

「……人と戦うのは苦手なんだ、死にたくないし、死なせたくないし……」

迫る巨影に冷や汗を一筋、扇を回す、回す、赤い残影が円を描いて炎を放つ。
生み出されるのは二枚の炎の壁、徐々に徐々に拡大し、互いを飲み込み巨壁へと姿を変えていく。
時間はかかるが、あの巨影が近づくまでの時間は……十二分だ。

「だから……君ら相手なら、大分気が楽!!」

扇を二閃、右足を軸に身体を一回転。
炎の壁は沸騰したかのようにふつふつと沸き立ち、飛び散った炎の一片が、鋭利な刃を形作った。

「お前みたいな大きい奴を、正面から受け止めるなんて、乙女の細腕じゃ無理だからね!
 だから私は踊るのみ!
 アメノウズメの舞い踊り、目覚めるはアマテラス!」

皮切りに、次々に巨壁の断片が刃へと姿を変え、ミドガルズオルムへと襲い掛かる。
幾本も、幾十本、幾百本も。

「止まれデカブツ!!誰も死なせない、誰の安寧も終わらせない!!!私の手が届く限りは!!!!」
370 : 香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/15(日)20:49:30 ID:VKA [1/2回]
>>349
「……いや、変なコト聞いた私が悪かった。ゴメンね?」

彼女の言葉を聞き遂げた後、少女は申し訳なさそうに彼女の方へとを顔を向けて苦笑いを浮かべる。
自身の思いがどうであれ、きちんと真正面より受け止めてくれる事が嬉しかった。
同時に、まともに言葉を交わす事が初めてである彼女に聞く事ではなかったと思い直し、謝らなければと。

「そう言ってくれると助かるよ。夏鈴が私の事助けに来てくれるの待ってる。頑張って霊装見つけて来なよ?」
「私はいつでも付き合ってあげるからね。それじゃまた、今度は基地で会おう」

まだ始業まで時間はあるが、彼女は先に行ってしまった。残された少女は何度か頭を下げる彼女へその度に手を振って見送る。
一人残された少女。一つ両腕を上に伸ばして柔軟をして、再びいつもの道を一人で走り出す。

「新しい幸せかぁ……いまいち見えてこないんだよなぁ……」

言わんとしている事は理解できたのだが、その内容までは理解できない。当初の目的以外に自分のやりたいことは何だろうか。
自らの中でその疑問を反芻するように何度も唱えながら、運動部の人々を追い抜いていく。
結局この日、少女が学園に登校したのは、既定の時間より少しばかり遅かったという。
371 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/15(日)21:11:15 ID:D10 [2/5回]
>>368

「ほう――――まだ立ち上がれますか」

タスラムの弾丸がガントレットの霊装使いの腹を貫いた。
血弾タスラムの威力は既存の弾丸など比較にもならない威力だ――――このように、霊装使いとて一撃急所に当たればただでは済まない。
然し、急所に受けて頭部を外したとは言え、立ち上がることが出来るのは……それなりに褒められることだろう。
俗に言うのであれば、根性だとか、そういうものか。吐き捨てられた血に、微動だにせず。

「それでは……貴女はそうやって、大衆のために命を削り続けますか?」
「自身を対価に平和を守り続けますか――――いつ終わるかもわからない戦いに身を投じ、いつとも分からぬ落命に怯え続けますか?」

霊装使いとは、アームズに対抗するべく、世界へと無制限の奉仕を強いられる存在だ。
いつ死ぬかもわからないまま、活躍はひた隠しにされ、ほんの僅かな特権で若いその身を戦いへと投じさせられる――――そういうものだ。
アナスタシアはそれを見続けてきた。この国の外にいる頃から……それを巡る、様々な陰謀を含めて。。

「我々はラグナロク。無能な既存人類を超えて、霊装使いの主導する世を築くもの」
「それが分からぬのであれば――――同志足り得ぬのであれば」

――――死ねば良い。リボルバーのハンマーを下ろして、構える。
自己犠牲を肯定することの出来る人間は理解できない。ならば、敵だ。志をともに出来ぬのであれば、敵であるのだ。

「――――何を――――そんなハッタリで、私が怖気づくとでも!!!!」

然し、様子がおかしい――――彼女の纏う霊装に、変化が現れている。
白銀に輝いていた拳が肥大化していく。光は凝縮して実体化し、輝ける力の奔流を此方へと見せつける――――それは、その姿は。
何かと理解する前に、引き金を引いた……僅かに遅かった。既にその拳は、アナスタシアの目前に迫り。

「くぅ――――がっ!!」

正しく殺意と激情の拳が、その身体を打ち砕かんとした。死を覚悟しながら、それでも向けた銃を降ろさず、然し弾丸は空を切っていた。
それは頭蓋を砕くことはなく、腹部へと突き立てられた。体の中の空気が一斉に押し出され、内臓が撹拌されていく。
何本も体を支えるフレームが折れ、その勢いのまま身体が宙を踊る――――身体が砕かれないのは、腐ってもタスラムが霊装であるからであった。
ずるり、とその身体が地面を転がり。然しそこから幾ばくの間もなく、ゆっくりと身体を起こされる。

「なる、ほど……やはり、私のようなロートルでは、力不足のようですね……」

その言葉の直後、喀血する。
戦闘は終わりに見えるだろう――――そう、見える。だが、アナスタシアの瞳は、未だ閉ざされない……どころか、爛々と輝いているようにすら。
372 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/15(日)21:11:30 ID:D10 [3/5回]
>>369


世界を食らう蛇、ミドガルズオルムは、目前にある、霊装使いを喰らわんとする。
本能だ――――人間へと敵対するアームズの本能。そしてその中でも障害となる相手をこそ喰らわんとする。
目前に作り出される炎の壁――――それに対して、蛇は目もくれることはなかった。ただの炎の壁であるとするならば、一息に。
身体を叩きつけるだけで、焼き尽くすこと叶わず。その前に、本体を食らうことになるのだから。

『――――オオオオオオオ――――……!!!』

然し、炎は刃へと変じた。
ただの刃であるならば、巨蛇を焼き尽くすには至らなかろう。ただの一撃であれば、ほんの僅かな傷を作って終わりだろう。
先程のように――――然し、違う。その霊装の名はアメノウズメ――――舞い踊り、奏でるは人類に仇成す邪悪を打ち払い、焼き砕くもの。

「……ミドガルズオルムが……!!」

倒れていたアナスタシアが、思わずそう声を漏らした。
何百もの刃が、ミドガルズオルムに殺到する。その一つ一つがどれほど小さなものであろうとも、何十も何百も束ねられたのであれば。
装甲の下が露出する。無機質なアームズの肉体が露呈する。柔らかな肉を、そして牙を、目を、削いで、焼いて、そして、最後に。

『――――ォォォォオオオオオオオ!!!!!!!』

大きく、そして低く――――絶叫するようにその声を轟かすと、その身体が真っ二つに両断されることになる。
両断された身体は学園の門へと突っ込んでいく――――それを破壊して、中に侵入し、然しそれまで。
人がいると思われるだろう、校舎や体育館の方向へ至ることはなかった。ミドガルズオルムは、そこで確かに――――“止められたのだ”。
373◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/15(日)21:11:46 ID:D10 [4/5回]
>>368
>>369

「お見事……確かに、良いものをみせていただきました……」
「これでは……私も、退くしか……」

息も絶え絶えに、アナスタシアが立ち上がった。
脂汗を流し、荒く呼吸をしながら。然しそれでも尚、捕まる気はない――――どころか、逃走し、それでも敗北を認めてなどいなかった。
一つ、まだ勝算がある。本当に切り札として、ただ単なる戦力としてミドガルズオルムを持ってきたとするならば――――それはここではない。
もう少し重要で、そして効果的で、人が集まる場所に配置する。

「ですが、一つ――――貴女達に面白いものを、見て頂きましょうか」
「私が何故、この学園を選んだのか――――何故、この……ミドガルズオルムを、ここに連れてきたか、答えを出しましょう」

狙いは、学園生徒の虐殺ではない。
当然だろう、未来の霊装使いの可能性ある少女達を殺す意味が何処にあろう――――少なくとも、アナスタシアはその手段を取らない。
だが、彼女らに用があるのも確かであった。そして、それは確かに……成就した。

ふらりと、そこに現れた人影があった。学生制服を着た、少女の姿であった。
名を、西條夏鈴という。三ヶ月ほど前にアイアスに所属する事となり、職員としてその仕事を手伝っていたが……。
適性値は低く、適合する霊装は見つからなかった戦闘員である。そして、その姿が現れたとともに――――ミドガルズオルムが、顔を上げる。

「さぁ、これこそが第一歩――――我々ラグナロクが世界を支配するための力、アームズの力を――――!!!」

両断された頭部が鎌首をもたげて、少女へと喰らいかかった。
頭が素早く動き、大きく顎を開いて、その牙が少女の身体を貫こうとした。
そして――――

「――――Midgardsormr Starten Sie.」

――――西條夏鈴の声とともに、それが謳い上げられ――――その牙は、その身から放たれる輝きによって留められる。
ミドガルズオルムの巨体が分解され、少女の下へと集められていく。制服であった少女の身体が光の粒子へと変換し、分解された巨蛇と混じり合う。

『こ、これは……!!アームズの反応が、変化を……そんな、まるでこれでは……!!』

管制室から、困惑する声が届く。
暗い紫色のインナーが身体を包み込む。艶やかな装甲は、まるでしっとりと濡れた蛇のようなものであった――――装甲厚は薄いもの。
ただ、その身体にはアームズ・ミドガルズオルムの力が凝縮され――――纏うように、巨大な尾が揺れている。

「さぁ、これが!これこそが!!私の研究成果、私の論理、証明された“力”――――」

彼女達を見下ろす瞳は、昏く闇の底に沈み込むかのよう。
敵意すらもそこには存在しない、空っぽの瞳が彼女達を映し出している。


「――――霊装“ミドガルズオルム”!!!」
374香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/15(日)21:57:58 ID:VKA [2/2回]
「アームズを解き放つ……!?やはり奴らはアームズを操る技術を……ッ!?」

ラグナロクからの映像を基地内にて目にした少女、香坂ミナミは即座に基地を飛び出した。
少女はたまたま基地にて待機していた人員に過ぎなかったが、上からの出動命令が正式に下されるよりもそれは早いものであった。



所は変わって、久里峰展望タワー。
ここは久里峰市においても数少ない観光地となっており、平日祝日問わず人々の往来は多い。
飲食街や土産物街も立ち並ぶ場所となっては、人々が完全に避難を完了させるのも、そう素早く行えるような場所ではない。
少女が上空に到達した時点でも、眼下には人々が避難指示を受け移動している様が見て取れた。

「奴らは……奴らはどこに居る!」

霊装に搭載された無線からの誘導を受け、到達した少女は、自らの敵の到着を待ち受けていた。
殺気立った瞳が隈なくタワー周辺を見渡す。だが今の所敵影と思わしき物は見当たらない。

「ねぇ。まさかとは思うけど、私を隔離したとかそういうのじゃないよね?」
「私は今すぐにでも奴らを始末しなきゃならない。分かってる?」

現在の状況に少しばかりの冷静さを取り戻したのか、無線越しに本部の人間に浮かび上がった疑惑をぶつけていた。
確認の為にいったんタワーの展望台上に着地。縁に腰を下ろし、態勢を見定める。
375比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/15(日)22:04:54 ID:uIi [2/2回]
>>369
>>371>>373

 「……それでも、平和を護るよ。」
 「あたしがあたしの為に死ぬならいい。ーーー本望だから!」

 客観から見たら狂った様な倫理観では在るが、それでも茜はその“信念の為”に闘い続ける。
巨躯なる巨腕を包む光の粒子が、天へと遡りと昇華していき元の白銀の“ガントレット”へと戻される。ーーそれは精神の揺らぎか。或いは、目の前の脅威の敵すら“護る”対象に数えたのかーー。

 「もう、……いいだろ?
 言ったろ、あたしの拳は人を護る拳だって。ーー殺す為じゃないんだ。」
 「もし、この場で私の手を掴むならあたしはその手を拒まないよ。」

 己も満身創痍にも限らずに、脇腹から垂れる血液すら気に止める事無く、アナスタシアの前に歩を進めればその瞳は濁る事無く手を差し出し伸ばす───が。その手は掴む事無く。
 「ふっ…」と小さく溜め息一つ残念そうに溢し、脇腹を抑える。


 「よォーっ!大丈夫かーっ!! 悠……花……?」

 そして、可能なら助太刀に入ろうと後方の仲間へと振り返り様子を伺えばーーその異様な雰囲気に言葉を失う。何が起こったのか理解も出来る筈も無く、悠花の安否を確認した後に、再び夏鈴の方に視線を向ける。

 “裏切り”…? “洗脳”…? “融合”……? 当該ワードが脳裏を一瞬にして包み込むが、答えは未だに出ない。───制服姿の彼女には何度か会った事は在るが、確か彼女は、まだ霊装適合者では無い筈だ。……何か妙な胸騒ぎが再度、茜の心を擽る。

 「……夏鈴ッッッ!!!!!」

 兎にも角にも、確かめ無い事には解決出来る筈も無く。その異常な事態に逸早く駆け付ける様に脚部のブースターに火が灯り、空を滑空した。
 そして、対面するーー。
 
376雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/15(日)22:59:08 ID:hdq [6/6回]
>>373
>>375

「……お終い」

融鉄色の扇を閉じ深く息を吐いた、と同時に左腕を抑える。
露出の多い肩近くを掠めていった巨影が残した熱が、肌に火傷を残していた。
とはいえあれだけの大物との戦いでついた傷にしては、軽傷も軽傷だろう。

「茜!拘束拘束!こっちは大丈夫だからさ!」

どうやらもう一つの戦いも決着はついたらしいと安堵に笑みを浮かべて。
軽快にこちらへ視線を向ける同僚に、こっちの心配よりも目の前の相手を捕まえる事に注力するよう指示を。
それから、不意に現れたもう一人の見知った影に、不思議そうに首を傾げ乍らも歩み寄ろうとした。
それはもう、無警戒に。

「どうしたの西條さん、前線に出て来たら危ないんじゃ……」



背後から、何かが砕ける様な音がして。
振り返った直後、ミドガルズオルムから剥がれ飛んだ金属片に背を打たれた。

「ぐぅッ!!」

鈍い衝撃と痛みに前のめりに転倒する、手を地面に突き、通信の叫びも何が起こったのかも理解は出来ず。
困惑の最中呆然と視線を上げた。

「……質が悪い冗談は……よしてくれないかな……」
377◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/15(日)23:36:55 ID:D10 [5/5回]
>>375
>>376

「……比嘉さん、茜さん、こんばんは」

霊装を纏った夏鈴の双眸は、酷く虚ろなものであった。
二人へと向けて、微笑みを浮かべてすらいた――――敵意や悪意は感じられない。どころか、少女は今の自分を理解していなかった。
自分が今、何をしていて、どんな力を振るっているのか……正確に捉えられていないのだ。

「やったよ、私……力を手に入れたんだ。これで皆と一緒に戦える」
「香坂さんに強くなったよって言いたい、不破さんともちゃんと戦える……凄いでしょ、私」

ただ、少女は霊装を手に入れたという事実だけを知っていた。
この体に漲る力が霊装によるものであるということだけは認識することが出来ていた――――ただ、それだけでもあった。
それを見て、アナスタシアは笑っていた――――それこそが、彼女が求めていた仮説の証明であり、それに至るまでの道筋が完成したということでもあった。

『くく、くくく……ははははは!! 無駄ですよ、これが冗談に見えますか!?貴方達の問い掛けは……意味を成さない』

――――瞬間、頭上に星が煌めいた。
隕石を模した、無数の弾丸が頭上から降り注ごうとしているのだ――――ミドガルズオルム、天変地異そのものであるその力を纏った以上は。
その力を有していることもまた、想像に難くないだろう。
そしてそれと同時――――夏鈴の左の瞳から、血液が涙のように流れていく。幾つも血管が浮き上がって、その身体を蝕んでいるように見えるだろうか。

「これで皆を――――守るんだ!!!」

―――頭上からの弾丸。それは彼女の意思に反して、彼女達を打倒するべく降り注ぐはずだ。
西條夏鈴自身は、戦闘技術を持たない――――だが圧倒的な出力を誇るミドガルズオルムの力は、絶大な威力を以て周囲を焼き尽くさんとするだろう。
その最中――――アナスタシアは、ゆらりと空へと舞い上がった。霊装の基本的な性能によるものだ、速度が出るというわけではないが。

『私の、理想通りの力だ――――ミドガルズオルムでこれだけの力が出るのであれば……ははは、ははははは!!!!』

撤退――――彼女達がその相手をしている間に、気を取られている間に、アナスタシアは戦線から離脱しようとしていた。
何方を狙うかは、彼女達次第だ。だが何方にせよ――――ミドガルズオルムを相手にすること自体に、違いはないのだが。
378 : 不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[sage] 投稿日:19/12/16(月)00:30:04 ID:XeH [1/4回]
――――霊装使い達の死闘が繰り広げられる中、彼女はアイアス施設内の医務室に繋がれていた。

「ッ…クソがッ!!私を出せ!ラグナロクの奴ら…事もあろうにアームズを…!!」

四肢を拘束され、腹部も右腕に包帯を巻かれている。先日の戦闘の傷はまだ癒えていない、腹部と右腕に銃弾での一撃をもらってしまってはそうすぐに戦闘に出すわけはに行かないだろう。
だが…ラグナロクの宣戦布告、それを聞いて黙っていられるほど雷火は大人しくは無い。

「許さねぇ…!なんで、なんでこんな時に私はッ…!!」

自分の無力さが嫌になる。もう周りで誰かが死ぬのが嫌で、だからこそ力を手に入れたのに。
これじゃあまるで何も変わっていない。ただ力を手に入れるだけじゃダメなのは薄らと気付いていた、肝心な時に役に立たない、これじゃあダメなのに。

「……くそが…」

だから今は、ただただ悔しさにベッドを濡らすことしかできなかった。

//ソロールです!
379曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/16(月)00:54:15 ID:z4g [1/1回]
>>374

「お~にさ~んこ~ちら、手~のなるほ~うへ☆彡」

静寂を、突然の爆音が貫いた。
彼女が足場にした展望台の丁度真反対側の部分が、炎を上げて1/8ほど崩れ落ちていく。
爆煙を裂いて、終末を告げる紅き少女が展望台へと降り立つ。

「もっと面白い相手が良かった?残念、炎乃火ちゃんで~す?」
「あんなでっかいアームズ、お腹ん中爆薬一杯詰め込んで吹っ飛ばしたら絶対凄くウケるのに、3秒で却下とかアナちゃんマジケチ。そう思わない?」

ぶーたれながら、知ったこっちゃないであろう不平不満に共感を求める炎乃火。
本命から隔離された点については、彼女もまた同じ境遇である様子。

「ま、心配しなくても、こっちはこっちで、楽しくやろ?」

まるで家でパーティをするかのようなテンション。
しかし、油断してはならない。その手には火花の散るダイナマイトが握られ、そして彼女はアイアス教官の腕と足を1本ずつ奪い取った「ラグナロクの火薬庫」……曙野炎乃火なのだから。

//ゆっくりにはなってしまいますが、よろしくお願いします……!
380漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/16(月)04:14:25 ID:CJg [1/3回]
>>367

「……イカれてる……!」

攻撃を受けてなお、いや寧ろ激しさを増していく攻撃に吐き捨てる。
その驚異的なタフネスや常軌を逸したメンタルは、怪物という言葉を否応なしに想起させる。
右の電極で受け、左の電極が弾かれ、ガントレットが軋み。

「っ……!」

膝をついたその時、銀の蛇は牙を剥く。
回避━━━━不適。予測される範囲から逃れるだけの猶予はない。
防御━━━━不適。エジソン・ダイナモでは防ぎきれず、他の発明を構築しても高確率で破壊される。
攻撃━━━━不適。現状の「エジソンバルブ」の火力では、安全に彼女を止めるだけの出力を発揮できない。予測される範囲攻撃には、目眩ましも効果は薄い。
霊装の力で拡張・加速した思考回路が、様々な可能性を巡らせ━━━━━。
 
轟音、そして、亀裂と、赤色。
何度も、何度も、繰り返し。
執拗な攻撃は、土煙と生々しい鉄の臭い、そして壊れた機械をを巻き上げる。
怪物の乱舞が終わった後、しばらくの静寂。
 
 
「━━━━━生きた心地が、しなかったよ」



土煙の隙間から垣間見えるガントレットには、機械仕掛けの勲章が光る。
頭や節々から血を流す少女は、輝きを放つ装甲から、黒く艶めいた装甲へ纏うものを変えて。
機霊装を全く別のものへ切り替えることにより、猛攻に耐えうるだけの防御力を手に入れたのだ。彼女からすれば、樹が適正2つ持ちであるかのように見えるだろうか。
傷のせいか、鎧の重さのせいか、動きは鈍重。しかし、ゆっくりと立ち上がって。

「……機霊装……黒船、装着っ、完了」

両腕についた砲門を、ゆっくりとベルナの方へ構え狙いを定める。

「……撃て!」

腕の大砲が火を吹けば、足元のアスファルトが砕け、身体が後ろへと後ずさる。
その反動が物語るように、火力は先程までとは段違いの一撃。
しかし、元が兵器である分、予備動作は分かりやすい。防御や回避を講じる余地はあるだろう。

 
381ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/16(月)10:04:10 ID:X0F [1/4回]
>>380

自分が生きているのか、死んでいるのか。
その境界が、時々酷く曖昧になる。
だから痛みは好きだ、痛みと苦しみは、自分が生きていることの何よりの証明になるから。
だから戦いが好きだ、痛みと苦しみを、この身が酷く欲しているものを得られるから。

「ぎ、き、ひは、ははぁはははは……」

頬を撫でる、長い爪を皮膚に突き立てて、ガリガリと引き裂く様に掻き毟った。
地面に両膝を着き、長い黒髪は地面にべったり張り付いていて、とぐろを巻く銀の蛇の中心からその隙間の向こうを覗いている。

「……あはぁ、綺麗ね、綺麗、艶々していて……」

霊装の形態変化か、或いは端から違う霊装なのかを判断出来る程知識は無い。
分かるのは、『正面から受ければ無事では済まない』攻撃であるという一点で。
銀の蛇は構えを変える、ベルナを中心に渦を形作り、それは幾層もの鈍銀色の障壁へと変わる。

放たれたのは、紛う事無き必殺の砲撃。
幾層にも張られた障壁を貫いて、貫いて、貫いて……そしてそれはベルナの想定以上の威力をもって、中心のベルナへと襲い掛かった。
幾つもの壁に減速を繰り返してもなお、少女の身体を弾き飛ばすには十分な威力を保持したまま。

「ぁ!」

腹部への衝撃が、骨が拉げるような、内臓が?き乱される様な感覚を抱かせた。
後方へ弾き飛ばされて、己が展開した鈍銀色の壁へと突っ込む。
瓦礫を散乱させ、或いは新たな瓦礫を生み出して。

「生ぎ、で、る……ゴボ……けひゃ、ひゃひゃ……!」

瓦礫に埋もれ、血反吐を吐いて、充血した両の瞳は焦点が定まっていない。
それでもなお笑っている、ゴルゴンはけらけらと笑っている。

「痛い、苦じい、生きでる、生ぎで、る、ひひゃ……ぎひ、ひひ、ひひひひははははぁはは!!
 でもね、でも駄目なの、まだ私は……死にだくは、無いのよ、あ゛はぁははははは!!!」

繰り出されるのは幾度目かの乱舞。
銀の蛇が再起動し、幾つかの箇所が千切れかけた状態のまま、苦しむ様にのたうち回り始める。
382漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/16(月)14:30:16 ID:CJg [2/3回]
>>381

「死にたくないなら、大人しく捕まってもらえないかな……!」

なお攻撃を続けるベルナに、苦々しく呟く。
「黒船」は火力面で加減が利かない。アームズ相手ならともかく対人、それも相手を殺さずにとなると非常に使い勝手が悪い。いくら怪物めいていても、彼女はまだ未成年の少女だ。
無数の鞭のような攻撃を、一撃は頑丈な装甲で受け、別の一撃は腕の艦首に当たる部分が変形した装甲で殴り付け、また別の一撃を砲弾で吹き飛ばし、捌いていく。
かすり傷や衝撃による消耗こそあれど、致命打には至らない。

「全く、死ぬとか生きるとか、そんな事……」

攻撃を捌きながらも、装甲各所に配置された砲門が、彼女へと照準を定めていく。
狙いは彼女本体……ではなく、鋼鉄の蛇の根本に近い部分。
彼女を木っ端微塵にするのではなく、無力化するのが狙い。

「笑って子供が話す内容じゃあ……ないって!」

彼女だけではなく、霊装使い全般へ向けての叫びとともに、一斉射撃を繰り出す。
総火力自体は腕の砲門のみであった先程を更に上回る。しかし、狙いは先程記した通り、ベルナ本体ではなくその霊装。
命のやり取りを行っている場と考えるならば、そこに「子供と大人」の一線を持ち込もうとする樹は余りにも甘い。
一斉射撃直後の隙も大きい。その一種の侮りを突くことが出来るなら、樹にとっての危機になりかねないだろう。
383ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/16(月)15:52:53 ID:EyX [1/4回]
――久里峰市近郊 路地裏
ラグナロク及びアームズ進攻の同時刻――

「おいっすー、アタシだけど」
「こっちはこっちで作戦進行中、ヤバそうになったら言うねぇ」

アナスタシアが事を起こす中、名うての斥候であるギャラルホルンもまた独自に行動を進めていた
ミドガルズオルムを霊装化し絶賛大暴れ中の彼女へ、一方的に送られた無線通信
それを最後に、ギャラルホルンは通信を傍受されないよう無線を封鎖する

彼女には事前の打ち合わせで段取りを伝えていた。ギャラルホルンの目的はアイアス本部への潜入、および霊装の強奪である
街での狂乱のせいで霊装使いは出払っている。ともなればその隙に乗じ本拠地を叩くのは定石であろう
しかしギャラルホルンはアナスタシアに伝えていない真の目的を胸に、この地へと降り立っていた

「移転してなきゃ入口はここ……うん、あった」
「地下、かァ……ちょっと不利かもだけど、行けるかな?」

アイアス本部への通用口は様々な街のオブジェクトに擬態し、都市の生活圏に溶け込んでいる
このマンホールは自らの所有者である初瀬琴音が用いていたものだ。今でもよく覚えている
3年前のことだ。アイアスから逃亡した日の事を思い出すと、らしくなく指先が震えた
わなわなと膝が笑う。歯を食いしばり、太腿を思い切り銃床で叩いて過去の記憶を押さえつける

小型の爆薬を出入り口の裏側に貼り付けて起動、手元のデトネーターとリンクしたことを確認し、装置をポケットに突っ込む
梯子から飛び降りると、誰もいない地下通路に靴音が不気味に響いた。何処からか染み出した水たまりを踏みながら、本部への道を歩く
すぐに現れる封鎖されたドア。アイアスのセキュリティは厳重だ。認可された人物以外は通れない
それはギャラルホルンとて例外では無いが、そこで立ち行かぬ程彼女も愚かではなかった。
背負ったバックパックから大型の爆薬を取り出し設置。突入用の高性能サーマイト爆薬である

「えっと、本日はお日柄もよく~……めんどくさ、アイアスをブッ潰しに来ました!」

次の瞬間、爆音、銃声。ドアが吹き飛び、近くにいた職員が吹き飛ばされて気を失う
職員を下敷きに倒れたドアのにのっしと上ったギャラルホルンは、辺りを見回して呑気に挨拶
急いで駆けつけた武装警備員を見つけると、にんまりと微笑んで問い掛ける

「四ツ谷さんはいるかにゃ?」

この場に他の霊装使いが駆けつけた時、既に一面に惨劇が広がっている頃だろう
あちこち黒く焦げ、あるいは破壊されて。警報装置やスプリンクラーがフル稼働している。まさにケイオスといった状況
警備員は防弾着越しに撃たれ負傷、死者こそ出てはいないものの、誰も彼も動ける状況には無かった
非武装の職員たちは頭を抱えて身体を丸め、直面したことのない恐怖に打ち震えるものばかり
まるでナメクジの這い跡のように破壊の後は一直線に伸びて、迷うことなく幹部たちのオフィスまで続いていた
384ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/16(月)15:53:17 ID:X0F [2/4回]
>>382

「私が、おがしぐ見えるでじょう?」

瓦礫の山から身を起こし、口から血反吐を溢しながら、濁点混じりの声でけらけらと。
充血した瞳は見開かれ、薄紅色の片瞳は何処を見ているのかも定まらずギョロギョロと動き続けていた。
ベルナの手元へ、鈍銀色の蛇が急速で収縮していく。

「でもね、でも、いくらおかじくても、気が狂っていても。
 私はごんな風に生まれただけ、ごの世界にこんな風に産み落とざれただけ、貴女達と同じで生きだいから、生きたいように生きているだけ。
 何がいけないの?けひ、ひひ、産まれて来たこと自体が罪だとでも言うのかしら?ぎき、ひひひゃははははは!!」

幾重にも放たれる砲撃が、収縮し一塊となった鈍銀色を打つ。
表面をへこませ、抉り、破片を飛び散らせ、苦しむ様に時折波打ちながら。
削れていく鉄塊を盾代わりに、ベルナはゆらゆらと前進する。

「気持ち悪い気持ち悪い、生温い『同情』も『哀れみ』も。
 気持ち悪い、気持ち悪い、中途半端な『慈悲』も『救い』も。
 気持ち悪くて気持ち悪くて、大嫌いよ、だぁいっ嫌い」

ゆらゆらと、ゆらゆらと、亡霊の如く、蛇の如く。
細長い舌が口元の血を舐め取った、口角は依然笑顔を形作っていて。
一定の距離まで接近すれば、叩きつけるのは傷つきに傷付いた鉄塊そのものだ。
最早それは蛇では無い、鞭でも刃でも無い、純粋な暴威の塊だ。

「貴女達のこと、大嫌い」
385漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/16(月)17:50:09 ID:CJg [3/3回]
>>384

「……自覚してるなら、誰も傷つけないように生きていくことは、出来たはず……!」
「……何が、君を、そこまで」

呪いのような言葉を垂れ流しながら迫る少女へ、表情を曇らせる。
こうなる前に、誰かが寄り添えていたならば……その考えこそが、ベルナが意味嫌うものであることに、無自覚なまま。

「…………なぜ」

砲弾の嵐を抜け、嗤う少女が鉄の塊を振りかぶる。
リロードの僅かな時間があれば、彼女は樹へそれを叩きつけられる。
溢れた言葉は、自身の研究成果の力不足への嘆きか、それとも目の前の少女がなぜここまでになってしまったのかという疑問か━━━━━。

何かが、砕ける音。
 
「ぁ……っ…………」

アスファルトにめり込んだ身体を、指一本動かせない。
機霊装が解除され、装甲が虚空へ消えていく。意識も遠退く。
樹の命も、彼女が装着していた研究成果……機霊装も、辿る運命は彼女の気まぐれ次第だ。
386比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/16(月)18:15:19 ID:Q5q [1/1回]
>>376>>377

 「……人を傷付けて、自分も傷付ける。
 本当にお前が手を伸ばした力は、こんな“悲しい力”なのか……? 」
 「ーーー偽りの力に心を騙されるなよッ!!」
 

 まるで透明の壁に話し掛ける少女に、その声音は子供を諭す様に穏やかでは在るが、普段の自信満々の表情は消え失せて困惑と動揺の表情を覗かせる。ーー霊装適正値が低い彼女が、“常軌を超えた”異常な霊装を纏う事は即ち……。

 〝まずい…!〟───そんな言葉を出す暇も無く異変に気付いた頃には、弾丸の雨が降り注ぐ。

 「……悪辣にも程があるーー。」
 「(奴を追い掛けるか……? 否、優先すべき事を見失うな!! でも、あたしは仲間に拳を向けられるのか……? あたしはーー。)」

 「分かってる。本当は、追い掛けた方が良いに決まってる。
 ーーけど、目の前の仲間を見捨てて、後悔しながら祝福を受けるぐらいなら、一生後ろ指を指されながら生きた方が全然嬉しいッ!!」
 「ーーだからあたしは夏鈴を助けるッ!!」

 「……悠花、判断は一存する。
 奴を追い掛けても咎めないし、逆も然りだ。」
 

 降り頻る無数の弾丸を一瞥すれば、攻撃を躱すのでは無くまさかの白銀の拳“弾き逸らす”。
 激しく飛び散らす火花すら目に捉える隙も無く只管、神の御業の如く丁寧かつ大胆に軌道を何度も何度も何度も目の前の無数の弾丸を逸らしていく。

 「ーー駄目だぜ、そんなんじゃ皆の“思いが乗った”あたしのこの拳は砕けない!」
 
 最早、肩で息をするのがやっとの状況で虚勢を張る。 装甲も砕け損傷し、激しい傷跡が次々と刻まれる肢体だが、それでも彼女は相も変わらず大胆不敵に笑う。───精神を砕かれぬ限り“オリハルコン”は砕けない。
387香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/16(月)19:29:01 ID:pCR [1/1回]
>>379
突如として背後に巻き起こる爆発。即座に身構えれば、爆炎の中より姿を現す人影を視認。
目元を覆うバイザー内に現れた枠組みが、派手な登場シーンを施した彼女を捕らえる。

『確認中――――対象霊装、識別信号無し』
「アームズ……じゃなさそうだね。ラグナロクとやり合ってる場合じゃないんだけど……」

少女にとって、ラグナロクの霊装乗りは重要な問題ではなかった。故に溜息を付きながら対峙する事になる。
この少女の目的はアームズを殲滅する事。ラグナロクはあくまで復讐に時折割り込んでくる邪魔者に過ぎない。
その認識も、ラグナロクがアームズを操っている、という情報を聞いて以来、少しずつ変わりつつあるのだが。

「キミはアームズを操ってるヤツかな?そうじゃないなら他を当たって。私はそんなに暇じゃないから」
「もしかして、上の人らも最初から知って……いや、アレは……?」

彼女からの不満に直接答える事は無いが、ついこちらの不満も口にしてしまったその時、爆炎の晴れた視界に明確に映る彼女を姿に、目を見開く事になる。
あの姿には覚えがある。そう遠くない前、かねてよりの戦友が重症を負って帰ってきたあの日。作戦記録映像に映っていたあの姿。

「そうか、アイツか……」

別に敵討ちという訳ではない。第一復讐は自分の事ですでに間に合っている。今更対象を増やそうという気はあまりない。
だがしかし、少しばかり彼女の事が気になってしまった。戦友を――神埼千華を倒した者がどのような人間なのかを。
そして間違いなく、ソイツは危険な人間なのだと、相手を把握した時より自覚していた。

「楽しくやる気はないけど、とりあえず相手はする。だから……」

少女は背中から倒れるように展望台の淵より身を投げ出す。周囲は一瞬の静寂に包まれる。
しかし次の瞬間には、反対側に居たはずの彼女の背後より、先ほどの少女が展望台下部より現れる。背中に大型の機械の翼を乗せて。
翼の両端より顔を出すミサイルポッドより、弾頭が一発、彼女に向けて放たれる。明確な敵意を持った一発が。

「……来な!」

//こちらこそ不安定になるとは思いますがよろしくです
388ベルナ・アルベルタ◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/16(月)21:37:49 ID:X0F [3/4回]
>>385

「……っ、げぇ、えほ……」

鉄塊を叩きつけ、膝を突いた直後、今までより大きな血の塊を吐き出した。
薄紅の瞳が徐々に深紅に染まり、眼窩との隙間からどくどくと赤い涙が溢れて、咄嗟に瞼を閉じる。
金属がひび割れる様な音と共に鉄塊が崩れ、消えていく。

「あはぁははは、終わりね、終わり……もうボロボロ。
 けは、げほ……心臓も、とてもとても痛いもの」

『黒船』の衝撃により折れた骨が内蔵を傷つけている、これ以上動き回れば、きっと命まで失う。
死ぬわけにはいかない。
名残惜しそうに、微かに離れた場所で横たわる漆原を一瞥して、ゆっくりと踵を返した。

「アナスタシア……アナスタシア……お腹の中を怪我したわ……これ、治るかしら……ひひ、きひひひひひ……」

血の跡を残し、戦いの傷を残し、長い髪を引き摺りながら。
ベルナの姿は土埃の向こうへと消えていく。

//取り合えず撤退という形で、この辺りで〆る形で良いでしょうか……!
389雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/16(月)21:39:57 ID:X0F [4/4回]
>>377
>>386

「……本当に、冗談やめてよ西條さん。
 こんな力じゃ守るどころじゃない、全部壊れるよ、守るべき物まで全部さ」

閉じていた扇を再び開く。
僅かばかり怒気を孕んだ静かな声と共に、深紅の着物ははためいた。
瞬間、地面を思い切り蹴って前方へと走り出す、ミドガルズオルムを身に纏う西條の元へ、己の霊装の秀でた三次元機動性能に任せて強引に。

「私達のこと、後ろから見ていた筈でしょ君は!!そんな単純な事が、分からない子じゃなかったでしょうがッッ!!」

ステップを踏んで躱す、扇で弾き落とす。
しかしその隙間を縫い落ちて来た幾つかが背中を打つ、足を打つ、その度に着物の深紅は色濃くなった。
額を掠めた弾丸に、飛び散った鮮血が目に入ったので片目を閉じた、視界が狭まった拍子に足を貫いた弾丸が、僅かに動きを鈍らせた。

連戦の疲労もダメージも色濃く、それでもなお強引に突き進んだのは、半ば意地の様なものである。

「というかさぁ!分かってる!?君がそんなんじゃあ、さっき『みんなの安寧を守る』なんてビッグマウス言っちゃった私がさぁ!!
 すっごい恥ずかしい事になるんだから!!なぁに簡単に操られてんの!!」

声を嗄らしながら、渾身の怒号と共に西條の元へ辿り着く頃には、立っているのがやっとの状態だ。
それでも雨野悠花は、兎角真っ直ぐ正直に、西條へと飛び掛かりその身体を抑え込もうとするだろう。
あくまでも、『敵に操られている同僚を、正気に戻したい』というただその一心でだ。

「茜ぇ!!一発ぶん殴ってやらんかぁい!!」
390不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/16(月)21:41:58 ID:XeH [2/4回]
>>383

今回の異常事態、当然アイアスはその霊装使いのほぼ全てを導入してことに当たるだろう。
市民の命は最優先だ、基地の守りなどそんなときに思考の片隅にもあるはずがない、少しでも戦力が欲しいという状況なのだから当たり前だ。
――――だが、これは偶然か。戦える霊装使いは未だアイアス基地に残っていて。

「ギャァラァルゥホォォルンッッッッ!!!!」

獣のような怒声。その刹那ギャラルホルンのいるすぐ隣の壁が吹き飛ばされる。
豪風と共にぽっかりと穴が空いたそこから現れたのは恐らく彼女も知る霊装使いの一人だろう。

「てめぇ…よくもノコノコと戻ってこられたなぁ!?」

先日の戦闘での負傷でアイアス内部の医務室にて治療を受けていた最中だった故に雷火は今回の作戦には駆り出されなかった……いや、参加させてもらえなかったの方が正しいか。
見れば雷火の服装は入院患者が着ているような服に右腕には包帯が巻かれていた。

「そうだよなぁ…アームズ操るってならお前だもんなぁ……落ちるところまで落ちたじゃねぇか、あァ!?」

//返信がスローペースになりますがよろしければ…
391ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/16(月)22:25:38 ID:EyX [2/4回]
>>390
「や、やめ……やめろ……!」

「……おひさ、四ツ谷さん……いや、四ツ谷朝巳(よつやあさみ)防衛大臣」

不破雷火がオフィスの壁を突き破って現れたその時、目に入った光景は切迫したものであった
彼女の象徴でもある大型リボルバー拳銃を携えたギャラルホルンが、アイアスの幹部の一人を組み伏せていたのだ
膝で背中を押さえつけ、銃口をぐりりと後頭部に押し当てて。引きつった笑みを浮かべていた

「アタシの大切な人、二人も殺してくれちゃってサ」
「〝この子〟もカンカンだよ、ずっと頭の中に語りかけてくる……お前を殺したいってね」

右腕を肩から指先まで覆う鱗のようなガントレットが、ギャラルホルンの声に呼応するようにギラリと光る
彼女自身も霊装も、どうやらこの殺しにはやる気満々の臨戦態勢で臨んでいるようだ

「ずっと決めてたんだ、初めての殺しはアンタにするって。だから――」

バイフロストで首根っこを掴み、ギャラルホルンがその頸椎を狙う。龍虎に睨まれ逃れようの無い状況
既に命運は決し、もはや死は確定的と思われた。そんな中での雷火の乱入により、どうやら大臣の天寿はもう少しだけ延びたらしい
地面に這いつくばったままデスクの裏に隠れ、携帯端末で必死に応援を呼びつけている

「あぁ、もう!、こんなうるさいのってあの子しか居ないじゃん!」
「――雷火ちゃん」

勿論それはギャラルホルンが引き金を引かず、突入してきた雷火の方へ意識を向けたことによる結果だ
予期していなかった霊装使いの乱入に苛立ちを隠せないギャラルホルン。それもその筈だ
雷火は近距離格闘型霊装の中では群を抜いた破壊力を誇る、最強クラスとも言える霊装使い
とっくに前線へ出払っている筈、本来ならば此処にいるべき手駒では無いからだ

「なんでこんなトコいるのさ、さっさと前線出て先輩の手伝いしてやんな?」

病衣を纏った雷火に銃口を向けたまま、しかし先に発砲することなくギャラルホルンは退けと伝える
サッと殺してサッと帰るだけだから邪魔すんな。さらりと言ってのけるが、相当に破綻した滅茶苦茶なロジックである
392◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/16(月)22:28:26 ID:MpM [1/1回]
>>386
>>389

『く、くくく……ははは、愚かですね、私を放置して向こうに行くなんて』
『木っ端霊装使いが二人いたところで、ミドガルズオルムに敵うはずがないというのに』

彼女達が気を取られている間に、アナスタシアはまんまと逃げ果せた――――ここで追われていたならば、どうなっていたか。
ミドガルズオルムがある程度動いてくれる以上、多くは同様の結果に終わっただろうが、捕らえられる可能性自体はあっただろう――――即ち。
彼女達が情に動かされたことを、アナスタシアは笑った。目的のために合理的に動くことすら出来ない、所詮未熟者だと。

『ふぅ――――……ベルナが撤退しましたか。私も退きしましょう……目的には足りませんが、ギャラルホルンが仕事さえ果たせば……』
『……“ベルナ、治せますし、治します。ので、私が行くまで耐えてください”』

今回は二面作戦だ。こちらが派手に動き回れば、それだけギャラルホルンがやりやすくなる。
内部に侵入して中から攻撃を加えられたら、今後の戦いが一層楽になることだろう――――その真の意図を、アナスタシアは知らないが。
ともあれ、アナスタシアはここで撤退することになる――――が。

――――大いなる世界蛇の霊装。
その出力の高さは、霊装として纏っているアームズが“完全状態の霊装”に非常に類似しているからこそにある。
“完全な状態で発掘された霊装”は、時として霊装使いを介することなく超常的な力を発揮することもある――――ミドガルズオルムは。
まさしく、それを霊装として使っている状態だ。そのため、出力は高く――――然し、身体への負荷は相応以上に大きい。

「……助ける?違うの、私が皆を助けるの。もう、私は後ろで見てるだけじゃない」

――――少女の思考は、ミドガルズオルムに適合するための薬物投与とそれに副次する錯乱状態によって殆ど閉ざされている。
アナスタシアの言葉通り、言葉に反応こそすれども、届かない。少女はただこの霊装を振るうだけの依代でしか無い。
ただ、言葉にするのは今まで少女が抱き続けていた思いだ。雨野悠花が、比嘉茜が、戦場に出るために思い続けていたことだ。
後方で見送るだけの自分が、しかしこれでようやく変わることが出来た――――と。少なくとも、夏鈴は思い込んでいる。

「私だって戦えるんだ。ほら、こんな風に――――!!」

隕石を模した弾丸が通じないのであれば――――空が暗雲に閉ざされる。黒く染まったそこから、豪雨と共に、轟音と落雷が降り注ぐ。
正しく世界蛇が先程やったものと同じように。然し今度は、その力を完全に制御できていないのだろう……より激しく、より強く、撒き散らすように。
然し精度が低い。勇気を以て前に踏み込めば……

「……だから、二人とも、私に任せてよ」

夏鈴の左目から、赤黒い涙が流れ始めた。
身体負荷の影響だ――――そして何より、閉ざされているはずであった心が、僅かに変化を見せたのだ。
そして、凪いだ状態の心でも、制御しきれない力であったのだから――――そうなれば、力はより不安定なものになっていくのだ。

「なんで、まだ、二人とも――――戦ってるの――――!!!」

落雷は、絶叫とともにより激しさを増していく。
393不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[sage] 投稿日:19/12/16(月)22:47:27 ID:XeH [3/4回]
>>391

「出れるならとっくに出てんだよ…この程度の負傷なんでもねぇのに上の連中が止めなければッ!」

この程度、とは言っても銃弾による直撃を腹部と右腕に受けたのだから軽いはずがない。だがそれでも日頃から痛みに慣れて、そして霊装使いであることからか戦闘行為自体に影響はない程度にまでは回復している。
だがそれでもあまりに負荷の激しい戦闘をすればその限りではないのだが……

「退け、だぁ…?目の前に裏切った畜生野郎がいて、街ではアームズやらてめぇんところの霊装使いやらが暴れてる……そんな中でてめぇを見逃せって?」
「私はアームズが憎い、害虫以下のアレは一刻も早く駆除して然るべきだ。そしててめぇらは事もあろうにアームズを"手中"に収めてるようじゃねぇか……」

「――――そんな奴を逃すわけがねぇだろうがッ!!!」

霊装への換装。雷火の身体を電気が走り暴風と共にその姿が変わる。
"雷槌ミョルニル"、雷神トールが操る巨槌。「打ち砕くもの」の意味を持つそれは文字通り破壊の権化と呼んで然るべきそれを……しかし雷火は手にしていなかった。
それもそのはず、室内での大型の武器というものは取り扱いが非常に難しい。さらに言えばミョルニルの破壊力では基地にどれほどの損壊を生み出すか計り知れない、そうなれば霊装使いはともかく他の非戦闘員に危険が迫ってしまう。
それゆえの素手、だがそれでも"メギンギョルズ"があればどうってことはない。
ミョルニルは3つの霊装がセットとなった霊装。そのうちのメギンギョルズにはミョルニルを振るうために必要な"力"を所有者に与えるものであり。

「さぁ……死なねぇ程度に半殺しだ」
394ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/16(月)23:08:30 ID:EyX [3/4回]
>>393
「んぇ……あの〝ムニョムニョ〟出さないの?」

霊装を纏った雷火。ギャラルホルンとは対照的に、向こうは剥き出しにした闘志を抑える気もない程に戦意に満ち溢れていた
そうなればやはり、無血でこの場を乗り切る事は難しいだろう。ギャラルホルンも腹を括ったようだ
けれど依然として素手のまま、ミョルニルを構える素振りすら見せない雷火に対し、少女は少しだけ目を細めた

「んー……あのさ、一応アタシもアイアスでヒラやってた訳じゃないから……舐めないでね?」
「まぁ下水道に這いつくばって隠れる虫ケラ組織なんか、何の指標にもなんないけどサ」

ギャラルホルンは……というより、彼女の所持者である初瀬琴音はアイアスの中でも指折り数えられる程の達人であった
今で言う神崎千華クラスの霊装使いを、彼女の師として仕えていたからだ。故に戦闘の基礎は叩き込まれているし、頭もよく回る
そして 共に戦った霊装であるギャラルホルンもまた、その戦いぶりを間近で目に焼き付けていたのだ

「霊装使いなんだから、一発撃たれた位じゃ死なないよねッ!」

手を抜いたままで渡り合う事の難しさを叩き込むべく、ついに先制攻撃を仕掛ける
互いの距離が離れている状況、勿論右手に握っていた銃を雷火目掛けて放つ
放たれた弾丸は三発。彼女の胴体の中心部に一発、そして回避方向目掛けて立て続けに二発だ
ポケットサイズの霊装から放たれたそれは、腐っても霊装。その小ささに見合わぬ威力を秘めている
395比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/16(月)23:15:55 ID:0tb [1/1回]
>>389>>392


 「誰にも頼らないと云うのは、強い訳じゃないぞッ!
……人を頼ることを覚えろ!困った時は助けを求めてもいいんだ!
 それとも、頼り甲斐が無いかな。……私達は。」

 ーー激しい轟音が耳を擽る前に、茜の脚は動いていた。
 それでも、その試練からは逃れた訳は無く。ーーその怒号の慟哭と共に似た落雷が茜の身体を意図も容易く射抜く。

 突如、硝子が割れる様な似た音が周囲に反響すれば、左腕の白銀のガントレットが砕ける様に崩壊し、粒子と化して霧散していく。ーーそれでも歩は止まらずにーー。

 
 「はは、冷静に見えてすぐ熱く沸騰する。
 ……駄目だぜ、是れからその癖治しとおかないと。ーーーまた心を支配されちまうぜ?」
 「大丈夫だって! 今回は少しだけ力の使い方間違えただけだ。……お前は強いよ。 」


 距離を測る様に片目を閉じれば、武装も無い日焼けた小麦粉色の〝左腕〟を前に晒す様にして構え、ゆらり、と。歩を進めれば、その一発は確実に近付いていきーー。
 最早、言葉が通じないのなら、拳で強制的に目を覚まさせる他ならない。


 「…歯ァ、噛み締めとけよ!」
 「ーーーこんの馬ッ鹿野郎ッッ!!」


 茜の怒号は落雷に掻き消される事無い程に、雄々しく、悲しく、誇らしくーー。
 左腕の鋭い直線的な拳は、色々な感情を載せて今度は日和る事無く夏鈴の顔面へと軌道が描かれていく。
396[email protected]勝利すべき黄金の剣[] 投稿日:19/12/16(月)23:35:30 ID:Vpk [1/1回]
>>346
||お前エリナやろ?w||
397不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[sage] 投稿日:19/12/16(月)23:38:19 ID:XeH [4/4回]
>>394

「私の霊装は……"ミョルニル"だけじゃあねぇ」

正直に言えば今この場所での戦闘は雷火にとって一方的に不利な展開だろう。
基地内にはまだ逃げ遅れた非戦闘員もいるはずだ、それにさきほど彼女に殺されかけていた防衛大臣。それら全てを守りながら戦闘を行うのはかなりの神経を使う。

「てめぇこそ、私はステゴロでの喧嘩なら負けなしなんだよ」

相手の実力は十分に理解している、だがそれがどうした。
今から戦う相手の力量を気にしてなどいられない、相手が誰であろうとただひたすらに戦うのみ。せれに戦闘のセンスでなら雷火も負けていないという自信があった。

「そいつはつい最近味わったんでなッ!!」

つい先日、この怪我をさせられた相手が全く同じ銃での戦闘を得意としていた。あのときのようにはもうならない。
全身に電気が走れば次の瞬間、雷火の姿が一瞬揺らめいたと同時に消える。
回避を潰した残りの二発。ただそれも"銃弾が放たれるまでの速度"を上回れば意味もない。
彼女がトリガーに指をつけそれを引こうとした瞬間に動き出したのだ。先に動けたのならばそれはこちらには届かない。
ミョルニルは確かに絶大な武器だ。だがその分その重量は当然機動力にも影響する。それが無い身軽となった今、普段とは違うパワーにモノを言わせた戦い方ではなく速さを駆使した戦闘が可能となる。
そうして次の弾丸が放たれる前に距離を詰めようと駆け抜ける。もしも距離を積めることに成功したのなら流れるように回し蹴りを繰り出すことだろう。
398ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/16(月)23:52:45 ID:EyX [4/4回]
>>397
「…………!!」

凄まじい速度で繰り出された回し蹴りを、僅かなヘッドスリップで回避。カウンターとばかりにすぐさま左のボディブローを繰り出した
右脇腹は急所。打撃をまともに喰らえば肝臓に直接ダメージが届く。高所より背中から落ちた時のような不快感が襲ってくるのだ
いきなり大技とは大した自信だが、ギャラルホルンのように経験豊富な者にとっては絶好のカウンターチャンスでもある

「確かに速いし、パワーもスピードもアタシより上かもしんない」
「でもまだまだ、カラダの使い方がお子ちゃまダゾ?」

ボディブローを振り抜けばすぐさま距離を開け、しかし再び発砲することはない
敵前でいちいちリロードなどやってられる筈もなく、相手が雷火のような獣じみたポテンシャルを秘めていれば尚更だ
センスは上々、身体能力も高い。ギャラルホルンが彼女に優っている所は、さしずめ技術と経験くらいのものだろう

「さ、次は何を見せてくれるのかな?」

無駄のない構えを見れば分かるだろう。彼女の格闘技術はストリート仕込みの喧嘩術ではない
軍隊や特殊部隊のそれに近い、殺しのための身のこなしである
399不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[sage] 投稿日:19/12/17(火)00:15:30 ID:9J6 [1/4回]
>>398

「ッ……!!」

だがそれでも気持ちが先走りすぎたのだろう。蹴りを回避されそしてその直後のボディブロー。身体を逸らそうとしたものの空中での回避には限界がある、直撃ではないもののしっかりと捉えた感触が彼女の拳に伝わるだろう。
雷火の方も後方に大きく飛び退き態勢を整える。だがさきほどのボディブロー、そしてまだ完全には癒えていない傷跡も相まってダメージはそれなりに響いているらしく顔をしかめて。

「……ッ…舐めんなッ…!!」

身体に再び電気を走らせる、人間の身体は脳から発せられる電気信号によって行動する。
雷火はこれを自分の意思で電気信号を外部から流すことで無理やりに身体を動かしているのだ。当然その分身体への負荷は凄まじい、普通ではありえない身体の動きを強いるのだから当然だろう。

「ならこれならどうだッ!!」

繰り出すのはさきほどと同じ回し蹴り…だが今度のこれは当てるためのものではない。
回避、もしくは防御されたと同時に無理矢理に身体の向きを空中で変えて踵落しに繋げる。その人間離れした動きは彼女の洗練された体術とは違う、まさに野生のそれだ。
400ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/17(火)00:37:53 ID:sGs [1/4回]
>>399
「ははッ……今日が初めて負ける日になるかもしんないね?」

手応えは浅い。けれど確実にレバーにダメージを与えた。初手が上手く決まるのは格闘戦に於いて大きなアドバンテージだろう
そこまで格闘技の心得が無さそうな身のこなしであるにも関わらず、後方に飛び退いて衝撃を殺す対応には頭が下がる
まさに天才、否天災的。ストイックに鍛え続けていれば、きっとギャラルホルンの手に負えない程に熟達していただろう
けれど今日に限っては負ける気がしない。そう豪語するのは対面する当のギャラルホルンだった

「おぉっ……!?」

再びの回し蹴り。一度読まれた大技を二度打ってくるのは格闘技においてタブーである
一度合わされたカウンターを、今度こそ確実に叩き込まれるリスクが大きいからだ。無論ギャラルホルンもそれを狙った。狙っていた
しかし空中で急激に軌道を変える蹴り足は、まるで空手の三日月蹴りを彷彿とさせるような、見事なフェイント
先程のように頭を動かして回避しようとしてギャラルホルンにとっては、脆弱な鎖骨に踵が振り下ろされる結果を伴い

焦って両腕をクロスさせ、目を点にしたままそれを受ける
咄嗟のガードであったため構えが甘く、そのまま押し潰されて膝が折れる。すなわち地面に片膝を突くような格好となったのだ
人間離れした挙動から繰り出される踵は、まさに雷神トールのハンマーの如き圧力を誇っていた

「あァもうッ……!常識(セオリー)通りに動いて欲しいなァッ……!」

勿論その状態のまま追撃を待つギャラルホルンではなく、片膝立ちのまま右手を真上へと突き出す
銃が握られた手だ。つまり武器をしっかりと握りしめた右手で雷火の顎を打ち抜かんとしたのである
銃口は硬い鉄の拳のようなもので、カチ上げられれば意識など軽く飛ぶほどの威力を秘めている
無論苦し紛れに放たれたこの攻撃をいなせば、反撃の大きなチャンスになるということだ
401不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[sage] 投稿日:19/12/17(火)00:58:17 ID:9J6 [2/4回]
>>400

入った、だが致命打にはなり得ない。それでも膝をつかせたというのは雷火にとって肉体的にも精神的にも優位。
空中での軌道変更は最大でも3回までが限度。それ以上は身体への負荷で下手をすれば身体を壊しかねない。そしてまだ怪我が完全に癒えていない今なら二回が限界。それ以上は確実に次の手に支障が出る。

「ッッッ…!常識(セオリー)なんてとっくの昔に捨てちまったよッ!!」

だがそれでもこれを食らうわけにはいかなかった。
上体を大きく逸らして銃口での打撃を回避しようとする。だがそれでも完全には回避できない、身体が悲鳴を上げこれ以上は動かせないと訴えかける。だがそれでも。

銃口はギリギリ顎を掠めて、宙に流れる。上体を逸らし、そしてそのまま一度地面に着地し最初のボディブローのお返しにと拳を握りしめて――――

「ッッ…!!?」

身体が動かない。度重なる身体への高負荷により限界が来たのだろう。
目の前で唐突に静止するそれはまさに攻撃してくださいと言っているようなものだ。
402ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/17(火)01:11:33 ID:sGs [2/4回]
>>401
「ガラ空き!もーらいッ!」

拳を握り締め、しかし最後の最後で身体が限界を迎えた雷火。手負いの状態でよくぞ戦ったものだ
けれど戦争には私情を挟む余地など存在しない事は、彼女であるからこそ知っているだろう
故にギャラルホルンは手負いの相手にも全力を尽くす。素早く仰向けに倒れるようにし、そのまま足払いへと繋げて
もしも彼女が倒れるようなことがあれば、太腿を首へと巻きつけて三角絞めの格好へと持ってゆきつつ
フリーになった右腕で銃を握り、今度こそ四ツ谷を仕留めんと狙いを定める筈だ

「さぁ、て……覚悟しな、四ツ谷……ッ!」

両脚を用いた寝技は一度掛かれば瞬く間に意識を刈り取られる危険なものだ
もしも極まってしまったのであれば、脱出を果たす手段は一つしかない

出し惜しみせず、持てる力の全てを尽くすことだ
403曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/17(火)03:10:27 ID:AIV [1/4回]
>>387

「つれないな~。アタシより化け物が好みとか、ちょいひどくない?」

イマイチなテンションに、炎乃火も不完全燃焼気味。
アームズだろうがアイアスだろうが派手に吹っ飛ぶなら気にしない炎乃火だが、気分というものはある。

「お、ひょっとしてアタシ、有名人?そいやあの槍の子、生きてるんだってね。あんだけ吹き飛ばして生きてるとか、アームズよりよっぽど化け物じゃんか」

ラグナロク側でも、記録映像は取っている。普段は見返したりしないが、どうなったのかが気になって神崎のその後だけ確認したのだ。
友人同士の馬鹿話のようなノリで、彼女の盟友を冥土に送り損ねたことを悔しがる。

「えー。もっとテンションあげて……!?」

ふらりと風にあおられたかのように落ちた彼女に、流石の炎乃火も絶句する。だが、それもつかの間。
物理的に向けられる敵意、そして宙へ躍る機体。
それらを瞳に写し、にぃと笑って。
 
「━━━━イイね♪」

手に握っていたダイナマイトを下から投げつければ、炎乃火の数m手前で炸裂し、ミサイルもまた誘爆し爆ぜる。
そして、爆炎を突っ切る形で駆け出し、彼女もまた空へと飛ぶ。
炎乃火の飛行は、空中で起こした爆発の反動を利用した、飛行と呼ぶかは怪しい代物。速度こそ出るが直線的だ。
辿り着けたならば、爆発つきの飛び蹴りを叩き込もうとするだろうが、空がホームグラウンドの彼女であれば、いくらでも妨害や攻撃を仕掛けることも可能だろう。
404 : 漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/17(火)03:13:51 ID:AIV [2/4回]
>>388
//そうですね、ではこちらも去ったあとアイアスに回収されたということで〆でお願いします
//ロール有難うございました、また結花で絡ませてください
405氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/17(火)03:36:53 ID:AIV [3/4回]

「よい、しょ……よい、しょ……!」
 
ギャラルホルンがアイアス基地へ侵入し戦闘を開始した、更にその少し後。
気絶した武装警備員のうちの一人を、氷夢井結花は物陰へひっそりと引きずっていた。

「まさか、ここにまた、来るなんて……」

今回、彼女にはラグナロクの一員として、アイアス基地に囚われた霊装使いの少女を救出するという任務が与えられていた。
元アイアスであることから基地の勝手は理解している上に、「原初の人類」の力があれば無駄に場を荒らす心配もない。先行して切り込んでいる霊装使いがいるなら、チェックも甘い。
まさに結花の個性を発揮するにはうってつけ……だが、余りにも早く古巣へ忍び込むことになったことには、若干複雑な心境な模様。
無事誰にも見られずに警備員を物陰まで運んだなら、服を最低限まで脱ぎ、生傷を指でぬぐう。
絵面はあれだが、別に同じ廃墟で世話になっている少女の趣味に当てられた訳ではない。
 
「いただきます」

血のついた指先を一舐めすると、みるみるうちに結花の身体は男性のものへ変化していく。
血液内に含まれるDNA情報を得たことによる、寸分たがわぬ完璧な変身。今の結花ならば、最新鋭の生体認証さえ突破出来るだろう。

「あー、あー……こんな感じ、かな」
 
そして、本人から服と装備を拝借すれば、どこから見ても恥ずかしくない武装警備員の完成だ。
この姿ならば、警報響く基地内を動いても早々咎められはしないだろう。先行した霊装使いとこの姿でかち合うことの方が心配かもしれない。
素っ裸の本人を瓦礫の影に上手く隠し終え、基地内へ足を踏み出す。
結花自身の真価が問われる任務、果たして無事に遂行できるか?
406不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[sage] 投稿日:19/12/17(火)11:59:24 ID:9J6 [3/4回]
>>402

「しまッ…!」

彼女の力量は十分にわかっている。だからこそここでの身体の限界が何を意味するのか、それが分からない雷火ではない。
足払いからの三角固め、流れるかのようにスムーズに繋がるそれはあっという間に雷火の身体を締め上げるだろう。
万全の状態であったのならまだ分からない、だが今の雷火ではこうなればもはやどうすることもできない。

「あ、がッ……」

なんとかもがこうと腕を動かすが外れるはずもない、ギャラルホルンが銃を構えている姿が見える、腕を伸ばすがしかし届かない。

「な、んで…おま、えは――――」

薄れゆく意識の中で最後にギャラルホルンへとそんな問いを投げかけたのならそのまま虚へと落ちていくことだろう。

//寝落ち申し訳ありませんでした…!こちらからはこれで〆となります…!!
407 : 雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/17(火)13:38:45 ID:iBi [1/2回]
>>392
>>395

「目ぇちゃんと開いてさぁ!ちゃんと周りを見てみなよ!!
 君がやりたかったのは『守る戦い』なんでしょう!!周りの物なんでもかんでも壊す様な、そういう戦いじゃなかった筈でしょうが!!!」

とても、良家のお嬢様が放つそれとは思えない言葉遣いで。
深紅の踊り子は両手の扇を閉じ、流れ込んだ血で赤く染まった片目を、今度はしっかりと見開いた。

「(揺らせ、揺らせ、少しでも心を!少しでも動きを鈍らせろ!もし、今この場で元に戻せなかったとしても……!
  それでも、この子には誰も殺させない、私達も死なない!!)」

今にも倒れ込みそうな身体を奮い立たせ、落雷に打たれた足をそれでも踏ん張って。
まるでタックルでもするかの様な姿勢で西條の身体を抑え込もうと。

「死なないし、死なせないし、殺させない!!!」
408 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/17(火)18:32:42 ID:BMA [1/6回]
>>402
>>406
/平行になるためスローペースになるかと思いますが不破さんにバトンタッチする形で絡ませて頂いてもよろしいでしょうか……!
409◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/17(火)18:33:54 ID:BMA [2/6回]
!aku396
★アク禁:>>396
410◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/17(火)18:52:00 ID:BMA [3/6回]
>>395
>>407


「……頼る?違う、違うの、私は……私は皆に守られてばかりで……頼ってばかりで……」

皆に不満があったわけじゃない。何より不満だったのは、何も出来ない自分自身だった。
だからこそ今度は皆を守るために、皆に頼られるために戦うのだ――――その力を手に入れて、それで……自分はどうしている?
戦っている。ならば……一体何と戦っている。

「そう……私は皆を守りたい。なのに……なんで私……!!」

接近しようとする二人の霊装使いを撃ち落とさんと、光が周囲に滞留し、そして蓄積されていく。
膨張していく光は一気に致死量にまで達したのであれば、すぐにその開放を合図しようと片手を挙げようとして……その手が震えている。
正しくその指先を彼女達へと向けるだけだと言うのに――――身体は思考に関係なく動いていたのに、その手がどうしても動かない。
疑問を持つことに意味など無かったはずなのに――――それは、肉体へと表出し。

「私は、誰も――――死なせたくないッッ!!!!!」

叫びとともに、悠花の体ごと夏鈴の身体が抑え込まれた。放たれようとしていた光の弾丸は、そこで滞留し続けたまま行き場を無くし。
その場にゆっくりと拡散していく。
目前に迫る拳は“誰かを想う拳”だ。それは何より、西條夏鈴という少女がその光を見上げ、求め、憧れていたものであって。

――――その希望を真っ直ぐに垣間見た。

「雨野さん、比嘉さん――――」

その表情に、微笑みが浮かんだ。
血涙を流しながら、その生命を震わせながらも……そこに確かに、少女としての光を取り戻していた。
だからこそ、そこに迫る想いを受け入れることとした。その身体の自由を奪われていたとしても、それ以上に――――
次に目を覚ました時、自分が同じことを言えるかどうか分からない。だから今この瞬間だけ―――― 一瞬だけでも良かった。ただ、礼を言いたかった。
結果としてまた、助けられてしまったのだけれど。

「……ありがとう、私、また助けられちゃった」

茜の拳が少女を叩いて、その身体が宙を舞った。それと共に、ミドガルズオルムの霊装反応は収束し、沈静状態へと移行していく。
力なく少女の身体は――――瞳を閉ざして、そこに横たわることになるだろう。
411◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/17(火)19:04:08 ID:BMA [4/6回]
>>405

「んだよ、さっきから騒がしいな……餅つき大会でもしてんのか?」

ベアトリクスは未だにアイアスの独房に囚われたままだった。
霊装を使えない状態で、然し霊装使いである以上はそう容易く解放できないものであるから、大体が軟禁状態である。
漫画や雑誌程度の差し入れはされているが、生憎とベアトリクスは母国語の読み書きも覚束ない程度。日本語は喋れども特に読めるというわけでもなく。
何となく絵を眺めているだけで、後は食っては寝てを繰り返すのみである。

「ドンドン五月蝿えなぁ、ほんと何してんだよ……おいこら、何してんだ!!」

カンカンカンカン、と鉄檻をスプーンで叩く。尚、ベアトリクスは今は食事の真っ最中である。
今日の夕食はカレーライス、基本的に食堂のメニューと同じものが支給されるが、彼女のものは福神漬が入っていない。
大体はいつもこうすれば警備員が来るのだが、今回はその反応が極端に遅い……と、ベアトリクスの反応にも苛立ちがにじみ出てくる。

「おい、呼んだらさっさと来いって!脱獄するぞ!!聞いてんのか[自主規制]!!!!!」

ギャンギャンと騒いでいるベアトリクスの下にやってくる人間は、果たして何者になるか――――おそらくは、予想していないものになるはずだ。
412比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/17(火)19:41:42 ID:QMM [1/1回]
>>410
>>407

 「……っと。」

 歪むの意識の最中、もう痛覚すら機能しない左腕を必死に伸ばせば、何とも危な気に夏鈴の肢体を抱き抱える。
 そして、無事を確認した後に悠花の方に振り向けば、笑顔をピースサインを送る。

 「ま、終わり良ければ全て良しって事だなっ!! ーーんー、……それは少し違うか? ま、いいか!」
 「そういうのは悠花に任せるとしよう! な?」

 急激な無茶振りも送りながらも、とても死闘を繰り広げた後とは思えない程に和やかな空間に包まれる。ーーそして、笑顔のまま1つの懸念材料に頭を悩まされていた。

 〝黒い霊装の彼女〟───あの言葉には何か引っ掛かる様な、どうも歯切れの悪い言葉を残していた気がする。
  人工的な大型アームズ〝ミドガルズオルム〟ーー。ラグナロクが有しているのは、これだけでは無いのかも知れない。

 それに、今回の件は色々と腑に落ちない点が在る。ーー霊装適正値が低い西條夏鈴がミドガルズオルムと適合した理由。

 「あ。」

 山ほど尽きない疑問を置き去りにする様に突如、茜の霊装が弾け飛ぶ様に、粒子になり飛散する。ーー無理矢理、戦い抜いてツケが溜まったのだろうか。或いは耐久力が限界を定かでは無い。
 間抜けな声を漏らしそのまま、夏鈴を抱き抱えた真下に急降下していく。

 「じゃ悠花、後は任せたッ!」


 きっと悠花なら何とか手を掴んで助けてくれるだろうと思うのは安心感という名の信頼。そのまま笑顔のまま暫く無重力の感覚に浸っていた。


//私からはここで〆させていただきます!長い期間ありがとうございます!

 
413ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/17(火)21:21:47 ID:sGs [3/4回]
>>406
「ほら、ミョルニルでもなんでも使いなよ……ッ!」
「ヒーローなんでしょ!?じゃなきゃあの男は死ぬよ?」

雷火の首にギャラルホルンの太腿が食い込む。完璧な三角絞めを振り解こうと雷火はもがく
しかし傷ついた彼女には荷が重く、さらに周囲の被害を気にしてか終ぞ大槌を振るう事もなかった
少女の身体から力が抜けてゆくのを感じながらも、ギャラルホルンは雷火を激励する

「ねえ、ねえってば……あ、あれ……」
「ウソでしょ……あぁもう……」

依然として机の下に隠れた四ツ谷へと向けられていた銃口が火を噴くことはない
雷火が完全に失神し、くたりとギャラルホルンに寄りかかるようにして倒れながらも
焦燥の声を上げながら立ち上がるのみで、ギャラルホルンが引き金を引く事は無い

「誰かアタシを止められる奴は!?」
「そこのアンタはどう?ほら、掛かってきなよ!」

両腕を大きく広げて周囲を威嚇するが、誰も答えを返す事は無い
警備員は全て倒れ伏し、職員も多く傷付いて。駆けつけた新人の霊装使いすらも雷火が敗れたのを見て崩れ落ち、涙を流していた
本当に誰も居ないのだということを知れば、大いなる落胆がギャラルホルンを襲った

「誰も助けに来ないの?……はぁ……あっそ、じゃあ殺すわ」
「……………………こんなの、ヒーローじゃない」

溜息。周囲の人間は戦えない状態にあるか、戦う事を恐れ萎縮するばかり
殺すチャンスは幾らでもあった筈なのに、彼女は何度も何度もあえてそれを見逃していた。まるで殺す気が端から無いかのように
そしていよいよ本当に何も障壁が無くなったのだという事をむざむざ見せつけられれば、心から失望した様子を見せて
極めて事務的に銃を向けると、これまでの葛藤すら感じさせぬ程、あっさりと引き金を引いた

//雷火さん絡みありがとうございました!絡みづらい所あったらすみません……

>>408
//どうぞどうぞ、乱入大歓迎です~
414 : 雨野悠花◆</b></b>T9CZgp6Ylw<b>[] 投稿日:19/12/17(火)21:59:08 ID:iBi [2/2回]
>>410
>>412

「はぁ、はぁ……」

決着後、肩で荒く息をして、悠花は赤く染まった片目を閉じた。
通信機に医療班を手配する様に求めて、ようやく安堵の息を吐く。

「本当、精神的にも疲れた……なんで茜はそんなに元気なのさ……」

相も変わらない笑顔をこちらへ向けた同僚へと苦笑を返して、直後。
急激に落下を開始した彼女の手を、咄嗟に引っ張り引き留めた。
深く息を吸って、呆れた様にまた叫ぶ。

「いきなり任せるなぁ!
 あぁもう!私だって怪我人なんだからねこんにゃろー共め!!治ったら覚えとけぇ!!」

//では、こちらもこんな感じで〆ということで……お疲れ様でした!
415 : 不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/17(火)22:06:23 ID:9J6 [4/4回]
>>413
//いえ!戦闘ロールもとても楽しませていただきました!むしろこちらに何かありましたら遠慮なくおっしゃっていただければ…!
ロールありがとうございました!!
416香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/17(火)22:16:27 ID:3u5 [1/1回]
>>403
「アームズのような化け物を従えてるキミたちに化け物呼ばわりされる筋はないね」
「どちらにせよ、キミたちを放置するのは良くないみたいだ。千華にも言っておかないといけないし、ね」

ミサイルは目標よりはるか前にて爆発に巻き込まれ誘爆。難なく無力化される。
彼女の戦闘スタイルは以前の記録映像にて大まかに確認済み。だからと言って対策がある訳ではないが。

「!? 速いッ!」

さらなる爆発を伴う飛び蹴りが迫る。爆発の余波で難化した空中制御では、満足に彼女を避ける事は出来なかった。
傾いた翼に掠るように蹴りが通過し、バランスを一時的に崩した機体が高度を下げる。

彼女の飛行方法は直線で単純なのは事実、だが躊躇いのない爆発からの加速は文字通り爆発的であり。
空中を自由に動ける代わりに姿勢制御にもリソースを割かなければならない少女と比べると、最高速は上回っていた。

「成程、あれは映像以上に脅威だね。千華が苦戦するのも分かる気がする……」

再び姿勢を立て直し両翼を大きく羽ばたかせ、彼女を追いかける形で一気に上昇。
追いついたならば、下部から上部へと彼女を中心に円を描くように距離を開ける。

「でも、私はアレみたいに甘くはない。まだアームズを仕留める仕事が残ってるから」

死角になりやすい上方からのミサイル射出。今度は両翼から一発ずつの弾頭が煙を尾を引いて彼女へと向かう。
当たろうが当たるまいが、着弾を前に少女は再び移動し、今度はタワーを二人の間の壁にするように距離を置く。
417◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/17(火)22:56:44 ID:BMA [5/6回]
>>413

音の駆けるかの如く速度で、ギャラルホルンを横合いから殴り付ける者が居るだろう。
彼女が引き金を引けるかどうかは、正しく一秒以下を求めるタイミング――――ともあれ、散りかけた命を守るべく、惨劇を防ぐべく。
此のアイアスに残されている、残る戦力――――制限時間付きの霊装使いである、神埼千華の姿であった。

「後は任せろ、不破――――ッ!!!!」

纏った白い霊装と、白銀に輝いた槍の穂先が、霊装使いへと向けられる。
倒れ伏している不破雷火が、その言葉を聞いているかどうかは関係なかった。
それは此の場にいる全員に向けた宣言に近いだろう――――彼女とまともに相対するのは、これで初めてだっただろうか。

「……また会ったな……初瀬、いや、“ギャラルホルン”」

――――先の邂逅に於いて、彼女の正体を示唆する言葉を受け取った。
アイアスの内部で何らかの陰謀が蠢いているかもしれないということも、彼女がギャラルホルンとバイフロストの本来の持ち主に対して。
恩義と忠誠のために動いていることも。それが理解できぬほどに、神埼も堅物ではない。然し、だ。だからといって。

「――――私は“盾”だ、貴様に如何な理由があろうともッ!!!!!」

神埼千華の霊装使用の限界は十分にも満たない。
元々生体義肢を無理矢理接続し、更に薬物による補正によってどうにか動かすことが出来るまで整えている状況である。
――――だが然し。相手が彼女であるとするならば、生半可な戦いでは通じることはあるまい。

「この私の目の前で、その手と足と身体で、誰彼の命を奪おうというのであれば」

故に、“フルドライブ”に指をかける。完全起動――――霊装の力、それを身体への負荷を一切無視して全出力を引き出すこと。
際限なく引き出される力は最悪の場合死に至るようなものであるが――――これはけじめでもあった。
彼女の世代の遺していったものが、何かを成そうとし命を奪おうとするのであれば、自身が摘み取るのが筋であろうとして。

「――――私は一切の容赦なく、貴様を穿ち貫くぞッ!!!!!」

それが、初瀬琴音に対する非礼と反逆になろうとしても。

/ありがとうございます、よろしくです!
418 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/17(火)22:57:26 ID:BMA [6/6回]
>>412
>>414
/長期間の絡みありがとうございました、次のロールもまたよろしくお願いします……!!
419ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/17(火)23:32:29 ID:sGs [4/4回]
>>417
「――!!」
「……なんだ、まだ残ってたの」

引き金を引いてハンマーが振り下ろされるまでの間に、ギャラルホルンの瞳が真横から迫る影を捉えた
金床を殴りつけるかのような高音、閃光。彼女の携えた銃から放たれた銃弾は、標的から大きく外れてオフィスの壁を打ち抜いていた
外したのではない。狙いは正確だった……〝ギャラルホルンが動いた〟のだ

スニーカーが擦れた跡を床に残し、クロスさせた腕で神崎千華の拳を握るような格好
衝突の凄まじさを物語るかのように、書類や観葉植物が散乱し、机がなぎ倒されて
ようやく現れた最後の抵抗者に、思わず頬を吊り上げるギャラルホルン

「天井のある場所じゃバイフロストは使えない……千華ちゃんなら知ってるよね?」

千華が形態変化を経て凄まじいエネルギーを吐き出してなお、飄々たる笑みが消える事は無い
加えて霊装バイフロストは現在機能が制限されている。天と通じていない場所においては、霊装は離れた場所とのポータルを繋ぎ得ないのだ

「それでも全力でアタシをボコボコにするつもり?」

しかしそれでも余裕たる態度を崩す事なく、ギャラルホルンは千華の拳を放し半歩下がる
悠長に銃のシリンダーを開けてリロード。銃を振るって遠心力でシリンダーを収めると

「――ひっどいなぁ」

カメラのストロボの如き光と共に、不意に彼女の姿が消えた
それがバイフロストの作動によるもの、天から降り注ぐあの光と同じものだと感知出来るのは、優れた観察眼を持つ者に限る
そうしてそれが理解できるのであれば、背後に転移したギャラルホルンが思い切り殴り付けて来る事まで察知することができるだろう
420氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/17(火)23:40:33 ID:AIV [4/4回]
>>411

「確かこの当たり……の、はずなんだけどな……」

元アイアスの霊装使いではあるが、非戦闘員であった結花にとって、独房はそういう施設もあるといった程度の認識。
時折廊下を走る職員たちをかわしながら聞き耳を立てていると、少女の不満げな叫び声と、カンカンという金属音が聞こえてくる。
その音の発生源である部屋の扉を、拝借したIDカードで開けば。
 
「ひっ……!?」

姿を変えてもラグナロクに鞍替えをしても、元来の小心は治らない。
年下の少女の怒鳴り声に、反射的に身を縮める。

「……あの……ベアトリクス、さんで間違いない、ですか……?」

扉が閉じると、ビクビクしながら恐る恐る問いかける。
普段から警備員と何かと接している彼女なら、雰囲気の違いは分かるだろう。
421◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/18(水)00:16:11 ID:3Nx [1/5回]
>>419

拳がギャラルホルンの身体に叩きつけられることはなかった。代わりに、握られる形で留められることになる。
とは言え、ここで重要なのは相手にダメージを与えることではない。凶弾を反らすことに在り、そしてその目的は成立することになる。
僅かに起こった静止に僅かに目を細めながら――――

「知っているとも。知っているが――――」

相手が不完全状態であるとして、だからといって加減をするような相手ではない。
自身よりも遥かに強力な霊装を持つ不破雷火をたった今打ち破り、先には香坂ミナミを退けたその実力を侮るつもりは毛頭なく。
それもこれは、武士道精神が重んじられるような試合ではない――――此処から先は、一切の容赦介在許さぬ真剣勝負になるのだから。
帰す言葉はたった一言。

「――――当然」

此処で叩き潰すつもりだ。半歩下がった瞬間、開いた間隙を見逃すことなく、強く踏み締めるとともに放つ槍による突きは正しく剛槍。
しかしながら空振る――――それと共に、ちか、と輝いた光が一瞬だが神埼の視界を覆った。

「バイフロストの光……!!」

光は目眩ましではない。それが起動したということは、即ち転移機能が作動したということになる。
ならば敵は何処に消えた。目的を果たしていないのであれば逃走はしないはず、ならば何処に向かったか――――上はリスクが多すぎる、ならば。

「そこだッ!!」

殴りつけられる拳を前傾に縮こまるかのように回避すると同時、その槍の石突……刃の部分より反対に位置する部位を用いて刺突を放つのだ。
更にそこから、跳躍……反転と共に――――槍を振るうことによって、刃による攻撃には至らないが、柄による打撃攻撃を放った。

「貴様を打ち倒し突き穿つは、刃ばかりでないと知れ!!!」

神埼千華の霊装は確かに槍によるものであるが、何も刃によって斬り裂くのみが能ではない。
柄による打撃攻撃から、徒手空拳による格闘攻撃まで。その身全てを躍動させて武器とすることが神埼の戦い方であり、それは彼女も分かっているはずだ。
422 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/18(水)00:16:26 ID:3Nx [2/5回]
>>419
/すみません、今日のレスはこれで最後になりそうです……
423曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/18(水)00:24:06 ID:0fT [1/3回]
>>416

「ちぇ、惜し~」

クリーンヒットとはいかず、彼女が体制を建て直す間に、炎乃火もまた空中で小爆発を起こし、展望台の上へととんぼ返りを決める。
見てくれや行動からして、相手が空中戦を得意とすることは推測できる。態々相手の土俵に留まるほどお人好しではない。

「マジ??そんなこと言われちゃうと、期待しちゃ~う☆」

おちょくりながら、上空の相手を見据える。
そして飛来するは、2発の飛翔体。

「けど~……ちょっと引き出し、少なくなくなくない?」

迫るミサイルへ、小型ダイナマイトを十数本ほどばら蒔けば、爆炎が壁のように燃え上がる。
巻きおこるは、再びの誘爆。
熱が露出している部分の肌を焼き、爆風が数歩炎乃火を後ずさらせるが、そこまで。
彼女が飛行のスペシャリストならば、炎乃火は爆発物のプロフェッショナル。
威力こそ侮れないがいなすことは難しくない、というのが炎乃火からの現状の評価。覆すには、何かしらの更なる手が必要だろう。

「じゃ、今度はアタシから行こっかな」

彼女から見てタワーの裏側を、管理用の機械や階段を足場にして爆発と共に猛スピードで駆け上がり、タワー先端から大ジャンプし、彼女の上空を取り返したなら。

「はい、あーげる?」


彼女の頭上へとダイブしながら、先程防御に使用した小型ダイナマイトを、今度は彼女の頭上から雨あられと降り注がせる。
一撃一撃は致命的とは言いがたいが、回避の難しい範囲攻撃。そして、それにより生まれるであろう隙を炎乃火自身の爆発を伴う拳による追撃でつく二段構え。
しかし第一撃を捌けたなら、カウンターを仕掛ける機会でもあるだろう。
424◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/18(水)00:36:44 ID:3Nx [3/5回]
>>420

「やっと来やがったか、遅えんだよ!!」

ベアトリクスの口の悪さと気の短さは育ちの悪さから来るものである。
大抵の相手には物怖じすることなく、警備員に対してもこうして怒鳴りつけるのは日常茶飯事であったのだった。
やっとやってきた警備員に対しての苛立ちを隠すこともなく吐き捨てるようにそういったならば。

「……ああん?」

彼女の質問に、思い切り顔を顰める。
ここの警備員であれば、ベアトリクスかどうかであるなど簡単に分かるだろう。
なにせ鳴り物入りで入ってきたラグナロクの戦闘要員、霊装使いだ。その情報は警備担当者には周知されている。

「ビクビクオドオドしやがって!そうに決まってんだろうが、誰だテメェ、おいこら!!」

檻の向こう側から彼女へと吠え続ける。
実際手を出せるわけでもなく、霊装を使えないように制御されている現状ではどうしようもないのであるが、そこはそれ。
生来の気の粗さは、中々矯正されるものでもないのであった。

/申し訳ありません、今日はこれで最後になります……
425ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/18(水)01:12:22 ID:WsZ [1/1回]
>>421
「――――っ!!」

バイフロストという霊装は、天を介して光の柱で遠方同士を繋げることで瞬間的な転移を可能とする
つまり天とバイフロストを遮るものがあれば、遠方と遠方とをポータルを繋ぐ事は不可能となるのだ
しかし視認できる程度の極短距離であれば、天を介さず直接ポータルを設置することで転移する事ができる

この技術はヘイムダル、つまり緋崎寧々が霊装に熟達した結果生み出した熟練の技術だ
初見での対応が極めて難しいこの攻撃に正しい対処が出来るということは、それだけで有能な戦士の証明となるだろう

「げッ……えェ……!!」

腹部に食い込む柄が胃のあたりを押し潰す。内臓へと直接打撃を貰ったギャラルホルンは、目を白黒させて悶絶した
苦しむそぶりこそ見せてはいるが、一滴の汗や唾液すら散らさぬあたり本当に効いているのかは分からない
けれど物理的に空気が絞り出されたような悲鳴は、演技で装えるようなものではない

「さすがにそれは……ッ」
「思ったより強いねぇ、千華ちゃん……」

刺突に続くなぎ払いをダッキングで避け、軽口を叩きながら距離を取る
まるで初めて戦うかのような感想は、この状況を他人事のように俯瞰していた

神崎千華であればアイアス時代の初瀬と手合わせした事もあるかもしれない
もしそうなのであれば、かつての彼女とは全く立ち回りや慎重さが異なることに気づくだろう
霊装が異なることもあるが、何より注意不足で自信に満ち溢れている。まるで子供のようだ

「まぁ、アタシも負けないけどッ!」

猛烈な踏み込みと共に距離を詰め、槍の射程を潜り抜けて格闘戦に持ち込む
目潰しのフィンガージャブ、からのノーモーションパンチ、加えて左のミドルキックと素早くコンボを組み立ててゆく

//了解しました、絡みありがとうございました!
426香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/18(水)03:10:38 ID:4tp [1/1回]
>>423
「チッ、やはり相性良くないな……」

再びミサイルは爆風の壁によって掻き消される。爆風が目標の下へ届く事は無い。
事実、本霊装は搭載された限られた装備を使うしか他にない。バリエーションはお世辞にも多いとは言えない。
元々中遠距離からの火力支援を主眼に構成されている以上、このように単騎にて戦闘を行うこと自体が運用として間違っているのだが……。
その辺りは搭乗者の気質が合わなかったとしか言いようがないか。

「勝手に私の上を取って、タダで済むと思ってないだろうね!」

頭上より迫るはダイナマイトの壁。まともに受ければタダで済まないのは明確。
少女のバイザーが一度点滅すれば、霊装は空中にて止まり、両翼の至る箇所から大量のミサイルポッドが顔を出す。
バイザーの画面内では、視野内に映るダイナマイト一つ一つに枠組みが瞬時に現れていく。

『全ターゲット捕捉。掃射準備完了』
「全部まとめて薙ぎ払えッ! FIRE!!!」

少女の叫びと共に文字通り大量のミサイルが、一斉に解き放たれる。
空中を舞うダイナマイト一つ一つにミサイルが直撃し、両者の間で壮大な爆風の壁が生成される事だろう。
壁に近い少女もタダでは済まない。爆風に煽られ、大きく態勢を崩す事になる。
しかも、一斉掃射後は飛行制御システムが正常に戻るまで時間を要するというのに。

だがそれは、少女の狙いの一つでもあった。

「不格好だけも文句は言えないね。にしても回りすぎな感じするけど……」

バランスを崩した霊装はキリモミ回転の要領で短時間落ちていく。
しかしそれは鋼鉄の翼を振り回しているのも同じ。もし彼女が壁を通過したとしても、これで叩き落そうという寸法。
キリモミ状態の復帰は少々の時間を要する。この二つの壁のいずれかでも回避できれば、その隙は十分なほどに大きい。
427氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/18(水)14:55:39 ID:0fT [2/3回]
>>424

「あっ……えっと、そのっ……!」

騒ぎ立てる彼女に、あたふたと慌てるばかり。
霊装使いが収監された独房となれば、恐らくカメラを筆頭とした監視体勢はある程度しっかりしているはずだ。
今はまだ管制室が先行した霊装使いへの対処に追われて、こちらに目が向いていないものの、いつ本物の監視員、あるいは霊装使いが来るかわからない。
ガワこそ警備員でも、その戦闘能力まで身に付いているわけではない。来られたら救出困難となるだろう。

「……お願いですから、静かにしてっ……!」

成人男性の身体のまま、完全に気弱な少女ムーブを決める姿は、少し気色悪く見えるだろうか。
どうにかして、彼女にラグナロクの人間であることを分かってもらわなければならない。だが、彼女が捕まった後に入ってきたゆえに、結花自身との直接の面識はない。

「えーっと……こういうこと、ですから……!」

少しの間考えた後、監視カメラに背中を向けながら、顔の部分だけを彼女らを率いる首領……アナスタシアのものに変化させる。
それで伝わらなかったら、ラグナロクに入ってから会ったメンバー達の顔を必死に真似するだろう。
428曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/18(水)16:25:59 ID:0fT [3/3回]
>>426

「━━━━あはっ♪」

眼前に広がる猛烈な爆発に満面の喜色を顔に浮かべ、火の海へ飛び込んでいく。
防御体勢と霊装の耐爆性能を以てしても、ノーダメージとはいかない。だが、痛みよりも遥かに、本能の高ぶりを感じる。
炎の先に待つであろう彼女へ拳を振りかぶろうとするが、待っていたのは翼による一撃。

「う゛っ……!」

拳よりも、翼の一撃の方が速い。
咄嗟に体勢を変え身をかばうが、タワー下部へと弾き飛ばされ、叩きつけられる。

「けっこー、やんじゃん……!」

よろよろと管理用の階段に立ち、体勢を建て直す。
一見すると隙、しかしそこには罠がある。
彼女が自分の状況を把握する余裕があったなら、先程炎乃火を打ち落とした翼に、ゲル状の何かが付着している事に気がつくだろう。
その正体はニトログリセリン……僅かな衝撃で牙を剥く、危険な爆薬。
もしも気がつかずに飛行出力を迂闊に上げたり、ミサイルをゲルがついた翼から発射したならば、不意の爆発が発生するだろう。
最も、付着分の爆薬に一撃で仕留めるほどの威力はない。分かって爆発させたならば、最小限の影響に留まるだろう。
炎乃火は翼が爆ぜるのを、肩で息をしながら待っている。

//若干確定気味になってしまって申し訳ありません、不都合でしたら書き直しますので遠慮なくおっしゃってください
429◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/18(水)20:28:18 ID:3Nx [4/5回]
>>425

(効果はある……ならば倒せるッ!!)

霊装使いとは幾度も刃を交えた神埼であったが、霊装そのものとの戦闘は経験がない。
初瀬琴音の身体を利用して動くとするのであれば、人体の急所は共通しているだろうことは予測のうちであったが、これで確定した。
ギャラルホルン本体が痛みを自覚しているかどうかは定かではないが、肉体を破壊すること自体が出来るのであれば、正気はある。

「甘く見られていたか。そうだ、これでもそれなりにはやるぞ」

然し、石突による刺突は食らわせられるが、薙ぎ払いによる一撃は避けられる。
ボクサーのような軽妙な動き。だが、本来の初瀬琴音の実力と比べたのであれば、その動きは大雑把。或いは稚拙と言ってもいいだろう。
槍の射程へと一息に踏み込み、距離を詰めて突破するその胆力は見事なものであるが――――

「疾い――――」

予備動作の少ない動きを組み合わせた後の中段回し蹴り。
突風のような連撃である――――槍を手放し対応する、という動作の前に、彼女の拳が神埼の顔を叩いた。
正しく、顔面の骨を叩く感覚が彼女の拳へと帰ってくるだろう……鼻の骨を砕く感覚が。
そして次いで放たれたミドルキックは、綺麗に神埼の横腹に――――通った、ように見えるだろう。

「――――だが未熟ッ!!」

その左足を、神埼の片腕が脇に抱えるかのように抑え込まんとするだろう。
多少のダメージを覚悟して、体幹を整えて敢えて蹴りを受け止め、彼女の身体を捉えようという試みであった。

「壊させてもらうぞ。これは訓練ではないのでな――――ッッッ!!」

今、神埼がやっているのは霊装使い同志の訓練ではない。歴とした殺し合いである。
がしゃん、と手放された蜻蛉切が音を立てた。ならば、狙うは急所である。足の急所、半月板を叩き割ってしまわんと、神埼の拳が彼女の片足に振り下ろされんとする。
神埼に殺す気はない。だが同時に――――殺し以外ならば、何をでもする心積もりであった。

/昨日はありがとうございました、お返しします!
430◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/18(水)20:37:44 ID:3Nx [5/5回]
>>427

「気色悪いなテメェ、それやめろや!!ぶっ殺されてえか■■■■!!!!!」

兎に角がなり立てて続ける、彼女が男性の姿をしている上での気弱な立ち居振る舞いは、良く少女の琴線を刺激する。
口汚さはとどまるところを知らないが、彼女がその力で顔を変えたのであれば――――

「……?」

少しの沈黙を挟んだ。
確かに彼女の顔はアナスタシアのものであるが、ここまで完璧な変装が出来るとは聞いたことがない。
だとしたら……彼女の顔を知っているということは、つまり……ラグナロクの味方ということか、と合点がいったのは、数秒後。

「……あ~!!味方かよお前!!だったら先に言えよ!!」

今度は逆ギレである。声色は多少落ち着いたものの、煩いのに変わりはなかったが。

「じゃあ早く開けてくれ!あと首のやつも取ってくれ!あと外で一体どうなってんだ!?お前誰だよ、新入りか!?」

そうしたならば、今度は今度で質問攻めとなるのであるが……ともあれ、これでなんとか認識を改めることが出来た。
これで牢を開けたのであれば、毛布を片手に飛び出してくることだろう。

/お返しさせて頂きます!
431氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/19(木)02:50:06 ID:DTN [1/2回]
>>430

「そうです!ですから、ちょっと声を抑えてください……!」

声を潜めながら、人差し指を唇に当てる。
監視体制について特別詳しいわけではないが、音声が拾われている可能性ぐらいは思い当たる。
いつ本物のアイアス職員がやって来るか、気が気でない。

「その話は、あとでしますから……!」

質問に答える余裕は、今の結花にはない。
懐から取り出すのは、今回の任務に当たり持たされた小型のハッキングツール。
流石に独房は適当な警備員のIDだけでは開かないが、一般的な暗証番号による電子錠ならば突破できる。
首輪も解除できるかは、ハッキングツールの性能、もとい2人の運次第。
もしもできなければ、解除はラグナロクの基地まで待つこととなるだろう。

「……こっちです!」

電子錠のロックを解き、ベアトリクスを牢獄から解放したならば、彼女を先導するべく走り出すだろう。
彼女を連れ出している時点で、言い訳は立たない。ここからは絶対に誰にも見つかってはいけない━━━━結花の背筋に、冷や汗が伝う。
432[email protected] LOST[] 投稿日:19/12/19(木)03:06:40 ID:ldW [1/1回]
>>409
お前エリナやろw
433ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/19(木)16:51:09 ID:lKR [1/4回]
>>429
「あは!気持ちイイ……あれ?」

フィンガージャブからの右ストレートがクリーンヒット。鼻の骨をへし折る感触に頬を吊り上げる
さらに左ミドルによる素早いコンビネーションが、脳と肝臓の二箇所に着実にダメージを与える……筈だった
千華の機械化された腕が自分の足に絡みついているのを見て、ギャラルホルンは気の抜けた声を上げる

「そんな効いてなさそーだね、ちぇ~……」
「ぅおっとぉ……!?」

ダメージはあまり無さそうだと残念がるも、感情を見せるより先に身体は既に次の手を打っていた
足を引き抜きそのまま膝先だけで側頭部を蹴り抜こうとしたのだろう。力が込められるものの抜けられはしない
ぐらりとバランスを崩し、腰を浮かせて仰向けに倒れ、肘を床につくようにして苦しい受け身を取った

「んー……ダメ!足はまだあげない!」

けれど直後に振り下ろされる拳は、ギャラルホルンの膝を捉えることなく空を切るだろう
その理由は眩い閃光と、自信満々な笑みと共に輝く腕を組み、何かにもたれ掛かるようにして浮遊する少女を見れば判るだろう
バイフロストの転移は近接戦闘における大いなるアドバンテージとして機能する。彼女がダメージを負っていないうちは……だが

「昔っから自信家だよね、殺し合いで霊装を捨てるなんてサ」
「ほらほら、蜻蛉切ちゃんが使って欲しがってるよ?」

素早く銃を抜き四発を速射。片手で構え片手で銃を仰ぐようにハンマーを下ろす、ファニングショットだ
そのまま反動でゆったりとまるで海中を漂うように後退すれば、ふわりと身を翻して会議室から飛び出る
戦いが楽しくて仕方無いらしく、無邪気な笑顔を浮かべながら曲がり角の向こう側へと消える。千華が自分を追ってくることを確信しているかのような動きであった
実際にアイアス本部の中にはラグナロクに触れさせるわけにはいかないものだらけであり、何処へ行くか分かったものではない

//反応遅れまして申し訳ありません、本日は以後フリーになります……!
434◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/19(木)20:41:29 ID:VK4 [1/5回]
!aku432
★アク禁:>>432
435◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/19(木)20:55:12 ID:VK4 [2/5回]
>>431

「お。おぉーいいねぇ取れた取れた。見てくれよこれ、あせもになってねぇか?」

焦る彼女に対して、ベアトリクスは至極マイペースであった。
ハッキングツールを首輪に向けて使用したのであれば、解錠には時間がかからなかったはずだ。
未だ試作品の装備であるために、セキュリティ面においては既存のプログラムコードを使用していた……セキュリティホールも同様。
解放された首をカリカリと指先で掛けながら。

「はぁ、何急いでんだよお前。うるせえなぁ~」

先導する彼女の方を追いかけて、バタバタと走り出した。
ベアトリクスがこうも気怠そうにしてるのには理由があった。思い至らなくても不思議ではないくらいに乱暴ではあるが。
一応、背中を追いかけながら、主導権を彼女に渡してはいる……が。

「そんなに焦らなくてもよ。オレのアロンダイトで、全部ぶっ飛ばしていけばいいんじゃねーの?」

――――一際早く、速度を上げると、それと同時に霊装“アロンダイト”を展開。
アイアス内には霊装使い出現の警報が響き渡るだろうが、何方にせよ逃げ切れることではない――――ならば最速の手段をとってもいいだろう。
そんな乱暴な発想とともに、霊装を起動し。

「まぁ、なんでもいいけど――――さっさと帰りてーし、道案内してくれよ!!」

すれ違いざまに彼女を引っ掴むと、そのままアロンダイトのブースターを点火し、無理矢理加速しようとするだろう。
霊装を振り回せるようなスペースではない。勿論壁を思い切り破壊しながらのことになるが――――目的を果たすだけならば、最短だろう。
436◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/19(木)21:07:02 ID:VK4 [3/5回]
>>433

「外したか……!」

バイフロストによる短距離転移は、かなり融通が利くように出来ているようだ。
拘束状態はがちりと決まっていた筈であり、実際に次の手を一切封じたつもりであったのだが――――それだけでは不十分らしい。
ならばバイフロストをどうにかするほうが先か。それとも、それを使わせないほどの速度と一撃で叩きのめすか、の何方かになるか。

「囀るな!蜻蛉切は常に私とともにあるッ――――貴様も霊装ならば理解出来よう!!!」

放たれた銃撃四発、その手には既に蜻蛉切が握られていた。
彼女に初めてあったときにも、投擲した槍に合わせて見せたものだ。手放された蜻蛉切は神埼千華の意思のままに“帰ってくる”。
風車の如く槍捌きを持って銃弾を叩き落として、走り出そうとして――――

「……か、ふっ」

そこで膝をついた。腹の底から止めどなく赤いものが込み上げてきて、そこに吐き出すことになる。
右手に握り締める槍を支えにしながらどうにか立つものの、機械義肢の断面からもまた、既に血が滲み出している。
蓄積されたダメージを無視することも、あまりにも乱暴な稼働も、どちらも着実に神埼の身体を蝕み始めている――――然し。

「……まだだ、まだ倒れてなるものか。ここで私が倒れれば、後は誰が――――!!」

数秒の間もなく立ち上がる、片手を自身の鼻に添えて、無理矢理にその位置を整えてからバイフロストを追いかけていく。
会議室を飛び出して、彼女の向かう方向へと駆け出していく、誘われているということは自覚していたが。

「ギャラルホルン――――私はまだ、貴様から全ての真実を聞いてはいない!!」

一体何処を狙って誘っているのか。何を目的としているのか。防衛大臣の殺害が目的ではなかったのか。
聞きたいことは山ほどある、明かされていない情報は山ほどある。身体を砕いてでも、動かなければならない理由がある。

「止まれ――――止まれ、ギャラルホルン!!」

/お待たせしました、本日はここから返せるようになります……!!
437香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/19(木)21:09:05 ID:aHP [1/1回]
>>428
「どうだったかな?結構響くだろう?」

彼女と衝突しさらに高度を落とすが、タワー下段ほどまで下がった時点でようやく制御が戻り、何とか体制を立て直す。
一斉掃射による一時的なコントロール権の喪失も回復し、万全の体制に再び戻った……はずだった。

「とは言ったものの、結構ダメージ来てるねコレ……」

本来飛行ユニットは繊細な代物。ごく一般的な飛行機であっても、少々の歪みが墜落を招くケースも多い。
この霊装による翼は頑丈に出来ているが、それでも直接体当たりを仕掛けるような物でない。
滞空時にも体感できるほどの違和感が身体に圧し掛かる。あまり無茶な行動は出来ないか。

しかし敵影を目下に確認すれば、すぐさま戦闘態勢に入る。
本来は周辺施設の被害も考えねばならないが、それを意識している場合ではない。敵を倒さなければこちらがやられるだけ。
すぐさま追撃のミサイルを叩き込むためにポッドを開放し、目標に狙いを定めた。

「ッ!? 何こッ!?」

直後、翼はミサイルもろとも突然の爆発に見舞われる。
現状を把握出来ないまま墜ちていく機体。その最中、少女は目撃する。自らの翼に付着していた代物を。違和感の構成要素である爆薬を。

「グゥ……ッ、あ゛ッ、う゛ッ……」

爆風と重力により遥かに早くタワーの基盤に叩きつけられる霊装と少女。衝突痕と血痕が機体を中心に広がっていく。
霊装の制御システムからの警告音が張り響く中、何とか身体を起こすが、少なくとも今は霊装を満足に動かせるような状態ではない。
今ならば追い打ちをかける事も難しくはないだろう。

「マズったね……これは……」

//先日は返信できず申し訳ないです。
438ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/19(木)21:39:18 ID:lKR [2/4回]
>>436
「確かに霊装はさ、主人の言う事を聞くように出来てる」
「けど……本当に霊装の事分かって使ってる?」

ひらりひらりと、施設内の柱や障害物を縫いながら舞うギャラルホルン
強大な能力の代償か素の性能は低いらしく、遅れて飛び出した千華であっても直ぐに追い付くことができるだろう
それでも装填するだけの時間は稼げる筈だ。再びシリンダーの中を新品の弾丸で一杯に満たして

「アイアスは霊装をゴミみたいに扱ってる、アタシにはとても見てらんない」
「ほらほらッ!大丈夫ぅ?動き悪くなってるよォ」

ミナミや千華の見せた最大出力解放や、新型の機霊装。アイアスは常に強力な霊装の開発に取り組んでいた
しかしそれは霊装を自称するギャラルホルンからすれば、邪道の極地に他ならないのだという
きりもみ回転と共に銃弾をばら撒き、蜻蛉切を指して言う。お前の霊装もまた悲鳴を上げているのではないかと

「アタシが言える事はあの日に全て話した。これ以上何が欲しいってのさ」
「目の前に広がる真実を、アンタが受け入れてないだけなんじゃないの?」

逃げながら撃つ。ただそれを繰り返すうちに両者は大きく場を移して。やがて千華にはギャラルホルンの行き先が明確になってくるだろう
――――霊装保管庫だ。主を失った霊装や未定着の新型霊装などの寝床。ラグナロクが真先に狙いそうな場所である
しかし何故今頃。オフィスと此処とでは入口から見て真反対の場所に位置するというのに

「四ツ谷が……あの男が私のマスターを殺したんだ」
「このアタシの目の前でね……ッ」

「だから任務を放ってまで殺してやろうと思った!」
「けど……なんか違うんだ。アタシ……別に復讐なんてどうでも良かったみたい」

霊装保管庫の厳重なドアを最大出力で突き破り、何枚かの強化ガラスも突破して。二人は底が見えぬ程に巨大な縦穴へと行き着くだろう
穴の壁面には大量の霊装関連品や開発中の機霊装が並び、ロボットアームやドローンが忙しなくそれらを運搬している
穴の中央でようやくギャラルホルンは止まって、神崎千華を待ち受けるのである

「今日ここに来て、アタシは本当の自分に気付けた……」
「だから今日はアーニャの言う通り、サッサとお仕事して帰るよ」

千華が倒れれば彼女を止める者は居ない。ここで決着を着けなくては
439◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/19(木)22:23:22 ID:VK4 [4/5回]
>>438

霊装び扱いに関しては一朝一夕ではない。それは無論、アイアスもそうだ。
アームズ出現以前より研究されていた、特殊な力を持った歴史の遺物達、その完成形こそが霊装使いという姿である。
無論、霊装本来の姿――――神話の神々が振っていた当時の力を完全に再現できているわけではないだろうが、それでもこれは現状の最適解の筈だ。
だが――――それは人間の理解出来ている範疇である。そもそも……この“蜻蛉切”が、“本当にその通りの存在”かという部分にすら至る。

「笑止千万……!!この私が、その程度の揺さぶりで蜻蛉切を疑うものか……!!」

霊装という存在そのものである彼女に比べれば、無論のこと理解は劣るだろう。
然しだからといって、神埼が自らの槍を疑うことはなかった。
もしも蜻蛉切が泣いているというのであれば、それは不甲斐ない自身が、その力を引き出しきれていない――――という、一点のみだ。

「違うな、お前が語るのは起こった結果と主観的な動機のみだ」
「――――そこに至るまでの過程が無いッ!真実のみを言い渡されて、ただ頷けるほど純粋ではないのでなッ!!」

この追いかけっ子に於いて、素直に銃弾を受けるわけにはいかない。
既に遅れている身であるからこそ、一発でも当たったら取り返しが付かないことになる――――故に、槍を用いて叩き落とす。
そして追い掛ける先は、神埼自身も見覚えがある場所だ。現役の霊装使いの者達にはあまり馴染みはないかもしれないが、神埼自身は何度もそこで頭を抱えていた。

「……ここが目的か。お前達の、本来の……」

霊装保管庫。最初から彼女達は霊装を渡されるとは思っていなかっただろう。
ならば霊装使い達を誘き出し、本部を手薄にして保管されているものを狙う。あわよくば、出撃した霊装使いを撃破して奪い取る。
そういう組み立てだったのだろう。周囲を忙しなく動き回るドローン達に目をやることはなく――――暗い穴の中央に立つ彼女を見る。

「アーニャとやらが……お前達の首魁の名前か」

恐らくは、ここをハッキングした際に映像として姿を表した女のことだろう。
黒い霊装使い。顔貌はバイザーによって見ることが出来なかったが。だが、何より今は――――目の前の敵が、最優先だ。

「では、霊装たる貴様に一つ教えてやる。人間とはな――――」

手に握る蜻蛉切が分離する、左右に別れた槍の内の右手に握るそれが、弾丸の如く彼女へと投擲。

「――――言葉にされなければ、大抵のことは判らんのだッ!!」

ここで神埼が手を止めるわけにはいかない。
なんとしても、神埼千華はギャラルホルンを止める。例え、この命に変えてでも。
440ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/19(木)23:06:44 ID:lKR [3/4回]
>>439
「あぁ、もう……人間ってめんどくさいなぁ」
「〝あの子〟はこうじゃなかったのに」

ギャラルホルンにとって真実とは、目的を以って行った行為の結果である。過程など結果の前段階にすぎないのだ
しかし人間にとっては、そこに介在する経緯や情景など、想いを読み解くことこそが大事なのだ
この点において両者の価値観は完全に相反しており、それを嫌った彼女は鬱陶しそうに髪をかき上げるのだった
そして早いところ勝負を終わらせようと銃口を千華へと向けたその瞬間に

「あ、ヤバ――――」

それは瞬きするかの様な間であり、ほんの一瞬であった。ガズ、と妙な音を立てて蜻蛉切がギャラルホルンの頭部に突き立ち、貫通したのだ
まるで岩塩の結晶を砕くかのような音。そのまま吹き飛ばされるギャラルホルンは、眼孔を蜻蛉切に貫かれたまま壁へと打ち付けられ
がくんと大きく痙攣して項垂れると、軒先に干された柿のようにぴくりとも動かなくなったのだ

どのような人間であっても一見して絶命は確実。完全に勝負有りと言えるだろうが……この時ばかりは違う
脱力しつつも拳銃を手放さないギャラルホルンの違和感に気付けるかどうかで、次の動作への対応は大きく異なるだろう

「ばぁ!…………なんちゃって、ビックリした?」

頭を貫かれたギャラルホルンの右手のみがぐりんと動き、千華目掛けて一発の銃弾が放たれる
眼孔の傷を中心に顔には亀裂が走り、しかしそこには変わらぬ柔らかな笑みがたたえられていて
ましてや生物にあるべき血や脳漿などは、ただの一滴たりとも滴ることはなかった

「これで本当に分かったでしょ、琴音ちゃんの肉体はここには無い」
「この肉体は完全にアタシから創造(つく)られた。アタシの霊装の一部なの」

閃光、続いて転移。再び悠々と空を飛び始めるギャラルホルン
しかし大きなダメージを負ったせいか、彼女の霊装はサラサラと砂時計のように零れ始め、黄金のバイフロストも錆びて輝きが失われつつあった
傷口は頭蓋を通して向こう側が見えるほどに大きく、決して急所を逸れたわけではないということが伺える
それでも活動を続けているということは、彼女の肉体が人間を模倣しつつも、生理機能までを再現している訳ではないということ
つまり彼女は、例えるのであればアナスタシアの行ったプロセスの逆。霊装がアームズに似た変貌を遂げたものだと捉えることが最も自然な解釈となるだろう
441◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/19(木)23:28:45 ID:VK4 [5/5回]
>>440

「……仕留めたか!!」

ギャラルホルンへと向かっていった片槍が、その頭部を貫いた壁へと串刺しにした。
頭部をそのまま刺し貫いたとするならば、仮に霊装使いであろうとも生きていられるはずはない……息の根を止めるまでは。
考えてはいなかったが、然し状況が状況だった、神埼自身形振り構っている余裕はなく。まだ疑問が残る状態ではあるが、決着は着いた……そう思って。
槍の穂先を下ろしながら、ゆっくりと歩み寄っていき……違和感に気づき。

「……違う、これでは……“血が流れないハズが”――――ッ!?」

――――血も脳症も流れていない、脳髄の破片も落ちてはいない。
そう気付いた瞬間には、ギャラルホルンは動き出している。咄嗟に回避行動を取りはしたが――――放たれた銃弾が、右目を穿った。
右目の視界が途切れると同時、熱いものがそこに残る。流れる血の感覚すら感じられないが、確かにそこには彼女とは違い、体液は垂れ流されている。

「ッ、くぅ……そうか……そもそも貴様は、人間ではないと言うことか……!!」

初瀬琴音の骸を用いて動いているとばかり考えていたが、そうではない。
霊装自体が形を持って動いている、その姿は外見を現しているのみに過ぎず、その実は張りぼてでしか無いということか――――
然し、ダメージの形跡自体は見られる。バイフロストの輝きが失われているのがその証左、相手は――――不死身ではない。

「……そして亡骸は、貴様の言っていた通りに……!!」

――――空を飛び始めるギャラルホルン。
あの戦い方をされたならば、空中戦をするには分が悪い。バイフロスト自体にダメージが見えている、それの効果が失われるまで耐えるということも考えられるが。
手を止めていられる状況でもなければ、そういう場所でもない、ここは霊装を保管する場だ。破壊されるだけでも此方には大きな傷になる。

「――――ならば貴様はッ!!!なぜラグナロクとして戦う!!」

そうして肉体を手に入れたならば、復讐を成し遂げるのみでもおかしくはあるまい。
それがなぜ、ラグナロクに手を貸すにまで至ったか――――それこそ、この土壇場で命令を裏切って復讐を遂行するのみでも良いだろうに。
駆け出す……向かう先は壁だ。壁を“駆け上り”、跳躍して、ギャラルホルンへと向かったのであれば――――槍を上段から振るう素振りを見せ。

「復讐が目的であるならば、四ツ谷防衛大臣一人を抹殺するのみで良いものを!!」
「なぜ――――貴様は、初瀬琴音の霊装というのに!!!」

すぐさま反転して、後方へと向けて槍を凪いだ。片槍であるために威力は本来の蜻蛉切の半分ではあるが。
442氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/19(木)23:57:46 ID:DTN [2/2回]
>>435

「そんなこと、今気にしてる場合じゃ……!」

誰とかち合っても、結花には対処する手段がない。例えただの武装警備員であっても、抗うすべはない。
だと言うのに、相変わらずの態度に、結花とて苛立ちを隠せないでいた……が。

「……へ?」

ひょいと首根っこをひっつかまれ、身体はいとも簡単に宙へ浮く。
そして、間髪入れずに、猛烈な加速。

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃゃぁぁぁぁ!!!!あぁぁぁ、みぎ、右、みぃぎぃ!!!ひだりぃぃぃ!!!!!!!」

絶叫し涙を流しながら、決死の道案内。
手が滑るどころか、うっかり身体をどこかにぶつけたらその部分が弾け飛ぶだけの速度で何の安全装置もなく飛ぶのは、ジェットコースターさえ得意な方ではない結花にとってはあまりに刺激的すぎる。
壁が砕けた瓦礫が頬を掠めるたび背筋が凍り、地面スレスレを飛べばもはや記せないほどの悲鳴をあげて。

「……ぁ……はぁ…………ぁぁ……」

それでもなんとか、出口までの道案内を終えたなら、返信を保つ気力すら失われ、放心状態となるだろう。
443ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/19(木)23:59:15 ID:lKR [4/4回]
>>441
「運がいいね、頭蓋骨が脳を守ってくれた」
「……まぁ、どちらにせよ殺すつもりはないけど」

底すら見えない縦穴の中での戦い。互いに散らす破片と血液が暗闇へと吸い込まれてゆく
壁を蹴って飛び上がるだけの元気を残した千華を見て、ギャラルホルンは少し安心したような顔を見せる
まだここで彼女に死なれる訳にはいかないのだから

「それはね、千華ちゃん」
「世界が〝ヒーロー〟を求めているから」

振るわれた槍を銃身で受け止め、火花を散らしながらそう答えた。確かにアームズとラグナロクという強敵を前に、世論は絶望に満ち溢れている
その中で人々がすがる希望の象徴こそが〝ヒーロー〟。ギャラルホルンが求めてやまないものだった

「私にとってのヒーローは琴音ちゃんだった。クズ同然だった私をここまで磨き上げてくれたから」
「でも……アイアスがそれを奪った」

ギャラルホルンには大した能力がない。霊装の性能も、能力もたかが知れている
ゴミ扱いされることで捻じ曲がった性格のおかげで、適合しても使いこなせる人間は少なかった
しかし諦めずにギャラルホルンと向き合い、お互い心から通じ合う事ができたのが初瀬琴音という人間だった
琴音はギャラルホルンを暗闇から救い、共に歩く相棒として全幅の信頼を置いてくれたのだ

「可能性を求めてラグナロクに逃げた、けどそこでもヒーローは見つからなかった」
「アイアスに残った霊装使いも、強いのはいたけど……誰も素質を持っていなかった」

逃亡した後、ギャラルホルンは琴音の後継者を求めラグナロクへと移った。けれどそこに彼女を使うに値する者は居なかった
アイアスに残った霊装使いもまた、ギャラルホルンの目から見て未熟で危険な者たちの集まりに映ったのだ

『(こんなの……ない……!)』

極大火力の霊装使いは、アームズへの憎しみから我を忘れ、民衆を危険に晒した
ギャラルホルンは霊装を用いて、彼女から民衆を守った

『(こんなのヒーローじゃない!)』

四ツ谷防衛大臣を暗殺しようとした時、立ち塞がった手負いの霊装使い
彼女は打ちのめされて倒れ、周りを気にするあまり最強のカードを切る事を躊躇った
周囲に居る者たちも、ギャラルホルンを恐れて遂に立ち上がる事はなかった

「だから私がヴィランになる」
「ヴィランは悲しい過去なんて持たない、誰かの為に復讐なんてしない」

「ワルモノは、心の芯から悪に染まってなきゃいけないの」
「そうすればヒーローが現れる。私を倒しに現れる」

「今もほら、目の前に」

槍を弾き、胸元に隠し持っていたスイッチに手を伸ばすと複数の爆発音が続き施設が小さく揺れる
街中にある複数の出入り口に仕掛けていた小型爆弾を起爆したのだ。施設を破壊するには威力が小さすぎる。逃走のためだろう
近くの壁に掛けられていた霊装核を幾らかひったくると、煌めく破片を軌跡のように残しながらギャラルホルンは逃走を開始した
444◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/20(金)00:18:53 ID:HCz [1/4回]
>>442

「退け退け退け退け全員死ぬぞ――――オラァ!!!!!!」

アロンダイトによる超加速移動は、アロンダイト自体の威力もあって、ありとあらゆる障害を破壊し尽くしていった。
武装した警備員程度では、辿り着くことすらもままならない。鋼鉄の隔壁を粉砕し、地上出口までノンストップで駆けていく。
抱えている何者かがどうなろうか知ったことはない、というよりはこの程度で死ぬことはないだろうという想いであった。
そしてそのまま――――地上へと突き抜けたのであれば。

「脱出――――せい――――こーうッ!!!!!!!」

実に楽しそうに笑って、天空へと舞い上がった。
地上に降りるどころか、そのまま空を駆け抜けていく――――目的は勿論、拠点である空中要塞への帰還である。
地上にダラダラと居座るなど性に合わない。その過激さを相手にしたのが、彼女の運の尽きだ。

「このままアーニャのとこまで飛んでいくぞぉぉぉぉぉ!!!!!」
「そういえば、お前名前なんだったっけ!?オレ確か聞いてなかったよなぁー!!!」

空中での絶叫と今更の質問だが、彼女が聞けるような精神状態化は定かではない。
445◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/20(金)00:35:45 ID:HCz [2/4回]
>>443

「“ヒーロー”だと……」

突飛な言葉であった。ヒーロー、英雄。
アームズとラグナロクという存在を打破する英雄を求めるのは、確かにこの世界の悲願であるかもしれないが。
それは質問の答になっているとは思えなかった。神埼千華は彼女がラグナロクに所属した理由を聞いて――――ならば、それがなぜ英雄に直結するか。
火花を散らした先にあるその顔を睨みながら――――

「……この世界に英雄の資質を持つものは見つからなかった。だからお前が、悪と成り――――」

英雄を、炙り出す。
なんという荒唐無稽な計画だろうか。そのために絶対悪として世界に立ち塞がるなど――――それこそ、倫理観が違っている。
彼女が人外だからだろうか。それとも絶望しているからだろうか。世界を救うために、ある程度の殺戮をすら彼女は選んだのだ。

「……巫山戯るな。この世界に……英雄など……居るものか……!!」

再度、口内を血液が満たし、右腕の断面から血が噴き出した。それだけでは無い、全身を引き裂くような痛みが、襲い来る。
既に限界を超えた稼働を繰り返していた身体が、今度こそ悲鳴を上げて止まろうとしていた。これが正真正銘、最後の危険信号だろう。

「居るのは……抗おうとする、人々だ……ただ一人の力など……たかがしれている……私とて……!!」
「世界を救うとするのならば……それはたった一人の力などではない……お前は最初から……見当違いを……」

咳き込む。既に喋ることすらも限界だが、それで立ち上がるのを止められるほど、神埼は物分りが良くはなかった。
槍を握る手に力が籠もる。柄を握る手から、真っ赤な血が皮膚を裂いて溢れ出てくる。前に進もうとしても、身体が動かない。
爆発音が聞こえる。何処かから――――それに、遠くから聞こえる破壊音。今神埼が把握しているよりもきっと酷いことになっている。

「だから……お前の好きにはさせんぞ……ギャラルホルン……私は……必ず、お前達を――――」

フルドライヴの負荷が身体をズタズタに破壊している。
一歩、二歩、と前に進むが、それはギャラルホルンの逃走を阻めるものではないだろう。
霊装を奪われるわけにはいかない。彼女を止めなければならない。体が動かない。こんなにも――――戦いたいと言うのに。

「――――ギャァラルホルゥゥゥゥゥンッッッ!!!!!!!」

ただ、そこで絶叫するのみであった。
折れぬ意志は、最早その身体を苛むのみ。
446曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/20(金)00:36:38 ID:Ab3 [1/2回]
>>437

「━━━━引~っ掛かった♪」

無邪気にも邪悪にも見える笑いを口元に浮かべ、ふらつく身体を推して落ちていく少女を追うように柵を乗り越える。
繰り出そうとするのは、二度と空へ舞い上がることを許さない、必殺の一撃。

「マズったんじゃなくって~、おしまいじゃん?」

後方に小型ダイナマイトを撒き、その爆風により落下スピードを加速させていく。
それは、紅い隕石のように。

「アームズもそっちの仲間も、すぐに吹き飛ばしたげるからさ」

「安心して、爆発してちょ☆☆☆」
 
繰り出すのは、数十mの高さと猛烈なスピード、更にビルの1フロアを吹き飛ばせるだけの大爆発までおまけでついた、ダイビング・フットスタンプ。
当然炎乃火自身もただではすまない。かわされた場合は言うまでもなく、命中しても両足粉砕骨折は免れ得ないだろう。
━━━━だがしかし、目の前の相手を盛大に爆ぜさせろ、焼き尽くせという本能の叫びの前には、彼女にとって余りにもちっぽけな代償だった。
447氷夢井結花 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/20(金)00:51:05 ID:Ab3 [2/2回]
>>444

「……ゴメンナサイ……ゴメンナサイ……」
 
そのまま休む間もなく、遥か上空の飛行船へと運ばれていく。
アイアスを裏切った天罰と言われれば納得するほどの体験に、ただ顔をぐしゃぐしゃにして震える……実際のところは、あの人名軽視ぶりで生きていられた辺り、幸運というべきなのだが。

「……ヒムイ、ユカ……」

すり減りきった神経は、休まないと回復しない。
名前以上のことは、空中要塞までお預けとなるだろう。

//キリが良いのでここら辺で〆でどうでしょうか
448 : ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/20(金)00:57:24 ID:DpG [1/2回]
>>445
「アタシの知る限りでは、アンタが最強の霊装使いだった」
「……でもやっぱり駄目みたい、期待外れ…………」

霊装保管庫から撤退しながら、ギャラルホルンは照準を千華の胸へと合わせる
しかし終ぞ引き金を引く事はなく、ただその場から立ち去ることだけを選んだ

「…………またね」

ここで殺せば将来現れるやもしれぬ英雄の登場を妨げるかもしれない、と
半ば無理やり自分を納得させながら、少女はアイアスの本部を後にした――――

「……ごめん、ごめんね……やっぱり殺せなかった…………」

瓦礫が散らばる用水路にて、ギャラルホルンは膝から崩れ落ちて壁にもたれかかった
身体のあちこちにヒビが入り、あらゆる場所から霊装が砂のように剥がれ落ちて解けかかっている
霊装の解除は生身への還元を意味するが、ギャラルホルンにとってのそれは死に他ならない
つまり彼女もまた死の瀬戸際にあるのだ。薄れる意識を何とか維持しながら腕を覆うバイフロストを撫でた

「やっぱり琴音ちゃんが居ないと……〝私〟は誰も殺せない……」

ギャラルホルンは、それを振るう者の意志に従ってきた。何体ものアームズを屠ったし、ラグナロクも撃退してきた
けれど琴音の手を離れてから、ギャラルホルンはたった一人の命をも奪った事がないのだ
主人の仇である四ツ谷を撃つ時ですら、しばらく顔を引きつらせていたくらいだ

「…………ここから出して、相棒」

生を受けて三年、手足を手に入れた霊装は自らの意思を実現する力を手に入れた
しかし同時に、その選択によって生じる責任全てが己にのし掛かるという恐怖も手にしたのだ
ギャラルホルンはまだ、絶対悪として君臨する為の最後の壁を越えられてはいない

右腕を掲げるとバイフロストが最後の力を振り絞り、爆薬で大きく開いた入り口の穴へ光の柱を打ち立てる
天を通じて郊外へと繋がったそれは、消耗しきったギャラルホルンを優しく包み、その凱旋の手助けをするのであった
光の中に溶けながら、ギャラルホルンは気を失うように眠りに落ちるだろう。アナスタシアに連絡があるのは半日程経った後だった

「アーニャ、霊装核をいくつか奪って……不破雷火とをやった」
「ううん、殺しはしてない……けど、暫くは大人しくしてる筈」

「やっぱり、アイアスに英雄は居なかった」
449ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/20(金)00:58:07 ID:DpG [2/2回]
//それではこの辺りで締めさせてください、長期のロールにお付き合いくださったお二方、ありがとうございました!
450 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/20(金)00:59:33 ID:HCz [3/4回]
>>447
/そうですね、それでは〆ということで……!脱出ロール、ありがとうございました!!
451 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/20(金)01:00:15 ID:HCz [4/4回]
>>449
/了解しました!こちらこそ、長期間のロールありがとうございました!
452不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/20(金)12:57:33 ID:DjD [1/6回]
アイアス基地内に存在している医療施設、ここでは戦闘で負傷した霊装使いの治療などが行われている。
先のラグナロクによる襲撃により基地内にはかなりの損害が出た。当然負傷者も多く現在ここは大忙しとなっていた。

「…………」

そして今現在、不破雷火もそこで入院を余儀なくされていた。仏頂面で病衣に身を包み、ベッドの上で暇そうに漫画を読み進めているその様子は普段の彼女と比べるとやや大人しい。
まだ傷が癒えていない状態でのギャラルホルンとの戦闘。それはかなり応えたようでこうして大人しく病室のベッドにいるのだが……

「……あぁ糞ッ…慣れねぇな…」

それでもこうして大人しく入院など、やはり雷火の性分には合わないらしく、こうして息苦しい日々を送っているというわけで。
453比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/20(金)19:15:51 ID:T8Y [1/7回]
>>452

 「よーっ! 随分窮屈そうだな!」

 仏頂面の彼女と対照的に愉快そうに笑みを浮かべる茜。 何時もの様な笑顔とは裏腹に、その左腕は拘束具かの様に、厳重に包帯が巻かれギプス生活を余儀なくされていた。
 然し、幸いそれ以外には損傷箇所は見られなかったので、アイアス内部の復興作業並びに負傷者の手当に駆り出されている。

 「ほら、良く言うだろ?物事を焦り過ぎるとろくな事にならないって。
 ま、肩の力抜いていこうぜ!」

 その言葉は慰めの様で、叱咤の様でーー。
454不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/20(金)19:52:47 ID:DjD [2/6回]
>>453

「煩いのが来やがった…」

比嘉の顔を見て明らかに嫌そうな顔を浮かべる。比嘉茜という人間は雷火にとって苦手なタイプの人種だ。
その自己犠牲の形は雷火にとってとても見ていられるものではない……というのは本人談。彼女も雷火がギャラルホルンに敗北したという話は聞いているだろう、それも周囲の非戦闘員や若輩の霊装使いたちを気にしてミョルニルを使わずに戦っての敗北だということも。

「まぁちょうどいいか…おい比嘉、お前全然出てたんだろ、何があったか教えろ。まだ色々情報が錯綜してて把握できてないんだよ」

相手が年上であろうとお構いなし。敬語すらも使わずにそう問いかけて。
455比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/20(金)20:10:56 ID:T8Y [2/7回]
>>454

 「お、軽口が叩ける程度には立ち直れた様だな! そいつはァ、結構!結構!」

 豪放磊落な性格の彼女にとって敬語なぞ気にする事などありもせず、これまた豪快に笑い飛ばせば、無遠慮にもベッドに座れば、隙を見逃さずに漫画本を強奪する。
 その後、ペラペラと適当に項を捲りながら、一瞬だけ横目で雷火の顔を覗く。

 「んー、……大体報告通り」
 
456 : 比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/20(金)20:11:29 ID:T8Y [3/7回]
>>>455
//すいません誤送信しました!
457比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/20(金)20:22:16 ID:T8Y [4/7回]
>>454

 「お、軽口が叩ける程度には立ち直れた様だな! そいつはァ、結構!結構!」

 豪放磊落な性格の彼女にとって敬語なぞ気にする事などありもせず、これまた豪快に笑い飛ばせば、無遠慮にもベッドに座れば、隙を見逃さずに漫画本を強奪する。
 その後、ペラペラと適当に項を捲りながら、一瞬だけ横目で雷火の顔を覗く。

 「んー……大体、報告通り面白味の無い話だけどな~。
 ……聞きたいのは“漆黒の装甲を持つ主犯格の女”の話か霊装“ミドガルズオルム”の話か?」

 流石の雷火でも報告書ぐらいは目を通したと信じたいが、漠然とした問いに、思わず頭を悩ませながらもその問いに答える様に模索し始める。ーーーそして、同時に何か閃いた様に顔が“にやける”。

 「あ、分かった!
 聞きたいのは夏鈴の事だろっ!」

 と、無遠慮にピースサインでーー。
 
458不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/20(金)20:52:01 ID:DjD [3/6回]
>>457

「あ、おい何しやが……ッ…!」

漫画を強奪されれば取り戻そうと身を乗り出すが傷に響いたのか腹部の辺りを抑えて顔を顰める。先の戦闘で内臓系に一撃をもらったのだ、まだそうそう回復しているはずがない。
ちなみに漫画は少年漫画誌で連載されている最近流行りのギャグ漫画。

「報告書だけじゃ判断出来ねぇよ、実際に聞いてみなけりゃな。ただ聞き齧っただけのと生の言葉じゃわけが違う」
「――――ばッ…!?ちげぇよ馬鹿ッ!!」

唐突に出てきた夏鈴という名前に思わず吹き出しながら否定、だがその様子は明らかに動揺していて。
以前に自分に勝つような言葉を残した後から何も音沙汰が無く、そして今回のこれだ。夏鈴には日頃から面倒なお節介を焼かれていたために気になってしまったのも仕方がないか。

「わ、私はただその霊装が気になっただけだっての!適当なこと抜かすんじゃねぇ!!」
「…………ま、まぁ…その、ついでだが…結局西條の容態は、どうなんだよ」
459香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/20(金)20:53:20 ID:eFi [1/1回]
>>446
「ちょっと……冗談じゃない……な……」

噴煙を撒き散らしつつ迫る彼女。一方こちらは負傷の上に大きく損傷したままの霊装を背負った状態。
大型の霊装である影響でタダでさえ地上での行動は困難を極め、彼女の到達までに逃げ切れるような算段はない。

「ふざけるな……私はまだ……やらなければならない事が残ってるんだ……!」
「こんな場所で倒れる訳には……いかないんだよ……!」

辛うじて稼働する片翼のミサイルポッドが起動する。銃口は降り立つ彼女に向けるのではなく、自らのすぐそばの地面へと。

「私は……お前の技では……死なない……!」
「ラグナロク……アームズもろともお前も道連れだ……!!!」

彼女が地面へと到達するほんの僅か前、霊装から繰り出される弾頭によりもう一つの爆発を巻き起こす。
地面に到達した際の物に比べれば、それは小さな爆発だろう。だが少女一人の身体を無理やりに動かすには十分な衝撃だった。

自爆による衝撃で中心部より離れ、直後の巨大な爆発により少女の身体は大きく吹き飛ばされる。
霊装はすでに無く、過度のダメージにより強制的に収納され、残された少女のみが地面に墜ちていく。

爆発による裂傷と火傷により、まさしく致命傷となった身体は地面にに力なく転がり、幾度かの回転の後に横たわったまま止まる。
先ほどまでの威勢はどこにも見られる事は無く、再び敵意と憎悪の込められた瞳が彼女を捉える事もない。
ただ不自然な程に、熱の帯びた風が通り抜けていくだけ。
460比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/20(金)21:21:41 ID:T8Y [5/7回]
>>458

 「ま、それもそうか…。
 長話は得意じゃ無いから、暇潰し程度に聞いてくれ。」
 「ーー漆黒の装甲を纏う砲の武装を携える者と天を裂く様に顕れた巨躯な灰色の大蛇話だ。」

 その口が紡ぐのは、学園の襲撃を阻止し敵と垣間見えた時の話である。茜が下手くそなりに纏めた話は案外簡潔に要点だけ纏まっていて、実際報告書よりは分かりやすいものとなっていた。
 何より、武装についてよりも重点的にアナスタシアと云う人間についての不気味、畏怖について語る。 そして、〝私見だが〟───と付け足し。ラグナロクが有してる人工的な大型アームズナロクがこれだけでは無いのかも知れないという伝える。


 「んで、お待ちかねの夏鈴の容態だがーーー。」
 「……やっぱ、止めた。
 あたしの口で語るより、雷火が直接確かめた方が喜ぶだろーしなっ!」

 「……その為に、早く治せよ怪我。」


 霊装適正値が低い西條夏鈴がミドガルズオルムと無理矢理適合して、無事なのかどうかは、実は茜は定かでは無い。
  一瞬、顔が翳るが、直ぐ様元通りにして、発破を掛ける様に雷火の背中を漫画本で軽く叩く。ーー西條夏鈴が意識曖昧な場面で、〝不破〟と言う名前が出るくらいなのだから、彼女に思い入れは有るのだろう。

 「んで、こっちからも質問していい?」

 そして、情報交換と言わんばかりに、雷火の置かれた状況を聞き出そうとするだろう。
461不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/20(金)21:42:45 ID:DjD [4/6回]
>>460

「――――ラグナロクのクソ野郎共がッ…アームズを作り出す、なんてふざけた真似を……!」

ラグナロクの首魁であるアナスタシア。一筋縄ではいかないと思ってはいたが、人工的な大型アームズ。そんなものを使役していることに雷火は苛立ちを覚えた。
ただそれにしても比嘉がここまで個人への不気味さと畏怖を語るのは珍しい。それほどにアナスタシアという女は異質な存在というわけなのだろう。

「余計なお世話だッ!……くそが…西條みてぇな奴は一人でも面倒だってのに……」
「……当たり前だ、ラグナロクの連中もアームズ共も…全部ぶっ倒すまでこんなとこで寝てる暇なんてねぇ」

ギャラルホルンを止められなかったこと、そしてその前にも人型のアームズを取り逃したこともあり雷火自身、少しばかりの焦りを抱えている。
そんな中での夏鈴のことを耳にしてより一層焦りを感じているのだろう。元から自分一人で全て抱え込もうとする雷火にとって、今回のことを怪我で出撃できなかった自分の責任と捉えているのかもしれない。

「……あぁ、で何が聞きたいんだよ。言っとくが、私よりも神崎の奴に聞いた方が情報は手に入ると思うぞ」
462比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/20(金)22:06:28 ID:T8Y [6/7回]
>>461

 「ははっ! 雷火、お前……“瞬間湯沸器”みたいだな!!
 まーまー、物事を焦り過ぎるとろくな事にならないって言ったばかりだろ?」
 
 「……悔しいのは皆同じだ。
 あたしも、掴めなかった。」

 感情の起伏を瞬間湯沸器と揶揄すれば、面白可笑しく暫く笑えば一息。 その言葉は諭す様に年相応な語り口で宥める。

 雷火の性格上、怪我が治り次第に一目散に初瀬琴音の居場所を血眼で探るだろうーー。 然し、今のままでは同じ事を繰り返して、軈ては……。
 勿論、自身を含めこのままラグナロクに煮え湯を飲まされて黙っている訳にもあるまい。ーー右拳が強く握られる。

 「んー、……千華に聞いた方が良いってのは確かだけど───が。雷火、お前から見て琴音……いや。〝ギャラルホルン〟はどうだった?」
 「なんだっていいよ。例えば、強かったとか怖かったーとかでも。」

 〝聞き齧った言葉と生の言葉は違うからなー〟と雷火の似ても似つかない物真似をしつつ、その問いを尋ねた。
 実際、神崎千華に尋ねれば鮮明に伝えてくれるだろうが、けど茜は雷火の言葉で聞きたいと直感的に思ってしまった。
463不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/20(金)22:29:24 ID:DjD [5/6回]
>>462

「てめぇ…怪我が治ったら覚えとけよ…」
「…………」

今回のこの一連の騒動、まず間違いなくアイアス側の敗北と言っていいだろう。あまりにも入念に練られた相手の策にまんまとハマってしまった。
捕虜の逃亡、そして数多くの霊装使いの負傷者。戦力や情報面での不利はこれで確実となってしまった。このままでは次に大規模攻勢に出られてしまえばどうなるか――――

「……そうだな、とりあえずあいつは…初瀬琴音じゃねぇってことは確かだ。ただの初瀬琴音の皮を被った出来損ないのクソったれ霊装…霊装が人の形を為すなんて聞いたことねぇが…まぁそうなんだろうな…」

最初聞いたときは冗談か何かかと思ったが、しかし実際に戦ってみての違和感はやはりあった。
初瀬琴音ではなくその姿をした霊装…霊装に感情や意思があるだなんて信じられないが事実そうなのだから仕方がない。

「そして明確に目的があった。……防衛大臣は殺そうとして、周りの他の非戦闘員や若い霊装使いやらには目も暮れてなかったからな」
「とにかくあれは何か異質なモンだ、としか私からは言えねぇな」
464比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/20(金)23:01:54 ID:T8Y [7/7回]
>>463

 「お、いいぜっ!いいぜっ!!
 あたしならいつでも手合わせしてやるぜ~っ! 打倒っ!ラグナロクってな!」
 「あたしの拳は簡単に打ち砕け無いけどな!」

 「ふっ! まっさか敵に負けてこのまま終わりって訳じゃないよなー?
 ……もっと強くなって見返してやろうぜ!」

 
 彼女の霊装〝雷槌ミョルニル〟には、かなりの興味が合った様で、雷火の売り言葉を素直に喜べば、おもむろに立ち上がり、右拳による正拳突きを繰り出せば、“にひひ”と子供のように笑う。
 そして、雷火の顔の前に掌を近付ければ、それは発破を掛けたのか。或いは喧嘩を売りたかったのか定かでは無いが、無邪気に笑えば雷火の髪を撫で回す。

  「……謎は深まるばかりだな。」

 ふぅ…と。小さく息を吐けば、懸念材料が増えた事に頭を悩ませながら、片隅に置くぐらいにした方が良いのかもしれない。 不可解な行動と云うか機械的と云うか。 〝異質〟と片付けてしまえばそれで済むのかも知れない。
 〝ラグナロク〟……。 奴等は何を企み何を為す者だろうか。 それとも“一枚岩”じゃないのかもしれない。

 取り敢えず今は、結論を出すのは早計だろうーー。

 「あ。」

 そして、暫くした後に茜の端末機が鳴り響いた。ーーそれは、アームズ退治の出勤命令の合図である事を明白に示していた。
 そして、茜は惜し気ながらも、病室を後にしーーー

 「病人は早く怪我治せよっ!!
 んじゃ、ちょっくら行ってくるぜ!」

 ーーーた。

/次は模擬戦でも出来ればなぁーとか思いつつここら辺で〆で!
/ありがとうございました!
465 : 不破 雷火◆</b></b>jPCqpdF/T.<b>[] 投稿日:19/12/20(金)23:19:28 ID:DjD [6/6回]
>>464

「……だから苦手なんだよ…」
「っ…撫でんなッ!子供扱いしてんじゃねぇ!」

いちいちこちらのペースが乱される。突き離しても突き放しても無理矢理に距離をまた縮めてくるようなそんな印象だ。
厄介なことこの上ない。ただ雷火のように自ら他人と距離を置くような人間には彼女くらいの方がむしろバランスが釣り合っているのかもしれないが。

「とにかく、ぶっ飛ばせば良いってことには変わりねぇ。細かいことは後から考えれば良いんだよ」

今ここであれこれ議論を重ねてもそれはただの机上の空論に過ぎない。
実際のことは実際に確かめなければ分からない、相手がどんなことをしてこようとそれを真正面から捻じ伏せればそれで万事解決だ。何はともあれ、勝たなければならないということに変わりはないのだから。

「あ、おい!……たく、騒がしい奴だな相変わらず…」

早くこの身体を治して復帰しなければ。
ただはやる気持ちに身体は追い付いてはくれない、今はただ悶々とその時を待つしか雷火には残されていなかった。

//了解しました!色々と情報のやり取りなども出来て楽しかったです!
ロールありがとうございました!
466曙野炎乃火 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/21(土)11:17:12 ID:Dzj [1/3回]
>>459

「い、だだだだだ……あぁ」

小さな炎が所々燻るクレーターの中心に、炎乃火もまた変身が解け、転がっていた。
その足は、一般的な治療では治すというよりどこまでを義足とするかを考えるべきであろう傷を負い、激痛が絶え間なくその身を襲う。
それに耐えかね身を捩らせると、横たわり動かない少女が視界に入る。
 
「そこは気持ちよくさぁ……木っ端微塵になるとこじゃんかさ、空気読めないな~……」

死んでいるかそうでないかも分からない彼女へぼやく。
もう一度変身し小型ダイナマイト1発投げつければはっきりするだろうが、今の炎乃火にはそれだけの余力はないし、もしできたとしてもやらないだろう。
習字で二度書きをしない、という感覚が分かりやすいだろうか。

「……しもしも~。一歩も動けないから、拾ってちょ。後、一人やったから、その辺もうまくやっといて~……」

スマートフォンを取りだし、ラグナロクに連絡をかける。
何事もなければ、横たわる彼女も一緒に回収されるだろう。
その先、治療されて捕虜として扱われるか、それとも解体されて取り込んだ霊装を回収されるか。
どうなるかは、少なくとも今の炎乃火が知ることではないし、別段興味もない。
通話を終えると、傷ついた身体を投げ出して、暫し意識は闇に落ちるだろう。

//遅くなり申し訳ありません、こんな感じでこちらは〆でどうでしょうか
//不都合ありましたら遠慮なくおっしゃってください
467[email protected]円卓議決@十三拘束@星の守護者[] 投稿日:19/12/21(土)14:33:08 ID:N6h [1/1回]
>>434
無駄無駄ァ!w
468◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/21(土)20:34:40 ID:iUj [1/2回]
!aku467
★アク禁:>>467
469◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/21(土)20:52:12 ID:iUj [2/2回]

先の交戦にて、アイアスは凄まじいまでの被害を受けた。
アイアス施設内部の破壊、霊装の一部簒奪、大量の重軽傷者――――その内の一人、“重体”として回収、集中治療室にて治療を受けた後。
意識回復には至らず、現在に至るまで昏睡状態に陥っている霊装使いが存在していた。
適性値自体に問題があったわけではない――――然し、破壊された内臓器への負担と筋電義肢に対する拒否反応によって、制限時間を設けられていた。
その状態で“完全起動状態”に移行した結果が……死に至らなかっただけでも、幸福というべきか。

「――――」

現在、白いベッドの上で幾つかの管に繋がれて眠り続けている――――容態自体は安定している。
ただ意識が回復するかどうかはわからないというのが医師の診断だった。そしてその見積もりは……極端に低い、という、が。

「――――……は……」

――――僅かに漏らした声は、呼吸の乱れに近かったかもしれない。
指先がピクリと動いたのは、見間違いとするかもしれない――――が。気づくものが居るのならば、或いはそこに居合わせることもあるかもしれない。




西條夏鈴は回収後、徹底的な身体検査を受けていた。
何らかの薬物投与と、その上適性値が低い状態でアームズを霊装として使用するというイレギュラーな状態の解析とその影響の検査が主なものであった。
幸い身体的に、後遺症の残るようなものではないという結果に至った――――そしてそれ以外には。
彼女の身体には、“何らかの霊装が形として残っている”ということだった。

「……私の身体に……霊装がある……っていうことは」

それがもう一度起動できるものなのかどうか、そもそもまともに霊装として機能するのか。
真っ当な霊装であるのか、未だ調査段階であるために詳細は分からないが、少なくとも体内にあることに拒否反応は出ていなかった。
現時点では危険なブラックボックスであることは間違いない。だが、もしもそれが形になったとしたら……。

「今度こそ、皆の役に立てると……いいなぁ」
470香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/21(土)22:21:17 ID:uKJ [1/1回]
>>466
//ではこれで今回は〆という事で
//長らくのお付き合いありがとうございました、返信が遅い日が続いて申し訳なかったです
471漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/21(土)23:36:28 ID:Dzj [2/3回]
>>469

『聞いたぞ、イツキ。ずいぶん手酷くやられたそうじゃないか。年寄りの癖に無茶するからだ』
「おいおい、私はまだ24歳だ、ピチピチだよ」
『とっくの昔に本当なら適性を失ってるって意味じゃババアだ、鏡見ろ』
「ババッ……!?」

英語での話し声と共に、一台の殿堂車椅子が廊下を走る。
その声の主はアメリカ帰りの研究者こと、漆原樹。
帰国早々研究成果を引っ提げ出撃した彼女もまた、重傷者のリストに名を連ねていたはずだ、が。

『そんなどうでもいい事より。そっちで一人、アームズを霊装にしたとかいうとんでもない話を聞いたんだが』
「露骨に話を逸らされた気がするけど、事実さ。同僚たちはもうてんてこまい」
『他人事だな。鳴り物入りの帰国子女は陽気にお散歩か』
「まさか」

気心知れた仲の相手と談笑をしているうちに、目的の部屋へとたどり着く。
話題に上っていた少女……西條夏鈴が入院している部屋を、IDカードで解錠すれば。

「失礼するよ、西條夏鈴さん」

微かな食用油の臭いと共に、部屋の中へずかずかと、アメリカンに踏み込んでいくだろう。
 
472 : 漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/21(土)23:36:49 ID:Dzj [3/3回]
>>470
//こちらこそ絡みありがとうございました
473◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/22(日)21:26:01 ID:qLa [1/1回]
>>471

「……うーん、まだちょっと頭痛いかも……」

体調に問題はないとは言え、検査中であり何が起こるか分からない為に安静を求められている身である。
問題ないだけであって万全ではないし、動かないに越したことはないのだが……夏鈴は常に動き回っていたような少女である。
ベッドの上で寝転がっているというのは、酷く退屈なものであった。
看護師の気遣いで差し入れられたファッション雑誌をベッドの上で開きつつ、どうにもその時間を持て余していたのだが。

「あ、え、誰……!?」

唐突に開かれたドア。医師であるならばちゃんと直前に声を掛けてくれるため、そうではないことは分かるのだが。
暇を持て余していたこともあって、少々オーバー気味に反応してしまった――――現れたのは、アイアスの技術者の姿であった。
夏鈴は技術者とはあまり関わることはないのだが、名前と顔だけでも覚えていることを心掛けており。

「あっ……漆原さん。あの、何の御用でしょうか……?」

西條夏鈴という少女自身に、そう言われる心当たりは……あると言えばいくらでもある。
霊装に関することなのかもしれない。何やら特異な事例だと聞いてはいる……逆に言えば、そのくらいだが。

/申し訳ありません、昨日は早めに寝てしまっておりました……
474漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/23(月)01:50:12 ID:5fb [1/1回]
>>473

「検査結果こそ読ませてもらったけど、元気そうで何より。あ、食べる?」

そう言うと、辛うじて動かせる手で取り付けられたフライドポテト用ホルダーに入れられたそれをつまみ、差し出してくる。先程からの食用油のにおいの正体だ。
先日の戦いで鉄塊に潰された樹の身体のあちこちはギプスや包帯で固められ、本来ベッドから出てはいけない状態なのは樹の方だ。
しかし、それでも彼女の元に来たのは、それだけの価値があると感じたからであって。

「同じような話を何度も聞かされてるだろうが、君の体内に残っている霊装、もとい元アームズの件だ。ここまで前例がないからね」
「元がアームズっていうまだ未知の部分が多いものとはいえ、今回霊装でないものを霊装化した、という事になる。その技術を確立すれば霊装の量産、或いはそこまで行かずとも希少性といった面で大幅な改善……機霊装にも、新しいコンセプトが……」

夏鈴を尻目に、しばし思索にふけりこむ樹。
彼女が学んだ霊装の波動に関する研究がアメリカで盛んとなった理由は、霊装の希少性に基づく事情がある。
歴史のエネルギーがただのモノを霊装に変えるという性質上、建国からの歴史が比較的浅くそれ以前の歴史が植民地支配により相当数失われてしまったアメリカにおいて、霊装不足とアームズの被害は深刻だ。
大国・アメリカの輝かしい歴史の大半が霊装といった形を取るには、順当に行けばあと100~200年ほど待たなければならない。
それゆえに、少ない霊装を強化したり、適合条件を緩和するといった目的の研究が盛んに行われているのだ。
霊装でないものを霊装化する技術があるとしたら、恐らく血眼になってそれを求めることになる……そしてそれは、樹が理想とする世界にも必要なもの。

『ヘイ、ヘイ、イツキ。そこまでだ』
「……おっと、すまない。本題に入ろう」

見かねた電話越しの相手が茶々を入れ、とめどない思考は一時中断、ベッドの夏鈴へ視線を正し向き合う。

「今回、君はああいうことになったわけだが……今後君の意思としてどうしたいか、を聞いておこうと思ってね」
「……まともじゃない経験を、君はしてしまったから。これ以上踏み込んだら、普通の暮らしには戻れなくなる」

それは、研究者としてではなく、一人の大人としての問いかけ。

//此方こそ遅くなり申し訳ありません、よろしくお願いします
//設定でっち上げてみましたが、問題があればなかった事にしていただいて大丈夫です

475 : [email protected]円卓議決@十三拘束@星の守護者[] 投稿日:19/12/23(月)02:23:39 ID:RG5 [1/1回]
>>468
?
476◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/23(月)16:30:27 ID:VmL [1/6回]
>>474

「いえ、遠慮しておきます……あの、私、専門的なことは……ちょっと分からなくて……」

提案されるフライドポテトの提供に関しては丁重に断りつつ。
西條夏鈴本人は霊装に関して言うのであれば、素人である。
彼女の連ねた言葉に関しても苦笑いを浮かべながらそれとなく宥める方向に向けようとしていた。
そして本題に入る、と言われたら、心のなかで胸を撫で下ろした――――

「……はい。それはわかってます」

霊装が体内に存在する以上は、アイアスとして、そして霊装使いとして戦わなければいけない未来も近いかもしれない。
今はまだ自主的に起動できない状況であるが、解析が済んで、自在に操れるようになったのであれば。
今のアイアス職員としての立場以上に、そこに深く関わっていくことになる――――然し、それに関しての答えは決まっていた。

「でも、これで私も皆と一緒に戦うことが出来るなら、私は……退きません」
「ずっと望んでいたことなんです、皆の役に立ちたい、って……!!」

その適合率の低さから、霊装との適合は諦めていたところで、その機会が回ってきたのだから。
諦めるわけにはいかない。ようやく皆と肩を並べられるのであれば、それは待ち望んでいたことなのだから。
とは言え、現状はどう転ぶかわからない状況であるのだが……ともあれ、本人の心掛けとして、であった。
477神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/23(月)16:31:02 ID:VmL [2/6回]

先の交戦にて、アイアスは凄まじいまでの被害を受けた。
アイアス施設内部の破壊、霊装の一部簒奪、大量の重軽傷者――――その内の一人、“重体”として回収、集中治療室にて治療を受けた後。
意識回復には至らず、現在に至るまで昏睡状態に陥っている霊装使いが存在していた。
適性値自体に問題があったわけではない――――然し、破壊された内臓器への負担と筋電義肢に対する拒否反応によって、制限時間を設けられていた。
その状態で“完全起動状態”に移行した結果が……死に至らなかっただけでも、幸福というべきか。

「――――」

現在、白いベッドの上で幾つかの管に繋がれて眠り続けている――――容態自体は安定している。
ただ意識が回復するかどうかはわからないというのが医師の診断だった。そしてその見積もりは……極端に低い、という、が。

「――――……は……」

――――僅かに漏らした声は、呼吸の乱れに近かったかもしれない。
指先がピクリと動いたのは、見間違いとするかもしれない――――が。気づくものが居るのならば、或いはそこに居合わせることもあるかもしれない。

/平行になりますが、こちらでも絡み待ちです……!!
478ギャラルホルン◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/23(月)16:59:10 ID:TOe [1/1回]
――――アイアス本部襲撃から数日
喧騒は鳴りを潜め、必死で守り抜いた日常の中。アイアスはラグナロクの大いなる脅威を痛感していた
一方ラグナロクもまた完勝を収めた訳では無かった。誰しもが大なり小なり、全面戦争を仕掛けた代償を払う事になったのだ
そしてそれは人間だけでなく、生ける霊装であるギャラルホルンもまた同じことであった

はるか高空、雷鳴と共に暗くなる空。本来あるはずの無い高度に雲の渦が出来上がる
その中心部から空を突き破って斜めに降り注いだ光が、空中空母を直撃したのだ
爆発と同時に霧散する大量の光の粒子。共に空母の船体を揺らすほどの衝撃波が周囲に広がって

「まーったく、誰も迎えに来ないってワケ?」

黒く焼きついた甲板を踏みしめ、立ち昇る煙を掻き分けてギャラルホルンは凱旋を果たす
立て続けの戦闘で大きな傷を負い、頭部には向こう側が見える程の大きな風穴まで穿たれていた

傷を癒す為に数日森の中に潜んでいたが、この身体に治癒力が働かないと気付いた時点で力を振り絞って帰還を果たしたのだろう
その所為だろう、能力は半ば暴発気味に放たれこの惨状を引き起こしており
拍手の代わりに軍靴の音が響き渡り、向けられるのは花束でなく銃口だ

「バイフロストを繋げるだけのパワーが溜まるのに、こんだけ時間掛かったんだよ!?」
「死にたくないなら下がりな、アタシは今機嫌が悪い」

向けられた銃口を叩き落としながら、ギャラルホルンは脚を引きずって歩く
左脚を覆うタイツは裂けて地肌が見え、膝には一度千切れたような痕が残っていた
そして錆びた有刺鉄線でそれらを無理矢理縫合した跡も、頭の傷に並んで彼女が人間ではないことを周囲へ伝えている

「あーあ、美味しいもの食べたい!」
「食べた事ないけど!!」

周囲にキレ散らかしながら甲板を歩く姿は、先ほどの騒ぎもあって他の霊装使いたちの眼にも留まるだろう
そのような状況に首を突っ込みたいかと問われれば、首を縦に振る人間は少ないだろうが
479 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/23(月)17:38:01 ID:VmL [3/6回]

「理論は証明された――――ならば後は実践に移すのみ」

ギャラルホルン本部の空中要塞にて――――アナスタシアは、研究室内に籠もりきっていた。
オリハルコンの資格者と宮比神扇の資格者との交戦によって、彼女もまた大きく負傷はした――――が、それでも大した治療を受けることはなく。
そんなことよりも優先するものがある、とばかりに自身の求める研究に没頭していた。

「あの“亡骸”と“聖典”を使えば、ミドガルズオルムなど比較にならない力が手に入る……」
「そうなれば“完全状態の霊装”に同等する力を得ることができる……そうすれば私は……!!」

「――――“英雄”になれる……!!!」

この世界を正しい方向に導いたならば、霊装の力を使って霊装使い達を解き放ったのであれば、その時アナスタシアは素晴らしき英雄になれるろう。
シュテルンベルク霊科学研究所に居た頃より、思い続けていたことだった。
大人達に利用され続けてきた人生も終わる。自身が頂点に立ち、崇められ讃えられる世界がやってくる――――この、“霊装”さえ実現することが出来れば。

「……然し現状では、聖典起動のための霊装がまだ足りない」
「一つ、アイアスの霊装が増え、ベアトのアロンダイトが帰ってきたのは良いですがラグナロクの構成員の分全てを足しても……」

親指の爪を喰む。自身の理論が証明されたまでは良かったが、次の段階に至るまでの材料がまだ、アナスタシアの手の中には無い。
ギャラルホルンが未帰還なのも問題だ。彼女さえ帰還すれば、そして作戦が成功さえしていれば……また幾つかの霊装を、手に入れることが出来るはずだ。
最も彼女の戦果次第ではある。それで足りるかどうかはまだ分からないものであるが……

「――――ああ、良かった。どうやらギャラルホルンが帰還したようですね。一先ずは安心……」

そう思っていた矢先に甲板での騒ぎが監視カメラのモニターを通してそこに映し出される。
帰ってきた霊装が形を成した彼女の姿を認めると、一先ずは計画が遠退かなかったことに対して、胸を撫で下ろすのであった。
480漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/23(月)17:55:48 ID:f4U [1/1回]
>>476

差し出したフライドポテトは一瞬宙で静止したあと、そのまま樹の口へUターン。それを咀嚼し、飲み込んだあと。

「君の体内の霊装の力を引き出す方法に関しては、理論上じゃあるけど、既に考え付いてる。
 本来使えない霊装を使えるようにするってのは、専門だからね」

そう言うと白衣のポケットから、掌サイズの機械を取り出す。
「エジソンバルブ」……かつて樹に適合していた機霊装。

「今回君は薬物投与により適性を一時的に拡張されて、霊装としてアームズを纏うに至ったわけだ。ならば、その拡張の部分を機械に任せてしまえば良い」
「君の体内の霊装を機霊装にすることで出力の安定化、更に暴走のリスクも低減できる……決まった範囲の運用であれば、ね」

機霊装は、まさしく夏鈴のような、適性が低い少女を前線へ投入する為の技術という面をもつ。
外付けで制御装置を取り付ける性質上、扱いの難しい霊装を運用することにも長けている。
ただし書きは、発展途上の技術であることからのものだ。

「……けど。これはアイアスの研究者としての意向ではないことを前置きして、言わせてもらうなら、の話だ。
 ……君はこのまま霊装を摘出して、記憶処理を受けた方がいいと思う」
「盲腸か何かで入院したと思って、ラグナロクに狙われにくい、この街じゃないどこかで普通に暮らすんだ」

それは、樹個人の思い。

「きっと、君は戻れなくなるってことをわかってない。軽く見てる。
 私みたいにボロボロになることは当然。神埼ちゃんみたいに、腕や足を失うことだってある……私の友達みたいに死ぬことだって、あり得る」
「普通の人が積むべき経験も積みそこねることも多い……それを取り返すには、多大な時間がかかるどころか、取り返せないことまである。
 適性がある間だけですむ話じゃない、何かしらの形で一生戦い続けることになる」
「アームズが出現する前は、戦場に君みたいな年齢の子がいることは、少年兵って言われててね。非難されるべき事だった。だった、はずなんだ。
 本来誰かを守るために戦うのは、大人がやるべき仕事なんだ……子供を人類の敵と戦わせたり、テロリストにしたり立ち向かわせたりすることはおかしいことなんだ……!」

樹自身の経験が、痛みが、信念が、その身を震えさせ、肘掛けを叩かせる。
アイアスやラグナロクといった、霊装使いを用いている組織だけではない……少女たちに戦う運命を押し付けた世界そのものへ、怒りは向けられている。
衝撃でフライドポテトホルダーが外れ、床にぶちまけられる音で、我に帰ると。

「……すまない」

481神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/23(月)18:57:07 ID:VmL [4/6回]
>>480

「……私は、皆が戦うのは嫌……ですけど」

元より西條夏鈴は、戦いによって誰かが犠牲になることが嫌いだ。
少女達は、戦いなど経験することなく普通に生きるべきだし、大人達だってそうだろう。だが、それが出来ない世界がここにはある。
誰かが戦って、誰かが犠牲にならないとどうにもならない世界だ。この世界は、アームズのせいでそういう風に変わってしまった……ならば。

「戦わずにいられないし、結局誰かが傷つくなら、それを自分が知らないのはイヤです」
「だから私はアイアスに来たし、記憶を消してもらうこともしませんでした……」

記憶を消して元の日常に戻るという機会は、今まで幾つもあったし、なんなら今からだってそうすることも出来るだろう。
ただ、今に至るまでそうしなかったのは、西條夏鈴にその覚悟があったからだ。
自分に出来ることが少なくても、誰かを助けられるのであれば……という思いで、ここに来た。それを今更、記憶処理を受けろ、と推奨されるのは。

「子供だからって……私が選んで、私が進もうとしていることを……いいえ」
「霊装使いの皆が、アイアスの人たちが、一人一人、背負ってるものを、馬鹿にしないでください……!!」

危険を承知で戦っているし、日常を失うことは散々に説明されていて、そして実感している。
まだ未熟な少女達が戦うことのリスクは少なくない。だが、それを理解せずに要られるほどに、少女達はきっと鈍感ではないし、何より。
その上で戦うという結果を選び、そしてその上で運用しているアイアスの人々とて心を鈍化させている人々ばかりではないのだと言いたかった。
“大人だから”と自分の理論を押し付けて、今の戦う人々を否定するのは……夏鈴にとっては面白くないことだ。

「いえ……後で片付けておきますから……」

流石に、怪我人に片付けを強要することもない。
外傷がほとんどない夏鈴は、動けるならば動いておきたかった。それがちょっとしたことであったとしても、気休めにはなる。
482比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/23(月)21:36:36 ID:gAo [1/2回]
>>477

 「よ。」

 そんな簡易な挨拶と共に訪れた茜。だが、その言葉は返る事が無いのは重々承知だった。ーー困った様に笑えば、持参したお見舞い品を棚に仕舞い込み花瓶に華を添える。
 一通り一連の流れを済ませ、今度は来客用の椅子に座れば千華の細腕に触れながら、取り留め重要では無い話をし始める。

 「……あたしの婆さんがな、花が好きでさ。
 あの花、“ハイビスカス”って言うんだけど知ってる?」

 花瓶の方へ視線を向けど、瞳は閉じ返事の無いの千華に、寂しい愛想笑いが室内にこだまし遂には目を伏せてしまうーー。
 〝このまま、もし目が覚め無かったら……。〟───そんな想像を振り切る様に頭部を横に数回振れば、再び無理矢理笑みを浮かべる。

 「……なあ、千華。」
 「生体義肢なんて装着してでも、戦う理由って何だ……? お前は死ぬのが怖く無いのか?ーーー ……あたしは怖いよ。」

 「気丈に振る舞って皆を鼓舞させてる振りしてるけど。……実は怖くて仕方ないんだーー。 いつも脚は動かなくなるし、拳は震えるんだ。」
 「……なーんて! 冗談だよ冗談!! ……笑えって」
 
 それは、聞こえない相手だから漏れた本心を隠し、継ぎ接ぎの心で戦場を駆け抜けた少女の本音。 だが、その投げ掛けは届く事も無く。 ーー“願望”だったかも知れない。或いは“嫉妬”だったのかも知れない。
 自己嫌悪に陥ったのか、頭を乱雑に掻き毟りぎこちない笑みを浮かべる。


 「ぁ……千、華……?」


 何の因果か、奇跡か。驚いた様に目を丸くし、一瞬だけ呆気に取られ動けずに居たが、直ぐ様に動いた手を取り、名前を呼びかける。
483神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/23(月)22:21:25 ID:VmL [5/6回]
>>482

夢を見ることすら無い、深い眠りの中か、神埼の意識は急速に浮上していった。
比嘉茜が取った手に、段々と力が入っていく――――強くはない、弱々しいものであるが、確かに意思を持つ人間の力であった。
瞳がゆっくりと開いて、天井を虚ろに見つめる。その意識が、彼女のことを知覚するよりも先に、漏れ出た意思が口をついて流れ出る。

「……こんなところで……寝てなど、いられるか……!!」

――――戦いは今も続いている。ならば神埼もまた、戦い続けなければならない。
ゆっくりと、その瞳が茜へと向けられた。暫くしてその焦点が合い始めると、ようやくそこに見慣れた顔があることを認識する。

「……比嘉……お前か……」

神埼千華は義務教育の段階からアイアスの霊装使いとして従事している、年齢で言えば彼女のほうが年上であるが、それ故に彼女とは対等に接している。
それからそこが、アイアスの医務室であることを認めると――――先の戦いの顛末を思い出す。結果として、暗殺自体を止めることは出来たが。
神埼自身は……ギャラルホルンに敗北した事実を思い出し、歯噛みして。

「“誰か”のな……怯える声が、聞こえた気がしたんだ……私は……」

――――暗い闇の底で、誰かの声を聞いた。
その内容までは分からなかったが、その声は震えているように聞こえた。だから助けなければと、身体が足掻き出した。
そうして気付いたら、今、此処に居る。無様な敗北を乗り越えながら……それでも此処に帰ってきたのは。

「恐ろしくとも……怖かろうとも……立たねばならんのだ……それが私にしか、出来ないことなら……!!」

どれほどの恐怖に駆られようとも、戦場に立たなければならない……否、“立ちたい”。
例え手足を削ぎ落とされようとも。代替品と薬物で無理矢理に身体を動かさなければならないとしても、だ。
484比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/23(月)22:57:35 ID:gAo [2/2回]
>>483

 「お、おいっ! まだ安静にしてないと駄目だって! 」

 開口一番の言葉とは思わない台詞に思わず、苦笑半分。安堵半分。ーー正直、幾つかの管に繋がれていた彼女を初めて、見た時にはもう駄目だと思っていた。……でも、心の中では茜はそれでいいと思っていた。
 無論、そのまま目覚めては欲しくは無いと言う訳では無い。だが、彼女が再び目が覚めれば、まだ戦(いくさ)に向かい、また“傷付く”。 今度は手足では済まないかも知れない。 其れが、ーー堪らなく怖い。
 
 「取り敢えず、……えーと……。 連絡だよな…?」

 まず、起きたら何をすべきかと考えながら、少し小首を傾げながら、漸く先ずは連絡するべきだと思案し、無線で何やら慌てながら連絡を取れば千華の様子を伝える。
 暫く経ち、呆れた様な半目で千華の方を眺めれば、やれやれ、と。肩を上げ首を横に振る。


 「あーーっ! 起きた早々にそんな無茶すんなって!!
 全く! 千華! お前はあたし以上に馬鹿だなっ! ーーいいか、暫くは絶対安静っ!」
 「何で此処は血の気の多い奴等は多いんだよー!」

 慌てて千華の動きを制止する様に、ベッドに肩を押さえ付ける様に強く握る。
485 : 神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/23(月)23:34:18 ID:VmL [6/6回]
>>484

「安静になどしていられるか……まだ戦いは続いている、ならば……!!」

兎に角、大人しくしていることは苦手な神埼である。
負傷してからはそれなりに落ち着きを見せたものの、その本質自体は変わっていない……動き回る場所が後方に変わっただけだ。
身体を起こそうとして無理矢理ベッドの押し込められる……となれば、怪我人で、不具の身体だ。

「おい、比嘉……くっ、両手さえあれば……!!」

霊装使いとして鍛え上げられている彼女の生身には、流石に分が悪く、大人しくベッドの中に押し込められるのであった。


「――――それで、戦いはどうなった」

呼び出された医師たちが、てんやわんやで走り回って、暫くして漸く落ち着いた後。
手首から伸びる管の先、点滴がぽつりぽつりと落ちるのを、特に気にする様子もなく、彼女へと向けて問い掛けることだろう。
勿論、ある程度は把握している――――だが、自分がやられた後のことを知るのは、流石の戦場人間と言えども不可能なことであり。

「結果はどうなった。こちらの被害と……向こう側の被害は」

芳しくない状況であることだけは理解できる。
自身が出ていったときで既に、ラグナロク内に侵入されているような状況だった。あのときは、自分が出るしかなかったとは言え。
やはり不覚を取ったことを後悔しながらも、比嘉茜へと問いかける。
486比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/24(火)00:01:09 ID:lNc [1/2回]

 「ーーぅぅ……本当に良かった…ッ!!」

 遅れて溢れ出て来る涙を溜めながら、年相応に喜び。それを分かち合う様に、千華を暫く強く抱擁しながら、遂には情け無く鼻水が垂れ落ちる。
 然し、こんなにも嬉しい事は無い。ーー比嘉茜にとって、自身より歴の長い神埼千華は戦友で在り、心の拠り所だったのかも知れない。


 「そ、そうだっ! 頭は痛くないか!? 寒く無いか!? 腹減った? え、っと、えっと……。」
 「取り敢えず、ーーお、おかえり…?」

 直ぐ様、バッと。手を離せば何とも間抜けな顔で次々と心配する言葉を投げ掛けると、唸り声を上げて、何時もの様に変わらぬ笑顔で〝おかえり〟──と言うよく分からない言葉である。
 そして、やって来た医師の動きを暫く視界にぼんやり捉えながらも、林檎を器用に皮むき小皿に移しながら時間を潰す。


 「ははっ! 雷火も同じく様な事聞いてきたぜ?
 お前達、案外似た者同士かもな!」
 「……んー、端的に言えば“惨敗“だなっ!」

 少し前に不破雷火の様子を伺う為に、訪れたが彼女もまた状況を教えてくれと言われた事を思い出して、思わず顔がにやける。ーーそして、結果を端的に伝えれば、これまた朗らかに笑いながら頬を掻く。
 その後、概ねの情報を伝えながら林檎を咀嚼する。

 「ま、……夏鈴が無事なだけ良かったってハナシよ。
 あたしから言えるのは、黒い霊装の奴を見たら逃げろって位だな!」

 〝奴はあたしがやる〟───その声はきっと千華には届く事は無いが、一瞬だけ茜の顔が強く翳る。
 その後、「そっちも大変だって聞いたぜー? 」と呑気な声を出しながら爪楊枝に刺した林檎を差し出す。
 
487神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/24(火)00:33:23 ID:o4k [1/4回]
>>486

「うわっ――――!?何だお前は、全く……先ずはお前から落ち着け……!!」

神埼が落ち着いた頃に、遅れてやってくる茜の抱擁を抱き止める。
未だに身体に痛む部分はあるが、それは心配をかけた分で相殺ということにするとして――――はぁ、と溜息をつきつつも。
片手で彼女を安心させるよう、軽く頭を二回叩いた後、頭を撫でる。神埼としては場違いなくらいに、その手付きは母性的ですらあっただろう。

「……ああ、ただいま。心配をかけて済まなかった」

忙しないが、これも彼女が自分を心配しているからこそ向けてくる感情なのだろうと思えば、あまり強く諌める気は起きず。
薄く微笑んで、彼女へと答えを返すのであった。


「……不破か。似た者も何も、私はあいつと同じ相手に……いや、その話はいい」
「やはり……そんなところか」

不破雷火とは、同じ相手と戦い、そして同じ相手に敗北した間柄だ――――似ているとするならば、その事実だけでもそうだろう。
実際、血の気の多さは似たようなものなのかもしれない……最も、彼女に関しては神埼が困る側であったのだが、それはともかく。
報告を聞く限りでは、やはり神埼が何となく予想していた通り。アイアス施設は大きく破壊され、捕虜であった霊装使いは脱走。
多くの霊装使いが傷を負い、そして西條夏鈴が向こう側の兵器として扱われ――――

「……黒い霊装使い。あの女か――――西條が無事だったのは良いことであったが」
「……香坂はどうなった。香坂ミナミは、今どこにいる?」

黒い霊装使い――――あのラグナロク内のジャックの際に、そこに居た者だろうか。
彼女の声を聞くことも出来ず、思考に耽りつつ……捕捉の説明を求める。神埼のとっては旧知の間柄にある、彼女のことを。

「こちらはな……不覚だった。思い返せば、最善手は他に幾つもあったというのに……」
「相手が“人間ではない”と分かっていれば、それもどうにか出来たものを……」

そう切り出して、事の顛末を話す。
霊装が人の形を成したギャラルホルン。初瀬琴音と緋崎寧々と、彼女らの関係性。そして戦闘の経緯……ただし。
防衛大臣についてのことは、神埼の判断によって伏せておくだろうが。
488 : 漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/24(火)01:24:46 ID:9ha [1/2回]
>>481

「馬鹿にしているように聞こえたのなら謝るよ。
 ……けどね、覚悟があることや何かを背負っているということが、進む道が正しい理由にはなり得ない」

滅多にない怒りを露にした夏鈴を前にしても、言葉こそ選んでいるが持論を曲げる気は毛頭ない様子。
樹は彼女が覚悟を決めるより前から理想を抱き続け、海を渡り霊装使いとして本来不適な年齢となった今まで戦ってきたのだ。それこそ大人として、ここまでその信念を掲げ生きてきた人間として譲れない一線がある。

「いいかい。君の年齢の時期は、君の言う誰かのために働けるように基礎を学ぶ時期だ。戦うのはその後でいいんだ……本来ならばね」
「自分がやらなければならない、というのも考えものだね。個々の素質に依存しなければ成立しない社会は、異常だ」
「いずれ遠くない未来に、君以外の子にも同じ事を言えるようにするつもりだよ。
 今はまだ無理だけど、怪物やテロリストと戦う事を大人の仕事に戻して見せる」

こぼれたポテトを片付ける夏鈴へ、子供を諭すように樹は語り、戦うことを選ぶこと、そしてそれを前提とした社会の異常性を説く。
樹の思考回路は、アイアスの中において特異と言える。
他の面子が理不尽な世界のルールの中でいかに足掻くかを考えているとしたならば、樹は自由に動くための抜け穴の突きかた、あわよくばルール自体の変更、可能であれば破壊することまで視野に入れ考え、そしてそれを現時点で部分的に達成するだけの能力を持つ。
それ故に、正攻法で立ち向かう人間の目からすると「馬鹿にしている」ように映りかねないのだが。
そう考えれば、彼女がエジソンの霊装に適性を示したことも、不思議ではないのかもしれない━━━━トーマス・エジソンの功績は発明のみでなく、それらを大量生産し人々に行き渡らせたことでそれまでの社会を一変させ、現代のモノが飽和した世界の礎も築いたのだ。
だがしかし、彼女の目指す「誰でも霊装が扱える世界」は既存の霊装使いたちの意義を揺るがすこともまた事実。実際に「代わりが利かない」という部分を戦う理由としている少女も少なくないが、機霊装はそこを一部否定している。
そして、樹はその否定されるものに対して積極的に踏みにじりこそしないものの、大きな価値は見いだしていないのが現実だった。
489漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/24(火)01:31:32 ID:9ha [2/2回]
>>481

「馬鹿にしているように聞こえたのなら謝るよ。
 ……けどね、覚悟があることや何かを背負っているということが、進む道が正しい理由にはなり得ない」

滅多にない怒りを露にした夏鈴を前にしても、言葉こそ選んでいるが持論を曲げる気は毛頭ない様子。
樹は彼女が覚悟を決めるより前から理想を抱き続け、海を渡り霊装使いとして本来不適な年齢となった今まで戦ってきたのだ。それこそ大人として、ここまでその信念を掲げ生きてきた人間として譲れない一線がある。

「いいかい。君の年齢の時期は、君の言う誰かのために働けるように基礎を学ぶ時期だ。戦うのはその後でいいんだ……本来ならばね」
「自分がやらなければならない、というのも考えものだね。個々の素質に依存しなければ成立しない社会は、異常だ」
「いずれ遠くない未来に、君以外の子にも同じ事を言えるようにするつもりだよ。
 今はまだ無理だけど、怪物やテロリストと戦う事を大人の仕事に戻して見せる」

こぼれたポテトを片付ける夏鈴へ、子供を諭すように樹は語り、戦うことを選ぶこと、そしてそれを前提とした社会の異常性を説く。
樹の思考回路は、アイアスの中において特異と言える。
他の面子が理不尽な世界のルールの中でいかに足掻くかを考えているとしたならば、樹は自由に動くための抜け穴の突きかた、あわよくばルール自体の変更、可能であれば破壊することまで視野に入れ考え、そしてそれを現時点で部分的に達成するだけの能力を持つ。
それ故に、正攻法で立ち向かう人間の目からすると「馬鹿にしている」ように映りかねないのだが。
そう考えれば、彼女がエジソンの霊装に適性を示したことも、不思議ではないのかもしれない━━━━トーマス・エジソンの功績は発明のみでなく、それらを大量生産し人々に行き渡らせたことでそれまでの社会を一変させ、現代のモノが飽和した世界の礎も築いたのだ。

「……まあ、私がいくら言おうと、君が望んでしまえばお偉いさんは喜んで私に機霊装を作らせるんだろうけど」
「随分と酷いことになってしまったからね。当分病院から出られない霊装使いが何人いるのやら。早く、誰でも霊装が扱えるようにしなきゃね……」

心底辛そうに、そうぼやく。
彼女の目指す「誰でも霊装が扱える世界」は既存の霊装使いたちの意義を揺るがすこともまた事実。実際に「代わりが利かない」という部分を戦う理由としている少女も少なくないが、機霊装はそこを一部否定している。
そして、樹はその否定されるものに対して積極的に踏みにじりこそしないものの、大きな価値は見いだしていないのが現実だった。

//加筆しましたのでこちらにします
490比嘉茜◆</b></b>lU6WB2RySM<b>[] 投稿日:19/12/24(火)01:37:53 ID:lNc [2/2回]
>>487

 「はは……予想の範疇だったか? 」

 悲観的にも楽観的にも為らずただ淡々と進められる言葉の返信に、先程の様に取り乱すかと思ったが、案外冷静な千華を横目で見るーー。
 未だに、自信を含め大勢の人達が治療を受け基地は損壊している惨状を聞いても、取り乱さ無いとは流石に肝が座っているな。と。思わず感心した様に呟いた。

  「……ミナミ。香坂ミナミはーー 未だ通信が途絶え捜索中だ。
 あたしと悠花とは違う別の場所でミナミは防衛戦をしてたんだが、敵と交戦の後に音信不通になり消息を絶ったーー。」
 「ま、簡単にやられる玉じゃ無いからあたしは心配してやらねぇけどな!! ……は、別の場所で寝てるのがオチだぜ?」

 其れは千華の心配を掛せない為か。或いは、 自身の不安を掻き消す為か。最後は無理矢理に笑顔で彼女の身は大丈夫だとグーサインをする。
 心中ではきっと大丈夫だと思いながらも、どうも嫌な予感が過ぎる。ーーこういう時の予感は何故か当たってしまうからタチが悪い。


 「人間じゃ無ければ躊躇し無いってのもおかしな話だけどなーー。
 あ、いや……ごめん。 ……そういう話じゃないよなー。」
 「ま、正直な話だ。ーーあたしは知り合いを本気で殴る事は無いと思う。……あたしの拳は人を殴る為では無く、人を守る為の拳だからな!」

 茜の精神とオリハルコンの性能は極めて相性が悪く。如何に適合霊数値が高くても茜が本気になる事は無いだろう。ーーそれで、死んだとしても仕方無いと納得してしまう程だ。
 アナスタシアの戦いの際でも、その性能は発揮され、死のやり取りでさえ躊躇してしまう。

 実際、西條夏鈴を殴る時でさえ武装を無しでないと殴れない程にーー。

 「……でもな。千華ーー。お前が全部背負う必要は無いからな。
 お前はもう少し人を頼ることを覚えてもいいんじゃないか? 困った時は助けを求めてもいいんだぞ。」

 「っと、悪ィ、長居し過ぎたな!
 じゃ怪我人は早く治せよ~!ーー物事を焦り過ぎるとろくな事にならないってな~!」


 その強い眼差しは何処か、千華が遥か遠くへ行かない様に釘を刺した言葉で在りながら、それ以上に己をもっと頼って欲しかった願望なのかもしれないーー。
 少し長く話過ぎたかと…?と思い時計を見れば思ったより長くなっていた事に気付き、惜し気ながらも嵐のように退場した。


//一応これで〆です!ありがとうございます!!
491◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/24(火)20:50:19 ID:o4k [2/4回]
>>489

「……そうですか」

凝り固まった頭に対して対話は無意味だと悟るほどには、西條夏鈴は悟っているわけではない。
ただそれでもそこで溢れようとする言葉を抑えることが出来たのは、彼女が恐らくは悪い人間ではない、ということにある。
たとえ彼女に悪感情を抱いたとしても、彼女を糾弾するべきではないし、自分の思想を押し付けるべきではないのだから、そうして押し留めたのだ。
そこに思うところが幾つあったとしても。

「漆原さんは、漆原さんで頑張ってもらえればいいと思います……私は私で、頑張ります」
「それが私の答えです。……望んだ答えではないと思います、すみません」

彼女の考えに恭順するつもりはないが、尊重する――――なので、こちら側に必要以上の制止は必要ないという意思表明。
恐らくは彼女が求めている答えでないことは重々承知している。
だが、一度自分で決めた覚悟は、この程度で曲げることは出来ない。

「……まあ、私が戦えるかは……結局まだ分からないんですけれど」

そこまで言っておいて、そもそも現在霊装ミドガルズオルムは“起動する”以前の問題であった。
体内にそれがあり、最低限の条件が整っているだけのこと。それが再使用できるのかも、分からないのが現状であるのだが。


/機霊装の量産に関しては、世界観が大幅に変わってしまうため、何らかの大量生産できない理由をご用意頂きたいです
/此方で用意させていただくことも可能です☆
492 : 神埼千華◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/24(火)21:20:12 ID:o4k [3/4回]
>>490

「……まあな」

本当に、想定している中での最悪であったことには間違いないのだが。
取り乱している場合ではないことだけは分かっている。今自分が目覚めたのであれば、次にやれることを考えるのが先決だ。
狼狽えるのは一人でもできる――――だが、立て直すのは一人では出来はしない。

「――――そうか。香坂の奴め、また無茶をしたな」

彼女の言葉から、香坂ミナミに関して、状況は――――最悪を想定するならば、その時点で死亡していることも考えられる。
霊装使いは決して無敵の存在ではない。……然し、それを口にすることはなく、短く言葉を切った。
彼女が、無理をしているのは、神埼が外側から見ただけでも理解できた。

「いや、お前はそれでいいだろう。お前はそれで、お前にしか出来ないことがある……それを続けていけばいい」
「無理に変わる必要はない。そう思えるのも、立派なことだと――――私は思う」

誰かを傷つけられないということは、欠点でもあるが、美点でもある。
多分、そういう人間にしか出来ないこともどこかにある――――神埼にはそれがない。どうしたって、敵を打ち倒すのに躊躇がないのだ。
だから恐らく、どこかで神埼には綻びが来るだろう。その危険性は、きっとオリハルコンの彼女の方が大きいだろうが――――

「――――言うものだな、茜」

小さく笑ってから、彼女の背中を見送った。
ベッドに再度身体を横たえる。自分の足で施設を見て回りたいところであるが、実際本当に身体がズタズタになっているのは肌感覚で分かる。
今は彼女の言う通り、身体を治すのに専念させてもらうことにする――――


「……阿呆め。それはお前も同じことだろうが」

/それではこちらからもこれで〆で、ありがとうございました!!☆
493◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/24(火)21:38:03 ID:o4k [4/4回]
>>478

「よくぞ帰ってきてくだいました――――ギャラルホルン」

甲板の上を、歩む足音。
片手で杖を突きながら、ゆらりと揺らめくように、女はそこに現れた。
甲板を歩く彼女の目の前へと辿り着いたのであれば、穏やかな微笑みを乗せて、アナスタシアは彼女へと向けて微笑みかける。
異形の人外、霊装存在、ギャラルホルン。その凄絶な状況に対しても、退くことが無いのは、その事情を知るから……である、以上に。
精神的に、逸脱しているからだろうか。

「ああ、こんなにも傷ついて……戦い抜いたのですね。なんと痛々しい、すぐに治療しましょう」
「如何に貴女といえども……こんな姿では、あまりにも。ああ、貴女には食事のほうが良いでしょうか……」

先ずは彼女のその姿を嘆いた――――まるで真っ当な感性でも持っているかのように。
有刺鉄線で傷跡も、頭部を穿った風穴も……まともに考えれば治療方法などあるわけでもなく、霊装である彼女がまともに治せる筈もないが。
全て、会話のための方弁であった。

「それで――――ギャラルホルン」

本題はここからだ。恐らくは、彼女自身も容易に予想がつくような……。

「作戦は……霊装は、どこに?」

/まだいらっしゃれば……!☆
494 : [email protected]ディーコンセント・ジョン[] 投稿日:19/12/25(水)00:52:04 ID:CTK [1/1回]
>>493
アク禁してみろやアフリカアフリカ
495漆原樹 ◆</b></b>9pJkcQeq3ibk<b>[] 投稿日:19/12/25(水)02:32:41 ID:rC6 [1/1回]
>>491

「そうかい……包み隠さず言うなら、残念だ。君も何か言いたいことがあるなら言うといい」
『嫌われるぞ』
「手遅れだね」

何かしら含みがあることに気がつかないほど、樹は鈍感ではない……ただ、夏鈴とは違い性格上それを明け透けに言ってしまう。
夏鈴と樹の価値観のどちらが正しいのかは、恐らく時間が何かしらの形で答えを出すのだろう。
それは自身や友人が無惨な姿に変わり果てた時かもしれないし、歳をとって自身の子供をその腕に抱いた時かもしれない。
研究成果が全てがらくたとして廃棄される時かもしれないし、研究が子供を更に戦線へ送るよう逆に働いてしまった時かもしれない。

「私に君の件が振られたならば、使用できるよう全力を尽くすよ……それとこれとは、話が別だからね」

主力の霊装使いが軒並み負傷した現状のアイアスは、戦力不足も甚だしい。
機霊装であれアームズが元の霊装であれ、戦力となるなら是非とも用いたい状況だろう。
大人として、仕事に私情をこれ以上持ち込まない。
アイアスへ戻るに当たり、その事を樹は自戒してはいる……今回のように、しばしばそれは破れるが。

「おっと、もうこんな時間。邪魔したね。お大事に」

ふと時計を見ると、針はかなり大きく動いてしまっている。
電動車椅子を動かし、部屋の外へと出ていけば。

「……霊装使いってのは、どうしてこうも皆、命知らずなんだろうね……」

ため息をつきながら廊下を行く彼女の脳裏には、もう二度と逢うことはない、若き日の友の姿が浮かんでいた。

//こんな感じで〆でどうでしょうか
//理由については、核兵器や戦艦のように軍事力強化に繋がるため条約等での制限及び国家方針上あまり大々的に予算等を与えられていないという政治的理由、といった形でどうでしょうか

 
496◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/25(水)22:27:36 ID:LUD [1/2回]
>>495

「……いえ、私から言うことは……何も」

言いたいことは山程があるが、言うべきことはなにもない。
出かかった言葉を胸の内でぐっと堪える。口論がしたいわけでも、相手を論破したいわけでもないのだから、それでいい。
ただ、自分には自分の意志が合って、意見があって、人生がある。
大人だから、と下ろされた言葉を、そのまま鵜呑みにして頷いていられるほどに、軽い気持ちでアイアスで戦っているわけではないのだから。

「あ、はい……それでは」

そうして彼女のことを見送るだろう。その背中に特に掛ける言葉はなく――――ベッドへと、西條夏鈴は腰を下ろす。
気づけば部屋中に充満している油の匂いに少し眉を顰める……ゴミ箱の中に臭いのもとがある以上は、仕方のないことではあるが。

「……大人なら、電話は切ってから話してほしかったな」

これぐらいは言っておいたほうが良かっただろうか、なんていう不満をぽつりと病室で呟くのであった。
所詮は子供だからなのだろうが、そういう部分の積み重ねか、それとも後付で気に入らないところを探してるのか……なんてことを考える。


/それでは、私からはこれで以上になります、絡みありがとうございました!
/政治的な理由よりも、技術的なものの方が望ましいですね
/製造自体が非常に複雑である、製造そのものが危険を伴う、莫大なコストがかかる等の方が霊装という存在を貶めずに済むかと思います
497 : ◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/25(水)22:42:44 ID:LUD [2/2回]
「……基地の被害は甚大……霊装使い達も……動ける者は何人残されているか……」

基地の中を一人、神埼千華は歩いている。
車椅子は使用せず、簡素な義足と杖だけを片手に、覚束ない足取りで――――回復からそう立っておらず、まだ安静が必要であったのだが。
少なくともこの現状で大人しくしていられるような人間ではないことは、アイアスの誰もが知るところであった。
自ら被害状況を把握し、次に打つ手を考えなければならない……が。

「……中々、難しい状況だな」

香坂ミナミが消息を絶ち、人質は奪還され、基地への直接攻撃すら――――この状況から、事態を好転させるには。
最早、躊躇しては居られない。猶予は残されていない、ラグナロクに対して……一度、大勝負を仕掛ける以外に無いように思えた。
神埼自身の思考も、アイアスの現状と合わさって余裕がない状態ではあったが……少なくとも、それ以外には無いように思えた。

「ならば、海外への支援要請も検討せねばなるまい……或いは……“完全状態の霊装”の使用も……」

――――破壊された、鉄の隔壁の前で立ち止まる。
霊装使いにかかれば、この程度の鋼鉄など造作も無いことだろう。霊装に対抗するには、霊装を用いるしか無い……それが誰もが知る事実。
然しこうもしてやられたとすれば……最早、笑いすら込み上げてくるようだった。

「……“反撃”だ。今度は我々が、ラグナロクへと一撃を……叩き込む」

これまで防衛戦に勤め上げてきた、まさしく“盾”の如く――――だが、それでは最早収まらぬ状況へと至ってしまったのだ。
こうなれば最早……猶予もなく、また躊躇をしていられる場合でもない。

「……初瀬さんや……先輩方ならば、どうしていたのだろうな」
498香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/25(水)22:54:35 ID:Mv2 [1/1回]
「…………」

少女は独り、暗闇の中で座っていた。
徐々に広がっていく周囲は、瓦礫の山と所々で火の手の上がる廃墟と化した街。
俯いていた少女が顔を上げた先は、上空に漂う巨大な敵の姿。向こうも少女の姿を見下ろしているようにも言える。
飛び立とうにも少女の背に翼は無く、ただ座り込んで見上げるしかなかった。
ほんの少し奴が後ろへと下がった後、少女目掛け一直線に飛び掛かって来る。口元らしき部位に鋭利な牙のような物をいくつも携えて。
大きな口を目前にて開け、少女の上半身まで覆った辺りで閉じた――――。

「……ぉ……めろぉ……くるな……やめろォ!!!」



妙に見覚えのない天井が視界に広がる中、少女は一人目を覚ます。
ベットの上に寝かされていた身体をぎこちなく動かすと、包帯で至る箇所を巻かれた身体が視界に入る。

「……生きてるのか、私」
「フフッ、相変わらず悪運だけは強いみたいだ。いや、これは私に生きろと言っているのかもね」

職務上、医務室の世話になる事は多かったが、今いる場所は少女の記憶の中には一つとして一致していなかった。
一面白色の、窓の一つもベット以外何一つとして置かれていない殺風景な部屋。
ここに入れられては、さっさと脱出しようという気も起きなさそうだ、なんて考えながら。

「さて、ここに居ても何にも出来なくて暇だし、さっさとトレーニング部屋でも、って痛てて!?」

床に足の裏を付けた途端に身体を駆け抜けていく激痛。思わず即座に足を引っ込め、ベットの上でのたうち回る。
ついでに打ち付けた後頭部を摩りながら思い出す。自分がこうなった経緯を。
確かラグナロクの霊装乗りと交戦し、派手にやられて……そこから先が全く思い出せない。
少しずつ疑問が浮かぶ。自分はアイアス本部に回収されたのか。ここは何処の医務室なのか。そもそも、自分は本当に生きているのか。

「私が起きたってコト、誰か気づいてないかな。この部屋の事も聞けばわかりそうなモンなんだけどな……」

少女が自らの置かれた境遇を知るのは、どのくらい先の事になるだろうか。
499◆</b></b>IGj4cxKAww<b>[] 投稿日:19/12/26(木)00:09:17 ID:y1F [1/3回]
>>498

「ふんふふんふふーん♪」

下手くそな鼻歌と、乱暴な足音が、彼女の下へと近づいてくることが分かるだろうか。
妙な響き方をしていた。おおよそアイアス本部のそれでは聞くことのない音の響き方であった。そして鼻歌の主は――――
扉の前に立つと、どんどんと乱暴にノックする……というより、蹴りつけるという方が相応しいだろうか。

「おい、生きてっか!!飯の時間だぞ!!」

そして特に返事を待つこともなく、中へと乗り込んでくることだろう。
小柄な身体に、ふわふわとした癖毛の金髪。その姿には見覚えがあるだろう――――ベアトリクス、と呼ばれる少女だった。
両手で抱えるお盆の上には、更に乗ったフィッシュ・アンド・チップスが鎮座していた。
起き掛けの、怪我人に対して供するものとは到底思えない、重たいものであった。

「おっと、変な気起こすんじゃねえぞ!怪我は治療してやったけどな、一人で暴れて生きてられるとは思うなよ!」

――――まるでその立場は、すっかりと逆転しているようですらあった。
彼女と顔を合わせたときには、ベアトリクスが“囚われている”側だった。だとしたならば、今の彼女は――――

/本日はこのレスで終えてしまいますが、よろしければ!
500◆</b></b>XNxhytt0SU<b>[] 投稿日:19/12/26(木)10:10:23 ID:lmg [1/1回]
>>493
「おいっすアーニャ、相変わらず心籠もってないねぇ」

差し伸べられた手を怒りのままに払い除けるでもなく、ギャラルホルンはただ冷笑した
彼女にとってアナスタシアは、ラグナロクの中でも特に信用ならない存在である
それゆえに独断で動き、ラグナロクの本部にも滅多に寄り付かないのだ

「はいこれ、霊装の核部分……三つね」
「この子達とは意思の疎通もできない……つまりまだ完成してないってコト」

しかし彼女に付き従っているうちは、彼女はラグナロクのあらゆる力を与えてくれる
働きに見合った褒美はくれるのだ。無碍に扱われたり、理不尽な思いをすることはなかった
ゆえにギャラルホルンは霊装核の入った袋を投げ渡して、静かに微笑みを浮かべる

「何かトリガーがあれば使えるようになるんじゃないかな?」

破壊された足では彼女の僅かな体重を支えるのにもやっとのようで
首を傾げればエメラルドの髪が揺れると共に、その体がぐらりと傾いた

「それよりもさ、霊装って普段なに食ってんの?」
「滅茶苦茶お腹空いてるんだけど……胃袋がなんにも受け付けないんだよねぇ」

ここまで大きなダメージを受けたのは初めてだとため息混じりに伝える
ギャラルホルンは傷付いた霊装を修繕する場面を見たことはない。大体がそのままアームズに喰われるなど死を迎えるからだ

試しに動植物を食べてみたが、ただ腹の中に異物を詰め込んでいるに他ならなかったようで
しかし空腹感があるということは、何かしらを食べるよう体が求めているのだと、アナスタシアの知識を求めた
501香坂 ミナミ◆</b></b>m0rWcMMSzY<b>[] 投稿日:19/12/26(木)20:38:41 ID:jWt [1/1回]
>>499
若干不安に感じていたタイミングで聞こえて来る足音と奇怪な歌に少しばかり安心感を覚えつつ。
少々乱暴に開かれる扉と共に目前に姿を現したのは、いつの日かアイアス本部で見た少女の姿。

「キミは……ベアトリクス……だったよね?」

彼女の状態はおかしいはずだ。少女の記憶の中では、彼女はアイアス本部にて拘束されていたはず。
そんな彼女が何故出歩いているのか。知らぬ間にアイアスに協力するようになっていたのか。
疑問は尽きないが、それよりも問題なのは彼女の持つ、恐らくは少女充ての食事だろうか。

「うーん……私に食事を持ってきてくれるのは有難いんだけど、病み上がりの人間にはちょっと重くないかな?」
「私が想像してたのは、おかゆとかそういう消化に優しそうなものをだね……」

現状としては暴力的ともいえる食事を前に、少々顔の引きつる少女。
とはいえ現状まともに身体を動かす事も出来ない状態では、目の前に置かれた以上は突っぱねる事も出来ない。
少女の